東京健康クリニックの太田博明医学博士によると、更年期障害が現れる年齢は、個人差は
あるそうですが、女性の場合、閉経を迎える平均年齢50歳を境にした前後5年、つまり
45~55歳の場合が多いそうです。一方、男性も、ほぼ女性と同時期と考えて良いそうです。
この時期に起こる体調不良を総称して、「更年期障害」と呼んでいるといいます。
更年期障害の症状は、約200種類にも及ぶともいわれているのですが、代表的な症状と
しては、男女とも、「のぼせ」「火照り」「異常な発汗」、さらに「抑うつ」や「不眠」などが
挙げられるといいます。
45~55歳の方で、これらの症状が重なった場合は、更年期障害の可能性が高いといいます。
(男性の場合は、上記5つに加え、「倦怠感」「ED」などの症状が多く現れるそうです)
太田医学博士によると、更年期障害は、男女とも「性ホルモン」の低下が原因で起こるそう
です。女性の場合は、更年期に入ると、女性ホルモンの分泌が急激に低下してしまいます。
すると脳は、女性ホルモンを出すよう、卵巣に指令を出すのですが、卵巣から必要な量が
分泌されないため、脳が「分泌指令」を繰り返し出すようになってしまいます。その結果、
脳が疲れ果ててしまい、体温や発汗、睡眠をコントロールする「自律神経」まで影響を
受けてしまうそうです。
一方、男性の場合は、男性ホルモンが減ることで、直接 自律神経が影響を受けてしまい、
様々な更年期障害の症状が現れてしまうそうです。
◆最新治療法・更年期障害を緩和する“貼り薬”?
太田医学博士によると、更年期障害を改善するためには、減ってしまった「性ホルモン」を
補充するそうです。
方法としては、注射や飲み薬を使うそうですが、女性の場合、最近では「ホルモンパッチ」
という“シール”を使った治療法があるそうです。この「ホルモンパッチ」を下腹部に貼ると、
皮膚から女性ホルモンが吸収され、血管に入り、更年期障害の症状が緩和されるといい
ます。この「ホルモンパッチ」は、保険が適用され、3割負担の場合、1枚およそ130円。
ひと月に1,300円くらいだそうです。一方、男性の場合は、現在のところ、注射や飲み薬で
男性ホルモンを補充し、治療してゆくと太田医学博士はいいます。
◆更年期障害を緩和する“エクオール”とは
大豆に含まれる「イソフラボン」が、腸内細菌によって「エクオール」という物質に変わる
そうです。「エクオール」は女性ホルモンと似た働きをするため、脳が「分泌指令」を
過剰に出さなくなり、更年期障害の様々な症状を軽減できるのではないかと、考えられて
いるそうです。
◆自宅でできる!カンタン軽減術“2秒&6秒呼吸法”
銀座医院・健康管理センターの竹田義彦院長によると、更年期障害は、結果的に自律神経が
乱れてしまうことで、様々な症状が現れるので、その「自律神経」を安定させてあげれば
良いそうです。簡単に出来る方法としは「2秒で吸って、6秒かけて吐く」という「呼吸法」が
あると、竹田院長はいいます。
◇2秒&6秒呼吸法◇
(1) 壁に足の裏を付けて、ヒザを曲げた状態で、仰向けに寝ます。
(2)足の裏で壁を押すようにして、ヒザを伸ばします。これで準備完了。
(3)その状態で、2秒で息を吸い、6秒掛けてゆっくり吐き出します。
(4)この呼吸法を20回ほど繰り返します。
この「2秒&6秒呼吸法」は、症状がツラいと感じた時に行うと良いと竹田院長は
おっしゃっています。
(2014年11月24日 モーニングバード)