ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

夜行観覧車

2013-01-19 | Weblog
 朝起きたら、妻が開口いちばん「読みたい本があるので、図書館に予約するか、アマゾンで中古本を注文してほしい」。湊かなえ著『夜行観覧車』双葉社刊です。
 訳を聞くと、昨晩からMBSテレビで同題の連続ドラマが始まった。なかなか興味深いストーリーなので、読みたくなったそうです。
 まずアマゾンを見ると、単行本は品切れで古本はプレミアがついている。文庫版は新本在庫切れで定価680円。古本もあるが送料込みで新本よりも高い!
 京都市立図書館は、予約者75名!! 全所蔵冊数は40冊ほど!! ほとんどの館が、2~3冊在庫しておられる!! 今日予約してもそれほど待たされないようです。結局買わずに、図書館の新規予約登録者76人目になってしまいました。

 どのような話しの本なのか? わたしは昨夜は飲み会で、TVは見ておりません。アマゾンと図書館の画面で内容説明を読むと解説はそっくりですが、以下の通り。
 父親が被害者で、母親が加害者。高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。『告白』の著者が描く、衝撃の「家族」小説。『小説推理』連載に加筆、訂正し単行本化(そして文庫化)。2013年1月18日よりTBSにて連続ドラマ化。
 新聞のTV番組表を見ると、「夜行観覧車 衝撃殺人…家族崩壊」。出演は、鈴木京香、石田ゆり子、宮迫博之、田中哲司、安田章大、夏木マリ、高橋克典。

 懇切丁寧な本の内容解説には感心してしまいますが、要は妻が夫を殺害するのである。こんな本を朝いちばんに「買うか、図書館に予約してほしい」とは、一体どんな料簡なのであろうか。わたしは妻を疑い、恐怖心を抱いてしまった(w

 それにしても恐ろしいのは、アマゾンと図書館。アマゾンで新本を注文すると、早いと当日夕、だいたいは翌日に本が届く。
 京都市立図書館では、いま借りて読んでいる方と、返却を首を長くして待っている読者が、合わせて120人に上る。図書館で借りてこの本を読む方は、全国ではその数10倍になるはずです。ドラマの展開がこれからも好評なら、読む人はどんどん増える。おそらく桜花の前、2ヶ月間余での図書館貸し出しは、1万冊を超えるのではないでしょうか。
 著者印税は1冊65円ですから、逸失所得は70万円ほど。それと本屋の被害が大きい。無料貸し本屋化した図書館は、著者と本屋を明らかに圧迫しているのです。
 しかし我が身を振り返ると、同じく買わずに図書館頼り。安いのがいちばんというコモデティ化の行きつく結論が、買わずにロハで借りることです。困ったものです。
<2013年1月19日>
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