川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

あらためて「宇宙の始まり、そして終わり」を紹介いたします!

2015-12-21 16:57:23 | 日記

マックス・プランク宇宙物理研究所・所長の小松英一郎さんとの共著「宇宙のはじまり、そして終わり」(日経プレミア新書)を上梓いたしましたので、あらためて紹介いたします。

始まりはナショジオウェブでの連載「研究室に行ってみた」でした。

2014年のはじまりにミュンヘンを訪ね、2時間半ほどインタビューさせていただいて、その後のミーティングなんかにも参加させていただき、えらく刺激を受けました。

観測的宇宙論という言葉がありますが、今、宇宙論の黄金時代という言われ方をするのは、20世紀に積み重ねられてきた様々な理論的な予想に、工夫をこらした観測が追いついて、ばさっばさっと可能な理論を限定していく現場だからなんですね。 

小松さんは、20世紀の冒頭に活躍したWMAP探査機のコアメンバーの一人として、まさに宇宙論の中心にいた人です。

WMAPの研究は、これまで3回、論文被引用の年間ナンバーワンに輝いていて(すべての科学論文の中でですよ)、そのうち2回が、小松さんが筆頭著者です。その凄み、わかりますか?

宇宙論のエース、とぼくは思うのですが、キャリア形成が完全に海外だったこと。そして、日本がたまたま手薄だった宇宙マイクロ波背景放射を専門としたことで、日本語の紹介は、これまでやはり手薄だったのです。

宇宙マイクロ波背景放射って、日本では最近、結構話題になってきました。それは、20年代に打ち上げられる予定のLITEBirdのせいもあると思います。やばり、国内に研究チーム、研究伝統がないと、報道されにくいんですよね。

本書は、日本では間接的にしか伝えられてこなかった、「空白の10年間」(とぼくは呼びます)の研究にもきちんと言及をしつつ、宇宙論の過去・現在・未来、そして、もちろん、宇宙の始まりと終わりに思いをいたします。

構成は、

1)宇宙のはじまり。インフレーションのこと。

80年代の理論ですか、まだ検証されていません。

小松さんのWMAPやその後のプランクが追い詰めてかなりイイセンいってます。また、南極点のBICEP2が「インフレーションを証明!」みたいな話題か去年出ましたけど、それは空振りでした。

今、やっとインフレーション理論に、本格的な検証が可能なところまでぼくたちはやってきたということに感慨をおぼえます。

 

2)宇宙背景放射が切り開いた21世紀宇宙論

これは小松さんが博士・ポスドク・テキサス大とキャリアアップしながらかかわったWMAPの成果をちょっとこだわって紹介しています。

前述したように、これは、日本ではつっこんだ紹介があまりなくて、単にその結果、宇宙の年齢が138億年だとか、宇宙の現在の組成が暗黒エネルギー7割だとか、そういうキャッチーなところだけをつまみ食いしてきた感があります。

たとえば、この前のノーベル賞の「ニュートリノ振動」についての解説は新聞から雑誌、書籍までいろいろなところで出ていますが、WMAPはいくつものノーベル賞をアシストしたレジェンドなのに、あまり語られませんでした。

ここで、かなり突っ込んで書いています。

 

3)暗黒エネルギーについて。

現代宇宙論最大の謎と言われる暗黒エネルギーについて、小松さんが迫ります。

今の宇宙では、「りんごを投げても落ちてこない。それどころか加速して遠ざかっしてしまう」のが常識だ、と暗黒エネルギーは語ります。

宇宙の歴史の中で、最初は放射(光)優勢、そして、つぎに物質優勢の時代があり、今は、暗黒エネルギーが卓越しています。

そんなのあり? と思いつつ、宇宙物理学者は受け入れています。

小松さんは、そこにメスを入れます。

テキサス州のホビーエバリー望遠鏡にて、「ホビーエバリー望遠鏡・暗黒エネルギー実験」というのを開始して、暗黒エネルギーの性質の解明に挑みます。

場合によっては、アインシュタインの一般相対性理論(重力理論)を書き換える必要に迫られるような仕事です。

我々は「アインシュタイン超え」できるんでしょうか。

そして、暗黒エネルギーの性質は、我々の宇宙の行末を決定します。

小松さんの研究者としてのストーリーは、宇宙の始まり(インフレーション)から、今と終わり(暗黒エネルギー)までを貫いているんですね。

そして、それらをつなげるのが、宇宙マイクロ波背景放射です。

 

さいわい出だしは好調で、書店に並んだ日に重版が決まりました。

日経プレミア新書というシリーズなので、ひょっとするとビジネス書の棚にあるかもしれません。ぜひお手にとってごらんくださいませ。

相当な自信作ですよ。

 

 「宇宙のはじまり、そして終わり」

  • 日経プレミア新書: 304ページ
  • 出版社: 日本経済新聞出版社 (2015/12/9)
  • ISBN-10: 4532262836
  • ISBN-13: 978-4532262839

 

 

 

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イルカと水族館の延長戦。そして、北米へ。

2015-12-20 20:50:05 | 日記

写真はサンディエゴ。

メルマガの6号で軽く触れました。本格的な紹介はたぶん次号。

さてさて、水族館のイルカの入手についての問題は、当事者たちも態度を決めたわけたし、これ以上、深掘りしても仕方ないところがあるのだけれど、「いったい何が起きていたのか」、一応、見ておくべきだろうと思い、のんびりと今更、議論をしてきました。

もうおしまいにしようと思っていたのに、最新のイルカ飼育データなんかを頂いたので、この10年間で日本のイルカ飼育がどれだけ変わったかというのを、数字の上でだけ議論してみました。

さらに、「25年先」を行っているはずの北米へ。これは、詳しくは次回。延長戦に次ぐ、延長戦。でも、もうすぐ本当に完結予定。

個人的な所見というか感想としては、鯨類飼育の先行きはますます暗そうな気がしてきました。別に日本でというわけでなく、むしろ、北米で。

そして、それでも(日本の)イルカ漁は続く、と。

あと、日本では、今度、ゾウあたりが問題になるんでしょうか。今の世界ではどこから矢が飛んで来るか分からない、というのが本当のところ。

 

 

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地の果ての深宇宙望遠鏡

2015-12-19 14:22:33 | 日記

川端裕人メルマガ「秘密基地よりハッシン!」6号より。

テキサス州とニューメキシコ州の州境近くにあるマクドナルド観測所のに行ってきた!

10メートル級の反射望遠鏡である、ホビーエバリー望遠鏡が目当て。先日出た「宇宙の始まり、そして終わり」の共著者で、前任地がテキサス大だった小松英一郎さん(現・マックス・プランク宇宙物理研究所の所長)が、「暗黒エネルギー実験」を行う望遠鏡。

「ほかの望遠鏡も見るか」と言われたら、イエース!と言いますよ。

そして、主だったものをぜんぶ見せてもらいました。

つくづく感じ入ったのは、可視光の望遠鏡って、我々、可視光で生活している人間にとって、すごく特別なかんじがする、ということですね。

今でこそ、コンピュータを使ったイメージングか当たり前だけど、つい、二十年くらいまえは、自前のセンサー(目)を使うことが多かったし。ケミカルな感光剤からCCDへというのが、前世紀の流れだとしても、その前は、目と記録、みたいな世界。

20世紀の望遠鏡をたくさんみせてもらって、そのようなことに感じ入って参りました。

 

 

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「宇宙の始まりと終わり」と「8時間睡眠」

2015-12-14 07:17:24 | 日記

つまり、宇宙の終わりは、8時間寝て待て、と。

てな話ではないです。

「宇宙のはじまり、そして終わり」(小松英一郎さんと共著)「8時間睡眠のウソ。」(三島和夫さんとの共著)は、ぼくにとって、結構、似たところがある本だぞと言いたいわけです。

ナショジオウェブで出会った研究者、小松英一郎さんと、三島和夫さんにさらにインタビューすることで、完成しました。

誰もが興味を持っているのに、なかなか最新の知識が伝わっていない両ジャンルで、、好奇心いっぱいに話を聞き出すことができたのではないか、と。

この二作品、どこかつながっているぞ、という感覚をもった人は、慧眼です。

そして、ぼくとしては、これらを本の形で世に出せたことを誇らしく思います。

 

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メルマガ5号の「見どころ」など。

2015-12-12 12:08:59 | 日記

遅くなりまたした、メルマガ5号の目次です。

今回の目玉は、04でイルカについてのJAZA/WAZA問題について一応の決着を付けられたこと。もうあんまり小むづかしいことはなしね。

それと、ドードーは、考えてみたら、10万の軍勢が待ち受ける長崎にやってきた我らがドードー!というようなシチュエーションで、なかなか「よりによって」の時期にやってきたのだとわかります。

そして、さらに「宇宙の始まり、そして終わり」の序章を公開しています。

ENJOY!

01:本日のサプリ:NZ南島キガシラペンギン・おばさんに抱っこされて……
02:keep me posted~ニュースの時間/次の取材はこれだ!(未定)
03:宇宙通信:宇宙のはじまりからの光
04:秘密基地で考える:WAZAは、日本の水族館の防波堤になっていた
05:移動式!: 続・奇祭「クケリ」特集~写真満載でお届け!
06:カワバタヒロトのなんでも質問箱
07:連載・ドードーをめぐる堂々めぐり(5)
08:せかいに広がれ~記憶の中の1枚: モーリタニアの海岸で
09:イベントのお知らせ
10:著書のご案内・予定など
11:特別付録:新刊『宇宙のはじまり、そして終わり──インフレーションと暗黒エネルギー』はじめに

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ペンギンの記事だって書いてるよ!

2015-12-08 03:45:52 | 日記

「川端さんのメルマガ、ペンギンまだですか?」

立て続けに聞かれたのだけれど……

やってます!書いてます!メルマガ1号から、薄くではあるけれど、毎回書いてます。いきなり冒頭から書いてます!

ということでアピールします。

ずっと、穴場的キガシラペンギンのスポットを書いています。

今回は、とうとう場所までかきましたよ。まだ日本では10人未満のペンギンファンしか行ったことがない場所かもしれない。

というわけで、ペンギンやってます。

そして、これからもやります(これ大事)

ペンギンな人に宣言するのだ。

 

 

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メルマガ5号出ました。

2015-12-07 17:36:26 | 日記

はいもので、川端裕人メルマガ「秘密基地からハッシン!」の5号がでました。

内容を紹介しておきますね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
目次
01:本日のサプリ:NZ南島キガシラペンギン・おばさんに抱っこされて……
02:keep me posted~ニュースの時間/次の取材はこれだ!(未定) 
03:宇宙通信:宇宙のはじまりからの光
04:秘密基地で考える:WAZAは、日本の水族館の防波堤になっていた
05:移動式!: 続・奇祭「クケリ」特集~写真満載でお届け!
06:カワバタヒロトのなんでも質問箱
07:連載・ドードーをめぐる堂々めぐり(5)
08:せかいに広がれ~記憶の中の1枚: モーリタニアの海岸で
09:イベントのお知らせ
10:著書のご案内・予定など
11:特別付録:新刊『宇宙のはじまり、そして終わり──インフレーションと暗黒エネルギー』はじめに
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今回気合が入っているのは、

04:秘密基地で考える:WAZAは、日本の水族館の防波堤になっていた

ですかね。

これまでちまちまと積み上げてきた議論をやっと一段落させました。

内部文書(?)をひもときつつ、JAZA、なんだかなあ、って話になっております。

ドードー連載は、さらに沼にはまってます。

そして、宇宙ものは、今回、小松英一郎さんとの共著がでるので、関連内容。

CMBときいて??な人は是非!

 

 

 

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