落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

多事争論

2008年12月19日 | diary
今ではまったくTVを観ないぐりですが。
最後に自宅のTVで観たのが「筑紫哲也 NEWS23」。映画『ミュンヘン』公開直前のスピルバーグの単独インタビューの放送を観るために、半年ぶりくらいに電源を入れたのが最後だった。
以来うちのTVはただの置き物と化したままになっている。

TVを観なくなる前もそれほど観る方ではなかったけど、「NEWS23」は習慣的に観ていた。その時間に自宅にいれば大抵観てたような気がする。
理由は番組そのものが好きだったからというのもあるけど、ぐりがまだほんの駆け出しだったころにつくった映像を毎日番組で流していたというのがいちばん大きかった(笑)。ぐりのデビュー作であり代表作だったその映像を、この番組では足掛け8年間放送していた。
8年間は決して短くはない。納品したばかりのころは1クールで改定になったらイヤだななんて思ったりしたけど、1年経ち2年経つうち、こんなに長く使ってくれてありがたいなという気持ちにもなった。納品時の勤務先をぐりが退職した後も、映像は放送され続けていた。

ぐり自身は筑紫哲也氏ご本人には一度もお目にかかる機会はなかったけど、自分がつくった映像とともに「こんばんは」と登場する彼は日常そのものだった。いつもTVの中にいてくれるのが当り前という存在だった。
そんなワケないんだよね。
ぐりが映像を納品したときまだ60代だった筑紫さんもやっぱり歳はとる。老いが誰にも等しく訪れるように、別れも誰にでもやってくる。
とても淋しいことだが仕方がない。
でも淋しい。淋しいな。

筑紫哲也さん:お別れ会に500人



近ごろ「論」が浅くなっていると思いませんか。

その良し悪し、是非、正しいか違っているかを問う前に。

ひとつの「論」の専制が起きる時、

失なわれるのは自由の気風。

そうならないために、もっと「論」を愉しみませんか。

2008年夏 筑紫哲也