「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

「Jerry'sギター」代表&編集長「MASH & ハードパンチ編集部」が贈る毎日更新の「痛快!WEB誌」

「スターマンアルチ」が贈る「爆音レコード45回転」(最終回) ボズ・スキャッグス

2020-02-05 13:31:01 | アナログ盤(レコード)
新年が明けてからあっと言う間に一ヶ月が経ってしまいました!
「1日1日を無駄にせず、大事に生きなきゃなー」
と思う今日この頃です。
 
お久しぶりです。
スターマン☆有地です。
皆さんお元気でしょうか?
 
この数か月は、毎日早朝の30分のランニングをこなしながら、
偉大なロックレジェンド達のライブが記録された
VHSビデオ(DVDやブルーレイじゃないですよ!まだお宅にあります?ビデオデッキ!)
を整理する日々を送っておりました。
 
いきなりの発表で申し訳ないのですが、
Mash氏が機会を与えてくださり、ちょうど一年前にスタートした当コーナーは、
今回が最終回となります!
 
今まで、「愛と偏見に満ちた私の戯言」にお付き合い頂いた皆様
本当にありがとうございました。
 
さて、連載最後に編集長「MASH氏」から送られてきた45回転シングル盤は、
 
ボズ・スキャッグス!
しかも彼のキャリアで最も売れた1976年のアルバム
「シルク・ディグリーズ」からのシングル
「Lowdown」「Harbor lights」のカップリングです。

アルバムはアメリカだけで500万枚を売り上げ、
「Lowdown」はその年のグラミー賞最優秀R&B楽曲賞を受賞する程の名曲なので、
何と言うか、僕自身の感覚としては
「定番中の定番」「王道中の王道」と言った感じなのですが、
今では誰も「シルク・ディグリーズ」やボズ・スキャッグスについて語ることは残念ながら、ほとんど無い状況ですので、
簡単に説明したいと思います。
 
ボズ・スキャッグス!
僕の印象、というか彼のことを少なからず知っている人の印象は
 
「クロおおおおおズザウィンドおおおおおお」
 
という何とも粘っこくダンディで哀愁を感じる
男のフェロモン全開のボーカルで聴かせるバラード
「We 're all alone」のイメージが強い!
 
特に日本では、アルバム「シルク・ディグリーズ」を始めとするオシャレで洗練された
「都会的ロック」の旗手のような扱われ方をしており、
実際、彼自身もある時期までそのイメージに即した音楽をやっていました。
 
しかし、元々はアメリカでブルースを基調として根強い人気を誇る
「スティーヴ・ミラーバンド」のギタリストとしてデビューしており、
そのルーツの重要な部分には「ブルース」がある!
 
後にボズをはるかに凌ぐレコード売り上げを記録し、
アメリカの国民的ロックバンドになるスティーヴ・ミラーバンドですが、
ボズ自身は初期の数枚に参加した後に脱退!
 
その後は、アメリカ南部の土臭いアーシーなアルバムを発表し続けましたが、
セールス的には今いち伸び悩み、月日ばかり過ぎていく・・・・

ただ、セールスには結び付かないまでも、
サウンド的には非常に素晴らしい作品を残しています。
特に1969年発表のアルバム「Boz scaggs」では、
あのデュアン・オールマンが最高のギターソロを披露した、
12分に渡るべったりしたブルースナンバー
「Loan Me a Dime」が収録されており、
ボズの音楽的な土壌の深さとセンスを感じます。
 
彼の一番の武器というか、
特徴は、なんといってもその「ボーカル」!
ブラックミュージックの影響を受けつつ、
決して黒くはなく、当時のロックの主流だった「シンガーソングライダー勢」の
淡々とした歌い方とは似ても似つかない
「べったり張り付く粘っこい歌声!」
こういう書き方をすると、あまり魅力を感じないかもしれませんが、
一度聴けば分かります。
 
彼の「オンリーワンな歌声」に!
 
今回紹介するシングル曲が収録されたアルバム「シルク・ディグリーズ」は、
彼の今までの音楽スタイルからすると、
アメリカ南部の農村地帯から、突然、大都会ニューヨークのど真ん中に来たような変貌ぶりなのですが、
彼の変わらないボーカルが、いくら演奏やアレンジを変えても
「色あせない普遍的な魅力」を与えているのです。
 
では、このシングル盤について紹介しましょう!
まずはシングルA面の「Lowdown」
まずTOTOのメンバーで、38歳で急死したジェフ・ポーカロのタイトなドラムから始まる!
この時点でシングル盤特有の「重さ」を感じるぞ!
 
そこにファンキーなベースとキーボードが絡み合う。
驚くことは、エレキギターはひたすらカッティングでリズムを刻むのみで、
決して目立つ事無く、サウンドの基礎を支えていること!
 
これは完全にブラックミュージックの方法論で、
当時主流だったシンガーソングライター勢や、
ハードロック勢とは全く異なり、
当時のロックミュージックでは、まったく異例な斬新なサウンドだったのです。
 
その影響力はすさまじく、
今までアコースティック主体で、どちらかと言うと
フォークやカントリーを基調としていたシンガーソングライター勢が、
こぞって「シルク・ディグリーズ」に参加したセッション・ミュージシャンを起用したりして、
同じような都会的な洗練された音楽をプレイするようになったのです。
 
僕自身、何度「シルク・ディグリーズかぶれ」の没個性な音楽に針を落としたことか・・・・
 
僕の敬愛する渋谷陽一氏も語っておりますが、
ボズ・スキャッグス自身は非常に革新的な素晴らしい音楽を作り上げたものの、
それを模倣するミュージシャンがあまりに増えたため、
ロックが、均一化された「イージーリスニング」になってしまったのです。
 
その多くのミュージシャンは既に消えてしまいましたが、
現在でもボズ・スキャッグスは精力的に活動し、
定期的にアルバムも発表しています。
要するに「オリジナルは強い!」といことです。
 
このシングル曲「Lowdown」はその曲や歌詞の内容を超えて、
「オリジナルであることの重要さ」を僕に教えてくれます。
 
何かをしようとした時、誰かの真似をするのでなく
誰もやっていなかったことをする事。
 
それはとてもハードな事ですが、
実際、ボズはそれを見事やってのけましたし、
現在も残っているロック・レジェンド達も同様に、
今までになかった「オリジナル」な音楽を作ってきました。
だからこそ、ロックミュージックは僕の人生を変え、
今でもまだ、生きるエネルギーを与え続けてくれているのです。
 
僕は今まで、このコーナーでロックミュージックの魅力、
特に45回転シングル盤に特化して皆様にお伝えしてきましたが、
 
「これを聴けば人生が変わる」とか
「これを聴けばハッピーになれる」
なんてことはあり得ません。
 
そんな甘いことを考える事典で、
それこそ「ただ真似しているだけ」で、
僕が最も大嫌いな新興宗教やら、
うさんくさいセミナーと一緒です。
 
僕にとっては、たまたま扉を開いてくれたのが
「ロック」だっただけで、
それが全ての人に当てはまるとも思わないし、
押し付けようとも思いません。
 
ただ、日々生きる中で「何のために生きるか」、
「自分はこれだ!」という特別な何かを見つけることが出来れば、
もっと楽しく生きることが出来るのは確かです。
 
そんな「特別な何か」を、より多くの人が見つけ、
ため息をつく代わりに、周りの人に笑顔を振りまければ良いなーと思うのです。
 
ただ、最後に言わせて頂くと
「ロックミュージック」って本当、素晴らしいですよ!

もしあなたが「何か」を見つけられていないのでしたら、
騙されたと思って、とりあえず聴いてみてください。
 
そこには、今まで感じられなかった「何か?」があるかもしれません。
 
僕がこちらのブログで語るのは今回が最後ですが、
編集長「MASH氏」とこの度、副編集長に昇進された「ハウリン・メガネ氏」が「Take2」として
引き継いで頂けるとのこと。
さらに「音楽の魅力」を読者皆様にレコメンドしてくれるでしょう!
 
ぜひ、彼らの熱いパンチを浴びながら、
「自分の人生の大切な物」を見つけて欲しいと
心から思っています。
 
今までありがとうございました。

スターマン☆有地でした!


《スターマン筆》

「ジェリーズ」最後のお客様は?そう!「ゴードン&ファミリー」さ!

2020-02-01 13:28:03 | アナログ盤(レコード)

「ジェリーズ」名義

そしてこの様な店舗での
対面営業(物販)を開始して早19年…
 
これってアスリートなら、
「なかなかの現役生活だった!」
と我ながら思うところ。
 
さて、閉店作業中の最後の最後に
鎌倉へ遊びに来てくれたのは
このブログでもお馴染み
「ゴードン」(&ファミリー)
なんだ!
 
彼らの成長が
「そのままジェリーズの歴史」
みたいなもんだろ?
このブログでもなんと
「結婚前の記事」
から登場しているのでチェックしてみて!
 
そしてゴードンと言えば
THE WHO!
 
というワケで、当然鎌倉での
「ファイナル・ヴァイナル」
はWHOの大名盤というコレ!
「トミー」(UKオリジナル盤)
「WHO’s next 」(USオリジナル盤)
 
そして俺が手にする
「Woodstock」
(2500セット限定 DVD Box)
もGETだ!
 
もちろんソレらを入れる
「大型ユニオンジャックbag」
はオマケで差し上げたゼ!
 
kids達も可愛く成長して、
俺も実に感慨深いもんがあるんだよ!
 
とにかく1月31日を持って
「ジェリーズ」は閉店致しました!
長い間本当にありがとうございました!
 
今後の事は、追い追いコチラのブログにて
諸々と発表予定です!
楽しみにお待ち下さいね!
 
とりあえず今は、このブログをよろしく!
じゃあバイバ〜イ!
 
《編集長「Mash」筆》
 

「スターマンアルチ」が放つ!「爆音レコード!45回転」〜今夜この曲をあなたに〜 (ボブシーガー編)

2019-09-26 09:30:35 | アナログ盤(レコード)

「神は僕たちの苦しみを測る概念(コンセプト)だ」

 
と、ジョン・レノンはビートルズ解散後、
最初のアルバムである「ジョンの魂」に収録された
「神(GOD)」という曲で歌っている。
 
小学生の頃、初めて聴いた時から
今でも、僕に鮮烈な衝撃を与え続けるメッセージなのですが、
僕はふとこう思うのです。
 
「幸せを測るものはなんだろう?」と。
皆さんはどう思いますか?
何をもって自分が幸せだと認識するのか…
その基準みたいなものはあるのか。
 
これには人の数だけ様々な意見があると思いますが、
僕の結論としては
「自分が幸せかどうかは自分で決める」ということ。
これに尽きると思います。
 
よく「隣の芝生は青い」なんて言いますが、
これは他人と自分を比べて判断しているわけで、
もちろん、比較した上で、
「もっと(自分は)こんな人間になろう、
 こんな人生にしよう」と努力するのでしたら良いのですが、
 
「あいつと比べて俺の人生なんて…」
 
とネガティブになるようでは意味がありません。
そして、そういう人達に限って、
謎の新興宗教だったり、うさんくさいセミナーだったり、
ろくな社会貢献もしていない
「なんちゃってフリーランス」達(もちろんそうでない方もたくさんいらっしゃいますが)に
「あなた、それで幸せなの??」と言い寄られて
足をすくわれ、
自分のテリトリーに誘い込まれたりするのです。
 
とにかく僕は昔からそういう人たちが大嫌いで、
「うるせえ!俺が幸せかどうかは俺が決めるんだよ!」
と言って顔面に一発お見舞いしたくなる。(笑)
 
やっぱり、自分自身のしっかりとした
「幸せの物差し」が無いと駄目なんだと思うんです。
もちろんそれは、経験を重ねるごとに変化していくものだとも思う。
 
なぜこんなことを言うかと言うと、
今回紹介する、アメリカのシンガーソングライター
「ボブ・シーガー」、彼の人生と言うか
生き様を見ていると、強くそう感じるのです。
 
御年74歳。ベテランの域を超え、
「大」ベテランと言って良い彼ですが、
1965年にデビューしてから永く陽の目を浴びず、
地元ミシガンでクラブやらバーで演奏をし続けていたそうです。
 
その長い下積みの末、
1976年にシルバーバレットバンドと組んでリリースした
「Night Moves」が全米チャート8位まで上昇。
 
1980年リリースの「Against the Wind」
(風に立ち向かう馬のジャケットのヤツです。良いですねえ~)
では、悲願の1位、しかも六週間に渡りその座を独占し続ける、
超の付く大ヒットを記録し、押しも押されるスーパースターの仲間入りをしたのです。
 
この時は既に35歳。
たとえば、同じアメリカを代表するロックンローラーである
ブルース・スプリングスティーンや
ジョン・メレンキャンプと比べても、随分と遅咲きなイメージがある。
 
当然、周りからは
「いつまでそんなことをやってるんだ!」
「そろそろ、まともな職に就いたらどうだ?」
なんて言われたりしたでしょう。
 
実際、ボブ・シーガー自身、
「自分より年下のバンドの前座を演って、
 そして彼らがどんどんビッグになっていくのは辛かった」
と語っていました。
 
ここで今回の盤の話をしましょう。
ボブ・シーガーの成功のきっかけとなった
1976年のアルバム「Night moves」のタイトル曲である
 
「Night moves」と「Ship of Fools」のカップリング。
 
正直、これ以前の彼の作品と比べて、
とくに音楽性に変化があったような感じはなく、
「なんでこれがいきなり売れたんだろう?」
と思うような、非常にシンプルで渋く土臭いアメリカンロックと言えます。
 
やはり「継続は力なり」ということでしょうか。
ようやく陽の目を浴びた彼のボーカルには、
ぶれない力強さを感じます。
 
当時の評価がどうかはわかりませんが、
日本での人気がいまいちパッとしないのは、
この渋さというか、音楽的な地味さと、
「カントリーミュージック的」な部分にあると思うのですが、
「しっかり抑えられたルーツ寄りの演奏」は、
今こそあえて聴いて欲しい!と思うのです。
 
ちなみに鍵盤はオルガンとピアノの2人編成。
この辺りブルース・スプリングスティーン&Eストリートバンドに共通していて良いですね。
 
B面「Ship of Fools」も、同様のミディアムテンポのナンバーで、さらにカントリー色が強く、
と言うか同時期のカントリーミュージックてこんな感じだろうな、と思うぐらい全編にわたり美しいスティールギターが響き渡る1曲。
 
目を閉じるとアメリカの草原が浮かぶような、
全ての楽器がシンプルながら溶け合った統一感があります。
 
大ヒットしてからの彼は、だんだんギターもボーカルもハードでラウドになって行き、もうスピーカーごしに彼の汗が飛び散ってきそうな迫力があるのですが、僕自身としては、アコースティックギターを基調としたこの時期の方が断然好みです。
 
さてさて、話を最初に戻しましょう。
「幸せの物差し」についてですが、
アメリカの有名なジャーナリストであり、コラムニストである「ボブ・グリーン」氏が、1980年、それこそスーパースターの仲間入りを果たした人気絶頂のボブ・シーガーにインタビューした際、こんな質問をしたのです。
 
「15年かけてようやくビッグになった今、あなたにとって、永い間執拗に追い求めてきたこの夢は、
想像通りの心地よい(Sweet)なものでしたか?」
 
すると彼はこう答えました。
 
「そりゃそうさ、最高だよ」
 
ここまでの話だと、よくあるスーパースターのサクセスストーリーです。
 
ただ、この話には続きがあります。
 
その後、インタビューを終え、
ライブが終わり人がいなくなったアリーナを出口に向かって歩いていたら、ふとボブ・シーが―が立ち止まりこう言ったそうです。
 
「いや、さっきのは本心じゃない。
 実際は考えていた程良いもんじゃなかった。
 こんなもんだとは思っていなかった。そんな気がするよ」
 
いかがでしょうか?
この彼の言葉で何を感じるかは人それぞれあると思います。

もちろん彼自身、成功を手にすることが無ければ
いつまでも夢を追い続けていたかもしれませんので、成功しなければ分からないことでしょう。
 
ただ、結局どんな成功をした人でも
夢を叶えた人でも、それが幸せかどうかなんて
本人にしか分からないのです。
 
だからこそ、
人生は「他人と比べてどうか」でなく、
「自分との戦い」なのだと思うのです。
どんな時でもぶれない自分の価値観というか
アイデンティティを持つこと。
 
まさに、ボブ・シーガーが歌う
「Against the wind(風に立ち向かう)」です。
 
それは僕がロック・ミュージックから教わったことであり、今もなお、音楽を聴き、演奏し続ける理由でもあるのです。
 
これを読んでいるあなたが、
もし「何か」を見つけられていないのでしたら、
ロック・ミュージックが、そのきっかけになれば良いなー!なんて思います。
 
まずはボブ・シーガーから初めてみるのも良いでしょう!
 
ちなみに、今回紹介したボブ・グリーンによるコラムは、「アメリカン・ビート2」という本に掲載されています。
こちらもぜひ併せてご覧くださいませ!
 
また僕が出演し熱く語った書評番組をぜひご覧になって下さい!
以下のYouTubeでどうぞ!
                 ↓
(第一回)
(第二回)
 
チェックです!
 
(企画・編集・校正・加筆リライト「Mash」)
----------------------------------------
ゲストライター陣紹介
〈Starman☆アルチ〉
 
俺「Mash」のバンド
「マッシュルームハイ」の現メンバー
ドラム、キーボード、広報担当。

ジェリーズ軍団では
「ハウリンメガネ」
「ジョーカーウーマン」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成

「スターマンアルチ」が放つ!「爆音レコード!45回転」〜今夜この曲をあなたに〜 (カンサス編)

2019-08-22 09:42:00 | アナログ盤(レコード)
毎日蒸し暑い日々が続く8月です。
連日、外に出るのが危険なぐらいの猛暑と報道されていて、
各家庭でも、街の色々な施設やらショッピングモールとか、とにかく至る所で、
冷房をガンガンに効かせています。
 
こんなに電力を使っているのに、
数年前まで大きく叫ばれていた
「電力不足」
は一体何だっただろうと思う今日この頃です。

あの「原発が停止しているため、可能な限りの節電を」と
呼びかける東京電力のアナウンス。
(関東限定でしょうか?)
 
そう言えば、当時のYahoo Japanのトップページには、
「現在の電力使用状況」という類のグラフまで掲載されていましたっけ。
まるで「原発が再稼働しないと、あなた達の生活は大変なんですよ~」
と、国と企業が束になって、我々民衆を脅迫している感じ。
 
でもご安心ください。
あの頃よりも、圧倒的に暑い夏がやって来ている今ですが、
電力不足を大々的に報じるメディアはいません。
あの脅迫的な報道は何だったんだ!
と叫びたくなるのですが、
要するに電力は足りているのです。
 
だからってどんどん電気を浪費しましょう!
というわけではなく、
何事も無駄遣いは良くありません。
 
やっぱり夏は、ある程度汗をかかないと代謝も悪くなりますし、
体温調節の機能も麻痺してしまいます。
 
代謝が悪くなると、当然太りやすくなるわけで、
色んなダイエット方法が溢れている昨今、
一旦冷静になって考えれば
「運動=ダイエット」という、
もっともシンプルで基本的な解決方法に辿り着くはずなのですが、
「楽して痩せたい」というユーザーの願望を満たすため、
多くの企業は創意工夫、研究を重ね、あれこれと「これで楽して痩せます!」的な
商品を売り出すわけです。
 
話は少しそれましたが、何が言いたいかと言うと、
 
国やメディアは常に根拠のない情報操作で、
我々の不安を煽り、統制しようとしています。
そんな中、毎日雪崩のように押し寄せる情報(そして誘惑)を自分で精査し、
何が正しいかを見極める「自分の価値観」を持つことが大事なんだと思います。
 
その姿勢こそが「ロック」なんだと、僕は思うのです。
 
この記事を書いている今日、
僕の住んでいる藤沢の気温は最高35.0℃でしたが、
僕は毎日のルーティーンである
「30分のランニング」をこなしました。
 
と、強がってはいますが、
こちらの編集長「MASH氏」のようなトレーニングを日々積んでいない僕は、
さすがの暑さで少しフラフラ…
頭痛もしています。

ただ、この暑さの中でハードに戦った!
という、何とも言えない充実感があります。
 
そして、この「戦っている感覚」も、
「ロック」なんだと、声を大にして言いたい!
薬物にトリップする時代はとっくに終わりましたからね。
 
やはりこれからは、ポール・マッカートニー、ボブ・ディラン、ミックジャガー等の「師匠達のような
「演り続けることの強さ」から学んでいかねば、と思うわけです。
 
さてさて、そんな中、今回、MASH氏から送られてきた45回転シングル盤に針を落としました。
 
今回紹介する盤は
「カンサス」の1976年のアルバム「Leftoverture(永遠の序曲)」からのシングル
「A面:Carry On Wayward Son」
「B面:Questions Of My Childhood」
のカップリングです。
 
以前、地名を冠したバンドということで
「アメリカ」の盤を紹介し、
その際、カンサスというバンドが存在することも紹介しました。
 
しかし、「アメリカ」以上に「カンサス」というバンドについて、
話をしたことがないし、当然「カンサス好きです」という人に会ったことがないのです。
 
「カンサス」英語の表記では「KANSAS」。
アメリカ中西部に位置する州の名前なのですが、
この言葉を聞いて第一に思い浮かべるのが、
何と言っても、
「Ah~Kansas city!!」というポール・マッカートニーの熱唱でお馴染み、
ビートルズによるカバー、その名も「Kansas City」でしょう!
 
どうもそのイメージが拭えないのですが、
このバンドは「カンサス」と名乗った理由!
以前、「アメリカ」というバンドについて書いた記事で、
メンバーがバンド名に託した想いについて紹介しましたが、
カンサスの場合、
単純にカンサス州を中心に活動していたから名付けたそうで・・・・
 
そのエピソードから分かるように、カンサス。
一般的に「アメリカン・プログレッシブロック」等と表現されていますが、
プログレなど「何処吹く風」というような、
あっけらかんとした明るさがあります。
 
この「プログレッシブ・ロック」という言葉(ジャンル)について少し説明しましょう。
 
50年代の「ロック創世期」から、
その音楽は「シングル盤(45回転)」が中心で、
基本的に2分30秒~3分前後のものがほとんどでした。

シングル盤よりも、多くの曲を収録する事ができる
「LP」は、価格も高く、当時は「シングル盤の寄せ集め」というイメージで、
特に若い世代にはあまり浸透していなかったようです。
 
60年代に入り、ビートルズが、LPアルバムを、
単なる曲の寄せ集めでなく、一つの統一性を持った作品として制作し、
そこから、アルバムを一つのコンセプトに基づき制作する
「コンセプト・アルバム」の考えが広がっていきました。
 
そして、60年代後半から現れたバンド達、
代表的なのは「キング・クリムゾン」「イエス」「エマーソン・レイク&パーマー」等が、
所謂「プログレッシブロック」のバンドとされており、
一曲が20分を超えるほどの大作を多く発表しています。
 
もちろん、ただ延々と同じビート、アレンジで演奏しているのではなく、
その間にリズムチェンジもあれば転調もあり、幾つかのパートに分かれて構成された、
要するに「組曲」、クラシックにおける「交響曲」のようなことをロックで演ってみよう!というのが
「プログレッシヴ・ロック」の発想なのです。
 
そして、そうなると当然、
クラシックの影響の強い「キーボーディスト」がバンドの主導権を取る傾向が強くなり、
プログレッシヴ・ロックというジャンルでは、僕の敬愛する「キース・エマーソン」
「リック・ウェイクマン」を始めとする、それまでギタリストの影に隠れて脚光を浴びなかった
「スターキーボーディスト」達が登場します。
 
さて、そんな「プログレッシヴロック」ですが、
イギリスを始め、ドイツ、イタリア、オランダなど、クラシックの影響が強い国々で、
多くのバンドが誕生してきました。
 
じゃあ、イギリスと並ぶ、
もう一つの「ロック大国」であるアメリカはどうかと言うと、
60年代から70年代にかけて、
たとえば「オールマン・ブラザーズバンド」や
「ポール・バターフィールド・ブルース・バンド」
またはアル・クーパーが多くのミュージシャンとの共演を記録した「スーパーセッション」等で、
20分近い演奏を繰り広げることがありました。
 
ただ、これらは「ブルース」をベースにしたアドリブ(即興演奏)で、
その時々のミュージシャンの調子や、メンバー同士の掛け合いにより演奏のクオリティが左右され、
クラシック的に緻密に計算された「プログレッシブロック」とは、全く異なるものでした。
 
やはりヨーロッパには「クラシック」、
そしてアメリカには「ブルース」
という音楽が根底にあり、
たとえば生まれ育った地域の方言が中々抜けないように、
その血というか、土壌は中々乗り越えられないんだなーと、僕は思っていました。
 
さて、話は戻りますが、
今回紹介する「カンサス」は、
一般的に「アメリカン・プログレッシブロック」と呼ばれています。
 
正直言うと、僕の中のイメ―ジでは、
プログレッシヴロックは、イギリスを中心としたヨーロッパの物であり、
アメリカ人がそれらしいことをしても、やはりアメリカの土壌というか、
ブルース等のルーツミュージックの影響は隠せず、
ただの「ロックミュージック」に聴こえてしまうんじゃないかと思ってしまう。
 
同じアメリカのプログレッシブロックとしてカテゴライズされているバンドは、
「ボストン」「ジャーニー」「スティクス」などなど、
うーむ、どちらかと言うと、僕が敬愛する渋谷陽一先生が名付けた
「産業ロック」という言葉が良く似合うバンドばかりじゃないか。
 
その中で「カンサス」は、もっとも
「アメリカにおいて、最もプログレっぽいバンド」だと思っていて、
彼らのアルバム、特に1970年代までは、
文学的な歌詞だったり、キーボードを中心とした緻密なサウンドだったりは、
ヨーロッパのプログレッシブロックに通じる部分がある。
 
ただ、先ほども言ったように、やっぱり彼らのサウンドは「明るい」。
ボストン等よりも、もっと深みのある、プログレっぽいサウンドですが、
イギリス勢のそれとは違う、
その絶妙さがカンサスのオリジナリティであり、
最大の強みだと僕は思っています。
 
今回紹介する「A面:Carry On Wayward Son-B面:Questions Of My Childhood」も、
1976年にリリースされたもので、
バンドにおいてはバリバリの「プログレ期」の曲。
 
では、針を落としてみましょう!
今回は特に、
「アメリカのバンドにプログレが出来るのか?」という
部分に着目して聴いていきたいと思います。
 
レコード特有のチリノイズの後に聴こえてくるのは、
「Carry on my wayward son(疲れ果てた我が子よ、前に進むのだ)」
から始まる力強いアカペラのコーラス。
 
イギリスのプログレ勢で感じる、
ヨーロッパ的な霧がかった湿ったサウンドは一切なく、
コーラスなんてCSN&Yやカントリーミュージック的な、
太陽に照らされた爽やかさを感じる。
 
ギターなんては、なるべくブルース的なフレーズを排除したり、
曲もクラシック的なコード進行を加えて工夫しているのですが、
さすがに「歌」まではごまかせないなー、と痛感。
そこには、実に明るく美しいコーラスが響き渡ります!
 
演奏時間は5分ですが、その間に細かいリズムチェンジがあったり、
一瞬ピアノを中心としたバラードっぽいアレンジになったり、
ハードなロックサウンドかと思いきや急に、
エレキギターが一切カットされ、カントリーぽくなったり、
ギター、キーボードが互いにソロを掛け合ったりと、
しっかりと考えて作り込まれたアレンジで、
アルバム1枚をぎゅっと凝縮したような密度とダイナミック感があります。
 
「よくこれだけのアレンジを5分にまとめたなー」と感心してしまいます。
 
カンサスのドラマー「フィル・イハート」は、
ドラムを学びにイギリスへ渡り、
そこでプログレッシヴロックに出会ったことから、
そのサウンドを取り入れた方向に転換したそうなのですが、
 
イギリスのプログレをリスペクトしながらも、
しっかりと自分達のオリジナリティに消化している辺り、
ミュージシャンシップと、ロックの美しさを感じる!
 
さて、次にB面「Questions Of My Childhood」に針を落としましょう!
いきなり、ピアノの激しいタッチによるバッキングと、オルガン、シンセサイザーの
軽やかなリフが絡み合い、
キーボーディスとの僕としては、「大好物」な一曲。
 
カンサスには、キーボーディスとが二人もいるので、
2台の鍵盤によるアレンジが実に豊富!
 
この曲はもちろん、他の作品を聴いていても、
「あっ!こんなアレンジがあるのかー」
と、一人拳をぐっと握りしめてしまいます。
 
そして驚くべきことに、エレキギターの音は全く聴こえません。
アコギのバッキングが後ろの方で薄く聴こえる程度で、
その代わりに、重要な位置をしめているのが、
メンバーの「ロビー・スタインハート」によるヴァイオリン。
 
この人は、基本的にヴァイオリンと歌しかやらない、
ロック界でも中々珍しい「ロック・ヴァイオリニスト」で、
カンサスのサウンド、特にこの曲では、通常のロックバンドが、
リードギターを演奏するような個所で、ヴァイオリンのソロが入る。
 
彼のサウンドは、クラシックでは無く、カントリーミュージック的な、
どちらかと言うと「フィドル」と呼んだ方が良いような、
軽やかで陽気なプレイが多く、
それがカンサスの演奏の特徴の一つにもなっています。
 
さて、ここまで聴いて思うのは、
「えっこれってプログレなの??」ということ。
もちろん、シングル盤ですから、
アルバムとは違いポップで短めの曲が選ばれているのは確かですが、
 
どうも「アメリカン・プログレッシブロック」という言葉が、
彼らのイメージを捻じ曲げてしまっているように思えてしまう。
 
どの音楽もそうですが、
実際に「カンサス」の音楽を知るには、彼らの音楽に針を落とすしかないのです。
 
針を落とせば、縦横無人に広がる、
45回転シングル盤ならではの美しい世界があります。
 
最近、色々な人と話していて、
「これ、ネットでこんな評価でしたよ!」的な言葉をよく聞く。
まるで、自分の価値観や信念を、自分自身で決めるのではく、
インターネットなど、他人の評価で決めてしまっているようで、
毎回、悲しくなってしまいます。
自分の考えを否定されること、多くの人と自分の意見が違うことを、
極端に恐れているように思います。
 
安倍首相の言葉が詭弁か
真実かを見極めるように、
 
世に出回るダイエット商品の美辞麗句が
本当か否かを見極めるように、
 
その音楽が素晴らしいかどうかは、
最終的には、自分自身で決めるしかないのです。
感動するのは自分ですからね。
 
僕は音楽を通じて、
自分自身の価値観でしっかりと判断すること、
信念を持つことを教わりましたので、
 
そういった人が
「今後、少しでも増えれば良いなー」
と思うばかりなのです。
 
そして、良い音楽は、
必ずあなたの肩を
そっと「一(ひと)押し」する糧になるはず!
 

さあ、僕と一緒に

今夜も45回転シングル盤に針を落としましょう!

(企画・編集・校正・加筆リライト「Mash」)
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ゲストライター陣紹介
〈Starman☆アルチ〉
 
俺「Mash」のバンド
「マッシュルームハイ」の現メンバー
ドラム、キーボード、広報担当。

ジェリーズ軍団では
「ハウリンメガネ」
「ジョーカーウーマン」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成
 

「スターマンアルチ」が放つ!「爆音レコード、45回転!」〜今夜この曲をあなたに〜(レオン・ラッセル編)

2019-07-18 09:20:23 | アナログ盤(レコード)

最近、レコードの片づけ&振り分けも一段落し、

(ちなみに僕はこの2か月近くクラシックばかり聴いていた)
10代の頃さんざん聴き漁っていた
ジョージ・ハリスンの一連のソロアルバムに針を落とした。
 
「慈愛の輝き」
「クラウド・ナイン」
「33 1/3」
「ジョージ・ハリスン帝国」
「ダーク・ホース」....
 
一日にこんなに沢山のジョージのソロを聴いたのは初めてかもしれない。
(ちなみに「オール・シングス・マスト・パス」は途中で止めてしまった)
 
皆さん、最近聴いてますか?
ジョージのソロ。

かつて狂うように聴き漁ったアルバム達ですが、
10数年経つと、さすがに印象は変わるもので、
その一枚一枚、一曲一曲のレビューを書きたいところですが、
今回は僕が一番衝撃を受けたことだけを書きたい。
 
「ジョージのボーカルって、ホント、ジョージなんだなー」
 
ということ。
当たり前じゃん!
と思うかもしれませんが、
実は、これってスゴイことで、
批判覚悟で、愛を込めて言わせて頂くと、
ジョージ・ハリスン。
正直、決して歌の上手い人ではない!
 
ジョージの歌声は、むしろ、声量も無いし、声の線も細く音域も広くない。
CDではある程度補正されているのかもしれませんが、
レコードで集中して聴き込むと、どれだけ彼のボーカルに
不安定な部分があるかが良くわかる。
 
でも、そんなことはどうでも良いのです。
ただ一つ、重要なこと。
それは、一回聴いただけでジョージだと分かる
「オンリーワン」な歌声だということ。
 
彼の歌いまわしは本当に独特で、
聴き込めば聴き込むほど、メロディに言葉を載せる時の、
独特のフレーズの数々にはっとさせられる。
 
最近の音楽を聴いていると、
誰でもみんなしっかり音程もピッチも補正&加工されていて、
生の人間が歌っているのに、どうも温かみを感じないことがある。

そんな中、ジョージの真に迫る
「生々しい歌声」は、
改めて「音楽とは何か」「歌とは何か」
を考えさせてくれるのです。
 
じゃあ今回はジョージの盤なの?
と言いますと、
申し訳ありません。違います!
 
今日ご紹介するのは、
「レオン・ラッセル」
1972年発表のシングル
「Tight rope/This Masquerade」
45回転シングル盤なのです。
 
ロック好きなら
ジョージ・ハリスンとレオン・ラッセルの関係性
をご存じかと思いますが、
1971年にジョージが主催したチャリティコンサート
「バングラデシュ難民救済コンサート」
にレオンが出演したり、
レコーディングに参加するなど、
「とても仲の良いお友達」である彼ら。
 
なぜ冒頭でジョージの話を持っていたかというと、
レオン・ラッセル。
彼もまた、ジョージと全く声質もスタイルも異なりますが
「一回聴いただけで分かる」
ボーカルの持ち主だからです。
 
2016年に74歳で亡くなったレオン・ラッセル。
残念ながら、幾つかのチャンスを逃し、
彼の音楽を生で聴くことが最後まで出来なかった僕ですが、
今ではすっかり忘れされた感のある彼の音楽を、
この機会に、
少しでも多くの人に知ってほしいと思います。
 
僕の中で、彼のイメージは、
同じくアメリカ出身のピアノマンであり、
惜しくも6月にこの世を去った、
「ドクタージョン」と重なる部分があるのですが、
ニューオーリンズサウンドを、
後世に伝えることに拘り続けた
ドクタージョンと異なり、
レオン・ラッセルはより貪欲に色んな音楽を取り入れ、
自分流にアレンジして世に出しておりました。
 
そんな彼の最も有名な仕事と言えば、
カーペンターズによってカバーされた
一連の名曲
「A song for you」
「Super star」
そして今回紹介する
「This Masquerade」。
 
その他にも、
BBキング
レイ・チャールズ
ジョージ・ベンソンなど、
人種も世代も乗り越え、
多くのレジェンド達が、彼の歌を取り上げています。
 
そして、シェルターレコードを設立したり、
ジョー・コッカ―の「Mad Dogs & Englishmen」をプロデュ―スするなど、
どちらかと言うと、
作曲家、プロデューサーといった「裏方」のイメージもある彼ですが、
彼のソロアルバムを聴けば、一瞬でそんなイメージは引き飛んでしまいます。
 
もう何も言わずに今回の盤に針を落としてほしい!
 
まずはA面の「Tight rope」。
アルバム「カーニー」の1曲目を飾る曲で
言わずと知れた代表作の一つ!
 
ニューオーリンズ的なマーチングビートに載せて、
シンプルかつ味わい深いピアノに、
彼のべったり張り付くような、
しゃがれたボーカルが絡み合う!
 
一度聴いただけだと、
「ブルースっぽい」ロック。
よく、デラニー&ボニー等と共に、アメリカ南部発というだけで、
「スワンプ(沼地)ロック」と表現されたりしますが、
そんなジャンル分けが意味を成さないほど、
聴けば聴くほど、レオン・ラッセルの音楽の引き出しの多さが溢れ出すのです。
 
ちなみに、この曲が収録されている
「カーニー」は、本当にバラエティ豊かで、
アメリカ南部のみならず、
ニューヨーク的な洗練されたアレンジや、
ケイジャン音楽(フランス移民により、主にルイジアナ州を中心に広がった音楽)まで含まれた
「アメリカ音楽の玉手箱」的なアルバムなのです。
 
アルバムが素晴らしいのはもちろんなのですが、
あえて、A面B面で1曲ずつに絞られ、
更に音質の良いUS盤45回転で聴くことで、
より曲の魅力、更に言うと
「レオン・ラッセルの音楽の深み」
に触れることが出来るのです。
 
イントロから始まるピアノによる
シンプルなコードの連打は、
改めて聴いてみると、アメリカのルーツというより
「ビートルズ的」なポップさを感じる。

レオンのボーカルや、その間を縫うように入るスライドギターが、それを感じさせない程、
上手くアレンジされていますが、
実は結構ポップな曲なんだと再認識。
 
実際、歌と歌の間で聞かれるピアノなんて、
ペダルを踏んでしっかりリバーブさせた、
ブルースというより「クラシック的」なアレンジ。
 
それこそ、彼の最も有名で、最も異色な名曲
「A song for you」
に通じるものがあるのです。
 
これに関しては、僕の愛読書である、
渋谷陽一先生著の
「ロック ベスト・アルバム・セレクション」
でも紹介されており、
セッションミュージシャンとして注目され始めた若き日のレオン・ラッセルは、
何とあの偉大な「ピアノ」ロックンローラー、ジェリー・リー・ルイスのバンドに「ピアノ」で参加しているのです。

参加したはいいものの、
自分の実力不足を痛感した彼は、
改めてクラシックを3年間学び直したそうな。
 
彼のミュージシャンとしてのストイックさを物語るエピソードですが、
彼の音楽に、ドクタージョンほどのルーツさを感じないのは、
このように、色んな音楽を貪欲に取り込む姿勢があったからなのだと言うのが理解できます。
 
ただ「tight rope」の間奏で聴かれる
所謂「ホンキートンクピアノ」と呼ばれる、
当時のアメリカ南部の酒場なので演奏された、
少し調律の狂ったアップライトピアノの音を再現している辺りに、
「俺のルーツはここだぜ!」
という魂を感じるのも事実です。
 
そんな彼の貪欲な姿勢は、
B面の「This Masquerade」
でも強く感じることが出来ます。

カーペンターズ
そして、偉大なジャズギタリストである
ジョージ・ベンソンによる大ヒットでもお馴染みのこの曲。
 
この「Masquerade(マスカレード)」の意味は「見せかけ・虚構」
さらには「仮面舞踏会」という意味もあるそうな。
 
おっ奇しくも、最近この世を去った、
日本の超有名プロデューサー「J」のグループの代表曲と同じじゃありませんか。
 
それはさて置き、
どっぷりアメリカ南部アレンジの「Tight rope」と対を成すように、
都会的なアレンジの「This Masquerade」。
このシングル一枚で、レオン・ラッセルの音楽の深さを感じることが出来る、
ナイスなカップリング!
 
アルバムでは冒頭1分近くヴィブラフォンによる孤独を誘うイントロがありますが、
シングルではカットされており、
もう少しダイレクトでキャッチーなアレンジとなっております。
 
「This Masquerade」のような、
コードも多くお洒落なアレンジ程、
ピアニストとしては、ガンガン弾きたくなるものですが、
この曲では、レオンのピアノは全く聴こえません。
終始、ボーカルに専念しており、
それがより、この曲のスペシャル感を引き立てています。
 
ギタリストにも共通することですが、
ピアニストと言うものは、ついつい、
自分のこだわりに溺れて、客観性を欠いたソロ演奏を続けたりすることがありますが、
レオン・ラッセルは自分のソロアルバムでは、
決してそういうことは無く、
派手さはなく地味ながらも効果的なピアノを弾いています。
 
「ピアノマン」としての彼の演奏を聴くなら、
ジョー・コッカ―の「Mad Dogs & Englishmen」をぜひおすすめしたい!

特に、ボブ・ディランのカバー「北国の少女」は、
ギターのストロークをピアノで再現し、ボブの名曲に新たな魅力を加えています。
 
もし彼の最もソウルフルな演奏を聴くなら、
前述した「バングラデシュ難民救済コンサート」。
 
ローリング・ストーンズのカバー
「Jumpin' jack Flash」
にのみ注目されがちですが、
その後に演奏される「Young blood」がイイ!

このイントロにおける、バンドが加わる前の、
彼のアドリブが入ったピアノ弾き語りは、
彼のルーツである「ゴスペル」を最も感じることができ、わずか数十秒ながら、もっとも「至福の瞬間」とも言えるサウンドなのです。
 
レオン・ラッセルの音楽の魅力、
深さは、どんな言葉で、どれほどの時間を費やしても足りません。
 
そして、何度も聴くほど、その音楽は五臓六腑に染みてくるのです。
 
僕は今回、この記事を通じてレオンラッセルの音楽の魅力を伝えると言うより、
彼の音楽へ触れる「最初のきっかけ」になってほしいと思います。
 
そして、そのきっかけが
「45回転シングル盤」なら最高でしょう!
さあ、まずは盤に針を落としましょう!
 
 
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今日は「LPの生まれた日」だって知ってる?

2019-06-21 12:31:44 | アナログ盤(レコード)

1948年の今日

LPレコードが始めて誕生した!
 
とは言え、レコード業界はこの
「ロングプレイレコード」には懐疑的でね…
しばらく78回転のSP盤が主流だったんだよ。
 
で、10年後の58年でさえ
45回転のEP盤(シングル盤、ドーナツ盤)
が全盛で、それじゃこのLP時代ってなると
60年代以降って話になるのよねぇ。
 
もちろんクラシックやジャズの世界では
いち早くLPが入り込んではいたけれど、
それでも一部の人にしか聴かれていない状況で
60年代ロックの台頭により、
晴れてLP時代を迎える!と言ってイイネ。
 
今日はそんなLPレコードに想いを馳せつつ
1日を過ごして行こうと思う!
えっ?
「いつもそうでしょ!」
って?
 
読者諸君、上手いこと言うなぁ…
 
御名答!
さあ、今日は何のLPから回そうか!

《ジェリーズ・グループ代表 MASH》
 
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「マッシュルームハイ」広報部長「スターマンアルチ」が放つ!「爆音レコード、45回転!」〜今夜この曲をあなたに〜(第六回は「ベンチャーズ」)

2019-06-20 14:54:21 | アナログ盤(レコード)

若者のギター離れが叫ばれて久しい…

そんな今日この頃です。

確かに、ひと昔前には良く見かけた
エレキギターを担いだ「バンド少年」的な
高校生って最近あんまり見かけないなー
 
それが日本だけならまだしも、
本国アメリカでもそう!
だと言うのですから、いよいよ
「ロックミュージックは無くなってしまうのでは?」
と、危機感を感じている僕です。
 
そんな矢先にMASH氏から送られてきた盤が、
こちらのシングルなのです。
 
ベンチャーズ!
1965年のシングル盤です。
A面は、ベンチャーズと言えばこれ!
という程の代表曲「ダイアモンド・ヘッド」
 
B面は、ボブ・ディランやアニマルズを始め、
多くのミュージシャンにカバーされた、
アメリカのトラディショナルソング
「朝日のあたる家」
 
この2曲について、詳しいデータに基づいてレビューを書く、
ということを本来するべきなのかもしれませんが、
その前に、まずはベンチャーズを知らない方々のために、
「彼らがどんなバンドなのか?」
ということを書きたいと思います。
 
ベンチャーズ!
1959年に結成され、
1960年に「Walk don't run」でデビューした
アメリカのロックバンドです。
 
当時の音楽業界の主流は、
一人の歌手+バックバンドという図式で、、
実は純粋な「ロックバンド」はそれ程多くなく
ビーチ・ボーイズのデビューが1961年、
ビートルズのデビューが1962年なので、
ベンチャーズは、所謂
「ロックバンドの先駆け」的な存在なのです。
 
ただ、ビートルズやビーチ・ボーイズと
決定的に違うところ、それは
メンバー全員が歌を歌う彼らとは異なり、
ベンチャーズは全く歌を歌わない!

楽器の演奏だけで勝負する
「インストゥルメンタル・バンド」
なのです。
 
ビートルズによって
ロックの扉が開かれた僕としては、
全く歌を歌わないベンチャーズは、
何となく物足りない感じで、
もちろんベスト盤のLPを持ってはいたものの、
深く聴き込むことはなく、
「まあベンチャーズはね~」と、
何処か冷めたスタンスを取っていたものです。
 
そんな僕がベンチャーズでまず思い浮かべるのが、
「転校生」をはじめとする「広島三部作」
でお馴染み。
広島出身の僕が敬愛する大林亘彦監督の映画、
「青春デンデケデケデケ」なのです。
(観たことの無い人はぜひ観てください!)
 
四国のド田舎の高校生が、
ベンチャーズに憧れ、
ロックバンドを結成するストーリーなのですが、
オープニングから、高校生バンドが、
ベンチャーズを演奏するシーンから始まり、
思春期の少年の恋愛沙汰も絡めながら、
最終的に高校の文化祭で演奏する。

これこそ、
1960年代当時の日本における
ベンチャーズの存在の大きさを
ダイレクトに感じることができるストーリー
と思って間違い無いでしょう。

「エレキギター」
という未知の楽器の音色を最初から最後まで、
たっぷり堪能する最適な存在が、
このベンチャーズだったわけです。
 
特に主人公が、
町唯一の楽器屋のショーウィンドウに飾られたエレキギターに、
主人公がかじりつくように見つめるシーンなんてたまりません!
 
そこに飾られていたのは、
フェンダーでもギブソンでもなく、
「わけわからんブランド」なのです。
分かる人はわかりますよね?

1960年代当時の日本では、
テレキャスターやギブソンなんては
「超」が付くほどの高級品だったのです。

そんな物も情報も無い中、
音の悪いクソギター
にあこがれるシーンなんて、
「くぅ~」
と拳を握りしめてしまいます。
 
今と違い、物も情報も無い時代でしたが、
だからこそ、純粋に、真剣に音楽と向き合う人が
多かったのだと思います。
 
さて、少し話がそれましたが、
本国アメリカ以上に、
日本における「ベンチャーズ人気」は凄まじく、
我が国の音楽の発展にも大いに貢献したことは
間違いありません。
 
来日回数は70回を超えており、
ほぼ毎年夏の時期に来日する彼らの存在は、
町内で開かれる「盆踊り」と並び
夏の風物詩と言っても過言ではないでしょう。
 
「どうせお金儲けでしょ!」
という声も聞こえてきそうですが、
結成当初のオリジナルメンバーは、
皆死去、もしくは引退しており、
現在残ってるメンバーも、
60-70歳前後という状況!
 
多くのロックレジェンド達は年々死んでいき、
ヒットチャートを賑わす新しいロックバンドも
なかなか出てこない昨今…
歌を歌わず演奏だけで勝負する彼らは、
もはや絶滅危惧種のような存在であり、
「ロックミュージック」
を「後世に引き継ぐための団体」
のようにすら思えるのです。
 
さて、
ベンチャーズについて知って頂いたところで、
今回の盤を紹介したいと思います。
 
前回のヒットメイカーズもそうでしたが、
なんともレトロな60年代特有のデザインが
まず良いですね。当時の定価は370円!
ジャケット裏のライナーノーツには、
「人気ギターデュエットコンビ」
と紹介されており、
「しっかりと写真に居る
ドラムとベースはメンバーじゃないのか?」
とツッコミたくもなります。

この辺りも、まだまだ定着していなかった当時の状況が分かって面白い。
 
A面の「ダイアモンド・ヘッド」は、
彼らの象徴とも言うべき
「テケテケ奏法」
(本当は「クロマチックラン」と言うらしいです。)
が取り入れられており、
これぞベンチャーズ!というサウンド。
 
演奏自体はいたってシンプルなのですが、
実際にこれを演奏しようとするととても難しい!
 
音数が少ない分、
少しでもズレてしまうと良い演奏に聴こえないし、
ドラムなんて、派手なドラムソロもないですが、
しっかりと抑えた落ち着いた音を出す。

ドカドカとラウドに叩くよりも
こっちの方が断然難しいんですよ。
 
楽しいイメージのベンチャーズサウンドですが、
今改めて聴くと
「随分と緊張感があるんだなー」
と再認識します。
 
とは言え、僕はどちらかと言うとB面の
「朝日のあたる家」
スポットライトを当てたいのです!
 
アメリカで古くから歌い継がれてきた
トラディショナルフォークソングで、
ボブ・ディランを始め多くのミュージシャンが
こちらを歌っておりますよね?

「誰のバージョンが好き?」
なんて話で盛り上がれるほどです。
そんな話したことないですが・・・・・
 
ちなみに僕が最初に聴いたのは、
ジョーン・バエズのバージョンなのですが、
最初の衝撃と言うのは後々まで残るようで、
今でも「朝日のあたる家」と言えば
彼女の高らかな物寂しい歌声を思い出すのです。
 
一番有名なのは、アニマルズによるカバーで、
「朝日のあたる家」
と言えばアニマルズ!
を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
 
ベンチャーズが参考にしたのも、
明らかにアニマルズの演奏なのですが、
今回、この盤に針を落とすまで、
僕はちゃんと聴いたことがありませんでした。
 
ニューオーリンズの娼婦の人生を歌ったこの曲は、
歌詞があってこそ意味があるのに、
「歌なし、演奏だけってどうなの?」
と聴く前は思っていましたが、
これが中々衝撃的なサウンドだったのです。
 
イントロから、べったり引きずるような…
そんなブルース感満載の雰囲気。

ベンチャーズのギターイメージは、
リバーブがかかっているぐらいの
クリーントーンのイメージが強かったのですが、
この曲における
ノーキーエドワーズのリードギターの音は、
「本当にベンチャーズ?」
と思ってしまう程ひずんでいる。

それにより、
この曲の持つ「重さ」
がしっかりと表現されているのです。
 
今までベンチャーズと言えば、
白人の代表格で、まったく「黒さ」を感じ無い…
そんなグループだったのですが、
この曲における演奏は、
オーティスレディングなどスタックスソウル、
それこそ「ブッカー・T&ザ・MG's」
のような黒さがあり、
ベンチャーズの「演奏力と音楽の土壌の深さ」
を十分に感じるものです。
 
そこにハモンドオルガンが絡む!
このハモンドも、
「ブッカーTジョーンズ」か!
と思うような黒い演奏で、
クレジットも無く、誰が弾いているのか結構調べたのですがわかりませんでしたが、
これが本当にカッコイイ。
 
限られた演奏時間の中で、
少ない音数でブルージーでジャジーで、
「引きずるような重たさ」と「熱さ」
を表現するのが、どれだけ難しいことか!
 
演奏終盤には、
オルガンとリードギターが絡み合うように
豪快にソロを繰り広げる!

ノーキーエドワーズも、
神様「エリッククラプトン」
顔負けのブルージーで激しい演奏を見せ
「ベンチャーズにこんな演奏が出来るのか!」
と、改めて衝撃を受けた僕。

正直、個人的には
「朝日のあたる家」がA面でも良い!
ぐらいの感動です。
今回も45回転のパンチを
真正面から食らってしまいました・・・・・
 
さて、そんなベンチャーズ。
「今でもメンバーを代えながら活動中」
とお話しましたが、
今年も日本にやってきます!

結成60周年記念で、
7月27日~9月11日まで、
一か月以上かけて全国30公演!
を行う壮大ツアー。

公演日は多すぎて、すべてを書ききれませんので、
ぜひ公式ホームページをご覧くださいませ。
 
http://www.mandicompany.co.jp/TheVentures.html
 
大都市だけでなく
栃木、群馬、福井、岡山、和歌山、佐賀、大分
なども回ってくれており、
地方に住んでいる人にはありがたい!
 
そのほか、
現在のメンバーの詳しい解説
なども写真付きで紹介されています!
 
若い子には、
「いきなりライブを観に行く」
と言うのは中々敷居が高いかもしれませんが、
このブログや、映像などで、
まず「ベンチャーズってバンドがいるんだー」
と知ってもらえたら嬉しい。
 
今の時代だからこそ、
若い子達には逆に「新鮮な音」として
聴こえるんじゃないでしょうか?
 
そこから少しでもギターに興味を持って、
「私も始めてみようかなー」
と思ってくれれば、
それこそベンチャーズのメンバーたちも
嬉しいことでしょう!
 
もちろん、いきなり「シングル盤」
そしてご紹介した「夏の日本ツアー」
から始める!
ってのも良いに決まってますよね!
 
さあ、まずは盤に針を落としましょう!
僕はもう一回「朝日」を浴びよう!
っと。
スターマンでした!
 

(企画・編集・校正・加筆リライト「Mash」)
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君は知っているか?フリートウッドマック(Fleetwood Mac)「ミラージュ」エラー盤の存在を!

2019-06-04 08:48:27 | アナログ盤(レコード)

久しぶりに針を落とす…

フリートウッド・マック(以下マック)
の「ミラージュ」というアルバムだ。
 
全体を覆う「優しいサウンド」は
やっぱりアナログ盤で聴きたい。
と言うよりも、アナログ盤じゃあなきゃダメ。
 
そもそもが「温かい音」
をバンドは奏でたのだから、
キンキンした音ではペラペラの薄々…
良いものもそう聴こえないんじゃ
そりゃあ酷だよね。
 
まあ、お持ちの方は
もう一度針を落として頂き、
お持ちでない方はしっかりと
レコード盤でご購入頂ければ、それでいい。
で、今日はこの盤の「サウンド話」では無いんだ。
 
確かに存在した
「エラー盤」
のお話なんです!
多分、余り知られていないでしょう。
 
写真で見て頂きたい!
「国内オリジナル帯付き」でR!
えっ?どこどこ?
まあ焦りなさんな!(笑)
 
レーベル部をご覧いただきたい。
3曲目「Hold me」は
この盤からの「1stシングル」にもなった曲
にもかかわらず、クレジットが…
 
そう!
マック好きならもうお分り!
「クリスティーンの曲」なのに
「リンジー作」とミスプリントされている…
という「レーベル・エラー盤」なのだ!
 
コレはクリスティーンが
ビーチボーイズのデニス・ウィルソンへの
恋する想いを書いた…と言われる曲。
それをリンジー作と書いちゃあねぇ(苦笑)
 
厳格でミスの少ない「国内盤」では珍しく
そして痛恨のミス・クレジット盤!
もしコレがビートルズのレコードだったら
通常盤より数万円も平気で跳ね上がる盤もある!
っていう「マニアの世界」。
 
もしあなたがこのレコード盤をお持ちなら、
今一度レーベルをご確認下さいよ。
もしかしたら「エラー盤」かもしれないぜ!
 
「これだから、盤は辞められない!」
と、ついつい拳を握る今日この頃…
 
ホント他愛も無いお話ですがね。(笑)
そんな「マニアのお話」。
あなた!嫌いじゃ無いでしょ?
 
 《ジェリーズ・グループ代表 MASH》
 
* 当ブログの「編集長」&「執筆者」
また
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「マッシュルーム・ハイ」広報部長「スターマンアルチ」が放つ!「爆音レコード45回転!」〜今夜この曲をあなたに〜(第五回は「60年代ビートグループ」)

2019-05-23 08:45:34 | アナログ盤(レコード)
さて、前回から少し間が空きまして、
記念すべき「令和」で最初の
Starman☆アルチでございます。
どうですか皆さん?
令和になって何か変わった事とかありますか?

僕はまあ、特に実感も何も無いのですが、
僕みたいな「ロック馬鹿」の場合、
何となく頭の中でデレク&ドミノスの超名曲
「愛しのレイラ」がリフレインのように鳴り響いている今日この頃です。

「レイワ」だけに。
・・・・・・うん、今日もロックだぜ
 
まあ、そんなことは置いておいて、
今回Mash氏から送られてきた
「魅惑の45回転シングル盤」
をご紹介しましょう!
 
何となんと今回は、
「ピクチャースリーブ」!
要するに「ジャケット付き」の日本盤
でございます!
 
1965年リリースの
「ザ・ヒットメイカーズ」による
「ストップ・ザ・ミュージック/恋の願い」
です!
 
このピクチャースリーヴは、もはや
「作品の一部」とも言うべきもので、
たとえば当時、町のレコード屋さんでこちらの盤(当時の定価は400円!)
を手にしたら、このジャケット写真と、
裏面のライナーノーツ(解説)
を見ながらあれこれ想像を張り巡らすわけです。
 
今とは違いインターネットの無い当時、
情報が限られていたこそ、
一つのシングル盤に込められた
「音」を真剣に聴き込むのです。
 
実はこの「ヒットメイカーズ」というバンドに関して、僕も全く知らない状態ですので、
その段階から、しっかり聴き込んでいこうと思います。
 
まずジャケット!
 
現代なら、CGや様々なテクノロジ-を駆使して、
最高に美しくカラフルなジャケットを作れることでしょう!
しかし、それが必ずしも「ベスト」では無いかもしれません。
 
この「1960年代テイスト抜群」の、
モノクローム写真にゴシック体の曲タイトルのコラージュが、まず素晴らしい!
 
そこに、ビデオカメラを挟んだ4人組の姿。
正直何が何だか全く意味が分からないぞ!
何となく一番左の人は不良男の代名詞
あの「ジェームズ・ディーン」似で
大いに期待できそうな感じ。
 
1960年代で「4人組」と言うと、
やはりビートルズが思い浮かびますが、
当時、ビートルズのデビューを機に、
「俺もスターになるぜ」
と楽器を手にした若者たちが、沢山いたのです。
 
ストーンズ
ザ・フー
キンクス
アニマルズ
ヤードバーズ等は、
後の活躍もあり、れっきとした
「大物ロックバンド」
としてしっかりとカテゴライズされていますが、
他の多くは「ビートサウンド」や「ブリティッシュ・ビート」等という言葉で一括りにされています。
 
たとえば、
ジェリー&ペースメイカーズ、
ホリーズ(グラハム・ナッシュがいたバンドですよ!)
サーチャーズ
ハーマンズ・ハーミッツ
マン・フレッドマン
デイヴ・クラーク・ファイヴ
スウィンギング・ブルー・ジーンズ
シーカーズ
ゾンビーズ
フレディ&ドリーマーズなどなど、
 
今ではほとんど語られない
これらの「ビート・グループ」達。
彼らはビートルズ同様、ブラックミュージックの影響を受け、ギターを手にし、何とか数多くいるライバルとは異なる新しいサウンドを見つけ、成功を掴み取ろうと必死だった人達なのです。
 
実は僕、この当時のイギリスの「ビートグループ」が大好きでして、
彼ら一人一人についてのコラムを書きたいぐらいなのですが、
今日の主役は、「ヒットメイカーズ」です
 
当時、多くの「ビートグループ」は、
ビートルズ同様スーツ姿でいることが多いのですが、
彼らはジージャンやらジャケットやらを着て、
少し異彩を放って見えます。
 
「おっこれは隠れた名盤か!」
と思って裏のライナーノーツを読む。
そこには「スカンジナヴィア」の文字。
 
てっきりイギリスのバンドかと思いや、
こちらのバンド、実はデンマークのバンドなのです。
 
デンマーク。うーん、
同じ北欧ですと、たとえば90年代にトーレ・ヨハンソンを中心に日本で大流行した
スウェーデン発の一連の「スウェディッシュ・ポップ」や、
日本のバンドにも影響を与えたフィンランドの「ハノイ・ロックス」ぐらいで、
デンマークのバンドなんて全く思いつかない。
強いて個人的に著名人を挙げるならミカエル・ラウドルップだろうか(サッカー選手です)
 
それぐらい
「ロック未開の地」
というイメ―ジのデンマーク出身で、
1965年当時、日本でレコードを出せるバンドがいたとは!これは今回も、レコードに針を落とす前からテンションMAXの僕。
 
さあ、いよいよ針を落としましょう!
まずはA面「ストップ・ザ・ミュージック」
 
深いエコーとダイレクト感のドラムのビートに、
エフェクターでごまかさない「クリーン」なエレキギターのカッティングが絡む、
 
バンド演奏のグルーヴは本当に素晴らしく、
最低限のオーバーダブでライブ感溢れるサウンド!
それは、後々にデビューした、どんなガレージバンドよりもガレージっぽく、
どんなパンクバンドよりパンクっぽい。
 
また今回もシングル盤ならではの「音の塊」が
僕の脇腹に数えきれないボディーブローを打つ!
 
そこに当時22歳の「ヨルゲン・クラベネウト」のボーカル!
何と言うか、確かに黒人音楽の影響を感じながらも、
エリック・バードンのようにどっぷりR&B!という感じでもなく、
やはり何処か北欧特有のエッセンスを感じるボーカル。
 
一番の驚きはその曲。
日本人好みマイナー調のコード進行は、昭和歌謡に通じる部分もあり、
まさか遠いデンマークからこんな曲が生まれるとは!という衝撃。
 
調べてみると、この盤、当時の日本ではかなりヒットしたそうで、
この「ストップ・ミュージック」をカバーしたグループサウンズもいたそうな。
 
ヒットメイカーズのサウンドは、
どこか日本人の心の底に刻まれたDNAを刺激するような
「憂いだロックサウンド」なのです。
 
今まで数多くの「60年代ビートサウンド」を聴いてきた僕でしたが、
「まだまだこんなバンドがあるとは!」
と、頭を抱える僕。
「そうだ、まだB面があるじゃないか!」
と夢中でシングル盤をひっくり返す。
 
B面は「What you gonna do about it」
この曲名でピンときたあなたは、
「今では」中々のロックマニア。
「ぜひ一緒に酒を飲みながらロックを語ろうぜ!」という感じなのですが
「スモール・フェイセズ」が同年にリリースした曲のカバーなのです。
 
スティーヴ・マリオットの熱~いボーカルに引っ張られた
汗のほとばしるラウドなサウンドとは異なり、
こちら、ヒットメイカーズのバージョンは、
何となくデンマークのイメージに沿った落ち着いたアレンジ演奏。

逆に言うと、
無理に「黒人っぽく、ラウドに!」
という頑張り感ではなく、
自分たちの身の丈に合った表現をしている感じが、
当時の日本で受け入れられたのかもしれません。
 
正直、彼らの盤が、他にどんな物があるか分かりませんし、
逆に言えば、この盤に込められた2曲を繰り返し聴き込むことが大事なのかもしれません。
 
それぐらい、1枚のシングル盤の中にあるエネルギーは凄まじいのです。
特に1960年代は、まだまだレコーディング技術もエフェクターも発展途上。
ごまかしの効かない「一発勝負」な感じが強い。
要するに今と違い「下手な演奏」をごまかせない訳です。
 
きっと、1960年代当時
「ヒットメイカーズ」ぐらい素晴らしい演奏をするバンドが、無数いたことでしょう!

今では全く語られず、消えてしまいましたが、
レコードの溝に刻まれたそのサウンドは、今でも十分な輝きを放つ!
 
それを踏まえ、彼らに敬意を示しつつ、僕らはレコード盤に針を落とし、
そしてまた、音楽をプレイし続けるのです。
 
「愛ゆえに」
 
さあ、皆も、レコードに針を落としましょう!
 
Keep the fire burnin'!
スターマンアルチでした!

(企画・編集・校正・加筆リライト「Mash」)
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ゲストライター陣紹介
〈Starman☆アルチ

俺「Mash」のバンド
「マッシュルームハイ」の現メンバー
ドラム、キーボード、広報担当。

ジェリーズ軍団では
「ハウリンメガネ」
「ジョーカーウーマン」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成


「黒人音楽に特化した連載」を準備!俺「Mash」が書く! その名も「黒盤をよく見て!」(予告編)

2019-05-10 12:12:33 | アナログ盤(レコード)

昔「先生、黒板が見えません!」

なんて言う生徒がいたよね?
 
まあ、段々とPCとかスマホの導入で
「黒板」っていう物もスタレて行く…
のだろうが、こちらの「黒盤」はスタレたらイカン!
 
そう!文字でお分かりでしょ?
黒人の盤!「盤」とはもちろんレコード盤のコト。
コレを残して、伝えて行くのが俺の仕事だ!
 
コレって、やっぱり最近ヤッテイタコト
になるワケでさあ、先日は
「お店のリニューアルオープン」のコトを書いたから
今度は「黒盤のチェック」話しか無いのよねぇ。
 
それじゃあ早速
「黒人音楽ってどんなモノ?」
って話からしようかねぇ。

多くの若い人が
「ラップやヒップホップ」を思い描くだろうけれど、
ここで俺が言うモノは、
「オールドスクール」であり、
その昔の「ブルース」や「JAZZ」まで遡る!
 
要するに
「ポップミュージックのルーツ」から
「80年代のブラコン」や「ストリートラップ」
その辺りまでをテリトリー、と考えて欲しい!
そして、この辺りの盤を
今後ご紹介しようと思う。
 
今日はその予告編とした。
ちなみに来週からは通常の
「木曜日のゲストDay」に戻ります!
引き続き当ブログのご愛読、よろしく!
 
ジェリーズ・グループ代表 MASH》
 
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また
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「マッシュルーム・ハイ」広報部長「スターマンアルチ」が放つ!「爆音レコード、45回転!」〜今夜この曲をあなたに〜( 第四回は「アメリカ」)

2019-04-25 16:05:17 | アナログ盤(レコード)
シカゴ
ボストン
テキサス
ヨーロッパ
ベルリン
カンサス
UK
ナザレス
そして
エイジア....
 
えっ今日は地理の話?
いえいえ、違います。

この世界の国々、都市や地域の羅列でピンッ
ときたアナタは、中々のロックファンです。
 
分かる人は分かると思いますが、(笑)
これ、全部「ロックバンド」の名前なんです!
 
個人的に「ナザレス」に反応する人に、
ぜひぜひお会いしたい気持ちがあるのですが、
その話は、ひとまず置いておいて…
 
例えば、日本で言うと、
「クマモト」
「イバラキ」
と言う名を冠したバンドが
世界中で大ヒットを記録するのか?という話で、
うーむ、どうも冴えない。
 
じゃあ「ジャパン」なら、
結構カッコイイんじゃないの?

と思いきや、僕が愛して止まない
故デビッド・ボウイ師匠の影響を存分に受けた、
「デビッド・シルヴィアン」が、
1970年代の時点で既に「ジャパン」と名乗る
バンドを結成しています。
 
この「ジャパン」というバンドも中々曲者で、
ぜひ、このバンドについて、
熱く語る機会を設けたいと思うのですが、
今回紹介するのは、この「ジャパン」でなく、
「アメリカ」というバンドなのです。
 
「アメリカ」。!
よくぞまあ、こんなスケールの大きなバンド名を付けたものだと、
改めて関心してしまいます。
 
バンドを組んだ事がある人は分かると思いますが、
何てバンド名にしようかなぁ…なんて
メンバーと話し合ったり、
ああでもない、こうでもないと…
色々案を出したりしますよね?
 
そんな時、
まさか「アメリカ」なんてビッグな名前を
誰が考えつきましょう!
例えるなら「イエス・キリスト」とか、
僕なんかだと、それこそ
「デビッドボウイ」
なんて名前のバンドを結成するようなもの。
 
そんな恐れ多いこと出来ない!
という感じですが、
実際に「アメリカ」というバンドが存在する訳で、
これには、ちゃんとした理由があるのです。
 
1971年に
ジェリー・ベックリー
デューイ・バネル
ダン・ピーク
の3人によって
結成された「アメリカ」。
 
結成されたのは、アメリカでは無く、
なんとイギリス。
そして、3人とも、
父親が「ロンドンに駐留するアメリカの軍人」という共通点があるのです。
 
自分達のルーツである「アメリカ」という国、
そしてアメリカの音楽を、
遠く離れたイギリスから見つめる、
そんな想いから「アメリカ」というバンド名を付けたと言われています。
 
彼らには、1972年にリリースされ、
本国アメリカで1位を記録し、
その年のグラミー賞も受賞した
「名前の無い馬(A horse with no name)」
という圧倒的な代表曲があるりあす。
 
マイナーコードのフォーク調アレンジに、
クロスビー・スティルス&ナッシュ(CSN)風の
コーラスが絡み合う、
本当に素晴らしい曲なのです!
 
当時日本でもヒットしたので、
「アメリカ」の話をすると
「ああ、名前の無い馬でしょ!」
と言う人に何人か会ったことがございます。
 
ただ、どうもこの曲のイメージは彼らにとって
今ではマイナスに働いているようで…
 
「アメリカ」のサウンドレビューなどを見ると、
必ずと言っていいほど
「CSN風の~」
「CSNの影響を受けた~」
と書かれている。
 
事実、
「名前の無い馬」のアコギから始まるイントロも、
ステファン・スティルスに似たハスキーなボーカルもコーラスも、とても良く似ている。
というか、明らかに意識しているのが分かる。
 
だからこそ、この曲を聴いた時
「なんか暗いなー」
とか
「CSNだけ聴いておけば良いじゃん」
と思ってしまい、
それ以来「アメリカ」を聴かなかくなってしまう、
そんな人って結構いると思うんですよね。
 
だからこそ、この場を借りて皆様に伝えたい!
 
「アメリカ」は決して
「名前の無い馬」だけじゃない!
むしろ、
「名前の無い馬」以降のサウンド
ソコが素晴らしいんだ!
 
ということを。
 
うーん、今回もレコードに針を落とさぬうちに
テンションが上がってしまった。
 
という事で、本日の盤の話を。
 
1974年にリリースされた「Tin Man」
B面の曲は「In the country」で、
どちらも同年のアルバム「Holiday」に収録されています。
 
今ままで散々語っておいてなんですが、
この盤に関しては、
余計な予備知識や先入観無しに、
ただ黙って針を落としてほしい!
 
A面「Tin man」
まず聴こえてくるのは、
美しいアコースティックギターのイントロ。
 
それは「名前の無い馬」の
重たく引きずるような暗さはなく、
何となく「お洒落なカフェ」で流れていても
違和感のないボサノヴァ調のアレンジ。
 
とりあえず「CSN風」のイメージは
最初の5秒ぐらいで吹っ飛びます。

そこに、ハスキーながら優しさのある
デューイのボーカル、!
そして、メンバーによる美しいコーラスが
絶妙に絡み合う。

僕は毎回、このブログで言っているのですが、
45回転シングル盤には、そこでしか味わえない
「包み込まれるような音の広がり」があり、
何とも生々しいリアルな「音の塊」が
グイグイと迫ってくるような
「心地よい衝撃」があるのです。
 
よく雲一つない青空を見ると、
「ああ、気持ちいい~」
とか
「綺麗だな~」
と思う反面、
どこか寂しさを感じることありません?
 
「アメリカ」のサウンドには、
そんな青空のような美しさの後ろに、
心地よい「寂しさ」を感じるのです。
 
さて、その音の塊に
すっかりフワフワ気持ち良い感覚になる僕。
ピークは、2コーラス目のサビ。

3人のコーラスがオーバーダブ(重ね録り)され、
より深く厚みが増し、深さも切なさも倍増!
そこに今度は
「アコースティックピアノ」が絡み合う!
 
ちょっとビートルズの
「マーサ・マイ・ディア」
を思い出してしまいますね。
 
ん、ビートルズ?
フフフ、そうですよ、ビートルズですよ。
そう言えば、B面の「in the country」にも、
サージェントペパーを彷彿とさせる歓声が入っているし、
やっぱり、ビートルズなのかー!
と再認識。
 
アメリカのサウンドへの憧れから
「アメリカ」と名乗った彼ら。
 
「名前の無い馬」は、
もちろん素晴らしい曲なのですが、
その後の彼らのサウンドと比べると、
アメリカン・ミュージックを意識するあまり、
彼らの持ち味が、まだ十分に出ていない感がある。
 
「名前の無い馬」の大ヒットにより、
そんなアメリカン・ミュージックへの執着から解放されて、
初めて自分たちの音楽を見つけられたように思えます。
 
A面「Tin man」は、
当時「魔法のロボット」という邦題
(邦題の面白さに関しては、今回アップされた、
Mashroom Highの動画でも語られていますね!)
「Mashroom High」公式ホームページ
が付けられていましたが、
「Tin」はブリキのことで、
オズの魔法使いに出てくる
「ブリキ男」がモデルの曲なのです。
 
歌詞を見ると、
それこそオズの魔法使いのような
何処かファンタジックで、
抽象的な比喩もあったりして、
本人達も何処まで、意味を持って歌詞を書いているのか定かではないのですが、
 
歌詞の一部、
 
「Oh, Oz never did give nothing to the Tin Man
That he didn't, didn't already have
 
(オズがブリキ男に何も与えなかったのは
彼がすでに心を持っていたからさ)」
 
なんては、物語よりも、
その一節を切り取った歌詞だからこそ、
ストレートなメッセージとして伝わりやすくて良いですね。
 
「普段気づかないだけで、持っている大切な物がたくさんある」
 
ということです。うーん、深い。
 
ジョン・レノンは「What you got」において
 
「何を手に入れたのか、失うまで分からない」
 
と歌っていますが、「失わないため」には、
「何気ない日常に感謝する」ということ。
 
ロック・ミュージックは今日も、
僕らに色んな大切なことを教えてくれます。
 
そして、そのメッセージをキャッチするには、
「一つの曲」にしっかりと向き合うこと、が大事なのです。
 
だからこそ、片面に1曲だけ収録された
「45回転シングル盤」は、
今でも重要な意味を持つのです。
 
とりあえず「アメリカ」の「Tin man」から始めてみるのも良いでしょう!
さあ、今日も「45回転シングル盤」に針を落としましょう!

スターマンでした!
 
( 企画・編集・校正・加筆リライト「Mash」)
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「今月のソロ・ステージ」情報
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【GWのライブ予定】
4月28日 13:00~16:30
    厚木市「あみゅー厚木」前にて
    ストリートライブをやります!
 
・5月1日
「相模原 すずらんハウス 」18:00~

両公演共にチャージは特にございません。
ぜひ御気軽にお越しくださいませ。


「マッシュルーム・ハイ」広報部長「Starman☆アルチ」が放つ!「爆音レコード、45回転!」〜今夜この曲をあなたに〜」(第三回は「ビージーズ」)

2019-03-07 11:27:00 | アナログ盤(レコード)
ついこの前
「2019年になった!」
と思っていたら、​
あっという間に3月!​

いやいや、
「月日の流れは本当に早い」
ですね。​

特に、連日レコードに針を落とし、、
「くぅ~」と頭を抱える僕としては、​
平成が終わるまでに、
後どれぐらいのアナログ盤を聴き込めるのか​?

なんて考えてる今日この頃であります。​

毎年この時期は、
「新たに始まる新生活」
のようなイメージがあり、​
学校を卒業し、就職や進学をしたり、​
何かと「人生の再スタート」を切る人
も多いことでしょう。​

僕は?と言いますと、​
少し前に「約900枚入るレコードラック」
を新調しまして(笑)

マニアックスとしては当たり前ですが、
その棚に
「レコード全部が収まるはずも無く…」
とりあえず、
「ロック」「ジャズ」「ブルース」「クラシック」

「ジャンル別」「アルファベット順」に並べながら
重複してたり「もう聴かないなー」
みたいなレコードを選別したりしています。​

その様な作業をすると
「昔よく聴いていた盤」に、​
久しぶりに針を落とす、
なんてこともあるでしょ?

レコードラックに並べられた
名うてのミュージシャン名を見つめながら、​
僕は、ぼんやりとこう思うのです…

「みんな死んじゃったんだなー」と。​
ここ数年ですと

デヴィッド・ボウイ
ジョージ・マイケル​
レオン・ラッセル
イーグルスのグレン・フライ
トム・ペティ
ジョン・ウェットン
キース・エマーソン
etc…

個人的に
デヴィッド・ボウイ
は別格としても、​
毎日、僕の元に届く彼らの訃報に、
既に悲しみはなく、​

「ああ、また一人居なくなってしまったんだなー」と、​
何とも「ぼんやりとした虚無感」
に包まれるのです。​

いや、ちょっと待て!​
日々、僕のレコードコレクションの中に​
「死んだ人の名前が増えていく」のを、​
ただ漠然と眺めているだけでは、
あまりにやるせない。​

「素晴らしい音楽を生み出した方々」が、​
死んだ後でしか評価されないのでは、
あまりに切ないじゃないか!​

残念ながら亡くなられた方は、
もちろん愛を込めて語り継ぐとして、​
今なお生きている「ベテラン」達を、​
今のうちにしっかりと紹介していかなければ!​

そんな矢先に、
MASH氏から託された
「3枚目の盤」がこちらなのです。​

Bee Gees!
そして彼らが1972年にリリースしたシングル
「My world」。

なんか前回と同じことを聞いてしまうのですが、​
皆さん「ビー・ジーズ」って好きですか?​

全世界で「1億2000万枚」の売り上げを記録!
そういう意味では、
前回ご紹介したエルトン・ジョン同様​
(読んでない方はバックナンバーを!)
「超トップクラス」の方々なの!

でもね、
やっぱり会ったこと無いんですよ、​
「ビー・ジーズ大好きなんです!」
って人に…(笑)

世間一般のイメージでは、やっぱり​
「サタデー・ナイト・フィーバー」
で使われた​一連の大ヒット曲。​

もしくは、
古くからのロック・ファンでしたら、​
1967年当時、日本でも大ヒットした
「マサチューセッツ」や、​
日本で大ヒットした
映画「小さな恋のメロディ」で使われた​
「若葉のころ」「メロディ・フェア」
辺りでしょうか。​

いずれにしても、
何となく「懐メロ」扱いで、​
「正当に音楽が評価されていない感じ」
がしていたので、​ちょうど良い!

この場を借りて、
「彼らの魅力をたっぷりとお伝えしたい」
と思います!​
どうぞお付き合いの方、よろしくお願いしたい。​

このビー・ジーズは、
リーダーであり長男の「バリー・ギブ」と、​
その双子の弟「モーリス」と「ロビン」
という「ギブ3兄弟」を中心に
結成されたグループ。​

元はイギリス領マン島出身なのですが、
父親の仕事の都合で​
一家揃ってオーストラリアへ移住。

そこで音楽活動を始め、​
徐々に人気が出た所を、
「ビートルズ」のマネージャーとしてお馴染み​
「ブライアン・エプスタイン」
に見出され、
1967年イギリスへ帰国し再デビューする言う、​
中々変わった経歴の持ち主なのであります。​

初期こそ
「5人編成のロックバンド」
としてスタートし、​
「ビートルズ直系のビート」に、
「ギブ3兄弟の美しいコーラス」
で登場!

この時期、60年代の時代を反映した
「程良いサイケデリック感」が混ざり合う
​素晴らしいロックバンドだったのです。

ただ、グループは途中から
「ギブ3兄弟」のみとなり、​
ジャケット写真でも3人しか写らなくなったため、​
「えっ、ビー・ジーズってバンドだったの?」
と思う人がいても仕方ありません。​

ビー・ジーズのベスト盤を聴いてみると、
一部の曲を除き、​
「口当たりの良いスウィートなポップス」
が多く、​もちろん一つ一つは良い曲なのですが、​
特にCDだと、どの曲も似ていて、
少し間延びして聴こえてしまうのです。​

この件に関して
実は本人達も自覚していたようで、​
デビューから「安定して売り上げを記録」
しているものの、​
良く言えば「安定」
ただ悪く言えば
「マンネリ化」している状態。​

1975年辺りから、ご存知の通り
当時流行りの「ディスコミュージック」と、​
ファンキーな黒人音楽を取り入れて、
大ヒットを連発するのです。

で、今回ご紹介する「My World」は、​
「過去のマンネリ」から脱却
しようと試行錯誤していた​
正に「過渡期のシングル曲」なのです。​

盤に針を落とすと聴こえてくるのは、​
「美しいピアノ」と「ギター」による
アコースティックサウンド。​
そこに独特の「繊細なボーカル」を持つ、
双子の弟「ロビン」が、​

「僕のために泣かないで、
そんなの君のスタイルじゃないよ。」​

と歌う。
歌詞も演奏も、非常にシンプルで、​
全てが曲を引き立てるために、
しっかりと練られている感じ。​

たとえば、CDで聴いていると、
「ストリングス」や「ボーカル」
だけが強調され、​
何処か「甘すぎる印象」
だったのですが、​やはりシングル盤!

コレだと
しっかりと「ドラム」「ベース」が聴こえ、​
正に「音の塊」が縦横無尽に広がります!

体中が美しい音に包まれるような、​
「45回転でしか味わえない感覚」
に包まれるのです。​

Bee geesの曲って実は
「世界の名だたる大御所」が取り上げている!

バーブラ・ストライザンド
ケニー・ロジャース
デュオンヌ・ワーウィック
ロッド・スチュアート
などなど…

挙げればキリがありません。​

それは彼らの生み出す曲が、​
ビートルズやボブ・ディランのように、​
それだけ「普遍的」な魅力
を持っている証なのですが、​

やはりCDだと「甘~くて軽~く」聴こえ、​
特に彼らは「映画のヒット」によるイメージ
も相当強いので、​
多くのロックファンから、
熱心に聴いてもらえない悲しい現状。​

ぜひぜひ「45回転盤」で聴いて頂きたい!​

えっ、そうは言っても
ポップ過ぎて物足りない?​
そう言うと思ってましたよ!

だからこそ「シングル盤」なの!
ひっくり返してB面に針を落としてみよう。​

曲名は「On Time」。​
これ「アルバム未収録」で、
このシングル盤でしか聴けない曲。​

熱心な「ビー・ジーズ」ファン
(どこにいるか分かりませんが)
ですら、​ご存知なくても仕方がない曲です。​

実はかく言う僕も
今回このシングル盤を手に入れるまでは
存在を知りませんでした・・・​

針を落とす…
オッ!まるで
「リトル・フィート」でも聴いている様な​
ブルージーなアコースティックギターが
イイ感じに聴こえてきた。​

あれ、おかしいなー?
と思っていると、そこに
フィートの「ローウェル・ジョージ」風
劇渋ボーカルが飛び出す!​

僕はてっきり、
B面に違うミュージシャンが収録された​
「共演盤」か何かかと思ってしまい、​
もう一度、B面のラベルを確認する。​

いや、確かにビー・ジーズで間違いない。​
そして、作曲者のクレジットには​
何と「モーリス・ギブ」の名が記されているではありませんか!​

「モーリス・ギブ」​
ギブ3兄弟の三男で、
A面「My world」でリードボーカル
を取るロビンの、​双子の弟にあたる人物。​

ビージーズの数多い作品の中でも
彼がリードボーカルを取る曲って
実はほとんど無く、​
兄弟の中では「最も地味な印象」。​

でも彼は
「ギター」「鍵盤」「ベース」など、
様々な楽器を演奏する​
マルチな人なんです!​

この「On time」でも​
アコースティックギターを演奏しているのですが、​
これがまた、程よく抑えられたプレイで、​
良い味を出してるんですよ!​

そして、リードボーカルがイイ!​
何処か「アメリカ南部の土の香り」が漂う​…

この様な「粘っこいボーカル」曲って
ビー・ジーズでは全く無かったため、​
彼らの「音楽的ルーツの深さ」に、
改めて衝撃を受けたぞ。​

あえてB面に収録することで、​
「俺たち、こんなことも出来るんだぜ」​
と、当時の彼らがアピールしているみたい。​

改めて言うが
シングル盤はA面とB面で一曲づつ、を収録。

「一口で二度美味しい」
などと言いますが、​今回のように、
「あまりにタイプの異なる2曲」
が聴くことが出来るのは、​
正にシングル盤ならでは!​

そして、そこには
「当時のミュージシャンの意図」や、​
「試行錯誤している姿」
が見えて来て嬉しい。​

ビー・ジーズ…
この盤をリリース以降
「黒人音楽」を取り入れて​
「ファンキー・サウンド」に生まれ変わり、​
「超」が付くほどの大ヒットを記録する!

決して、それは
「流行りに乗った付け焼刃」でなく、​
もともと彼らの音楽のルーツに、​
しっかりと「黒人音楽」があったという事ですね。​

そして、そこには
「モーリス」
の存在が必要不可欠だったのです!​

残念ながらモーリス・ギブは、
2003年に53歳の若さ…
で亡くなってしまいました。​

弟を失ったバリーとロビン
しばらく活動を休止していましたが、​
2009年から再び2人で活動を再開!​

「また、素晴らしいハーモニーを届けてくれる」
と思っていた矢先、​
今度は、ロビンが他界…​

残っているのは、
グループのフロントマン
長男「バリー」のみ
となってしまいました。​

最近は、目立った活動のニュースも無く、​
今一体、何をしているのか?
全く分からないのですが、​
「ポール・マッカートニー」が、
76歳で世界中を飛び回っているのですから、​
現在72歳のバリーにも、
まだまだ現役で頑張ってもらいたい!​

今後の続報に期待です!​

今改めて、
このビー・ジーズを聴く人って
少ないかもしれません。​

ですが、まだ長男「バリー」が生きている!
「そんな今」だからこそ
バリー、モーリス、ロビンの3人、​
そして
ビー・ジーズではありませんが、​
更に下の弟で、70年代にソロデビューし
幾つかの素晴らしい作品をリリースした​
4男「アンディ・ギブ」​

この
「ギブ兄弟の素晴らしき世界」
を、​今こそぜひ聴いて頂きたい!​

そうです。
まずは、シングル盤から!​
さあ、僕と一緒に針を落としましょう!​

(企画・編集・校正・加筆リライト「Mash」)

https://1on1.crayonsite.com


バンド「Mashroom High」公式ホームページ

https://mrh.crayonsite.com



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ゲスト・ライター陣紹介

〈Starman☆アルチ〉

俺「Mash」のバンド
「マッシュルームハイ」の現メンバー
ドラム、キーボード、広報担当。

ジェリーズ軍団では
「ハウリンメガネ」
「ジョーカーウーマン」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成。
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「マッシュルーム・ハイ」広報部長
「Starman☆アルチ」による
「今月のソロ・ステージ」情報

------------------------------------​
今月のライブ予定​

3/11(月) 20:00~​
相模原すずらんハウスにて​
「3.11 被災地支援チャリティライブ」
に出演致します。​
-------------------------------------

「マッシュルーム・ハイ」広報部長「Starman☆アルチ」が放つ!「爆音レコード、45回転! 〜今夜この2曲をあなたに〜」(第二回は「エルトン・ジョン)

2019-02-07 10:44:00 | アナログ盤(レコード)
早いもので、
こちらのブログで書かせて​頂くのも
無事、2回目となりました。​

「Starman☆アルチ」
でございます。​
初回の記事が中々好評だったそうで、
ありがたい限りです。​

今回も
「ソウル&ラヴ」をたっぷり込めて
書いて行こうと思いますので​
どうぞ最後までお付き合いの程
よろしくお願いいたします。​

今回、Mash氏から託された
「45回転シングル盤」は、​大先生!
そう!「エルトン・ジョン」
の1974年の全米No.1ヒット​
「Bennie and the Jets」​(US盤)

そろそろ
「50年代のマニアックなカントリー」
とか「誰も知らないソウルマン」
のシングル盤なんかが来る!
と一人ビビっていたのですが…(苦笑)

とりあえず最初のうちは、
「僕の好みに沿った盤」
を選んでくれているようで!?​
何となくホッとしております。​(笑)

突然ですが皆さん、
「エルトン・ジョン」
って人、どうですか?
好きですか?​

いや、実際に会ったことがないんですよ​
「エルトン・ジョン好きなんですよ!」
って人​に…

もちろん、世界を代表する
「ピアノマン」であるのは無論
なんと!
全世界で「3億枚のセールス」を誇る、​
「超」が付くほどの大御所なのだから、​
「何曲か好きな曲がある人」
は沢山いるでしょう。​

僕は、基本的に決してドラマーではなく(笑)
自分は「ピアノマン」
だと思っているので、​
「ピアノ&ボーカル」のミュージシャンは​
昔から率先して色々と聴いてきたのです。​

とは言え僕の
「ドラマー&ヴォーカル」
としての活動をご覧になりたいなら
以下、僕のバンド「Mashroom High」
での「演奏シーンYou Tube」をご覧下さい!

バンド「Mashroom High」公式ホームページ

https://mrh.crayonsite.com




広報業務終了!(笑)

「エルトン」続けます!
それで言うと
「エルトン・ジョン」
って人、​ある意味では、
「その中の最高峰の一人」
なのですから、!

それこそ
小学生の頃「ベスト盤」を購入して以来、​
ずっと聴き続けているのですが、​
そんな僕ですら、​
誰かと「エルトン」について
熱く語った記憶が無い。​

ロックなMash氏との会話でさえ

M
「イエローブリック悪くないけど歌詞見ながら聞かないと長く感じるよな〜」

「ええっ、そうですか?2枚組ですからね。」

と言葉を切ってしまった自分が居る…
あそこでMash氏に熱く語るべきだった!

それは置いておいて
一般にロック好きと自負するの人に
「エルトン」の話をすると、​

「えっ、エルトン・ジョン?
your songの人でしょ」​

と、何処か冷ややかな、​
ちょっと小馬鹿にしたようなトーン…
で話す人も多々いるんですよ。​

もちろん大御所になれば大御所になるほど、​
「広く浅く」好きな人が増える!
のは当然のはずなのですが、​
彼の場合
「あまりに多くの人が彼を知らない」

それどころか​
「ないがしろにされている」
のではないか?と思うくらい…

今日、この機会を機に
僕の「愛すべきエルトン」
を知ってもらえる事は、​
本当に、心から嬉しい限りなんです!​

おっと!
まだ盤に針を落とす前から
テンションが上がってきちゃいましたよ​(笑)

「エルトン」は面白いミュージシャンで、​
これだけ数多くのヒットを生んでいる
にも関わらず、​歌詞を一切書かない!​

もちろん
あれほどのミュージシャンなのですから、​
全く書けないという事はないとは思う。

しかし、デビューから現在まで、​
ほとんどの曲の詞を
作詞家「バーニー・トーピン」が書き、​
その歌詞に「エルトン」がメロディを付ける、​
という作曲方法を続けている。​

この二人は、​
一時期「同居しながら曲を書いていた」
ことからも分かるように、​
単なる作詞家と作曲家以上の存在
なのでしょう。

たとえば
ビートルズの
「レノン&マッカートニー」や​
ストーンズの
「グリマーツインズ」(ミックとキース)
と同じような​強い結びつき。​
なんか「エルトン」だと軽く、
話にならないのが残念!

さて、皆さんご存知
「エルトン」一番の代表曲​
「Your song」のお話。

ココで描かれる
「繊細な世界観」は、​
あの歌詞だからこそ成り立つし、​
もしも「エルトン」や他の人の詞だったら、​
あそこまでの名曲!
にはなっていなかったでしょう!​

「エルトン」が歌詞を書かないのは、​
そんな「バーニー・トーピン」
の存在が大きく、​
また「歌詞からイメージを膨らませていく」
という作曲方法が、​「彼のスタイル」に
ぴたっと合っていたのかもしれません。​

さて、今回紹介するシングル盤​
「Bennie and the Jets」も、​
もちろん「バーニー・トーピン」との共作。​

このシングル盤が発売されるまで、​
「エルトン」はどちらかと言うと​
バラード・シンガーのイメージが強かった。

実際、現在までシングルヒットした
彼のロックナンバーは、​
「Crocodile Rock」
「土曜の夜は僕のいきがい」
ぐらい。​

この「Bennie and the Jets」は、​
重たくひきずるような
「ブルース的」なアレンジで、​
「エルトン」のシングル中では
かなり異色!
「独特の輝き」を放っている。​

残念ながら、
どうも彼のような「メロディの人」
と言うのは、​どうも
「その部分だけ」
が強調されてしまいがちで、​
実際、CDだとボーカルだけが目立ち、​
「バンドとの掛け合い的なフィーリング」
が全く伝わってこない。​

だからこそ!
と言えるこの「シングル盤」なんです!​

(「シングル盤が何故音が良いか」
については​、前回の記事で熱く語っているので、​
ぜひそれをチェックしてください)​

この曲「ベスト盤には必ず入ってくる!」
という超ヒット曲なので、​
僕も、もちろん何度も聴いてきたのですが、​

「べ、べべべべべベニーアンドジェ~ツ」​

という
「余りにキャッチ―なフレーズ」
のみの印象で…
正直、後半にかけて、
「少し間延びして退屈」
に聴こえてしまっていた!​

正直、後半のシンセサイザーの音なんて​
「あれ、こんな音入ってたんだ~」
と思ってしまうぐらい。​

このシングル盤では、​
最初から「ベッタリ張り付く」ような
「重たく、​シンプルながら芯のあるビート」
が聴こえてくる!​

この「ベッタリ感」が実に心地よく、​
「エルトン・ジョンであること」
を忘れてしまうような「渋さ」がある。​

そして、「あえて弾き込まない」
そんな「シンプルなピアノソロ」
を挟み​、いよいよ後半!​

「Benny!」
と切なく歌う
「エルトン」のファルセットボイスと​
シンセサイザーが絡み合う辺りは、どうだ!

この辺り、CDだと
「一番平坦で退屈に聴こえていた所」ですね。​
ただ、僕は間違っていた!
「エルトン先生」ごめんなさい!​

シングル盤で聴くと、​
後半になるにつれて
「バンドのボルテージ」が​
どんどん上がっているのが良く伝わってくる!
のです。

たとえば「ゴスペル」のように、​
これまた「音の塊」が迫ってくる
そんな感覚に落ち入るのです。​

それに何と言ってもピアノですよ、ピアノ!​

「プログレ隆盛の70年代」
において、​
「エルトン」のピアノは実にシンプル!​

同時期から活躍を続け
アメリカのピアノマンとして、​
何かと比較されることが多い​
「ビリー・ジョエル」
でさえ、複雑なフレーズを入れたり、​
特にライブでは
「ジャズ的なアドリブ」を弾いたりする。​

「エルトン」には、
そういった華やかなプレイが一切なく、​
彼のライブで見られる
「奇抜なファッションやパフォーマンス」
が嘘のように​?
「実に基本に忠実」な「シンプル・ピアノ」
を弾くのです。​

でも当然のコトですが
実際、めちゃくちゃ上手なんですよ!
この人。

シンプルなので
「ピアノ弾き」には少し物足りないかな?​
と思っていたのですが、実は違ったんです…​

この曲の後半における、​
「エルトンの叩きつけるような」
本当に
「鍵盤を力いっぱい叩いて弾いてる」音!

僕はこのシングル盤を聴くまで
全く気づきませんでした。​お恥ずかしい…

ここではピアノを「メロディ」でなく​
ドラムのような「パーカッション」的な音
として使ってるんです。​

そのピアノの激しいビートに牽引され、​
先ほど説明した「バンドサウンド」と
ボーカル、シンセサイザーが絶妙に絡み合う!​
これは、もう本当にゴスペルですよ。​

ああ、「エルトン先生」。​
今まで気づかないでごめんなさい…

このシングルがリリースされた
1974年頃になると、​イギリスはもちろん
アメリカでの「エルトン人気」も高まっており、​
ちゃんと「アメリカ人好み」を意識してる辺り、​
彼のしたたかさと「作曲家」としての
「プロ根性」を感じますね。​

その彼の狙いは見事に当たり、​
この曲は見事「全米No.1」に輝く
大ヒットを記録しております。​

さて、シングル盤の「音の塊」を浴びて、​
すっかりヘロヘロな状態の僕なのですが、​

…まだB面が残っています!​

Mash氏との会話で出た
前述2枚組アルバム
「Goodbye Yellow Brick Road
(黄昏のレンガ路)」の​
D面ラストを飾る美しいバラード
「Harmony」

A面を聴いた後でクールダウンするには丁度良い、​
どちらかと言うと、
この曲の方が「一般的なエルトンのイメージ」
ですね​。
何て良く出来たカップリングでしょう!​

この曲と言い、
「Your song」と言い、​
特に初期の「エルトン」には、​
何処か
「今にも切れそうな細い糸で繋がっている」
かのような​
「危うい繊細さ」があります。​

よく「ロックミュージック」は、​
「若者の怒り」や「社会へ不満の衝動」
だと言われますが、​
「エルトン・ジョンの音楽」
からは、​
そう言った要素は一切見えてこない。​

どちらかと言うと、
彼が長らく抱えているコンプレックス、​
(これは彼自身が語っているが「幼い頃からのルックス」に対する劣等感や​
「性的マイノリティ」である自分との葛藤)​

そういった「負の感情」を、​
音楽へ昇華しているように感じるのです。​

過去でも現代でも、​
みんな
「何かしらの悩み」や「劣等感」
を抱えて生きています。​

「自分の外見」
だったり
「仕事や人間関係」
だったり。​

本当に「十人十色」「多種多様」なのですが、​
どうも現代の人達は、その衝動を​
SNS等で「内にこもって発散する」
そんな人が多いようです。​

今から50年前、ミュージシャンを志す​
イギリスの若者
「レジナルド・ケネス・ドワイト」は、​
「エルトン・ジョン」
という全く新しいキャラクターを生み出した。​

これは、今まで抱えていた
「劣等感」との決別であり、​
「プロのミュージシャン」
としてやって行く覚悟でもあるのですが、​

「自らの悩みや劣等感」
とどう立ち向かうか。​
その一つの答えを
「エルトン・ジョン」は
音楽を通じて示してくれているように、​
僕には思えるのです。​

さて、皆さん、​
「エルトン・ジョンって好きですか?​」
僕は好きですよ。
「エルトン・ジョン。」

たとえ彼の事が好きでなくても、​
彼の生んだ「数々の名曲」たちを
好きになってくれれば、​
現在、引退を宣言し、​
人生最後のツアーを行っている彼も本望でしょう!​

「エルトン」に愛を込めて!

( 企画・編集・校正・加筆リライト「Mash」)

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〈Starman☆アルチ〉

俺「Mash」のバンド
「マッシュルームハイ」の現メンバー
ドラム、キーボード、広報担当。

ジェリーズ軍団では
「ハウリンメガネ」
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と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成。
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「マッシュルーム・ハイ」広報部長
「Starman☆アルチ」による
「今月のソロ・ステージ」情報

【2月のライブ予定】
・2月11日(月)広島県三原市
 「はるのんcafe」14:00~

・2月24日(日)
「相模原 すずらんハウス 」19:00~

両公演共にチャージは特にございません。
ぜひ御気軽にお越しくださいませ。

俺「Mash」が「ロッドさん」の名盤について書くと、こうなります!

2019-01-20 12:12:06 | アナログ盤(レコード)
久々に盤のコトでも書こうか!
しかも、エッ?と言う作品をさ(笑)

写真を見て音楽家やロック好きなら
もうお分かり!そう!
ビート師匠のヘアスタイルもココから頂いたという
ロッドの「スーパースターはブロンドがお好き」
ですよ!

「うっ… Mash氏らしくない!」
と大方の読者がこぼしているところか?(笑)
しかし、今日はあえて言おう!
「ちゃんとアナログで聴いているかい?」

ロッドについて簡単に言っておこう
一時期はミック、ボウイ、ロッド
この3人が「UKロックヴォーカリスト御三家」
だったんだよね。

しかし今思うと、この3人、
「余りにもヴォーカルスタイルが違う」のよね!
そこがまず面白いし、興味深いんだよ!

でも共通して言えるコトは
「一聴して誰だか分かるヴォーカリストだ!」
ってコト!
コレって実はスゴイコトだと思わない?

今日は多く書いて来たミックやボウイじゃない
コレぞまさに「第三の男」に
スポットライトを当ててみたい!
(こーいう歌ロッドに有ったでしょ!)

まあ、俺としてはロッドが「ベック・グループ」
に居た2つの作品はマストだと思っているし、
その流れでロニーとヤっている「フェイセズ」
も当然聴いておかにゃならんでしょ!
歌う奴、ギター弾きの常識として(笑)

さてロッドのスタイルはブルースよりも
ソウルマン… 特にサム・クックの影響下にあり
それが功を奏したのが「ベック・グループ」でR。

ベックの横でブルースを歌っても
「黒さ」よりも「ポップさ」が際立つ。
コレってベックの意図しない結果だろうけれど、
だから名盤に仕上がっているのだ!
と俺は確信しているぞ!
(実際にサム・クックの名曲達はポップな曲が多い)

一方、「フェイセズ」では
ストーンズ的なバンド感にロッドの歌がカラム!
という図式が当たり、「全てが必聴盤!!」
と言えるでしょう。

ではその後のソロ作品は?

そうなりゃやっぱり「スポットライト」収録の名盤
「アトランティック・クロッシング」
そして、大ヒット作品のコレ!
と言うコトに落ち着いてしまうのよね!

前者は当然、異論あるまい!
でも後者は過小評価されていてねえ…
売れ過ぎた「アイムセクシー」のお陰で
他がカスンデしまっているのよね。

基本的には前者同様、巨匠トム・ダウド氏
によるプロデュースは一貫して渋い音作り!
ベタベタしているドラムやベースには
ルーツ感しか見えて来ないのよね!

正直ストーンズの同時期(78年)よりも
ずっとずっと渋く、カッコイイ!
コレって言ってイイのかねえ?(笑)
一応、俺「ストーンズ好き人間」
ってコトになっているみたいだから!(苦笑)

とにかくロッドの書く曲がイイの!
だから気持ちも入って、歌いっぷりもイイ!
もちろんカーマイン・アピスが叩き出す
独自のドラミング中心のバンド・アレンジがあり
歌えるコトなんだけれど、まあ全てが素晴らしい!
のよね!

実は今作、俺のドラムプレイにも
モノ凄く影響を与えたんだよ!
アピスのドラミングって、歌物で発揮する!
と思うぜ!予想外に歌心あるんだよなぁ!
実際レコーディングで歌うしな、この人。

ロッドの作品中、と言わずに
「70年代のロック史上」
でも個人的には「ベスト10」に入って来る!
そんな作品だよ!

まあ俺も40代だから
「ウルサク無く、渋い音作りで演奏も面白い!」
そんなロックが評価基準となっているから、
こーいうレビューになっちゃうのさ!

最近どうもティーンの時に愛した盤たちが
とてもとても、疲れてね…(笑)

アレ?
そう言や、コレもティーンの頃の愛聴盤だぁ!
「良いモノだけが本物」
だってコトなのさ!

《ジェリーズ・グループ代表 MASH》

* 当ブログの「編集長」&「執筆者」
また
* アンティーク腕時計専門店
* レア・レコード専門店
* セレクト・ヴィンテージ・ギター専門店
を集めた総合セレクトVintage Shop
「鎌倉ジェリーズ」
を経営中

http://jwc.crayonsite.com


俺と1対1での「経営&人生相談」と「音楽教室」
「One On One」のご紹介ページは以下

https://1on1.crayonsite.com


「マッシュルーム・ハイ」広報部長「AL」が放つ!「爆音レコード、45回転! 〜今夜この2 曲をあなたに〜」(第一回 は「カルチャークラブ」)

2019-01-10 10:50:23 | アナログ盤(レコード)
ご存知の方はご存知でしょう。
お久しぶりでございます。
また、お初の方にはご挨拶を…。

この度、当ブログの編集長「Mash氏」が
長年率いているバンド「マッシュルーム・ハイ」
のドラム&キーボードそして、広報担当!
に就任させられた?(笑)
「AL」です。

写真は「ダイヤモンド☆ユカイ氏」風
に決めてみました(笑)
改めて、どうぞよろしくお願い致します。​

このコーナーでは、​
アナログ盤の中でも、​
特に「45回転シングル盤」に​
スポットライトを当てて、​
シングル盤の濃厚でディープな魅力を​
皆様に伝えていきたいと思います。​

そして!それだけではありません。​

毎月、編集長「MASH氏」からダイレクトに
送付されて来るシングル盤に、​
僕がレビューを書いていく!
というまさに「アドリブ」にこだわるバンド
「マッシュルーム・ハイ」​
ならではの企画となっております。​

一体「誰の、どんな曲が届くのか?」
その内容は、実際に届けられるまで知りません。​
「次はどんな盤が来るのだろう・・・」​
「全く知らない盤だったらどうしよう・・・・」​
などなど、​

既に僕自身ドキドキなのですが、​
未だ知らない「新たな盤」に出会えると思うと、​
心は「ウキウキでウェイクミーアップ」
な気分なのです。

氏はバンドの音合わせ時でも
盤の「タネ明かし」的話は一切せずに
「自宅に郵送するよ」とだけ仰ったので
果たして何が届くのか…
と思い悩み、年末年始を迎えた次第です。

そして、記念すべき第一回目に、​
MASH氏から届いた盤がコチラ!​

1983年にリリースされた、​
カルチャークラブ
「Karma Chameleon(カーマは気まぐれ)」​
(USオリジナル盤)

まさかの超有名大ヒット曲。​
実は個人的にカルチャークラブって
かなり好きなバンドでして、​
世間のイメージ
(リーダーの「ボーイ・ジョージ」の女装ファッションによるものか?)​
とは異なる、​
「黒人音楽への愛」に溢れたバンドなんだ!
ということを、​常日頃から、
皆さんにお伝えしたいと思っていたのです。​

「うおおお、これはやるしかないぜ~」​
と、一人よく分からぬテンションのまま​
「45回転シングル盤」に針を落としました。​

お恥ずかしながら、好きなバンドにも関わらず、​
今までアルバムしか持っておらず、​
シングル盤を聴くのは今回が初めてだった。​

「えっ、アルバムに同じ曲が入ってるなら​
シングルはいらないでしょ?」​

と思う方もいるかも知れませんが、​
実は!​
シングル盤は、アルバム(LP)より断然音が良いのです!​

長くなってしまうので簡単に説明すると、​
シングル盤は1分間に45回転し、​
アルバム(LP)は33 1/3回転するのです。​

もう​お分かりの通り
アルバムの方が遅く回転するんですね〜。​

盤もLPはシングルより大きいため、
一枚に沢山の曲を収録することができる反面、​
どうしても音質が悪くなってしまう​
(VHSで言うところの3倍速録画みたいなもの?​
いや若い子には伝わらないか・・・)​

それに対し、シングル盤は、​
1曲のために7インチ片面すべてを贅沢に使う!​
訳で、1分間に45回転もする!

ということは、​それだけ音の情報量も多く、​
よりタイトに!ダイレクトに!​
「音の塊がスピーカーから​襲い掛かってくる」
ような心地よい迫力がある。​

当ブログの「アナログ兄さん」こと
「ハウリンメガネ氏」
のレビューでも耳タコでしょう!

「CDと比べ、断然音が良いLP」
ただ、この「シングル盤」を聴いた後だと、​
少し音がすかすかして物足りなく感じる…
そんな時があるのです。​

もちろん、盤の製造国やレーベル、​
ミュージシャンや年代により異なるので、​
全てに当てはまるわけではないのですが、​
基本的に「LPよりシングル盤の方が音が良い」​
と思って頂いて間違いない!​

後は、ぜひご自分の耳で
しっかりと確かめて頂きたいと思います。​
さて、話を「カルチャークラブ」に戻しましょう。​

いつも感心してしまうのですが、​
「カルチャークラブ」の演奏は非常にシンプル!​
コレが一番心地よいツボなのでしょう。
アレンジが、ギター、ドラム、ベースという
バンドサウンドの肝をしっかりと捉え
そこにシンセやホーン、ハーモニカが絶妙に入る。​

無駄な音はできるだけ削ぎ落し、​
全体のグルーヴとボーカル、​
そして曲自体を引き立たせるアレンジなのです。​

一見「簡単そうでシンプルな演奏」なのだが
コレを「しっかりと決める」
ってことが、どんなに難しいことか!
ミュージシャンなら分かるはず!​
僕も精進しないと…

ギターに関しては、
ほとんどソロらしいソロを弾かず、​
終始バッキングに徹している。​
コレも若いギターKidsには物足りないだろう。
分かるよ、分かるよ〜。(笑)

でもね
「この感じ」を出すまでギターにドップリ浸かる…
それでしか見えてこない…グルーヴ!
手っ取り早く知りたいなら
僕のバンド「マッシュルーム・ハイ」
で体験して欲しいね!
おっと、僕の在籍するバンドでした。ね(笑)

リーダーでボーカルの「ボーイ・ジョージ」
について改めて書こう。

この人、元々ロンドンでDJをやっていて
SOHOのクラブでそこそこ人気者だったのです。
そのお陰で黒人音楽に対する知識も愛も深く
おまけに色々な芸能関係の人に知られて来た!
SOHOは社交場ですからね〜。

そこでベースの「マイキー・クレイグ」
の様な人と出会ってバンドの基礎を生む。
黒人をベースに添えるワケですから、
「ソリャ本物の黒人がベースなんて、​
リズム感良いに決まってるじゃん!」​
​と読者皆様のお声が聞こえてきそうです。

とにかく、ギターでなく
「ドラム&ベース」のリズムセクションを​
前面に押し出すアレンジ。​
これはロックというよりは、​
ブラック・ミュージックに近いアレンジで
僕のバンド「マッシュルーム・ハイ」もまた然り!
なんですね。​

そしてこのシングル盤では、
その魅力を一番分かりやすく味わうことができる!​
「純粋に良い曲を、良い音で聴く」​
という非常にシンプルで深い喜びが
そこにあるのです。​

今まで、「カーマはきまぐれ」は、​
ポップだし甘ったるいしちょっと・・・・​
と思っていたそこのアナタ!​
ぜひシングル盤で聴き直してほしい!​

そこには、今までと全く違う
「黒いカルチャー・クラブ」
がいるはず!​

ただ、カルチャークラブの中でも最もポップな​
「カーマはきまぐれ」だけでは、​
彼らの魅力が伝わりきらないかもしれない。​
フフフ、そんな時は​
盤をひっくり返しB面に針を落としてください。​

曲の名は「That's the Way」​
アルバム「Color by Numbers」では、​
数ある曲の一つとして静かに佇んでいたのが、​
まさかのB面に!​

針を落とした瞬間流れるのは、​
静かで美しいピアノのイントロ。​
柔らかいタッチなのですが、​
「シングル盤ならでは」の迫力ある音圧!

演奏はピアノのみ。​
そして「ボーイ・ジョージ」が淡々と歌い上げる。​

これは美しいバラードだ!
と思いきや、​次の瞬間、​
「ソウルフルな女性ボーカル」
がドーンと前に出てくる。​

バックボーカルというよりは、​
完全に「ボーイ・ジョージとデュエット」
してるような​、強烈なインパクトの歌声。​

この人こそ、
「カルチャークラブ5人目のメンバ-」
と言われる​「ヘレン・テリー」
その人なのです。​

あまりにソウルフルで本格的なので、​
本物の黒人かと思いきや、​
写真を見ると、ふくよかな白人女性。​

どこかイギリスの下町の露店
(実際SOHOにもある)
で野菜を売ってそうな​…
そんな庶民的で親しみのある雰囲気なのですが、​
マイクを持つと変貌!​

「カルチャー・クラブ」のライブにも
しっかり参加しており、​
「ボーイ・ジョージ」の後ろで
ノリノリでダンスしながら、​
ソウルフルな歌声を披露する、​
「カルチャー・クラブ」には必要不可欠な存在
なのです!​

「ボーイ・ジョージ」と「ヘレン・テリー」
二人のボーカルが絡み合い​
「I'm only trying to help you」
(ただ、あなたを助けたいだけ)​
とグングンとシャウトする。!

ピアノもボーカルも、
どんどんとボルテージが上がっていくのです!
(僕のボルテージも最高潮!)

そして思うのです
「こ・・・・これは、ゴスペルだ・・・・・・」​

今まで、LPで何度も聴いてきた曲でしたが、​
そう感じたのは初めてでした。​
この抑揚ある音は、​
LPだと、少し平坦に聴こえてしまい、​
その魅力が十分に伝わるとは言えない!

このシングル盤は、たった2曲です。
ただこの2曲だけでも
「カルチャークラブ」というバンドの
実に濃く一番良い形で現れた
「動」と「静」の部分が見られて印象が一変する!

そして先に挙げた、
「黒人音楽への深い愛」
「ミュージシャンとしての高いレベル」
を同時に感じることが出来る
実に素晴らしい盤でしょう。

シングル盤だからこそ味わえる
「音のダイレクト感」に伴う「音楽の深い感動」

やはり「45回転」の中に
すべてが詰まっております!​
ぜひ!皆さんもご自分の耳で確かめてください!​

夜な夜な回すしか無い!
「マッシュルーム・ハイ」の「AL」でした!

( 企画・編集・校正・加筆リライト「Mash」)
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「ハウリンメガネ」
「ジョーカーウーマン」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成。
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そんな「マッシュルーム・ハイ」広報部長
「AL」による「今月のソロ・ステージ」情報

1月25日(金)
ライブバー「INJAGO」
20:00 Start
チャージは特にありません。
是非お越し下さいませ!

https://localplace.jp/t200344982/



《ジェリーズ・グループ代表 MASH》

* 当ブログ「執筆者」兼「編集長」
また
* アンティーク腕時計店
* レア・レコード店
* セレクト・ヴィンテージ・ギター店
を集めた総合セレクトVintage Shop
「鎌倉ジェリーズ」
を経営中

http://jwc.crayonsite.com


俺と1対1での「経営&人生相談」と「音楽教室」
「One On One」のご紹介ページは以下

https://1on1.crayonsite.com