事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

今月の名言2017年8月号PART4 ベーコンエッグ

2017-09-03 | 国際・政治

PART3「道徳」はこちら

「あなたたちの言い分は分かった。今は講演会の最中だから。もう下がって」

2009年、フンボルト大学で講演中、大学改革に反対する学生の抗議を静かに聞いていたドイツのメルケル首相のひとこと。学生たちは引き下がった。

カリフォルニア州知事選に出馬したアーノルド・シュワルツェネッガーに学生が生卵を投げつけた。彼はにやりと笑って

「ベーコンはどこだ?」

彼はもちろんその選挙に勝った。

なにを言いたいかおわかりですね?どこかの首相とは人間の器が違うんだなと。

PART5「てぇへんだてぇへんだ」につづく

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今月の名言2017年8月号PART2 炎と憤怒

2017-09-01 | 国際・政治

PART1「日本銀行」はこちら

「世界が目にしたことのない炎と憤怒(Fire & Fury)に直面する」

言うことをきかない北朝鮮に、米大統領が発した威嚇の言葉。金王朝の異常さは誰でも知っているし、一向に改悛する姿勢を見せないことにいらだちもする。しかしこんな発言をしたことで、米朝はついに同じレベルに立ったとつくづく。

脅しをかければ、むしろ北朝鮮内部が結束するから逆効果なのは理の当然。アメリカだってそのくらいの理屈はわかっているはずだ(と思う。確信ないけど)。それでも、大統領は威勢のいい発言を続ける。続けざるをえないのだろう。自分の支持者たちがスカッとするツイートでしか支持をつなぎ止められないでいるようだし。

でも、威勢のいい発言を続けていれば、威勢のいい行動をとらざるをえなくなる。こんな低レベルなトップが米朝二国にいることの恐怖。そして、彼ら道化が核攻撃のボタンを押すチカラを持っていることの恐怖……。

PART3「道徳」につづく

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今月の名言2017年7月号PART2 冷笑と哄笑

2017-08-01 | 国際・政治

PART1「玄人好み。」はこちら

「俺の悪口言って、皆上がって来いよ」

「俺は田中派だが、あいつだけは許さない、と言って上がって来るんだぞ」

石破茂自民党元幹事長が披露した、ロッキード事件当時の田中角栄が派閥の会合で放ったことば。

この当時、田中角栄への逆風は恐ろしいくらい。いま思えば田中の金権体質よりも現内閣のお子様ぶりの方がよほど国民にとって不幸だった。マジ。でもこの発言はやっぱり意地でも言うよね、普通。言わないのが現政権だけで。

田中の親分っぷりに比べて、いまの自民党の体質を露骨に示したのが都議選だった。

「どういうつもりで書いているか知らないが、我々はお金を払って(新聞などを)買っている。そのことを忘れてはだめだ」

「落とすなら落としてみろ。マスコミが選挙を左右すると思ったら大間違いだ」

二階俊博幹事長の応援演説。

それどころか後藤田正純副幹事長は、街頭演説で自民党の問題点を指摘したら、党幹部から注意されたという。

きわめつけはこれだ。

「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」

もう今年を代表するセリフになってしまいましたね。都議選でただ1回の演説を、自分のフランチャイズである秋葉原(へーえ。確かに若い世代ほど内閣支持率は高い)でやったら、ヤジや「アベやめろ」のプラカードの嵐に激高した首相の、おそらくは本音中の本音レス。これまでがうまく行きすぎていたのに、つい調子に乗ってしまった結果がこれだ。攻めているときはいいが、守りに入ると脆い人なのは第一次のときで承知していても、ここまでとは。

彼を支持する人たちにも似たことが言えて、内閣が調子のいいときは反安倍勢力を冷笑することができた。そう、冷笑こそが彼らがもっともしたいことなのだった(でしょう?)。しかしそうは行かなくなったので、彼らの態度は「無視」か「哄笑」に変わりつつある。ちょっと前なら、想像もしていなかった世間のムード。潮目は変わったなあ。

にしても稲田前防衛相の離任の映像にはおそれいった。幹部が「(式を)辞退するだろうと思ったが」とコメントしたのは当然。しかし満面の笑みはきっと強がりではないんだろう。いやはやすごい人物が大臣をやっていたんだねえ。

2017年8月号PART1「日本銀行」につづく

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「ゴーン・ガールズ」(2017 日本)

2017-07-29 | 国際・政治

井上陽水 帰れない二人

ふたりの女性が、ほぼ同時に辞意を表明した。稲田防衛相と、蓮舫民進党代表。この、ほぼ同じ時期にというあたりが妙味。どちらかがどちらかにぶつけることで報道における扱いをなんとか小さくしたかったのかもしれず、政治とはこんな偶然の集積なのかもしれない。

蓮舫代表には同情すべき点が多々ある。彼女に失点があったとすれば二重国籍問題だろうが、あれを騒ぎ立てる神経がわからない。まあ、ウヨ系の方々からすれば、彼女をたたくネタがあればなんでもよかったのだろう。

代表の不幸は、率いるべき党が最初からバラバラだったことだ。だからどんな後ろ盾がついたとしても、その後ろ盾によって“色”がついてしまい、結局は足をひっぱられる。例によって前原が代表選に出るようだけれども、彼がふたたびトップに立つようならわたしはこの党を完全に見放す。改憲・原発推進派と護憲・反原発派に早いところ割れてくれないかなあ。

連合がそれを許さない?でもその連合自身が現政権と裏取引をしていたことがあからさまになっちゃったじゃないですか(笑)。なにやってんだか。

防衛相については、まことに残念なことと言わざるをえない。彼女のことだから特別監察の結果も無視して居座ってくれるものと期待していたのに。そうすれば、もっともっと現政権は弱体化し、民進党の混乱を相対化してくれただろうに。

しばらく稲田朋美はオモテに出て来れないだろう(油断はできませんが)。自民党の、といって悪ければ極右系与党の最も醜い部分を体現していたのが彼女だった。数に驕り、選挙民をなめ、マスコミや法律などなんとでもなると。

それ以前に、この稲田という人物が無能だったことは確かで、なにしろあの奇矯な籠池夫妻が自らの顧客であったことをすっかり失念していた(笑)というのだ。少なくとも、その申し開きが通用すると発想した時点でこの人はアウト。内閣改造一週間前に辞任という、ちょっと恥ずかしすぎる結末をつくりあげた首相と彼女の連携もおみごと。

ということで本日の一曲は井上陽水と忌野清志郎が三鷹のアパートでカレーを食べながらつくった「帰れない二人」。わたしは70年代フォークの最高傑作ではないかと思う。

で、関係ない話だけど、今日の「ひよっこ」にはまいった。

「わたし、わがっがら

自分も苦労してきたからこそ言えるみね子のこのセリフに泣けないやつは人間じゃねー(笑)

これから、このドラマは「ひまわり」(松嶋菜々子じゃなくてソフィア・ローレンのですよ)パターンで突っ走るのかなあ。岡田脚本だから油断はこちらもできませんが。

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世論調査

2017-07-11 | 国際・政治

Lady Antebellum - Heart of the World (lyrics)

今朝のNHKのニュースを見ていて、あれ?と思った。世論調査の結果を報じた部分。読み上げられた質問はこうだったのだ。

「北朝鮮は、今月4日、弾道ミサイル1発を日本海に向けて発射し、ICBM=大陸間弾道ミサイルの初めての発射実験に成功したと発表しました。安倍総理大臣は、北朝鮮の脅威が、さらに増していることを示すものだと述べています。こうした北朝鮮の動きに不安を感じますか」

こう訊かれて、さすがに不安を感じない人は多くないはずだ。結果は「大いに不安を感じる」が46%、「ある程度不安を感じる」が38%、「あまり不安を感じない」が9%、「まったく不安を感じない」が3%……予想どおりですね。そして、直後の質問はこうくる。

「安倍総理大臣が、アメリカのトランプ大統領や韓国のムン・ジェイン大統領と日米韓の首脳会談を行い、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮に対し、国連安全保障理事会で厳しい措置を含む新たな決議の採択を目指すなど、3か国が連携して圧力を強化していくことで一致したことについて、評価しますか」

……わたしが不思議に思ったのはここだ。なんか、回答者をどこかにリードしていこうという意図が見え見えじゃないですか。

同じ安倍応援団である読売はどうかというと

Q 安倍内閣について、「長期政権のおごりが出ている」という意見がありますが、あなたは、その通りだと思いますか、そうは思いませんか。

……いくら読売の読者でも驕っていると判断している(68%)。そこへ次の質問。

Q 民進党の蓮舫代表に、期待しますか、期待しませんか。

答 1.期待する 23    2.期待しない 70    3.答えない 7

自民党以外にそれでは期待する政党はあるのかと念押ししているかのよう。まあ、対する朝日新聞も……

最近の安倍首相の発言や振る舞いをみて、安倍首相のことを

大いに信用できる ある程度信用できる あまり信用できない まったく信用できない

結果はもちろん信用できないの嵐。何が言いたいかというと、およそ世論調査なるものが、いかに恣意的な存在で「どう報ずるか」がまず前提にあって、その証拠固めにしかなっていないということだ。ほぼ半数は回答もしていない。賢明な態度ではないでしょうか。

本日の一曲は、ガイジンたちとの飲みが迫っているので(笑)、予習の意味でレディ・アンテベラムの「ハート・オブ・ザ・ワールド」を。新譜が久しぶりに出たようなので応援しよう。

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都議選2017

2017-07-04 | 国際・政治

秦基博 なごり雪

・都民ファースト 49

・自民      23

・公明      23

・共産      19

・民進       5

……これが、新しい都議会の勢力図。無所属の当選者がおそらくは都民ファーストになだれ込むだろうし、圧勝という形にはなっている。でも、東京都民ではないわたしがこんなことを言ってもうしわけないが、この選挙は「都民ファーストの勝利」である以上に「自民党の惨敗」と「どれだけ選挙上手なんだ公明」という形で語られていくことと思う。突っこみどころ満載なので箇条書きで。

森友、加計、暴言議員、国会軽視、自衛隊の私兵扱いなど、よくもまあこれだけ一気に不祥事が自民党に連続したものだと思う。

・それでも自民一強、安倍一強のイメージは強く、世論調査でも都民ファーストと自民は拮抗していた。

・それが雪崩をうって都民ファーストに票が動いたのは、およそ国内でもっとも無党派層が多く、風次第で結果が大きく左右される東京ならでは。

・自民党幹部は直前におそらくその傾向をつかんでいたのだと思う。だからやけになったふりをして、二階麻生がマスコミ批判をかまして開票時のショックをやわらげようとしたのだ(まあ、例によって失言なのかもしれませんけどね)。

・都民ファーストというローカルパーティに本気で期待している人がどれだけいるのだろう。改革改革と言い放つ連中にろくなのはいない、というのがわたしの持論。風を読むことに長け、都議会の自民党会派を仮想敵に仕立て上げることに成功した小池百合子は、実は国家主義的志向が強い政治家であることを忘れてはならないと案じている。心配なのは東京の大阪化だ。

・もうひとつの選択肢が示されれば、かくのごとく自民党から票はどんどん逃げていく。でも、国会ではそうはいかないだろう。民進の代表と小池知事を並べればそれは自明。あの代表に総理がつとまるはずがないと世間が見ているのを、民進はなぜ気づかないのだろう。

・そしてもうひとつ。この惨敗で改憲を首相があきらめるはずはない。むしろ、だからこそガンガン攻めてくるぞ。そうすることで、自らの失態を糊塗したいに違いないのだから。

本日の一曲は秦基博バージョンの「なごり雪」。そろそろ現首相には山口にお帰りいただいた方が。

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今月の名言 2017年1月号PART2 FAKE

2017-01-31 | 国際・政治

PART1「CHANGE」はこちら

「お前の組織は最低だ」

「黙れ」

「フェイク=FAKE(偽)ニュースだ」

ドナルド・トランプ米大統領が就任前にCNNの記者に向かって。就任後には、保守派メディアであるFOXニュースを持ち上げ、そのあからさまな態度は選挙戦のときとなにも変わらない。

部下も部下で

「トランプは就任演説でアメリカ史上最多の聴衆を集めた」

と報道担当官ショーン・スパイサーはコメントしたが、どう見ても嘘。

「就任式の観衆の人数が少なく見えるのは、芝生保護のための白いシートのせいだ」

これが全世界に配信されたのである。

もちろん政治家というのは嘘をつくものだ。ではあるだろうが、もうちょっとうまい嘘がつけないものだろうか……と極東の地方公務員は思う。

しかし、このことはトランプへの本当の逆風にはなっていない。それはそうだろう。投票日前にセックスや脱税などのスキャンダルをあふれるほど報じられながら、それでも当選した人なのだ。多少の誤謬など気にするはずはない。

それどころか、メキシコに国境に壁を作らせると豪語し、向こうが作らないならこちらで作って請求書を送りつけるとした人だ。財源はメキシコへの関税で賄えるともつぶやいている。

もちろん、ちょっと考えれば無理なことを言っているのは誰だってわかる。

でも彼は吠えつづける。いや吠え続けなければならないのだ。悪評よりも無視されることの方がよほどダメージが大きいことを彼は十分に承知しているに違いないし(あまり買いかぶるのもよくないが)、マーケットに道徳は存在しないので、アナウンス効果で株価が上昇し、短期的にでも失業率が下がれば、しばらくは安泰なのかもしれない。めぐまれた人。しかし、長期的に見ればつけはアメリカ国民に確実に回ってくる。そのときに、この人物が責任をとるとでも?

なにより、この男が核兵器のスイッチを押すパスワードを持っていることが怖くないですか。

PART3「保護なめんな」につづく

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今月の名言 2017年1月号 CHANGE

2017-01-30 | 国際・政治

2016年12月号「真珠湾経由靖国」はこちら

「みなさんがチェンジそのものだ」

Yes, we did.

オバマ最後の演説。彼を“前”大統領としなければならない時代になった。彼の8年間について、さまざまな評価はあるだろう。たとえば読売は社説でこう論評している。

「高邁な理想と清廉さは秀でていたが、米社会の分断と世界秩序の動揺を招いた責任は免れまい」

「国民皆保険を目指す医療保険改革(オバマケア)は賛否が真っ二つに割れ、国民の分裂をもたらした」

……そう来るか。逆にわたしは、賛否が真っ二つに割れるオバマケアを最初に持ってきた戦略はみごとだと思う。就任当時は、もっと穏やかな政策からとりかかればいいのにと思っていたけれど、支持率の高いうちにもっとも困難なことをやり遂げたかったのだと今なら理解できる。同じことを旧民主党の鳩山党首は米軍基地問題でやってしまい、ご存知のとおり木端微塵になってしまったのだが。

その、歴史に残るかに思われた政策を、新大統領は反故にしようとしている。彼については次号にゆずるとして、オバマの治世には安心感のようなものがあった。先ほどの読売の社説を翻訳すれば

「きれいごとばかり並べやがって」

ということだろうが、きれいごとを並べるにふさわしい品格というものは感じられたではないか。考えてもみてほしい。オバマについて、黒人大統領だと(善くも悪しくも)意識しなくなったのってすごい。そういうことを云々するレベルではなかったということだ。

なにより、演説の巧みさは群を抜いていた。これは誰も否定できないはずだ。よき家庭人であり(少なくともそう見せる知恵があった)、理想的な大統領の資質をもっていた彼に計算違いがあったとすれば、国民が上品な健康食品に飽きて、ジャンクフードを食べたくなる欲求をかきたててしまったことだろうか。

そのジャンクフードの登場によって、先進国の首脳で信頼できるのはメルケルひとりになってしまった……。

PART2「FAKE」につづく

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今月の名言 2016年12月号 真珠湾経由靖国

2017-01-01 | 国際・政治

2016年11月号「TPP」はこちら

あけましておめでとうございます。今年も「事務職員へのこの1冊」をどうぞよろしく。画像はうちが門松を担当している近所のお寺さん。ぎっくり腰なんでセッティングに苦労しました。

さて、今年こそ心穏やかにすごそうと思っているのに……

「戦争で家族と古里と国を守るために出撃した人々の命の積み重ねの上に、今の平和な日本があることを忘れてはならないし、忘恩の徒にはなりたくない」

稲田防衛大臣の、靖国神社参拝後の発言。極右の人間を防衛大臣にすえる根性は、まああの首相のことだから仕方がない。その首相が、真珠湾でオバマ大統領と詩的なコメントを交わした翌日に参拝したタイミングに考えこまされるのだ。

普通なら、謝罪外交だと思われることを嫌った首相を援護するために、別働隊のように行ったと想像できる。さっそく中国や韓国が反発しているのは覚悟の上。白井聡の「永続敗戦論」に喝破された

“アメリカには確かに負けたけど中国や韓国に負けたわけじゃない”

という論理そのままで、あまりにあざとくて気が遠くなる。

もうひとつの考え方もある。稲田防衛相が、首相はきっと喜んでくれるはずだという思いと、この働きによって次期首相の期待が自分に集まるという動機だったのではないかと。まさかそんなことはないと思う。いくらなんでもそんな勇気は。

しかし冷静に考えれば、真珠湾訪問によってアメリカの機嫌はとりむすべたし、内閣支持率も高まって日露首脳会談の失態も隠しおおせたその翌日に、関係閣僚筆頭である防衛大臣が靖国神社に参拝するという行動の方がどう考えても無茶だ。

アメリカのメンツは丸つぶれになったことを思うと、日本の現内閣は、さっそくオバマなど斬り捨ててトランプ=プーチン同盟に参加する腹を決めたのだろうか。

あ、そうか。トランプ、プーチン、安倍と並べれば、質の悪いトライアングルができあがる。支持率の高低しか考えていない現政権は、ひょっとしたら今のうちに解散総選挙にうってでる目が復活したと判断しているかもしれない。

だとすれば、なおさらこの防衛相の行動は、むちゃくちゃであると同時に選挙対策だったのかと勘ぐりたくもなるのだ。いずれにしてもあまりにあざとく、品のない行動。小林信彦が

「戦後最低の首相」

と吐き捨てた人物が組織する内閣の一員であることを、しみじみと思い知らせてくれる。

2017年1月号「CHANGE」につづく

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日露首脳会談 あるいは読売の混乱。

2016-12-19 | 国際・政治

12月17日付の読売新聞は圧巻だった。わたし、ラーメン屋で読んでいたんだけど、日露首脳会談に関して紙面の混乱が並ではなかったから。

この新聞社は現政権を支持する立場だから、社説では

「『領土』解決へ重要な発射台だ~共同経済活動で信頼醸成図ろう」

と、この会談を評価している。一面では政治部長が

「首相がこの問題(日露平和条約締結)に人一倍の情熱を傾け、真摯に解決の道を探ってきたことは疑いない。粘り強い交渉を続けるしかない」

ここまで持ち上げるか。なんか、必死である。

しかしその下の、コラム編集手帳は違う。

「レストランでの会話がある。客『ボーイ君、どうして皿がこんなに濡れているのかね?』ボーイ『お客さま、それはスープでございます』。西洋の小話にある。◆想像するに、大きな皿なのだろう。皿が立派すぎると、盛られた料理が貧弱に見えるときがある。安倍首相とプーチン大統領による首脳会談は皿が立派すぎたかもしれない」

と揶揄している。国民の大半も、そう感じたのではないだろうか。北方領土返還に自信たっぷりな発言をかましていた首相の表情が、次第に暗くなっていたことだけでもそれは理解できる。途中から、なにも期待するなという伏線バリバリだったし。

読売の混乱、あるいは意図的な両論併記はつづく。二面ではEUが対露経済制裁を半年間延長することをトップにすえ、3面ではモスクワ支局長が

「『強国ロシア』を掲げ国民の愛国心の高まりを背景に、高い支持を維持するプーチン氏にとって、2018年の大統領選が近づくにつれ、領土問題で柔軟姿勢を見せることはできない。プーチン氏は日露の主要テーマとなった『共同経済活動』を巡る今後の交渉でも、主導権を握り強気の立場を守るだろう」

……現場で取材すれば、あるいはトランプのアメリカとプーチンのロシアの接近を考えれば、今回の交渉に実りなどあったはずがない、あるはずがないことは自明だ。

それでもやみくもに首相を持ち上げなければならない社是は、しかし紙面をむやみに面白くもしている。社の方針よりもジャーナリストとしての矜持を優先した記者と、上をうかがっている人物の相克がいい。モスクワ支局長や編集手帳氏が、お小言をくらってなければいいのだけれど。

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