事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

孟宗2022

2022-04-30 | 日記・エッセイ・コラム

裏草月篇はこちら

「伍長、敵襲です!」

「斥候ご苦労」

「現在12本確認できました」

「そうかあ。うふ」

「うふふふ」

……わたしの体重はこの季節に急上昇する。それはもちろん孟宗汁のおかげ。5月下旬まで、スコップを持って竹林に行く生活が続く。幸せ。

桜見るバカ篇につづく

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今月の名言2022年4月号PART1 正気でいて。

2022-04-29 | ニュース

あなたの空を翔びたい:尾崎亜美.

2022年3月号PART4「外国語指導助手」はこちら

Stay sane.”(正気でいなさい)

ドライブ・マイ・カー」でアカデミー賞をとった濱口竜介監督に、前年のオスカー監督、「ノマドランド」のクロエ・ジャオ監督がかけた言葉。

深いなあ。にしてもつくづく、この二作品は似た肌合いだと思う。熱情と、冷静さのバランスがすばらしい。

その2「コロナと肥満」につづく。

本日の1曲は尾崎亜美の「あなたの空を翔びたい」高橋真梨子に提供したのが彼女なのが忘れられる前に。

最初のフレーズの「キサゲ」って何かなあとずっと思ってました(これでも英文卒)

PART2「アイスクリームの城」につづく

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「消されたヘッドライン」State of Play(2009 ユニバーサル)

2022-04-28 | 洋画

日々衰え行く体力。特に持久力。ダイエットに成功はしたものの、体重とともにいろんなものを失った。身体だけでなく、頭の方もどうもいけない。DVDレンタルの棚を眺め、はて俺はこの「消されたヘッドライン」を見たことがあったっけ……

ラッセル・クロウベン・アフレックがからみ、女優陣もレイチェル・マクアダムスとわが愛するロビン・ライトが出ているのだから見逃しているはずはないのだが。

まあ、キャスティングでだいたいの展開は読める。しかしそれが、わたしの勘が鋭かったからなのか、すでに一度観ていたからかすら判然としない。このテの政治がからんだスリラーは大好きなので、たいそう面白く観ることはできたのだが。

ん?こんな具合だと、昔観た映画を新鮮な気持ちでまた観ることができるのか。歳をとるというのは楽しみが増えるってことだったのね。そうよね(泣)。

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裏草月

2022-04-27 | 日記・エッセイ・コラム

「桜切るバカ」篇はこちら

「あれ?伍長また活け花始めたんですか」

「池坊のお偉いさんがこれまで一生懸命やってくれたけど異動。となればわたしの出番だろ」

「池坊に勝てるんですか(笑)」

あるだけとるだけさすだけ!

……この春までいた職員には池坊の流儀を見せつけてもらった。すごいんだね前衛で。そっかー、こういうのもありなんだと驚きの日々。

で、彼女が異動。わたしが草月の代表としてがんばらなくては。あ、嘘ですよ草月ってのは。妻が草月系の人なので、わたしは裏草月ってことで。咲いてるものを突っこむだけ。

「あー。このユキヤナギはきれいね」

これってユキヤナギって植物だったんだ。知らなかった。大丈夫か。

孟宗2022につづく

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「たまごの旅人」近藤史恵著 実業之日本社

2022-04-26 | 本と雑誌

その7「家庭裁判所調査官」篇はこちら

旅行が好きじゃない。できれば家にこもって外に出ない生活をしていたい。いや旅行が楽しいのはわかってますよ。これまでのお出かけについては大事な思い出だ。

でもねえ、新婚旅行で中国に行ったときも、家族旅行で函館に行ったときも、そりゃあ楽しくはあったけれどもトラブル続き。

香港の空港では妻のスーツケースが(短い間ではあったけれども)行方不明になるし、函館旅行では台風のおかげで乗り換えに苦労したものだった。

最低だったのはハワイで、前にもお伝えしたと思うけど、行きたくもないのに海釣りに挑戦。ところがメルカトル図法の世界地図をつい思い出してしまい、

「おれはいま世界のまんなかを漂ってるんだ!」

と気づいて船酔いで4時間吐きっぱなし。あれはつらかったなあ。人生で一番長い4時間でした。おれはホノルルでフリーでいいだろ?と言ったのにリーダーが

「団体行動だ!」

ツアーってやっぱり嫌い。

そんなわたしにとって、ツアーコンダクターとはもっとも縁遠い職業だ。

主人公の遥(はるか)は、念願の海外旅行の添乗員となる。そんな彼女に襲いかかる数々の出来事。まあ、他の商売でももちろん起こり得るトラブルだが、どうしたって旅先だからきつい。

しかし親切な先輩にめぐまれ(そのかわりに客にはめぐまれない)次第に成長していく連作集。近藤史恵さんはさすがだ。

彼女のようなツアコンがケアしてくれるのなら、わたしも旅に……いやいやダメだろ。トラブルを引き寄せているのはきっとわたし。

にしたってこの小説に出てくるスロベニアは激しく魅力的。いつか……いやいや行かないだろわたしは。行かないよ。行かないと思います。

コロナのおかげで旅に出られなくて不満だらけのあなたならこの小説は楽しんでもらえるはず。にしたってあなた、そんなに旅行したいですか

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「俺の家の話」(2021 TBS)

2022-04-25 | テレビ番組

製作が磯山晶で脚本が宮藤官九郎、そして主演が長瀬智也と西田敏行とくれば、こりゃどうしたって「タイガー&ドラゴン」を想起させる。ま、わたし的にはいまひとつだった「うぬぼれ刑事」はなかったことにして。

落語とやくざを融合させるというアクロバティックな世界を構築した「タイガー&ドラゴン」以上に、今度は能+プロレス+介護という、どんな三題噺かと絶句。

基本的に暗い話なのだが(クドカンの脚本は、よく考えるとみんな暗い)、切れ味の鋭いギャグが連発されるので印象としてずいぶんと明るく思える。

能楽の人間国宝である観山寿三郎(西田敏行)の長男である寿一(長瀬智也)は、家を出てプロレスラーになり(リングネームがブリザード寿……んで、ユーミンの「ブリザード」で入場するのが笑える)、しかし父親が危篤となったため、引退して宗家を継ぐ覚悟をするが……

長女が江口のりこで次男が永山絢斗。養子に迎えられたのが桐谷健太。長州力や蝶野正洋、武藤敬司らプロレスラーがドラマにからんでくるのがおかしい。

強力だったのは家族旅行の回で、スパリゾートハワイアンズに向かった一行が、純烈のバッタもんのような歌謡グループのボーカル(阿部サダヲ)といっしょに観山家がステージに立つ展開。長瀬智也、西田敏行、桐谷健太、阿部サダヲと、“歌えるメンツ”をそろえていたおかげで最高のステージに。

彼らにからむのが、ほとんど後妻業の女である戸田恵梨香。とんでもない悪女ではないかと思わせて……長瀬智也に山賊抱っこをされて愛にめざめるあたりのセクシーさがすばらしい。

そして、くわしくは言えないけれども最終回!そうきたかあ。あ然。まさかあの映画を引用するとは。すばらしいドラマ。見逃していた人はぜひぜひ。

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鎌倉殿の13人 第16回「伝説の幕開け」

2022-04-24 | 大河ドラマ

第15回「足固めの儀式」はこちら

前回で源頼朝(大泉洋)がどんだけ黒いかを描いたと思ったら、今回は弟の九郎義経の狂気を描いている。

義経が人間関係をうまく構築できないことはこれまでも菅田将暉がうまく演じてきた。しかし日本の歴史上、もっとも戦上手であることを今回は次から次へと実証している。それまで腹黒い戦略家とされていた梶原景時(中村獅童)が

「なんであいつだけが思いつくんだ」

と呆れるぐらい。それってミリタリーオタクなだけなんじゃないの?という三谷幸喜の揶揄も含めて。

筆で描かれた地勢図が何度も登場する。ああ、大河ドラマだなあ。もちろんCGを利用した勢力図もうれしいのだけれど。

後白河法皇(西田敏行)に嫌われて京を去る木曽義仲(青木崇高)。彼は義経の挑発に簡単に乗るような山猿ではなかったし、巴御前(秋元才加)が生き延びるために手を尽くしている。松尾芭蕉が、彼のそばに葬ってほしいと願い、そしてそれが実現しているのは知らなかった。

さて、それでも木曽義仲は源頼朝に結果として敗れた。それはなぜかということをこのドラマは冷厳に(ちょっと苦しいけれど)こう説明している。

「義などというものにこだわるなど、平氏と変わらん」

と後白河法皇につぶやかせる。

信頼すべきものを、だからこそ殺した頼朝と、なんで馬に乗って戦うことにこだわるんだと一蹴する義経。こういう人間たちが戦には勝つと。

しかし、最後の最後に生き残るのは、今回も困った顔ばかりしているお兄ちゃん(小栗旬)なのだった。彼は常に調整役を演じています。伝説に残る人と、実際に統治する人は違うんだなあ。

第17回「助命と宿命」につづく

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うまい店ピンポイント オレはチャリが好きなの~三日月軒駅東店

2022-04-23 | 食・レシピ

麺かためで?篇はこちら

「あれ?伍長。技能士の代わりに市役所にチャリで外勤に行くとなれば、川柳か米沢屋ですよね。なんで三日月軒駅東店?」

「米沢屋に行ったらな、換気扇の工事のため休業だったんじゃ」

「ふははは。相変わらずひきが弱いですねえ」

……ほんとにひきが弱いにもほどがある。行けば定休日。臨時休業。究極はこれ。

でも、市役所から帰って、二番町の公園で一服。これも学校事務職員の醍醐味かと。気候がいいときは旭新町の公園でもう一服します。これって一種の逃避だよなあ。

ゴールデンウィーク総括篇につづく

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「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」鈴木忠平著 文藝春秋

2022-04-23 | スポーツ

週刊文春に連載され、単行本化されていきなりベストセラーになったノンフィクション。

中日の監督に起用された落合博満

・キャンプ初日に紅白戦を行ったのはなぜか

・熟練の荒木と井端のポジションをコンバートしたのはなぜか

・日本シリーズで完全試合目前だった山井を降板させた理由は

・落合が監督した8年間に、中日はすべてAクラスにいて、日本シリーズに5度進出。日本一にも輝いた。それなのになぜ落合博満はこうまで嫌われたのか

・そして、監督を解任された本当の理由はなんだったのか

……次々に謎は提示され、まるでミステリのように読み解いていく過程が興味深い。それぞれに(少なくとも落合のなかでは)まっとうな理由が語られ、稀有な野球人だったと納得させられる。

落合の解任には中日新聞社内の派閥抗争が影響したとか、ノンフィクションとして確かに読ませる。勝ち続けることによってインセンティブが発生し、球団経営が苦しくなっていった経緯も説得力がある。また、名古屋の財界の意向が激しく影響したのだろうとも想像できる(立浪の就任に彼らは雀躍していることと思う)。

ただし、有望なドラフト候補やその取り巻きが希望球団として

「中日以外全部」

とコメントするような球団にしたのも落合なのだ。オレ流、のダークサイド。今度は、落合を忌避する側からのアプローチの作品も読んでみたい。

球春到来。2022年の中日は立浪新監督のもとで、今のところ勝ち越している。しかし、それは大島の好調さに依拠しているわけで、彼の年齢を考えれば、出でよ新人、とみんな願っているのではないだろうか。はたして落合がどんな下地をつくったか。心配する義理はないけどね。

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「白光」朝井まかて著 文藝春秋

2022-04-22 | 本と雑誌

美術方面には昏いものだから、山下りんという女性のことはこの作品で初めて知った。

明治の初め、他家に嫁ぎ、子をなすことが何よりも女性に求められていた時代に、絵師になるために笠間から江戸へ家出するりん。当然のように連れ戻されるが、彼女の絵への熱情は衰えることがなかった。自分の求めるものを探し続け、次々に師を変えながら正教会に入信。その縁で当時のロシアの首都だったサンクトペテルブルクに留学する。しかしそこでも正教会のイコン(聖像)の平板さに失望し……

日本初のイコン画家となったりんが、ルネサンス以降の立体的な画風に魅かれながら、しかし無署名で模写にすぎないイコンを描き続けるうちに、白い光をりんは感じるようになっていく。

恋愛要素はいっさい作中に含まれていない。東北が初任地だったために訛りがぬけない宣教師ニコライは魅力的な人物だし、家族との関係も次第に修復されていく。しかし彼女はひたすらに描き続ける。いっそ爽快なくらいだ。

この作品にとって幸せなことかは微妙だが、どうしようもなくりんの人生がロシアとの関係性で捉えられるのは仕方がない。

留学先での修道女たちとの軋轢、勃発する日露戦争、そして革命のために衰えていくロシア正教……そして現在わたしたちはロシアの不幸な事態を極東から眺めている。

果たしてりんが生きていたら、どんな思いでいたことだろう。そしてりんの人生を描き切った朝井まかては、この状況をどう考えているだろう。

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