慶応三年三月十三日の京都の日記によりますと「八重桜満開、単桜もいまだ在」とあります。
三月十五日 葛飾北斎も愛でたであろう小布施の「桜花満開」となっています。
昔より、月に村雲、花に風
無粋に申し上げますと中秋の名月には秋雨前線が邪魔をし、桜花の時期には温帯低気圧が去来して
風を吹かせ、花を散らしてしまう場合が多々あります。
お尋ねを頂きました慶応三年三月十七日も桜の季節で、温帯低圧の去来が激しく天気の移り変わりが早かったようです。
低気圧が日本列島の北を通過しますと、一般的な流れは、まず温暖前線が通過し地雨。
次に暖域に入り南風と共に温暖となり曇りや雨など斑な天気。
その後寒冷前線が通過して西風と共に寒気が入り、雨、場合により雷や強雨となります。
寒冷前線が遠ざかると、風は次第に弱くなり天気となります。
次に天気概況をみてみますと、三月十三日は、函館、青森は曇りですが全国的には北よりの風で晴となっています。
ただ、
曇【長陽】
夜、、曇る【土佐市】
晴天上々天気平和也、此節梨花、桜の花盛り也、、夜曇り、夜明方より雨降ル【熊野】
などとありますように、九州四国地方で、次第に近寄ってきた低気圧の影響が出てきています。
翌、十四日は、関東、東海、中部、近畿、中国、四国地方で雨となっています。一方九州では、天気が回復しており
低気圧の脚の速さが感じられます。
十五日は、北日本には雨が残ったものの、
雨間雲不晴、、四ツ時より次第ニ雲晴れ天気ニ成ル、、夜上々月さへ渡ル【熊野】
今暁より大雨、雨も降、南風也、朝五半時より止快晴【沼津】
今朝大風雨止日和ニ成【多摩】
とありますように、温帯低気圧に伴う寒冷前線の通過により、風雨のあと次第に天気となったようです。
十六日は、全国的に天気になりましたが、
大き寒し風矢張し吹同【森田村】
○快晴大にひやこし、こたつ火いれる【和歌山】
風烈しく寒し【中之条】
快晴天無雲北風寒入夜月霞朦朧【京都】
北気ニ而晴【横須賀】
昨日より大ニ寒気【松坂】
晴天朝霜強し【長陽】
天気風立寒し、朝の内火辺よろし【白河】
とあり、北寄りの風で寒さが厳しかったようです。
さて、お問い合わせのありました、三月十七日ですが、パソコンで、うまく天気図が書けませんので、
下書きを写真に撮りました。
正午頃を想定した天気図ですが、全国的に晴マークが多く、寒さも十六日より緩んだところが多かったようです。
しかし、よく見て頂きますと、近畿以西に◎の曇りマークや●の雨マ-クが見られれます。
早くも次の低気圧の影響が出ているようです。
大阪近郊の天気史料を調べてみますと、
薄照【岸和田】
曇【池田】
晴天九ツ前より双天夜雨降【京都】
快晴午刻後東風吹陰催雨気暖【京都】
上々天気、、九ツ時より曇り雨なし、、くれ時より夜通ししっぽり雨降ル【熊野】
とありまして、大阪の詳しい記録はありませんが、近くの京都や熊野の天気を勘案いたしますと、
大阪では、午前中は天気良く、お昼頃から曇り、夜に入ると雨になったと思われます。
この日木更津では、牡丹が盛りで、翌十八日は全国的に雨となりました。
三月十五日 葛飾北斎も愛でたであろう小布施の「桜花満開」となっています。
昔より、月に村雲、花に風
無粋に申し上げますと中秋の名月には秋雨前線が邪魔をし、桜花の時期には温帯低気圧が去来して
風を吹かせ、花を散らしてしまう場合が多々あります。
お尋ねを頂きました慶応三年三月十七日も桜の季節で、温帯低圧の去来が激しく天気の移り変わりが早かったようです。
低気圧が日本列島の北を通過しますと、一般的な流れは、まず温暖前線が通過し地雨。
次に暖域に入り南風と共に温暖となり曇りや雨など斑な天気。
その後寒冷前線が通過して西風と共に寒気が入り、雨、場合により雷や強雨となります。
寒冷前線が遠ざかると、風は次第に弱くなり天気となります。
次に天気概況をみてみますと、三月十三日は、函館、青森は曇りですが全国的には北よりの風で晴となっています。
ただ、
曇【長陽】
夜、、曇る【土佐市】
晴天上々天気平和也、此節梨花、桜の花盛り也、、夜曇り、夜明方より雨降ル【熊野】
などとありますように、九州四国地方で、次第に近寄ってきた低気圧の影響が出てきています。
翌、十四日は、関東、東海、中部、近畿、中国、四国地方で雨となっています。一方九州では、天気が回復しており
低気圧の脚の速さが感じられます。
十五日は、北日本には雨が残ったものの、
雨間雲不晴、、四ツ時より次第ニ雲晴れ天気ニ成ル、、夜上々月さへ渡ル【熊野】
今暁より大雨、雨も降、南風也、朝五半時より止快晴【沼津】
今朝大風雨止日和ニ成【多摩】
とありますように、温帯低気圧に伴う寒冷前線の通過により、風雨のあと次第に天気となったようです。
十六日は、全国的に天気になりましたが、
大き寒し風矢張し吹同【森田村】
○快晴大にひやこし、こたつ火いれる【和歌山】
風烈しく寒し【中之条】
快晴天無雲北風寒入夜月霞朦朧【京都】
北気ニ而晴【横須賀】
昨日より大ニ寒気【松坂】
晴天朝霜強し【長陽】
天気風立寒し、朝の内火辺よろし【白河】
とあり、北寄りの風で寒さが厳しかったようです。
さて、お問い合わせのありました、三月十七日ですが、パソコンで、うまく天気図が書けませんので、
下書きを写真に撮りました。
正午頃を想定した天気図ですが、全国的に晴マークが多く、寒さも十六日より緩んだところが多かったようです。
しかし、よく見て頂きますと、近畿以西に◎の曇りマークや●の雨マ-クが見られれます。
早くも次の低気圧の影響が出ているようです。
大阪近郊の天気史料を調べてみますと、
薄照【岸和田】
曇【池田】
晴天九ツ前より双天夜雨降【京都】
快晴午刻後東風吹陰催雨気暖【京都】
上々天気、、九ツ時より曇り雨なし、、くれ時より夜通ししっぽり雨降ル【熊野】
とありまして、大阪の詳しい記録はありませんが、近くの京都や熊野の天気を勘案いたしますと、
大阪では、午前中は天気良く、お昼頃から曇り、夜に入ると雨になったと思われます。
この日木更津では、牡丹が盛りで、翌十八日は全国的に雨となりました。
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願いします。
些細なことでも、何か新しいことを見つけられればと
おもっております。
古天気学様にも、良いお年になりますように。
いろは丸
こんにちは
昨年に問い合わせさせて頂いた周天です。
『幕末の某日の天気知りたい方、リクエスト下さい。』のページをブックマークしていた為、
御回答頂いていたこちらの記事ページを見過ごしてしまっておりました。
返信遅くなりまして、大変失礼致しました。
詳しい御回答を頂きまして、本当にありがとうございます。
改めて御礼申し上げます。
夜は雨が降ったのですね、濡れた夜桜が想像されます。
近畿一帯の気象、天気図も載せて頂いて
ありがとうございました。 周天
また何かありましたらリクエスト下さい。
有難うございました