●DHAとは
DHAとは正式名称をドコサヘキサエン酸といいます。
水産物に多く含まれる脂肪酸なので、いわゆる魚の脂部分に多く含まれます。
魚によってさまざまですが、その脂のうちおよそ1~3割がDHAです。
●DHAの多彩な効果について
DHAというとなんとなく『脳によくなる』といったイメージがありますが、
効果はそれだけではありません。それ以外にも、メタボリックシンドローム、動脈
硬化、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、アレルギー性鼻炎、視力低下、認知症、
うつ病などの症状への予防、改善効果が確認されいます。
こうした症状への効果を得るために必要なDHAの量にはさまざまな説が
ありますが、厚生労働省は特に心筋梗塞などへのリスクの減少を考え、
DHAと同じ魚の脂のEPAをあわせて1日に1g摂取する事を推奨しています。
(厚生労働省 食事摂取基準2010改訂より)。
これをDHA単品の値に換算すると0.8g以上~1g以下ほどの値と考えられ
ます。
●DHAを1g摂取するにはどうすればよいか
◎ポイント1:部位を意識しよう
例えばまぐろの赤身は100gあたりわずか0.12gしかDHAを含んでいません。
そのため、まぐろの赤身でDHA1gをとるためには833gも食べなければ
いけません。これは刺身10人前ほどの量になります。しかし、その一方で
まぐろのとろの部分はDHAを100gあたり3.2gも含んでいるため、
わずか31gほど食べれば1g摂取することが出来るのです。
この量は回転寿司に例えると1皿ちょっとの量になります。
◎ポイント2:旬を意識しよう
DHAは部位によってもその量に差がありますが、季節によっても差があります。
例えばかつおの旬は春の初がつおの時期と秋のもどりがつおの時期が
ありますが、初がつおのDHA量が100gあたりおよそ0.088gなのに対し、
もどりがつおはなんと10倍の0.97gもあります。これはかつおの産卵期が
近づき体に脂肪をためこむためです。
一般に魚の旬は産卵期が近い時期と考えられますので、魚の旬を意識して
魚を食べるとDHAを効率よくとる事ができるでしょう。
◎ポイント3:青魚にはDHAが多い
DHAはあじ、さば、いわし、ぶりなど背中が青みがかった魚に多いといわれて
います。
DHAを1gとるのに必要な魚の分量(日本食品成分表 脂肪酸成分表編より)
・真いわし・・・およそ77g
・まだい・・・およそ164g
・くろまぐろ 赤身・・・833g
・くろまぐろ とろ・・・31g
・銀鮭(輸入品)・・・83g
・もどりがつお・・・103g
(切り身は80g~90gほど)
●DHAを損なわない料理法は?
◎DHA料理のポイント1:スープにして飲む
DHAの入った魚素材を煮ると自然とDHAが外にしみ出てしまいます。
魚をいわしのつみれスープを作り、スープまで全部飲めばDHAは逃げないと
いいます。また、つみれ料理を作る際にはいわしの皮を下にして刻んでいくのも
ポイントです。こうすることでまな板に身がくっついて、DHAがまな板にばらけるを
防ぐのです。
◎DHA料理のポイント2 魚から出た脂を春雨で吸ってしまう
魚を煮ると脂が身から外に出てしまいます。春雨に脂をしみこませるとDHAが
春雨に吸われるので効率よく摂取する事が可能です。これ以外にもフライパンに
しみ出た脂を集めてソースにして料理にかける事でDHAを無駄にしない方法も
あります。
◎ご飯にしみこませてしまう『炊かず飯』
冷凍した生鮭※を解凍し、それを細かく刻んでボウルに入れ塩と酒で味付けを
します。これをそのまま炊き立てのご飯が入った炊飯器に入れ、ふたをして
2~3分蒸らしたら出来上がりです。
最後にお好みの量のみつばをまぜこみます。この料理は魚から出る脂を
そのまますべてご飯にしみこませるのでDHAのロスがありません。
※生の鮭にはアニサキスという寄生虫がいる可能性があります。
-20度以下で 48時間以上冷凍するか、加熱するかどちらかの作業を
行った鮭を使うことで、 アニサキスを殺すことができます。
(2011年11月22日放送 NHKあさイチ)
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