事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「大怪獣のあとしまつ」WHAT TO DO WITH THE DEAD KAIJU?(2022 松竹=東映)

2023-05-31 | 邦画

酷評の嵐。「世界ダメ映画選手権というのがあったら、これに勝てるものがあるとは思えない」とまで。

シン・ゴジラ後の怪獣映画としてこれはないだろうと。

そうだろうか。わたしは面白く観たが。

豪華なキャストと多額の製作費を使って脱力系のギャグ作品を仕上げる、そのこと自体がうれしいじゃないですか。

だいたい、監督が三木聡なのだからシリアスな政治劇を期待するほうがどうかしている。そして意外なことに、政治劇としても一定のレベルはキープしているのだ。

内閣が怪獣の死体をめぐって責任の押付け合いをしながららも、よく考えると死体処理って保健所の仕事じゃね?と気づくあたりのオフビートさはわたしの好みだ。

主演は山田涼介と土屋太鳳。

ここに総理秘書官として濱田岳がからんで環境大臣がふせえり(笑)。厚生労働大臣がMEGUMIで国防大臣が岩松了、そして総理大臣が西田敏行という具合。

それ以外にも染谷将太、二階堂ふみ、松重豊。オダギリジョー、菊地凛子、笹野高史、嶋田久作、銀粉蝶、田中要次、眞島秀和が出る。

退屈するヒマがありませんでした。なんでそんなに嫌われたんだろう。

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うまい店ピンポイント 熟女がいっぱい篇 文下食堂

2023-05-30 | 食・レシピ

カルビーハウス篇はこちら

「高齢者向け売春の話『茶飲友達』を鶴岡まちなかキネマで見て、文下食堂でラーメン。そしたら隣のテーブルに知り合いがいたと。伍長のまわりは熟女でいっぱいですねえ」

「はい」

学校に来た業者が、「文下食堂ってどこにあるんすか。噂だけは聞いてるけどさっぱり」

あの場所を教えるのはきついなあ。むかしは日産がどうしたのって話で一発だったんだけど。

っていうか前日にいっしょになった熟女と翌日は地元のスーパーでいっしょになってしまいました。

お互いに呆れる。

「なんで?」

文下食堂はねえ、前にわたしの初恋の相手にそれはそれはそっくりな女の子が(おそらくバイト)いたの。考えてみればその初恋の相手ももう熟女なのよね。

文下食堂でラーメンをオーダーすると、たくあんがついてきます。酒田にはない習慣。どっかではあんのかな。

 

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史劇を愉しむ その32章「エリザベス」「エリザベス:ゴールデン・エイジ」

2023-05-29 | 洋画

その31章「さすらいの航海」はこちら

史上最長の在位を誇ったエリザベス女王。しかし彼女の人生は平坦ではなかった。不貞をはたらく息子、ほとんど王室を追われるように離婚した嫁が壮絶な事故死……というようなお話ではありません。

こちらは初代のエリザベスをあつかったもの。歴史知らずのわたしにとっては、なかなかの歯応えでした。

まず、いくらヘンリー8世の娘とはいえ、王位継承者には姉がいたし、父親は男子を王位につけたかったから(そのためにイギリス国教会をつくって何度も離婚したのだし)エリザベスが女王となる可能性は低かったというのが意外。ここにからんできたのが宗教改革だったと。プロテスタントだったエリザベスに追い風が吹いたわけだ。

処女王(ヴァージン・クィーン)として知られる彼女だけれども、心の中には恋愛感情や嫉妬も渦巻いていたのがわかる。まあ、演じているのがケイト・ブランシェットなのでそのあたりは絶妙に描かれています。あの人はどんな役でも演じてみせる。

ケイトとジェフリー・ラッシュが共演し、そこにクライヴ・オーウェンやジョセフ・ファインズやリチャード・アッテンボロー、そしてエディ・レッドメインダニエル・クレイグまで登場するのだから豪華なものだ。あ、強引だけどダニエル・クレイグはエリザベス1世と2世の両方と共演したわけだ(ロンドンオリンピック開会式)。

さて、エリザベス1世の人生における最大のイベントはスペイン無敵艦隊との海戦。あ、こういう展開だったのかと戦記物としても面白い。お勉強になりました。ああおそらく多くの社会科教師が「違うだろ!」と怒ってるんだろうなあ。

33章「ベン・ハー」につづく

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どうする家康 第20回「岡崎クーデター」

2023-05-28 | 大河ドラマ

第19回「お手付きしてどうする!」はこちら

歴史知らずではあるものの、大河ドラマは熱心に見ているし、映画好きだから武田勝頼のことは承知している。いちばんメジャーなのは大河「武田信玄」の真木蔵人だろうか。武田家と母親(南野陽子)の屈折が……すいませんよくわかってませんでした。近年では「真田丸」。平岳大の絶望は沁みた。

つまりは悲劇の武将だったわけで、強大な武田家を一代でつぶしたと総括されることが多い。なんといっても黒澤明の「影武者」における萩原健一ですよね。長篠の戦いで、スローモーションで馬が信長の鉄砲に屠られていくシーンと、“セリフがよく聞き取れない”とまでいわれたショーケンの演技はシンクロした。皮肉じゃないんです。

今回の勝頼は眞栄田郷敦。お願いです。千葉家の名前は読めません(T_T)

家康は今回、もののみごとに何もしていない。役に立たない舅だと信長の娘である信康の嫁は吐き捨てる。いますね、こういう人。激昂する信康、たしなめる築山殿(有村架純)。

そして、信長についているかぎり戦は終わらないと考えた信康の手勢は、タイトルどおり武田の後押しもあって信康と築山殿を暗殺しようとするが……

脚本の古沢良太さんが「コンフィデンスマン」の人であることがくっきり。築山殿がダー子(長澤まさみ)であるかのような動きを見せる。そうか寝室が違ってたんだね。

そして意志的に彼女は武田との関係を構築しようとする。

「お友だちになりましょう?」

そうなっちゃうか。

このドラマでブレイクするのは、武田方の魔性の女である古川琴音と、井伊直政を演じるあまりにも美男な板垣李光人かも。このふたりすごい。

第21回「長篠を救え!」につづく

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「アイ・アム まきもと」(2022 SONY)

2023-05-27 | 邦画

映画「アイ・アム まきもと」凱旋試写会 酒田市・希望ホール

小さな市役所で、人知れず亡くなった人を埋葬する「おみおくり係」として働く牧本。故人の思いを大切にするあまり世間のルールより自分の考えを優先してしまい、周囲に迷惑をかけてばかりいた。

そんなある日、新任局長・小野口が「おみおくり係」の廃止を決定。身寄りなく他界した老人・蕪木の埋葬が「おみおくり係」での最後の仕事となった牧本は、蕪木の身寄りを探すため彼の友人や知人を訪ね歩き、やがて蕪木の娘・塔子のもとにたどり着く。蕪木の知られざる思いとともに彼の人生をたどるうちに、牧本自身にも少しずつ変化が起こり始める。【映画.com】

地元映画です。舞台は「庄内市」となっているけれど、市役所の撮影は酒田市役所で行われております。他にもおなじみの場所が次から次へと出てくるので、それだけでうれしい。

イギリス映画「おみおくりの作法」(Still Life)を原作にした映画が、どうして酒田などで撮られたかは判然としないけれども(製作に庄内映画村に関係していたセディックの中沢敏明がかんでいるからでしょう)。この動画にもあるように「おくりびと2」という発想もあったはずだ。

死んだ人の来し方に徹底的にこだわり、無理を重ねる公務員という設定は、黒澤明の「生きる」のイメージも重なります。

主演は阿部サダヲ。「死刑にいたる病」とは真逆のキャラ。しかし自分のルールに固執するあたりは共通しています。

こういう佳品が、地元で撮られたことがうれしい。共演は満島ひかり宮沢りえ國村隼宇崎竜童松尾スズキ。ああそれなのになんでわたしに出演オファーが来なかったのかしら(笑)。

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「沈黙法廷」(2017 WOWOW)

2023-05-26 | テレビ番組

佐々木譲の原作が面白かったし、WOWOWでドラマ化されたこちらもレンタル。

その主な要因は“沈黙するヒロインを演ずるのが永作博美”であることだ。「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」でキネマ旬報ベストテン助演女優賞、「八日目の蝉」で主演女優賞をとった人なのだから、演技力は保証付き。でも彼女の最大の特色は

「年を取らない」

ことだ。チョコラBBのCMに延々と登場しているのは、エーザイがその点に満足しているからだろう。もちろんベビーフェイスであることが有利にはたらいているのだろうけれども、それにしたっていつまでも彼女は若い。

その若さが、このドラマで効いている。彼女のまわりで次々に老人が亡くなっていく。家事代行業で生計を立てている(そのわりに広い部屋に住んでいる)彼女は、まだ枯れていない老人たちをたぶらかし、金をまきあげていたのではないか。そしてある老人の死に直接コミットしていたのではないか……

その一方で、年下の青年(市原隼人)は彼女を熱愛し、殺人などする人ではないと信じつづける。はたして彼女の本質はどこにあるのか。永作博美の年齢不詳さが謎を深めていく。

脚本は「結婚できない男」の尾崎将也。原作を読んだ人でも楽しめるつくりになっています。

弁護士を演じた田中哲司が渋い。いまどきこれだけ盛大にタバコを吸い続ける役もめずらしい。

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アヤメだか菖蒲だか

2023-05-25 | 日記・エッセイ・コラム

「武田信玄のお話の最中に米沢に行くのさ」はこちら

「伍長、やっぱりこの季節はアヤメだか菖蒲になるんですよね」

「そうだな、アヤメだか菖蒲」

「で、アヤメなんですか菖蒲なんですか」

「アヤメだか菖蒲なんだろう。カキツバタって説もあるらしいけどもう何が何だか」

SNS仲間からは

・ジャーマンアイリス

・いちはつ

・黄菖蒲

もうなんでもありですか(笑)。にしてもジャーマンアイリスってドイツあやめってことでしょ。ってことはアイリスオーヤマって「大山あやめさん」説がうちの職場から。

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「調子悪くてあたりまえ 近田春夫自伝」リトルモア

2023-05-24 | 音楽

かつて「深夜の人たち」として深夜放送のDJを特集したとき、どうしても外せなかったのが近田春夫だ。オールナイトニッポンの2部(午前3時~5時)に登場した彼のパーソナリティは、他のDJたちと歴然と違っていた。

彼は現役のミュージシャンとして、自らの嗜好をむき出しにして見せたのである。筒美京平を絶賛し、洋楽から日本の作曲家たちがどれだけパクっているかを遠慮なしに暴露したのである。実は近田もそのあたりは意識的にやっちゃってたわけだけど(笑)。

以降、彼はバンドリーダーとして、ジューシー・フルーツやザ・ぼんちのプロデューサーとして、「タモリ俱楽部」などのコメンテーターとして活躍。と同時にポパイ誌上の「気分は歌謡曲」、週刊文春の「考えるヒット」などの著述家として、常にフロントランナーだった。

そんな彼の自伝が面白くないわけがない。

彼がどれだけマイナーなジャンルに向かっても、経済的に苦しむことがなかったのは、1000曲にも及ぶCM音楽によるものだったとは初めて知った。

ソックタッチ、セブンイレブン、ウォシュレット、爽健美茶などのCMはおなじみ。そしてそういうタイプの曲なら、彼はいくらでも書けると豪語する。

もちろんそれは、先述したように洋楽を“ヒントにする”職人技があるからであり、そのあたりはDJ時代とまったく変わっていないのでした。大好き。

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「ROOKIES」「ROOKIES -卒業-」

2023-05-23 | テレビ番組

「今さら?」

と思われるよね。あの高視聴率を誇り、劇場版がその年の興行成績のトップをとった、誰もが知る大ヒットドラマを、わたしは初めて観たのである。

どうして観ていなかったかというと、そのヤンキーっぽい雰囲気と、なんか暑苦しそうじゃない

それじゃあなぜ今になって観たかというと、とにかくこのドラマに登場した高校生たちが次々にスターになっていったからだ。

市原隼人、城田優、桐谷健太、そしてなんと佐藤健までいたのである。まあ、高岡蒼佑、小出恵介のようにスキャンダルのためにフェイドアウトした人たちもいるけれども。

さて、暑苦しさは想像以上。夢を語り続ける熱血教師(佐藤隆太)が、野球は素人であることで、さまざまなドラマが生まれる。試合中に大ゲンカしたせいで対外試合停止になっていたどんぞこの野球部(みんな昔の阪神の選手名になっている)が甲子園に出場する奇跡(テーマソングはGReeeeNです)を、絵空事に感じさせないあたりは周到だ。

意外なほど市原隼人のルックスは高貴だったんだと気づき、そして吹石一恵がとんでもなくきれいだったんだなと再確認したドラマでした。いや別に沈黙のパレードの次に特集したから福山雅治にサービスしたわけではありませんよ。

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「沈黙のパレード」(2022 東宝)

2023-05-22 | 邦画

原作が東野圭吾にしてはどうも弾まなかった。その大きな部分は、主人公がガリレオである必然性があまりない、というところではなかったろうか。6年ぶりにガリレオを映画化するにあたって、どうしてこの原作を選択したのだろう。

しかしけっこう映画は面白い。ストーリーの核に草薙(北村一輝)の意地があることと、やっぱり湯川(福山雅治)の相方は、柴咲コウじゃなくっちゃ。

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