ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

雷神

2008-08-30 | Weblog
 この夏、局地的な集中豪雨はひどかった。昨日もまた、東海・関東地方で大きな被害が出ました。
 雨もはげしいが、カミナリも暴れた。観測史上記録的だったという報道がありました。京都でも落雷で停電したり、線路の信号機がこわれて電車が停まったり、カミナリさまの横暴はたいへんなものでした。

 24日深夜0時ころ、醍醐寺の観音堂が落雷で全焼してしまいました。本尊の准胝[じゅんてい]観音像も燃失。准胝観音堂は西国三十三所観音霊場の第十一札所です。
 避雷針はあったのですが、銅板の屋根に落雷したらしい。醍醐寺では7月にも国宝・唐門にもカミナリが落ちています。幸い大事にはいたりませんでしたが、あちらこちらで雷が天から落ちてきました。
 ところで本尊の准胝観音坐像はもう一体あります。ドイツで開催中の展覧会に出品されていました。はるかヨーロッパから、兄弟分か姉妹分かが、身代りになったことを、観音力で気づき、見守っておられたであろうか。

 ところで北野天満宮は菅原道真をまつる神社ですが、「北野の天神さん」と親しまれています。天神とは雷神のことです。
 道真公が無実の罪で大宰府に流刑となり、903年2月25日に配流の地で生涯を閉じます。そして彼の死後、本人の預かり知らぬところで、「道真の怨霊」の噂が飛び交います。京の都では、次々に異変が起こりました。旱魃[かんばつ]、天候不順、疫病の大流行、大火、月食、大彗星の出現…。
 また落雷で都の関係者が何人も死亡しました。道真の怨霊は雷神となって祟ったといわれます。
 そして霊をしずめるために造営されたのが、北野の天神さんです。天神は、雷神のことです。怨霊は御霊神「天神」に転じ、まつられたのです。
 カミナリさん恐るべし。「くわばら、くわばら」、雷避けのまじないですが、近ごろあまり聞きませんね。
<2008年8月30日 今日も大雨予想>
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