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大人になっても頭は良くなるの?

2014年11月04日 | 健康情報

大人になっても、頭は良くなりますか?

「もちろん、イエス! 年をとったほうが断然、頭は良くなる」。

うれしいことに、脳科学が専門の諏訪東京理科大学・篠原菊紀教授の答えはため息も吹き

飛ぶほどに明快だった。

篠原教授によると、頭の良さには大きく「流動性知能」と「結晶性知能」があるという。

流動性知能とは、計算力や暗記力、集中力、IQ(知能指数)など、いわゆる受験テクニック

に反映されるような知能のこと。この知能は18~25歳くらいがピークで、その後は徐々に

落ちていき、40代以降になるとガクンと低下する。

一方、結晶性知能は知識や知恵、経験知、判断力など、経験とともに蓄積される知能のこと。

こちらは年齢とともにどんどん伸びて、60代頃にピークを迎える。

そもそも、子供の脳と大人の脳では記憶の仕方が異なっており、その変化は思春期の頃に

起こるという。「子供の脳は“単純記憶型”で、言葉や数字の並びをそのまま覚えようと

思えば、割と簡単に覚えられる。ところが、思春期以降、記憶の仕方は“自我密接型”ヘと

変わっていく」と篠原教授。つまり、自分が納得できること、役に立つこと、意味のある

ことが優先的に頭に入ってくるようになり、丸暗記自体が難しくなる。

ただし、筋道だって理解する力はグンと伸びる。

ただし、流動性知能もトレーニングをすれば、年をとっても伸ばすことは可能だ。

しかも、「やればできる!」と思っている人ほど伸びるという。

これとは反対に「できない」と思っていると、本当にできなくなる。

◆“経験知”は好奇心とともに伸びる

結晶性知能は年齢とともに伸びていくが、それは単なる知識や経験の足し算ではなく、

ある時点で飛躍的に伸びるものだという。例えば、仕事でも新人の頃はひたすら知識と

経験を増やしていくしかないが、ある程度それらが増えると、「あの情報とこの情報が

つながる」とか、「そういうことだったのか!!」と目からウロコの体験が増えて、

一個一個の知識が連動し始める。その結果、理解力が増したり、いいアイデアが生まれ

たり、判断力に磨きがかかったり、マネジメント能力が向上したりする。

そして、そのような知識の連動に伴って脳内で起こるのが、ドーパミンという神経伝達

物質の増加だ。「ドーパミンは達成感や快感をもたらす。言ってみれば、できるビジネス

パーソンほど仕事がおもしろい、ということになる」。

これは脳細胞でも同じことが言える。年齢とともに脳細胞自体の数は減っていくが、

頭を使えば使うほど、つまり結晶性知能が伸びれば伸びるほど、脳細胞の分枝が増えて

ネットワークが密になる。

要するに、やる気や面白さを感じながら頭を使うと、効率よく頭が良くなるわけだ。

結晶性知能は年齢とともに伸びる。ただ、そうはいっても、ただ漫然と年を重ねている

だけでは、伸びるものも伸びない。大人になっても頭を良くしていきたいなら、とにかく

頭を使うことだ。仕事だけでなく、趣味や遊びも大事。将棋でも、マージャンでも、読書

でもなんでもいい。やる気や快感を持って取り組めるものなら、もっといい。

このほか、有酸素運動も脳にいい。特に、知的活動を組み合わせた「デュアルタスク」の

有酸素運動が効果的だという。例えば、歩きながらしりとりをするとか、ジムで自転車

エルゴメーターをこぎながら計算をするなど、運動しながら頭を使うわけだ。

また、食事も重要で、緑黄色野菜や魚(特に青魚)をしっかり取るといいそうだ。

大人になっても、頭が良くなる“伸びしろ”は大きい。あなたの頭もまだまだ発展途上。

これからもどんどん伸ばしていこう!

 

(2014年11月3日 日本経済新聞)

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