ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

バナナとインフレ(2)

2013-02-07 | Weblog
 京都久御山に広大なショッピングセンターがあります。自宅から車で1時間ほどの距離なので、たまにしか行きませんが甲子園球場数個分の駐車場が無料。イオンモールですが、映画を観るときには重宝します。「東京家族」を観ました。
 スーパーでは例によってバナナ・ウォッチングです。驚いたことに、南米のコロンビア産が並んでいました。はるばる太平洋を渡って来たのですね。愛おしくなってしまいました。
 おそらくフィリピンの産地が年末の台風で打撃を受け、品薄で価格が上昇したためではないかと思います。また中国にも南米産が進出しているのでしょうね。国際紛争はバナナの運命をも変えてしまいます。

 世界のバナナ輸出国ベスト5を上位からみてみます。
 エクアドル・コスタリカ・フィリピン・コロンビア・グアテマラ。4国はすべて中南米で、いずれも太平洋に面しています。フィリピンの生産力が回復するまで、これからは中南米産が幅をきかせるのでは。バナナ価格の上昇が伏兵のアジア進出を許してしまいました。

 ところで「東京家族」に行ったのは昼食後ですが、この日の早朝に所用があり、いつものセルフガソリンスタンドの前を通りました。店先の電光看板のレギュラー価格は144円。
 数日前が141円でしたからあっという間に3円アップ。さらに映画の帰り道の看板は、147円! 驚いたことに数日で6円も上がりました。1年前のレシートをみると、リッター136円でしたので、8%の値上がりです。
 NHKテレビのニュースでは、レギュラーガソリンのリッター価格の全国平均は151円台に乗った。原因は世界的な原油価格の上昇だとしました。えっ、そんなはずはない。原因は円安であり、ドルベースの原油輸入価格はそれほど上がっていないのではないか?

 門外漢ですが、原油価格の推移をみてみました。2012年の1月と12月、バーレル当たり米ドルベース。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)、Dubai(ドバイ)、Brent(北海ブレント)。この3件が指標だそうです。昨年は弱含みで安定していました。

2012年 1月 12月
WTI   100   88
Dubai   109   105
Brent   110   109

 さて2013年はどうでしょう? みずほコーポレイト銀行の予測です(1月15日付け)。これも弱含み安定です。
2013年 上期 下期 通期
WTI    86    85    86
Dubai   103    101    102
Brent   106   104    105

 やはり原油価格がドルベースで上昇したためではありません。円安が原因です。政府が現状のインフレ進行を無視して、放漫な政策を実行すれば、国民消費者は苦しい生活を強いられます。
 円安メリットは輸出産業が謳歌するだけです。円安なら自動車や家電の国内価格は下がるでしょうか? 輸出でたいへんな利益を得ても、原材料価格の上昇を理由に、メーカーは下げるはずがありません。東南アジアなどからの輸入家電も値上がりします。このままインフレ政策を続けることは、非常に危険です。
<2013年2月7日>

コメント
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