ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

バナナとインフレ(1)

2013-02-04 | Weblog
 愛犬ノンの好物は数多い。スナックフーズでは、まずおやつの「おすわりくん」。お留守番のときには、下駄箱の上の小ビンに入った固いササミをほんの少量あげて外出します。それから果物も好物で、イチゴ、リンゴ、プチトマト、ミカン、バナナ……。ほかにも野菜あれこれ。雑食もいいところです。室内犬は庭先の番犬と違って、バラェテイ豊かな食生活に恵まれます。
 スーパーに行くといつもノンのおやつが気になります。特に果物を買いそろえるのがわたしの買い出し分担になってしまいました。昨日はスーパーマツモトに行きましたが、人間用には恵方の巻き寿司を1本買っただけ。フルーツはイチゴとプチトマトとバナナを買い込みました。
 バナナは5本1房が久しぶりに98円! 昨年は同じ値段で何度も購入しましたが、近ごろは200円近かった。近所の高島屋では20本1房で298円という超お買い得品もかつてはありましたが、最近では見なくなってしまいました。バナナ98円はもう過去のデフレの産物になりつつあるようです。
 スーパーマツモトは昨日が超特売日でした。多くの品が1割引きセールという特別の謝恩日で、駐車場は満杯で車を停めるだけで数分待たされ、10台近いレジも長蛇の列でした。知らずに行ったのですが、ラッキーな儲けものでした。しかしデフレの恩恵もそろそろ終息しそうです。
 自公政府のインフレ目標は2%に設定され、必達目標のように安部さん以下、自民党の皆さんは合唱しておられる。しかし家計でも収支のバランスをとることはむずかしい。1国の経済をそのように易々とコントロールできるのでしょうか。疑問です。
 ガソリンはもう既に値上がりしています。新聞やテレビでは150円台に乗ったと報道されています。先日いつものセルフスタンドではリッター141円でした。1年前のレシートを見ると136円。3.6%の値上がりです。もしこのスタンドが150円になれば、10%以上もの高騰です。つい先日の1月末、ガソリンスタンドの貯蔵槽規制強化のため、全国で2000軒ものスタンドが一斉廃業に追いやられたそうです。円安と相まってガソリン価格は高騰しそうです

 ところでバナナです。確かに値上がりしています。子どものころバナナは高額な貴重品で、年に1本か2本くらいしか食べることができませんでした。当時は台湾バナナだけでしたが、その後はフィリピン産が増え、いまでは日本のバナナ輸入の9割がフィリピン産だそうです。
 バナナの価格変動はこの1年足らずの間、激しいかったようです。

 昨年4月、中国が南シナ海でフィリピンほかの東南アジア各国と領土紛争を起こす。ルソン島西のスカボロー岩礁を巡って、中国は領有権を主張し強硬な手段をとる。
 5月、フィリピンを訪れる中国人団体観光客が激減。同国の観光産業は大きな痛手を受ける。
 6月、中国はフィリピン産バナナに有害な物質が付着しているとして、輸入を制限してしまった。中国向けバナナは通関が遅れ大量が腐ってしまう。フィリピンバナナの輸入は世界で日本がトップで2番が中国。輸入量の減ってしまった中国では価格が急騰した。
 11月、大打撃を受けたフィリピンバナナは日本や中国以外の各国に大量に輸出された。日本では値崩れを起こし、過去10年で最安値を記録。ですので5本98円バナナや20本房298円を見かけたのは、秋以降のこのころだったようです。
 12月4日、台風がフィリピンを襲い、ミンダナオ島ではバナナの樹がなぎ倒され、バナナ産業の被害額は160億円。総生産量の25%がダメージを受け、復旧には100億円ほどかかるといいます。死者600人、被災者数540万人。

 値段の変動の激しいバナナですが、水面下にはたくさんの犠牲者と国際政治紛争があるのですね。愛犬の大好きなバナナ。円安とインフレもターゲットに、もう少し見つめて行きたいと思っています。
<2013年2月4日>
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