川端裕人のブログ

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満を持して『ドードーをめぐる堂々めぐり』(川端裕人 岩波書店)を紹介します

2021-11-04 22:55:13 | 自分の書いたもの

満を持して『ドードーをめぐる堂々めぐり 正保四年に消えた絶滅鳥を追って』(川端裕人 岩波書店)を紹介します。本書は、日本語で書かれた初めての「一冊まるまるドードー」本です。日本のドードー知識を、一気にワールドクラスにアップデートします。

個人的にも、2010年代に自分が行った最大のプロジェクトの報告となりました。前作の『色のふしぎと不思議な社会』(筑摩書房 川端裕人 2020年と同時期に取材をしていた裏表の関係にあり、自分自身の仕事の中で、本作はキャリアハイ(色覚本と一緒に)だと思っています。ぜひ確かめてあげてくださいませ!

取材を始めた2014年からの7年間くらい「堂々めぐり」してしまったので、なんとか形にできた今、ほとんど抜け殻になっています。

でも、気力を振り絞って紹介をします。
その内容を一言でいえば「ドードーチェイス」です。
1647(正保4)年に、日本の出島まで生きてドードーがやってきていたことが分かったのは、2014年のこと。オランダとイギリスの研究者が歴史文書から発見して、論文として報告しました。徳川家光が将軍だった時代、ちょうど「鎖国」体制が完成しつつある時期です。ドードーは、西洋人で唯一、交易が認められていたオランダ人が出島に持ち込みました。これは心躍る発見で、オランダでもニュースになりました。

では、日本に来たドードーはその後どうなったのでしょうか。
気になって調べるうちに、はまりました。日本国内で可能性がある地域を片っ端から歩き、長崎、福岡、佐賀、松山、千葉……を訪ねた上で、海外では、オランダ(ライデン、デン・ハーグ)、チェコ(プラハ)、デンマーク(コペンハーゲン)、イギリス(ロンドン、オックスフォード、ケンブリッジ)、そしてインド洋の島国モーリシャス、さらにはインドを旅することになりました。本当に「堂々めぐり」するような取材を終えて世に出すことができ、心底ほっとしているところです。多くの人に読まれることで、日本各地で「日本のドードー探し」が始まればいいと、本気で思っております(正直、本書を上梓する一番の動機です)。

本書の章立てを記しておきます。

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序 章 堂々めぐりのはじまり

第一章 日出づる国の堂々めぐり――正保四年のドードー
 1 一六四七年、ドードーの年
 2 到着前夜
 3 ドードーは徳川家光に会ったのか?
 4 松山、福岡、佐賀と数百年にわたる縁
 5 長崎、出島動物園にて
 6 日本人ドードー研究者、蜂須賀正氏
  ◉コラム ドードーについて今分かっていること

第二章 ヨーロッパの堂々めぐり――西洋史の中のドードー
 1 罪とドードー――オランダと一七世紀
 2 驚異王の太った鳥
 3 ドードーとオオウミガラス――一七世紀と一九世紀の間
 4 アリスの国のドードー――それは一つのビッグバン
 5 ロンドン自然史博物館から広がるドードーワールド

第三章 モーリシャスの堂々めぐり――ドードーと代用ゾウガメ
 1 チリュー調査隊2017
 2 一七~二一世紀を駆け抜ける――島の発見、夢の池、そして近藤典生
 3 サンゴ平原の孤独鳥――ロドリゲス島にて
 4 螺旋の一周期

終 章 堂々めぐりの終わり

堂々めぐりの謝辞など
文献と注(2万字のロングバージョンはウェブ公開)
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以上です。

それにしても、ドードーというのは「何者」なのでしょうか。
旅を終え、書き終わった今も、不思議な思いにとらわれます。もちろん絶滅した野生動物であることは間違いないのですが、「絶滅」の象徴として様々な物語の中に登場し、豊かなコンテキストを持つ格別な何かを感じるのは私だけではないでしょう。

今や、ゲームやアニメで、どこにドードーのキャラクターが出ているのか追いきれないほどです。自分自身がなぜこの鳥に惹かれるのかということも含めて、もっと大きなものに直面したと思っております。それは、地球の生命史と、その中にあるヒトの歴史、それらが交わる交点にある驚異(ワンダー)に触れることだったと思います。

こういった我が「堂々めぐり」の興奮が、ぜひみなさんにも届きますように。
そして、そして、ドードーにはまってしまった、人は、一緒に堂々めぐり(ドードーめぐり)し続けましょう!


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