疲れを残さないためには日ごろ何をすればよいか。
そんなテーマで食と健康について考えるシンポジウム「鶏肉に秘められたパワー・
イミダペプチドへの期待」が今月3日、東京都内であった。
◆継続摂取1週間後から、7割が効果実感/アンチエージングにも「期待」
渡り鳥はなぜ1万キロ以上も疲れることなく飛べるのだろう。
秘密の一つが、胸の筋肉に豊富に蓄えられているたんぱく質「イミダゾールジペプチド
(略してイミダペプチド)」。 梶本修身・大阪市立大疲労医学講座教授によると、
イミダペプチドには疲れを生じにくくさせる効果があり、鶏の胸肉をはじめ、海を回遊
するマグロやカツオの尾びれにも多いという。
■眼精疲労防止にも有効
なぜイミダペプチドを摂取すると疲労回復が早いのか。
日常生活や運動などで細胞が活動すると活性酸素が生じ、細胞を酸化させたり傷つけ
たりする。こうして起きる細胞機能の低下が疲労の正体だ。
長く走ると、活性酸素は筋細胞だけでなく、呼吸や心拍数などをコントロールする自律
神経をつかさどる脳神経細胞まで傷つけてしまう。
イミダペプチドには細胞の酸化を抑え、細胞の傷を抑える働きがある。
同じような抗酸化物質は他にも多くあるが、イミダペプチドの最大の特長は、脳内の
自律神経の中枢でも抗疲労効果を発揮することだという。
人間の脳と主な骨格筋には、イミダペプチドを合成する酵素が豊富にある。
食べ物から摂取したイミダペプチドはいったん体内でアミノ酸に分解されるが、脳内に
元々ある酵素によって再合成され、最も消耗の激しい自律神経の中枢で抗酸化力を
発揮し、疲労を抑制する。
また、疲労の負荷で上昇する血液や尿中の疲労マーカー(TGFβや8-イソプロスタ
ンなど)も抑えることが科学的に実証されている。
梶本教授は「自律神経に働くので、肉体疲労だけでなく、デスクワークなど精神的な
疲労にも効果がある」と話す。さらに「疲労と老化は全く同じメカニズムで起こるため、
アンチエージングにも期待できる」と強調する。
では、どれくらいの量を摂取すればよいのか。
過去の研究結果によると、望ましいのは1日200ミリグラム程度。
鶏の胸肉なら約100グラムでよい。毎日継続して摂取すれば、1週間後から7割以上
の人が効果を実感できるという。
さらに、ビタミンCと一緒に摂取すると抗疲労効果がより早く表れるといい、「アセロラ、
イチゴ、ミカンなどと組み合わせて取ると効果的です」と梶本教授。
鶏の胸肉やささみは料理しにくいイメージがある。シンポジウムに出席した河谷彰子・
管理栄養士は調理法の一つとして、「日本酒、しょうゆ、ハチミツ、すりおろしニンニク
の液にささみを浸してからソテーにすれば、北京ダックのような食感でおいしい」と
すすめていた。
イミダペプチドの特長は、疲労そのものを軽減するところにある。とはいえ、イミダペプチ
ドをただ摂取していればよいというのではなく、「よく眠る」「ぬるめの風呂に入る」
「毎日疲れない程度に体を軽く動かす」など、ストレスを残さない生活術も大切だ。
(2011年3月29日 毎日新聞)
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そんなテーマで食と健康について考えるシンポジウム「鶏肉に秘められたパワー・
イミダペプチドへの期待」が今月3日、東京都内であった。
◆継続摂取1週間後から、7割が効果実感/アンチエージングにも「期待」
渡り鳥はなぜ1万キロ以上も疲れることなく飛べるのだろう。
秘密の一つが、胸の筋肉に豊富に蓄えられているたんぱく質「イミダゾールジペプチド
(略してイミダペプチド)」。 梶本修身・大阪市立大疲労医学講座教授によると、
イミダペプチドには疲れを生じにくくさせる効果があり、鶏の胸肉をはじめ、海を回遊
するマグロやカツオの尾びれにも多いという。
■眼精疲労防止にも有効
なぜイミダペプチドを摂取すると疲労回復が早いのか。
日常生活や運動などで細胞が活動すると活性酸素が生じ、細胞を酸化させたり傷つけ
たりする。こうして起きる細胞機能の低下が疲労の正体だ。
長く走ると、活性酸素は筋細胞だけでなく、呼吸や心拍数などをコントロールする自律
神経をつかさどる脳神経細胞まで傷つけてしまう。
イミダペプチドには細胞の酸化を抑え、細胞の傷を抑える働きがある。
同じような抗酸化物質は他にも多くあるが、イミダペプチドの最大の特長は、脳内の
自律神経の中枢でも抗疲労効果を発揮することだという。
人間の脳と主な骨格筋には、イミダペプチドを合成する酵素が豊富にある。
食べ物から摂取したイミダペプチドはいったん体内でアミノ酸に分解されるが、脳内に
元々ある酵素によって再合成され、最も消耗の激しい自律神経の中枢で抗酸化力を
発揮し、疲労を抑制する。
また、疲労の負荷で上昇する血液や尿中の疲労マーカー(TGFβや8-イソプロスタ
ンなど)も抑えることが科学的に実証されている。
梶本教授は「自律神経に働くので、肉体疲労だけでなく、デスクワークなど精神的な
疲労にも効果がある」と話す。さらに「疲労と老化は全く同じメカニズムで起こるため、
アンチエージングにも期待できる」と強調する。
では、どれくらいの量を摂取すればよいのか。
過去の研究結果によると、望ましいのは1日200ミリグラム程度。
鶏の胸肉なら約100グラムでよい。毎日継続して摂取すれば、1週間後から7割以上
の人が効果を実感できるという。
さらに、ビタミンCと一緒に摂取すると抗疲労効果がより早く表れるといい、「アセロラ、
イチゴ、ミカンなどと組み合わせて取ると効果的です」と梶本教授。
鶏の胸肉やささみは料理しにくいイメージがある。シンポジウムに出席した河谷彰子・
管理栄養士は調理法の一つとして、「日本酒、しょうゆ、ハチミツ、すりおろしニンニク
の液にささみを浸してからソテーにすれば、北京ダックのような食感でおいしい」と
すすめていた。
イミダペプチドの特長は、疲労そのものを軽減するところにある。とはいえ、イミダペプチ
ドをただ摂取していればよいというのではなく、「よく眠る」「ぬるめの風呂に入る」
「毎日疲れない程度に体を軽く動かす」など、ストレスを残さない生活術も大切だ。
(2011年3月29日 毎日新聞)
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