落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

we are all the same

2008年12月05日 | diary
HIV感染者は20代から30代が全体の約6割
8割の人が「自分がHIV感染していても恋人には伝えない」

最近ちょっとHIV関連のネタ探しを怠っておったのですが。またイベントとか行きたいなー。
世間的にはこないだの世界エイズデー(12月1日)にあわせていろいろ催しがあったり、マスコミにもいろんな記事が出たりしたけど、実際どのくらいの人の意識にとまったかな?
リンクした2件の記事はぐり的にはまさに「日本の現状」を如実に表わしてる気がする。記事通りの意味ではなく、こういう記事が書かれるという意味で。
いうまでもないがHIVは若者だけに感染するわけでもなければ、同性愛者だけの病気でもない。マスコミに出てくる「感染者数」はお上が把握しているだけの数字であって、極端に低い検査率を考えればろくにあてにもなりゃしない。公共広告機構のエイズ検査CMが明らかに若者向け限定であることを思えば、中高年以上の日本人にとってはHIVなんてまさに他人事なのだ。だがある地方では現に、中高年がエイズを発症して初めて感染が発覚するというケースが急増しているという報告もある。前にも書いたが、HIVは投薬治療でコントロールできる慢性疾患だがエイズは確実に死ぬ病気である。発症してから感染がわかったのでは治療が手遅れになるだけでなく、何年もの潜伏期間に本人も気づかないうちに多くのセックスパートナーに感染させてしまうというリスクも生じる。ほんとうにこの問題をどうにかする気が政府にあるなら、すべての世代に検査を促すべきである。

2件めに関しては、日本でのHIVに対する認識の甘さがそのまま結果に出ているような気がする。
HIVは確かに感染しただけでは死なない。だがいったん感染がわかれば、きちんとした健康管理と定期的な通院、発覚後およそ3年以内に厳格な投薬治療が必須になる。日常生活には支障はなくても、いざという時のためにパートナーには感染を伝えておいた方がいいことに間違いはない。逆にいえば、パートナーが感染者であっても恋愛関係にはとくに問題は起きないはずである。もし起きるとすれば、それはHIVとは直接関係のない、もともとふたりの間にあった問題がHIVをきっかけに表出するということなら起こり得るかもしれないけど。
このアンケートの回答者がどこまで現状を把握しているのかがちょっとよくわからないけど、パートナーに感染を隠してまで、果たしてほんとうの信頼関係が築けるものなのか、ぐりにはそっちの方がもっとよくわからない。HIVだってなんだって、心から信じあいたい人に隠しごとをされることの方がずっと淋しいことだと思うんだけど。

ちなみにアメリカでは20代の男性の死因トップがエイズである(ってもいつの統計かは忘れたんだけど)。
誰にとってもほんとうは身近なHIV。感染したら人生終わりってわけじゃないけど、予防できる病気なら予防するのが人として当り前の常識のはず。
なんてのは理想論なのかなー?


落ち葉の絨毯。