ちよ旅、今回も前回の続編で函館からの帰りに弘前に寄ります。
函館からスーパー白鳥26号に乗って青森に着きました。(左上)
ここから、弘前行の普通列車に乗り換えます。(中上)
弘前駅に着いて、駅の1階入口にある弘前市観光案内所でレンタサイクルを借ります。(右上)
城下町として栄えた弘前には江戸時代の面影が残り、なおかつ明治・大正時代に建てられた教会や洋館が残っています。
この「レトロモダンな街」を、これから電動チャリンコで散策して行きます。
まずは真っ先に行きたかった、弘南鉄道大鰐線の始発駅中央弘前駅をめざします。
これが、昭和レトロの雰囲気が漂う中央弘前駅の駅舎です。(左上)
駅舎の中はもっと懐かしくて、出札所・改札口や上壁の時刻表はまさにレトロです。(中上)
列車が到着しましたが、この大鰐線は奥羽本線とほぼ平行に進み途中でクロスして終点の大鰐駅は奥羽本線の大鰐温泉駅と隣接しています。(右上)
1952(昭和27年)弘前電気鉄道として開業されましたが、1970(昭和45年)弘南鉄道に吸収合併され弘南鉄道大鰐線として存続しています。
中央弘前駅のそばにあるのが、日本聖公会弘前聖天教会です。(左)
大正時代に建てられたゴシック様式の赤煉瓦造りの聖堂は、ジェームス・M・ガーディナー(アメリカ)の設計です。
異国にいるような雰囲気のある教会ですが、鐘の音も美しく朝晩に鳴り響きます。
さて、夜の繁華街でもある鍛治町(昼なので静か)を通り追手門広場へ向かいます。
青森県初の銀行で、1904(明治37年)旧第五十七銀行の本店本館として建造されました。
弘前洋風建築の祖・堀江佐吉の集大成といわれ、ルネッサンス風のシンメトリー(左右対称)様式で和洋折衷が施されています。
追手門広場に着くと、そこでは市民マラソン「アップルマラソン」の真っ最中で人がごった返していました。
まずあるのが、旧東奥義塾外人教師館です。(左上)
青森県初の私立学校東奥義塾の外国人教師の住居で1900(明治33年)の建築といわれ、現在1階はカフェとなっています。
その隣が、旧弘前市立図書館です。(中上)
先ほどの青森銀行記念館と同じく堀江佐吉により、1906(明治39年)に建造されました。
ルネッサンス様式を基調に、八角形のドーム型双塔が特徴的な洋館です。
この追手門広場には、ミニチュア建造物群があります。
14の歴史的建造物が、10分の1サイズになって並んでいます。
これは、たった今見て来た旧弘前市立図書館のミニチュアです。(右上)
いよいよ、弘前城のある弘前公園です。
追手門より公園内に入ります。(左上)
周辺を土塁で築き内外に桝形を設けた二層の櫓門(やぐらもん)で、平穏時代からはこちらが正門です。
やがて、中濠に架かる杉の大橋を渡ります。(中上)
杉材を用いたのでこの名が付きましたが、1821(文政4年)濠の両側が石垣になると檜材によって架け替えられました。
杉の大橋を渡るとすぐに南内門で、ここをくぐると二の丸です。(右上)
現在、城門は中濠沿いの内門が2つと外濠沿いに3つの計5つが残されています。
南内門をくぐり、中濠左角にあるのが未申櫓(ひつじさるのやぐら)です。(左上)
南内門を中心にこの未申櫓と左右対称的な右角に位置するのが、画像はないですが辰巳櫓(たつみのやぐら)です。
櫓とは敵を攻撃したり物見のために造られた見張り台で、防弾・防火のため土蔵造りです。
未申や辰巳は櫓の方角を十二支で示したもので、未申は南西・辰巳は南東を示しています。
本丸と二の丸を結ぶ、下乗橋(げじょうばし)までやってきました。
下乗橋の上から見た、天守です。(中上)
この橋の二の丸側に下馬札があり、藩士は馬から下りるように定められていたことから下乗橋と名付けられました。
同じく、下乗橋から見た内濠の画像です。(右上)
改めて、本丸にある弘前城天守です。(上)
弘前城は、1611(慶長16年)津軽二代藩主津軽信枚(のぶひら)によって築かれました。
天守は1627(寛永4年)落雷で焼失しましたが、1811(文化8年)九代藩士寧親(やすちか)が隅櫓の改築をし再建されました。
今の天守は本丸南東の辰巳櫓を改築したもので、最初の天守は反対側の本丸南西の角にあったそうです。
江戸時代に建築され現存する天守としては関東以北では唯一のもので、全国的にも弘前城を含めても12城しかありません。
「江戸時代から現存する12天守」とは、弘前城・松本城・犬山城・丸岡城・彦根城・姫路城・丸亀城・備中松山城・高知城・松江城・松山城・宇和島城以上の12です。
今回弘前城に来ましたので、12のうち行ってないのは備中松山城ひとつとなりました。(単に外から見ただけのも含む)
明治末期から桜の植樹が進み、今では全国的にも有名な「弘前さくらまつり」がゴールデンウィークに開催されています。
本丸から見る天守閣はこんな感じで、いまいち冴えません。(左上)
これを見ると、櫓を改築して天守にしたのがよくわかります。
また、下乗橋を渡って二の丸にもどります。
二の丸東内門で、この門をくぐって行くと外濠沿いの東門に出ます。(中上)
ここをくぐらず北へ向かうと、二の丸東門与力番所があります。(右上)
番所は城門の主要な箇所に見張り所として配置されたもので、城内12ヶ所に建てられました。
内濠辺りでは、かすかながら紅葉が進んでいました。(左上)
濠は内濠・中濠・外濠と、三重にめぐらされています。
また、外堀である西濠沿いの散策路の両側には長い桜並木が続き春にはまさに「桜のトンネル」になります。
中濠の角に建つ丑寅櫓(うしとらのやぐら)で、方角は北東を示します。(中上)
現在では、先ほどの未申櫓・辰巳櫓とこの丑寅櫓とで櫓は3つ残されています。
賀田橋を渡り四の丸を進み、最後の北門(亀甲門)まできました。(右上)
北の神である玄武が亀に似ていることから、亀甲門とも言われています。
築城にあたり大光寺城から移築再建したと言われ、築城当時はこちらが正門でした。
柱などから矢傷跡が発見され、唯一実戦の痕跡をとどめています。
北門から弘前公園を出て亀甲橋を渡ると、すぐにそこは仲町伝統的建造物群保存地区です。
この地区には、江戸時代の武家屋敷や商家が今でも残り保存されています。
江戸時代、城にわら工品を納めていた豪商の石場家住宅です。(左上)
現在は地酒を扱う酒屋で、今も居住中の住宅ですが見学も出来ます。
石場家住宅に残る、「こみせ」と呼ばれる江戸時代の木造のアーケードです。(中上)
江戸後期に建てられた、天然藍染め工房の川崎染工場です。(右上)
江戸時代に行われていた天然藍染めを、当時の道具を使って染物体験(要予約)が出来ます。
すぐそばの、津軽藩ねぷた村に向かいます。
500円を払って、立体的になる入村券をもらい中に入ります。(左上)
ここでは、さまざまな津軽の文化をまるごと見て体験出来ます。
まずはねぷたの館で、弘前ねぷた祭りについての説明を受けます。(中上)
「ねぷた」の語源は、「眠たし」が津軽弁でなまって「ねぷてぃ」から「ねぷた」になったそうです。
同じ語源でも、青森では「ねぶた」とにごります。
真ん中の画像上方にあるのがねぷた太鼓で、お囃子に合わせて太鼓の体験が出来ます。
合間にかけるかけ声は、「ヤーヤドー」です。
説明をしてくれたお兄さんの、見事なお囃子の笛です。(右上)
このねぷたの館には、10mもの実物大のねぷたが展示されています。
弘前ねぷたは扇型をしていて、正面の絵は「鏡絵」といい三国志・水滸伝などの勇壮な武者絵が描かれています。(上)
一方、裏面の絵は「見送り絵」といい対称的に妖艶な美人画が描かれています。(左上)
「凱旋ねぶた」と呼ばれる青森ねぶたに対し、弘前ねぷたはゆっくり練り歩く姿が戦いに向かうように見えることから「出陣ねぷた」とも呼ばれています。
これは金魚ねぷたで、元来金魚は幸福を呼ぶ魚と言われ当時の庶民はねぷたにして広めました。(右上)
今では、ねぷた祭りの際には子供達が提灯のように手に持ち街を練り歩きます。
ねぷたの館の後は、弘前ねぷたの資料を展示しているねぷたの間「ヤーヤ堂」があります。
さらに津軽蔵工房「たくみ」と続き、ここでは津軽塗・こぎん刺し・弘前こけしなどの津軽民芸品の製作工程を見学や体験が出来ます。
津軽三味線「山絃堂」では、時間が合えば津軽三味線の生演奏を聴くことが出来ます。
最後が独楽処「ずぐり庵」で、古くから伝わる津軽独特の「ずぐり」などを実演してくれます。
ねぷた村をあとにして、急いで駅に帰ります。
1875(明治8年)創設された、東北最古のプロテスタント教会です。
現礼拝堂は、1906(明治39年)弘前洋風建築の祖・堀江佐吉の四男斎藤伊三郎が建設しました。
総ヒバ造りの洋風ゴシック式木造建築として、極めて貴重です。
このそばには同じ弘前教会でも、画像はないですがカトリック弘前教会があります。
こちらは、1910(明治43年)堀江佐吉の弟横山常吉によって建てられました。
レンタサイクルの返却は5時までですが、それまでに無事弘前駅に着きました。
「りんごのまち 弘前」では、駅前ポストの上にもりんごが乗っています。(左上)
弘前のスイーツと言えばアップルパイですが、焼き立てをいただきました。(右上)
-ちよ旅6弘前散策・おわり-
ちよ旅6弘前散策・おまけ
弘前から新青森に出て、「はやぶさ18号」のグランクラスで東京へ帰りました。
行きは「和軽食」でしたので、帰りは「洋軽食」と赤ワインです。(左)
サンドイッチメニューはカルボナーラ風たまごと岩手ロースハム・レンコンサラダ、彩り野菜ポテトサラダです。
付け合せは三陸産さんま竜田揚げ黒酢あんかけ、フルーツです。
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