川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

最速リポート! ワイプアウト(wipe out)が来た!

2005-01-31 23:55:49 | きうらきら光ったりするもの
来た来た!とちょい興奮状態。
ナカジマさんとこのオリジナルレンズ、WipeOutが仕上がってまいりました。早めにほしくて、前からフレームを三つ預けておいたのだけど、「入れましたー」との連絡。さっそくとってきました。

まずはみてみて。

IMG_1438こいつは、お約束(?)のMars。これまでゴールドイリジウムのレンズをもてあましてきたのだけれど、これで気軽に使えそう。トラマベースだから、透過率も高めで、なおかつ、ミラーなのがナイスなのです。このスウェード張りのMarsって夏場は暑苦しい印象で使いにくいし、冬に使うにはレンズが暗いし……でどうにもなってなかったのですね。ワイプアウトはベストマッチ。

IMG_1442そして、これもおきまり(?)のWhy1のPale Amberフレーム。こういう「メガネ」タイプで、特にレンズの小さいサングラスは、裏映り対策が必須だと思っているのですが、ワイプアウトの場合、標準で裏面のマルチコートがついて反射を抑えてくれるのでとても使いやすいです。これもベストマッチ。オリジナルのNXTトラマなど、マルチコートがダメなので、ますます価値がありますね。

IMG_1450そして、これも究極。モンスタードグルとの組み合わせは、ドライビングによいかな、と。ぼくの場合は車の運転よりは、自転車かな。これから花粉が飛び散る中で、クリアな視界と花粉から目を守って頂きますとも。

結局、どのフレームにいれたやつも、大変、みやすく、よいカスタムになりました。

ポイントをまとめると、
まず、トラマベースだから、大変「読める」カスタムだということ。コントラストがすっきりとついた視界は「目が良くなった」みたいにかんじられるものです。
さらに、オリジナルであるNXTトラマにはない裏面のマルチコートがついていて、これが応用範囲を広げていること。
さらにさらに、NXTトラマにはないミラーがかかっていて、ファッション性も高いこと。
というのうが、独創性の中心なのですね。

ぼくの場合、それらがすべてぴたっとニーズにはまりました。
たぶん、あと何本か削って貰うでしょう。
なくならないうちに。
本当に、光量の少ない時期のオールマイティレンズ。
ランプアイとまったち違ったアプローチで、たぶん、こっちの方が常用性が高いのではないかとぼくは思うのだけど、いかがなもんでしょうか。

ちなみに、対抗馬、Pink Iridium@カワバタの頭の中では。


ibook買いました。

2005-01-31 17:59:45 | Macだし、親指シフトだし
やっぱり、ないと困るし、2月後半にスペインに行くのだけれど、そうするとゼッタイに必要だし。
というわけで、買いました。
ibook G4 1.2Ghz。
なにげに、我が家の最速マシンになってやんの。

でも、今年後半には、PowerMac G5がくることになっているゆえ、すぐに最速マシンの称号は奪われる予定。

それはそれとして、Apple Careって高くないないですか。
3年保証のために、3万も4万も払うかね。
ごく単純な保険なんかだったら、本体の3割もするようなのって考えられなくないですか。

一回5000円のサポート電話が無料になるとかいって、勧められたけど、それって、あんたらが値段をつけてるわけて、お得以前に、サポ電で5000円というのが高いのでしょう。
そんなことない?


緑のマンハッタンをめぐって1~Tim Keating にメールしてみる

2005-01-30 04:18:02 | 自分の書いたもの
www.rainforestrelief.org

↑ 「緑のマンハッタン」のキーパーソンの一人、ティム・キーティングのサイトを再発見。がんばってる。規模も大きくなってるみたいだ。
オセロットをマスコットにしたのだなあ、なんて、新鮮。
彼はあの時、カリスマ動物を表に出すのにそれほど興味がなかった。

ついでなのでメールを出してみた。

やあ、ティム。ひさしぶり。
きっとおぼえてるよね。

ぼくは今、ノンフィクションの仕事はあんまりやらずに、小説ばかり書いてる。あれから一度も、ザ・シティには行っていない。

きみの方はどうなのかな。
やっぱり9.11以後のニューヨークは全然違ってしまった?
でも、活動は順調そうでなによりだね。

セイ・ハロー、したかっただけなんだ。
また、いつか会えるといいんだけど。


みたいなかんじ。
返事くるかな。


やたらトピックが多かった、でも、みてて楽しかったねカザフスタン戦

2005-01-29 23:21:12 | サッカーとか、スポーツ一般
カザフって、いつのまにか欧州連盟に入っていたのね……。
知らなかった。

いつか加茂さんが更迭された時の印象が強くて、別に負けるような相手じゃないけど、簡単に勝てる相手でもないという印象をながらく持ってました。そのわりにはすんなりすっきり、ノーストレスなゲーム。見にいった人楽しかっただろうなあ。

やたらトピックが多くて、見所がありました。

思いつく限り挙げると。

加地のブレイク。
はじめて加地が危険な男になった。左サイドにくらべて、指摘されていた脆弱さが埋まったかな、と。いよいよ「不動」の感覚が出てきたよ。

中澤の代表初キャプテン。
彼ももう完全に「不動」だよね。メンタルも強そうだし、まさに適任。

玉ちゃんの二度の先制ゴール。
5人も交代した後半は、相手は別チーム。それに対して、前半後半ともに先制得点を挙げた玉田圭司にもいよいよ本格感が。いかに相手のモチベーションが低いとはいえ、あのドリブル突破が何度も見られて楽しかったなあ。

松田の代表初ゴール。
40試合目にして初だったのだそうです。へえ、そうだったのか、と。

阿部(勇)の代表初キャップ。
いきなりフリーキックを任せられて、あわや、という弾道のシュート。おしかった。それにしても、日本代表はキッカーだけには事欠かない。きょうは、遠藤がお役ご免だったものな。

坪井の復帰。
ほんの数分だったけど。

大黒の代表デビュー。
ほんの数分だったけど。

小笠原は、もぞもぞ。
アシストには活躍するも、やはり、もぞもぞ感がある。

というわけで、各方面の人が楽しめたのではないでしょうか。
すっきり勝ちすぎると課題を見つけるのが難しくて、困るという面があるにしても。




ぼくの宝物

2005-01-29 00:05:03 | 保育園、小学校、育児やら教育やら
今週は息子の学校の学校開放週間で、いつでも授業を見にいって良かったのです。でも、目玉は金曜日五限の国語の時間。みんなで「わたしの宝物」についての発表をするということで、それを見にいってきました。

四つの班に分かれて、さらに班の中でも聴き手と発表者群に分かれて、自分の宝物を手に持ち、説明する、と。
上手に説明できたら拍手。質問が上手に出来たらまた拍手。
なかなか立派に出来ていましたよ。

つくづく思ったのは、この時点で、「宝物」に性差が明確にあるということ。
セックスの差なのか、ジェンダーの差なのか知らんが。

女の子の大多数は、ぬいぐるみ、なのですよ。
ウサギのぬいぐるみ、クマのぬいぐるみ、イヌのぬいぐるみ……。なぜかキャラクターものはいなかったな。誰かにもらったぬいぐるみというのが黄金パターン。

その一方で、男子はね、ポケモンカード、虫キングカードのようなカード系、サッカーボール、フィギュア、とか、ね。

そして、うちの子は何だったかという、「ビーズの首飾り」!
これは二年くらい前に祖母から貰ったものなんだけど……。
なんか、ジェンダー揺れてませんか。
いきなり女子に「つけたことはありますか」と突っ込まれてるし。
エピキュリアン2とか書かないとダメですかね。


惑星直列事件

2005-01-28 20:41:59 | 自分の書いたもの
去年のちょうど今頃、息子と二人でフォークランド諸島にいた。
地球の反対側の、1984年に紛争があったところ。
ペンギンやらアホウドリを見にいったわけです。

1年経って、そろそろ記憶も薄れかけて……ここはひとつ、アルバムの整理でもしようとポジを見てたわけです。

すると、ない!

旅行記を二つの雑誌に書いたのだけど、そのために切り出した部分がない!

まずいなあ、なくしちゃったかなあ、と思いつつも、返してもらった記憶もない。
どんなカタチで返却されたのだろうか。マウントされて? それとも切り出したままのカタチで?
それによって保管場所も微妙に違うので、確認のメール。
どんなふうに返してもらいましたっけ。

30分後、ど深夜にもかかわらずメールがくる。
「ごめんなさい、まだ返してません」

そして、翌日、もう一社の編集者からもメール。
「ごめんなさい、返したつもりになってました。まだ手元にあります」

まいった。
こういうことってあるのか。
いや、ままあるんだけどね。

それにしても、催促せずに忘れる撮影者と、返すの忘れる編集者が、かくもそろって、惑星直列のごとき状態になって、はじめてこんな事態になったわけで……。
しかし、気づいてよかったぁ。
雑誌で使っただけあって、それなりに気に入っているカットが多かったのですよ。


さよならibook dual USB

2005-01-28 05:16:21 | Macだし、親指シフトだし
壊れました。
随分前のだもんな。今の白いibookになった初代。4年くらいは使ってるのかな。たぶん。

液晶のバックライトの不調。開いて90度くらいまではいいんだけど、100度くらいを越すと、とたんに接触が悪くなってバックライトが消える。

インバーター部の交換なら、2万円台。
液晶ユニットの交換なら、4万円台。だそうですわ。

たぶん、買い換えます。
でも、問題は、

直して売るか、それとも、そのまま売るか。

たぶん、後者、かな。




MEET YOUR DELIGHTってな広告が……

2005-01-27 18:06:00 | トンデモな人やコト
MEET YOUR DELIGHT

↑ これです。JTの最近のコマーシャル。気になって調べてみました。
それがね、実によく出来てる。うまい。楽しい。すごいと思う。

家族の絆の中に、溶け込んでいるJTというブランド。温かで、ユーモラスで、リラックスでき、社会的にも容認されている、というようなイメージを意識の下層にしっかり届けますってかんじですねぇ。

でもさすがに、「世の中をちょっと嬉しくしているJTです」はないでしょう。

あとね、前から気になってる、JTの「大人養成講座」なんだけど、あれって、ぼくは比較的高く評価していて、「喫煙者がかくあれば、摩擦も少なくなるだろうに」と思ったりするわけです。
でもね、現実にはああいう理想的な行動をとってくれる喫煙者なんてみたことないわけで、にもかかわらず、「喫煙=大人のたしなみ」というイメージが残る、というのはどうなんでしょうね。
まさに、そこが広告の意図ってやつ?


まさに、悪魔のマーティング。

2005-01-27 06:07:57 | ひとが書いたもの
日経BP社から出たばかりの『悪魔のマーケティング~タバコ産業が語った真実』について。

これはかなり恐ろしい本。たばこ産業の内部資料のみに語らせて、タバコによる健康被害の医学的な証拠がたくさんあつまりはじめた1950年以降、いかに彼ら(と総称します)が巧妙に嘘をつき、新たなカスタマーを開拓してきたかを示す、
まじで、悪魔度高しの本なのです。

原著を編んだのは、イギリスにある喫煙対策推進団体。原著はそのままWHOにも公式に取り上げられ(ウェブサイトで閲覧可能)いわば「公式文書」あつかいされている。

全部で8章あります。
第一章は、「タバコが健康に悪い」ということをいかにタバコ会社が否定し、結論を先延ばしにしてきたか。ちなみに、今もJTは、公式に「たばこが肺ガンの原因になる」とは認めていないって知ってました? 暴露された内部文書では、きわめて初期から彼らは有害性に気づいておりました。

第二章は、ニコチンの「依存性」について。これもいかに「依存性などない」と言い張るかという話。証言では、きわめて初期から彼らは依存性に気づいておりました

第三章は、いかに新しい顧客を手に入れるか。キモは十代の(それもターゲットは14歳!)子供たちにいかに吸わせるかのマーケティング戦略。極悪。彼らはきわめて意識的に子供に吸わせたがっておりました。

第四章、広告宣伝戦略一般。第五章、低タールタバコの欺瞞。そして、第六章は受動喫煙について。彼らはいずれについても、公式見解と内部での見解が大幅に乖離し、なおかつ、データをごまかしたり、ねじまげたりして、タバコの市場を維持することにやっきになっております。

第七章と第八章は、「それぞれ、アジアやアフリカ、東欧などの新興市場」、そして、「『女性』という最後の巨大市場」について。
彼らはアメリカやヨーロッパで巨額の賠償金なんぞを払い続けなきゃならないし、そのためにはどこかでまだまだ稼がねばならないのです。女性に『喫煙は自立した女の証し』『クールな女』みたいなイメージを与えたのって、すごい成功だったよね。拍手!と思った次第。
この章を読んでから、若い女の子の喫煙する姿を見ると、ますます鬱、です。リアルタイムで、踊らされてる、という感覚。

しかし、こんな本、よく出来たなあというが正直な感想だなあ。
ここまで露骨に、それも、当人たちの言葉で語られると、あっぱれですよ。
たとえば、広告にしても、「タバコの売り上げには、広告はほとんど影響を及ぼさない」という公式見解を掲げつつ、綿密なマーティングで(たとえば、女性の年齢、タイプ分けからはじまって、彼女らのセルフイメージとどんなふうに喫煙を結びつけるかデザインしていくやり方、など)実際に売り上げを伸ばしてきたわけで……。ここまで180度、公式見解と事実とが違う所業をかくも長期間続けられたなんて、驚異ですわ。

きっと本書の読み方は二つありますよ。
「たばこ産業はひどいよなあ」というのと、「マーケティングとはかくあれ」というもの。

なお、なぜこの本の元になった内部文書が閲覧できたかというと、タバコ病裁判の過程で、主としてアメリカで内部資料の開示にたばこ会社が応じた(応じさせられた)から。流出することを想定されていなかった文書なので、生々しいことといったらないわけです。

これ読んで、ちょっと悩ましいのは、サンジくん、だなあ(@ワンピース)。
映画などでの「格好いい喫煙シーン」が、子供に与える影響について、たばこ産業が自覚しており、お金を使ってきた歴史も書かれておりまして……。
いやいや、ぼくは尾田氏がオカネもらってるなんて、つゆほども思っていないんだけど、でも、サンジくん、格好良く吸いすぎ。
尾田氏が、サンジくんのキャラと喫煙を強く結びつけている以上、表現者として簡単にそれを変えるわけにはいかないのは分かるのだけれど、読んでる何百万人読者に、「かっこういい喫煙」が浸透していくのって、心が痛んだりする。

にもかかわらず、ぼくも、サンジくんの喫煙シーン、格好良いと思ってるのよ。
イメージはつよし、だなあ。


ほうじ茶に手が震えるの巻

2005-01-26 01:46:44 | 日々のわざ
1日に2リットルはお茶を飲むカワバタですが(のべつまくなしのんでる、喫煙者にとってのタバコと同じ、かと)、このところ、家にたくさん溜まっていたもらいものの、ほうじ茶を飲んで発見。

こいつは量は飲めない。
500ミリリットルくらい飲んだ時点で、手が震え出す。なんなんだこれは。
ぼくの体に相性の悪いなにかが混入しているのか。
普通の煎茶ならこんなことにはならない。

というわけで、紅茶→煎茶→別の紅茶、といったローテーションが吉、と判明。
まあ、どうってことないのだけど、またひとつ、身の程を知った、かな、と。




日々のiPOD mini 23 うれしはずかしgarnet craw

2005-01-25 00:30:44 | ソングライン、ぼくらの音楽のこと
近頃、音ネタから遠ざかっていたけれど、別に聴いていないわけじゃなくて……。
今、よくiPodで聴いているのは、Garnet CrawのI'm waiting 4 you.

誰にも、「人には勧めないけど、おいらはこれが好きなんだい、文句あっか」というような音楽あるのではないでしょうか。
ぼくにとって、一時のガナハミ(我那覇美奈)とか、このGarnet Craw(ガネクロと呼ぼうか)がそのたぐい。

曲はめちゃくちゃポップ。それはもうポップすぎるくらいに。
ポップであるということは、聞きこむうちに飽きやすいという部分でもあって、ヨシアシなのだけれど、アジカンみたいに、やたら変な言葉を乗せてみるとか、いろんな手で、飽きがこないようにしてあるのが、ぼくにとってはツポなのかな。

ガネクロの場合、まず、ヴォーカルの女の子の鼻声が凄い。アレルギー性鼻炎かと思うくらいなんだけど、この人の声をきいたとたんに、それを軸にしてバンドやりたくなるのが分かるような素敵な声です。
初期の「水のない晴れた海へ」なんてシビレたもんなあ。

あと、作詞作曲をキーボードの女の子が手がけることが多いらしいのだけど、時々、というか、しょっちゅう変な言葉を使う。それが、「センスないんじゃないの」と思うところから、「なにこれ」ってくらいツボにはまったのまで、満遍なくちりばめられて、結果としてとってもキッチュだったり、B級だったり、するところがいい。

この前、編集者と話してたネタでもあるのだけど、二流はいかん。しかし、B級は素敵だ。
(かといって、きみはB級を目指せと言われたわけじゃない)

それで、今回のアルバムはどうかというと、タイトルがいきなりB級だ。
だって、I'm waiting 4 youだよ。
4 youって語法、何年か前ならともかく、今はよほどヒップホップなのとか、コアなのとか、その語法が当たり前の世界じゃないと滑稽さが目立つと思わない?

ところが、中身の曲は「まとも」。
実は、「まとも」なのが不満。
M3の「忘れ咲き」のような、佳曲の安定感はすごくいいのだけど、それと対になってくれる過剰だったり、欠落してたりする曲がない。そのコンビネーションがあってこそのガネクロなのにね。

前のアルバムをひっぱりだして、聴きたい気分になってるものの、とりあえず、まったりかけてます。


「もう牛を食べても安心か」の読書メモ

2005-01-23 23:32:50 | ひとが書いたもの
『もう牛を食べても安心か』福岡伸一著についてのメモ。
五月雨式。

 BSE、いわゆる狂牛病のことを知りたいだけなら、この本を最初に読むというのはあまり適していないかもしれない。BSEのお話よりも、「動的平衡」をキーワードにした生命観の本という側面がかなり強いのだ。

 詳しくは書かないけれど、ひとつ認識としてクリーンヒットしたのは、臓器移植への違和感。著者は、臓器というものが、そもそも発生の時から、体の他の部分と情報交換しつつ、一回限りものとして成立する、と、いわば来歴の問題を指摘していた。臓器というのはパーツであって、パーツでない。周囲との情報交換、物質交換ののネットワークの中で、固有のものとして作り上げられる。これは、まさに腑に落ちた感覚があった。
まあ、BSEとは直線関係ないのだけれど。

 つっこみどころは、一番の最後のあたりの『「リスク分析」という欺瞞』という項目のあたりか。
 
 リスク論はきわめてポリティカルな方法論なのだ。

 というのが著者の、ネガティヴな意味での、リスク論批判。

 でも、それって当たり前じゃないかと、思うのだ。
 もともとポリティカルな方法論ですよ。リスク論というのは。間違いなく。
 
 nvCJDだけではない、多くのリスク対策の中で、何を優先し、何を後回しにしても大丈夫か。そういうことを考えるために、編み出された『物差し』だもの。

 著者は、リスク分析は「本来、甲乙つけがたいものに優先順位をつけ、本来強引に線引きできなところに強引に線引きする」と言うわけだけれど、実際の政治の現場では、それをやらねばならないわけで、もしもリスク分析という手法がなければ、それはたまたま、力のある政治家がとりあげた問題が優先させられたり、役人がなんらかの非本質的な理由で推進を計ったり、など、それそこ『政治的』に白黒がつけられちゃうのは目に見てる。たとえば、たばこ産業への配慮から喫煙対策を後回しにして、別のことをさも大きな問題のようにとりあげたり、ね。
 もちろん、リスク分析が政治の現場でつかわれる「ものさし」である以上、それが政治的に利用される(「活用」ではなく)局面は容易に想定できるけど、でも、それと「ものさし」を否定することは別でしょう?

 リスク論が、フグ毒と狂牛病のリスクを単純に死者で比べることについて、
『フグ毒はある意味で時間の試練をくぐり抜けて私たちに納得されたリスクである。対して、狂牛病は人災であり、人為的操作と不作為によって蔓延したまったく納得できないリスクなのである』という。
 なるほど。そうかもしれない。
 かといって、「人災であり、人為的操作と不作為によって蔓延したリスク」だって、たくさんあるのだ。今、この瞬間、世界にはそのようなリスクで満ち満ちている。
 そういうものの対策を立てなきゃならない時に、リスク分析を使わずにどうするのだろうか。
 また、リスク分析とセットになった、リスク・コミュニケーションというものは、『時間の試練をくぐりぬけて私たちに納得されたリスク』のように、「納得される」のまで待っていられない多くの新興のリスクについて、できるだけはやく納得するための手法でもある。だいたい、ここ10年20年の間に発見された、すべての「リスク」を我々か納得するまで、最大限の予防原則でもって対応し続けたら、大変なことになってしまう。

 著者の筆の運び方がある意味ナイーヴだと思うのは、このような著作をパブリックに問うこと自体の政治性に無自覚なことではないかな。
 たとえば、この本のことを、「あれは政治的な本だからね」と切り捨てる人がいてもぼくは驚かない。
 あと、リスク分析・リスクコミュニケーションの発想がないと、著者の主張は、かつての環境ホルモン騒動の時のように、「こわいものはこわい」という伝わり方をしてしまう可能性すらあると思うのだけれど、そのあたりはどうなんだろ。

 もっとも、通読して思うのは、著者はそういうことにはそもそもあまり「興味がない」のかもしれない。BSE対策についての定見を持っているし、はっきりした危機感も持っているけれど、かといって、それを積極的にどうしろああしろと自ら声高に論じていきたいのではないのか、と。

 むしろ、もっとマクロなメッセージを伝えるための道具としてBSEを「ネタ」にしたのかな。
「生命の動的平衡を取り戻せ」というのがそのマクロなメッセージ。あえて単純化しちゃえば。
 
 大枠としては、「そりゃあそうだよね」とぼくもそう思う。
 異議なし。そうできたらいいね、だ。
 でも、「自然が開始したリベンジ」って、言いたいことはわかるのだけど、なんかイヤだな。
我々は、自然からはみ出しており、なおかつ、自然の一部である、という両義性が抜け落ちるからだと思う。
 
 BSEの本としてはあまりにマクロ、かといって著者のマクロな認識を十全に展開するには「BSE本」でありすぎ、というバランスの悪さが感じられた。

 でも、問題提起型の本として、大変面白く読ませて頂きました。批判的な内容をだらだら書いてしまったのは、そのインパクとが大きかったということでもある。


旧聞ですが、千葉国建国

2005-01-23 01:25:57 | 日々のわざ
ようこそ千葉国ホームページへ

上のリンクからもおわかりのように、今年から、千葉県が千葉国として独立したわけですよね。
ドーモト大統領はなぜか目線などして登場しておりますが、いかがなもんでしょうか。
元千葉県民、現千葉系日本人であるところのカワバタは、千葉国の発展を切に祈っております。

思えば、「千葉都民」とよばれ、県としてのアイディンティティを持てずに雌伏する日々。
東京ディズニーランド、東京ディズニーシー、新東京国際空港の名からも分かるように、千葉であるのに、東京と冠される屈辱。
なにかがおかしい、千葉県民が思ったのは当然なのです。

毎日新聞の独立記念特集では、以下のような基礎データが提示されております。

以下、引用。

◇基礎データ

 ●人口605万人    (※デンマーク530万人、シンガポール402万人)

 ●面積4996平方キロ (※東京、神奈川の合計4517平方キロ)

 ●平均海抜約43メートル(※日本一低い)

 ☆経済力

 千葉以外のデータの出典は総務省統計研修所編集「世界の統計04」。01年は1ドル=121・53円、02年は1ドル=125・39円の年平均値で換算。

 ☆食糧自給率

 02年の野菜産出額は1794億円で1962年から41年連続で日本一。漁業総生産量(20万4007トン)のうち、イセエビやカタクチイワシは日本一。米の生産量は32万トンで全国9位。自給率は重量ベースで、生産量÷(日本国民1人当たりの年消費仕向量×千葉の人口)×100。

 ☆野菜占有率

 品目別占有率では75・4%のカブを代表格に14品目で1位(02年)。

 ☆成田空港

 03年の貨物取扱量は世界の空港で2位。国際線の旅客者数は2578万人で国内トップ。

 ☆千葉港

 千葉港は94年から01年まで8年連続で日本一。02年は名古屋港に次ぐ2位。

 ☆観光施設

 世界のテーマパーク入場者数(04年見通し、米国レジャー専門誌アミューズメント・ビジネス誌)で、東京ディズニーランドは約1320万人で3位、東京ディズニーシーがほぼ同数の4位。千葉の海水浴場数は81カ所で日本一(03年)。白子町は約400面のテニスコートがあり「密集度日本一」を主張。

 引用終わり

 おおっ、イケるじゃないか千葉。
 野菜とサカナを抑えているのが、実に心強い。
 それに、東洋のウインブルドンになるのだって夢じゃない。
 
 あと、ヨウ素は世界の総生産の28パーセントを占めるらしいです。
 千葉県民は毎日イソジンでうがいして、みんな風邪知らずになるのです。

 以上です。

 あ、帰省のためにパスポートつくんなきゃ。


「緑のマンハッタン」発送にむけて、連絡

2005-01-22 15:13:08 | 日々のわざ
それぞれ、希望の冊数をまとめます。

しのぶん、猫さん、涼さんが10冊

全然寺さん4冊
サカモトさん3冊
MIKA2冊

リャンさん、Y-MATさん、みゅうさん、低い声さん、グンちゃん、それぞれ1冊。

合計44冊。

手元に15冊あればよいので、45冊をみゅうさんに送っておきます。

確認ですが、今回おわけするものは、裁断の危機から回収されたものですので、無料です。
みゅうさんからは、送料着払いにて送って頂きますので、送料のみご負担くださいね。

みなさんの住所は、みゅうさんに直接、メールにて送ってください。
みゅうさんのメルアドは、コメントから拾ってください。

発送方法の微調整、冊数の調整などでやりとりが必要なら、このエントリのコメント欄をそのままお使いくださいませ。

それではよろくしお願いいたします。