事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

港座通信~「アラバマ物語」 主演グレゴリー・ペック

2010-04-30 | 港座

Tokillamockingbird 監督:ロバート・マリガン

原作:ハーパー・リー

米国映画協会が選定した映画ヒーローのトップに、ペック演ずる主人公のアティカス・フィンチ弁護士が輝くほど、アメリカでは名作扱いされています。「ものまね鳥を殺すために」という原題が秘める絶望と希望。すごい映画です。

主人公の娘の視点で語られるストーリーは、ハーパー・リーの子ども時代の思い出がもとに。

彼女と共に冒険する少年のモデルはなんとトルーマン・カポーティ。その縁でリーはあの「冷血」の取材にも同行しています。黒人の冤罪を晴らしてめでたしめでたしといった単純な映画では決してありません。アティカス・フィンチは、確かに“こんな大人になりたかった”と誰もがあこがれるヒーロー像かも。とりあえずわたしはペックのメガネが素敵だと思いました。

上映は4月30日(金)15:00、18:00。ぜひ。

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港座通信~「めし」(1951年 東宝)

2010-04-30 | 港座

Narusemeshi01 監督は、東宝でメロドラマを撮らせたらこれ以上の人はいない成瀬巳喜男。海外での方が評価が高い国際的な巨匠です。

「めし」は、林芙美子の絶筆を、上原謙、原節子、杉村春子、小林桂樹などのオールスターキャストで描いたもの。なんと川端康成が監修にあたっています。少し疲れた主婦を演じた原節子が新境地を開いた作品としても知られています。これがまたきれいなんだ。

※ 上映は4月30日(金)12:00、5月1日(土)15:00、18:00。実はうちの妻がこの作品を楽しみにしています。女房孝行ができてよかったよかった。

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港座通信~「オズの魔法使い」Wizard of Oz

2010-04-30 | 港座

Wizardofoz 監督は「風と共に去りぬ」のヴィクター・フレミング。主演のドロシーを演じるのはジュディ・ガーランド。高名な原作を、(このころは)可憐なジュディで描いたことで大ヒット。案山子、ブリキ男、おくびょうなライオン、西の魔女などのキャラが立ちまくり。悲劇的な晩年を送ったジュディの、だからこそ光り輝く代表作です。

上映は4月30日(土)15:00。5月1日(土)12:00です。お楽しみに。

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港座通信~「荒野の決闘」My Darling Clementine

2010-04-30 | 港座

Mydarlingclementinetitle 監督ジョン・フォード、主演ヘンリー・フォンダという鉄壁の布陣。「ワイアット・アープ」「ドク・ホリデイ」「クラントン一家」「OK牧場」「いとしのクレメンタイン」「モニュメント・バレー」……これほど有名なフレーズが数多く仕込まれていながら、ラストシーンに代表されるように、静かな、ほんとうに静かで叙情的な西部劇。日本では「雪山賛歌」として知られる主題歌は、こんな歌詞です。

Oh my darling, oh my darling,
Oh my darling Clementine
You are lost and gone forever,
Dreadful sorry, Clementine.

おお愛しの おお愛しの
おお愛しのクレメンタイン
行方知れずで 永遠に去ってしまった
本当に悲しいよ クレメンタイン

上映は4月30日(金)12:00、5月1日(土)18:00です。

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港座通信~「カールじいさんの空飛ぶ家」 Up

2010-04-30 | 港座

Uppixar 二日目の目玉はピクサーの最高傑作「カールじいさんの空飛ぶ家」(2009 ディズニー)。CGアニメをこどもたちだけのものだと思っていませんか?冒頭の10分間で観客をボロ泣きさせ、CGでしか描けないものが、人間の老いと、同時に老人の輝きであることも確信させた傑作。必見!

※上映は5月1日(土)12:00と15:00。これまでのピクサーの作品を、いい歳をして全部観ているわたしだけれど(ちょっと自慢……かどうかは微妙)、「Mr.インクレディブル」と「WALL・E」をぶっこ抜いて、文句なく最高作だと思う。お送りできるのが誇らしい作品だ。ぜひ。

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祝!「劔岳」日本アカデミー賞受賞!

2010-04-28 | 映画

Tsurugidake07 ゴールデンウィークの港座ラインナップは豪華です。まずは、「劔岳 点の記」で日本アカデミー賞最優秀録音賞を受賞した酒田市在住の石寺健一さんの記念イベント。文字どおり命を賭けて撮影された作品の背景が語られる予定です。狂気すら感じられる撮影現場から生み出された映画が、あれほどに静謐で、同時に感動的だった秘密があかされます。

※ 酒田ロケーションボックスの協力をえた記念イベント。なんと入場無料。正直、石寺さんに訊いてみたい。「あの監督(木村大作)の下で働くのって地獄じゃなかったですか」と(笑)。
イベント開始は4月30日(金)午後6時です。お楽しみに。

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わたし怒ってます~阿久根PART10

2010-04-27 | 社会・経済

PART9はこちら

阿久根市長「中身ない判決、裁判官は見下してる」
4月12日 読売新聞

 庁舎内の張り紙をはがしたとして、鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(51)から懲戒免職処分にされた元係長の男性(45)は12日、処分を取り消した9日の鹿児島地裁判決後、初めて市役所に登庁したが、市側から復職を拒否された。

 市側は判決に基づき、男性を復職させなければならないが、市長は11日付の自身のブログで、「中身のない判決文を見れば、裁判官は私達を見下しているのが分かる」などと、判決を批判している。
 読売新聞は市長にコメントを求めたが、回答はなかった。

……竹原ルール、とでも名づけたくなるやり方がここでも顕著だ。つまり、特定の誰かを仮想敵に設定し、ひたすらにそれを叩くことで(特にネット右翼たちから)支持を集めようとしている。

 大阪府知事における府内の市長たち、東京都知事における中国人、宮崎県知事における民主党、阿久根におけるマスコミなど、仮想敵はわかりやすい形をとっている。しかもみんな日教組を毛嫌いしているあたりがなおわかりやすい(笑)。

 さて、わかりやすいからといって、一点集中では彼らの攻撃も色あせていく。だから次から次へと標的を変えていかなければならないのも道理。阿久根市長の場合、それは

“高給をとっている公務員”からスタートして、

“自らに背いた係長”

“意に沿わない市議”

“気に入らない判決を下した裁判官”

“偏向した報道をつづけるマスコミ”

と、新たな『ネタ』を提供し続けている。

 攻撃を続けるかぎり、彼は弱みを見せずにすむ。少なくとも彼はそう考えているはず。しかし住民への行政サービスは低下しているはずだし(さすがに職員の士気は低下しているだろう)、市長への旗幟を明らかにせざるをえない状況では、阿久根への資本投下は停滞しているに違いない。

 いつか市長も守勢に立たざるを得なくなる。そのときが、竹原信一という人物の器が試されるときだろう。この分だとPART11につづきます。

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続・意外なふたり~麻布中の優等生と劣等生

2010-04-26 | うんちく・小ネタ

Newparty 「おお我が母校」はこちら

♯108 平沼赳夫 & 与謝野馨

このふたりは麻布中学校の同級生。与謝野はそれはもう優等生だったんですって。平沼は、小学校のときに吉永小百合のお姉さんとも同級生。まあ、それはともかく「たちあがれ日本」は出来不出来はともかくとした同級生コンビによって結党されたわけだ。

しかし、このふたりの政治的スタンスには天地の開きがある(わたしにとっては与謝野の方が天で平沼が地)。ほとんど極右である平沼と組むことで、与謝野の理想は大きく変節せざるをえないだろう。舎弟である後藤田正純が追随しなかったのは、なぜ平沼なんかと、という嘆きがあったのではないかとわたしは考えている。

平均年令が70才近いことで揶揄されている「たちあがれ日本」だが、わたしは応援団長が石原慎太郎だったり、拉致議連の中川義雄やダークな噂のたえない藤井隆男がメンバーだったりすることの方でこの“新党”にはまったく期待していない。硬骨の人、与謝野馨にはシンパシーを感じていただけに残念。

次回は「得意技は年末調整

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龍馬伝~第17話「怪物、容堂」

2010-04-25 | テレビ番組

Geikaisuikoh 第16話「勝麟太郎」はこちら

視聴率オタクとして語らせてもらおう。

前回の「龍馬伝」は21.9%で全ジャンル中トップ。「新参者」がそのすぐ下で21.0%。わたしの苦手なテレビ朝日の刑事ドラマがドラマ部門で三本もランクインしているのはどうかと思うけれども(トップテンのなかで6本が警察関係。これもいかがなものか)、業界の地盤沈下は激しく、製作費削減の影響からか、芸人を酷使しつづけることで成り立っている現在のテレビの限界は見えてきた。金と時間をかけたドラマが(やっと)健闘しているのだ。

視聴者だってなめられてばかりではない。作り手の志が感じられるものにはちゃんと反応する。いったい誰に向かってつくっているのか判然としなかったこれまでの連続テレビ小説にしても、初回の不調はどこへやら、「ゲゲゲの女房」はグイグイと視聴率をのばしてきているではないか。

さて、今回はめでたく(本当にめでたいと思う)勝海舟の弟子となった坂本龍馬が、各藩をまわって人集めに奔走するお話。肝心の土佐藩において対峙するのが山内容堂(近藤正臣)。彼が吐き出すように語る武市半平太への呪詛に慄然とする勝と龍馬……

鯨海酔侯、と自ら称した「酔って候」な容堂のことは、なにしろ柳ジョージがあの声で渋く歌っていたのでわたしたちの世代にはおなじみ。酒と女に不自由しない男だから語れることってあるよね。あるはず。あってほしい。あってくれよ<(_ _)>

「柔道一直線」で、あれほど生意気で天才肌の(なにしろ足でピアノを弾く人ですから)敵役を演じた近藤正臣が、まさかこれほど味のある役者になるとはなあ。あの人って関西弁になるとマジでいい。

日曜夜は「龍馬伝」(NHK)から「新参者」(TBS)への流れが定番化しそう。しかし今回の「新参者」は阿部寛+夏川結衣という黄金コンビを、黄金コンビであるという前提で余裕ある描き方をかましているので、視聴率の逆転はありうるかも。

視聴率的にいつも不運だった貫地谷しほりが、はじめて“視聴率の女王”たりえた「龍馬伝」の、千葉道場から龍馬が巣立つという重要な場面で、福山雅治と里見浩太朗のスケジュールが合わなかったのか、ぎこちない別撮りになっているあたりはつらい。こりゃ、マジで「新参者」に……

視聴率は日曜夜の在宅率の上昇もあって、今週は23%とよみました。

第18話「海軍を作ろう!」につづく

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1Q84 BOOK3

2010-04-24 | 本と雑誌

Q3ad20100416 「BOOK3騒動」はこちら

 近所の書店であっという間に売り切れるほどの人気。次回入荷まで一週間はかかるということなので静かに待とうと思ったら、娘のケータイから「(郊外型書店には)まだあるけど、買う?」と連絡が。即レスで「買え」。新潮社よ(あるいは取次よ)、ちゃんと小さな書店にも配本してやってね。

 青豆と天吾の相聞歌になっていたBOOK1&BOOK2と違い、小さな役割しか担っていないと思われていた牛河という“探偵”の視点がくわわることでミステリ的色彩は強まった。

 教団の使い走りとして青豆と天吾の関係を調べる牛河のキャラクターが圧倒的。醜い容貌のために誰からも(妻子からさえ)愛されたことがなく、しかし仕事については誰よりも有能な男。まるでシャイロックかスクルージのようなタイプなのに、次第にこの男の魅力に読者はあらがえなくなっていく。複雑な物語をきちんと解説してくれるし(笑)。

 青豆、天吾、牛河の三人とも、それどころか登場人物はすべて何らかのトラウマをかかえている。考えてみれば悲しいお話。特に、妻との関係で強烈な屈託をかかえ、生き続けることをやめてしまう(自殺ではなくて)NHKの集金人である天吾の父親は悲惨ですらある。BOOK3発売時の狂騒をNHKも大々的に報じたけれど、内容がこうだと知っていたら果たして……。

 オウム真理教がらみでこの物語を読みこめば、村上春樹があの教団を、そして彼らの行動をもちろん賞揚はしないけれども、決して侮ってはいないことがわかる。茶番、と切り捨ててすむ話ではないと。

 これだけ悲しいお話なのだから、という前提でなければ気恥ずかしくなるほどのハッピーエンド(微妙だけどね)は成立しない。

「ねえ、私の胸ってあまり大きくないでしょう」、青豆はそう言う。

「これでちょうどいい」と天吾は彼女の胸に手を置いて言う。

「本当にそう思う?」

「もちろん」と彼は言う。「これ以上大きいと君じゃなくなってしまう

「ありがとう」と青豆は言う。そして付け加える。「でもそれだけじゃなくて、右と左の大きさがけっこう違っている」

「今のままでいい」と天吾は言う。「右は右で、左は左だ。何も変えなくていい」

……1Q84年という、ふたつの月が存在する世界から脱出するふたりの行く末は決して平坦ではないが、青豆は天吾によって、天吾は青豆によって生きる承認をえて、幸福を獲得していくだろう。何も、変えないままに。

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