映画と本の『たんぽぽ館』

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「平和をつくった世界の20人」ケン・ベラー、ヘザー・チェイス

2017年07月22日 | 本(解説)
世界の“平和”に貢献するということ

平和をつくった世界の20人 (岩波ジュニア新書)
作間 和子,淺川 和也,岩政 伸治,平塚 博子
岩波書店


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「森の博士」のソロー、『沈黙の春』のカーソン、
MOTTAINAIのマータイ、非暴力のガンディー、
子どもと動物を守ったリンドグレーンをはじめ、
キング牧師、ダライ・ラマ、マザーテレサなど、
世界各地で独自な方法により平和を築いた20人を紹介。
それぞれが残した言葉を通してその生き方をたどります。

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この本はジュニア向けなのですが、平和をつくった世界の20人ということで、
私も知らなかった人物も揚げられていて、非常に有意義な本でした。


まずはこの本で言う「平和」というのが
単に戦争状態でないことを指すのではないという捉え方に大いに納得。

章立てとして、
Ⅰ非暴力を選ぶ
Ⅱ平和を生きる
Ⅲ多様性を大切にする
Ⅳあらゆる命を重んじる
Ⅴ地球環境を大切にする
となっています。

また、あまりにも古い話ではなく1800年以降に生きた方から選ばれています。
それでも1800年代と言うといかにも昔のような気がしてしまいますが、
例えば冒頭のヘンリー・デイヴィッド・ソロー。
1817年生まれのアメリカ人。
経済優先の社会に疑問を感じ、極力簡素な生活を実践した方。
畑仕事をし、森を散策して、時には執筆活動。
…なんだか宮沢賢治みたいですね。
しかし、奴隷の使用を認めメキシコと戦争しようとしている政府への納税を拒否したために
投獄さてたこともあるという信念の人でもあります。
そしてその先を読んでいくとわかるのですが、
この方の思想がマハトマ・ガンディーやキング牧師にも影響を及ぼしている、
ということで、すごく納得させられたのでした。


一人ひとりについては省略しますが、心覚えのために、20人の名前を明記しておきます。
私も名前だけは知っていても、実際にどういう方か知らないということが殆どで、
ずいぶん学習させていただきました。


Ⅰ ヘンリー・デイヴィッド・ソロー
  マハトマ・ガンディー
  マーティン・ルーサー・キング・ジュニア
  アンデルソン・サー
Ⅱ マザー・テレサ
  ティク・ナット・ハン
  コールマン・マッカーシ
  オスカル・アリアス
Ⅲ ブルーノ・フッサール
  デズモンド・ツツ
  リーアン・アイスラー
  ダライ・ラマ
Ⅳ ヘンリー・ソールト
  アルベルト・シュバイツァー
  アストリッド・リンドグレーン
  ジェーン・グドール
Ⅴ レイチェル・カーソン
  デイヴィッド・スズキ
  ネーダー・ハリーリ
  ワンガリ・マータイ


う~ん、読んだばかりでももう忘れてるわ・・・
一人分ずつ、映画化してほしい・・・。 

「平和をつくった世界の20人」ケン・ベラー、ヘザー・チェイス 岩波ジュニア新書
満足度★★★★☆
図書館蔵書にて