事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

初孫 1杯目

2008-03-31 | 食・レシピ

Hatsumago01 本領発揮。今日は2005年のただ飲んだだけのネタ。
山形の酒がどんなコンセプトで造られているかのPRみたいになってるかも。いやしかしわたしは子どものころから初孫で育ってるから。

先日の飲みはほんとうに勉強になった。右隣には丸坊主の中年。内陸弁(伏線)で「檀家まわりしてきたんだ」とか女将に言っている。
左隣は穏やかな中年営業マン。県下最大の出荷量をほこる蔵元「初孫」の社員。サトーさん。

わたしが通う焼鳥屋(チキンも食えないくせにいつもそこで飲んでいる)は、向かいにある料亭が多角経営(笑)をめざして開店したものだが、そこの亭主(ほとんど常にカウンターで飲んだくれている)が営業マンに「ほら、この酒瓶を見ろよ」と、広島の賀茂鶴とかいう冷酒の2合瓶を指さし、「おしゃれだろ?初孫もさあ、こういう商売をしてくれよ」と因縁をつけている。

「うまいんだぞこの酒。ホリさん、ほれ、飲め」ラッキーにもわたしと隣の坊主にもすすめてくれる。おー確かにうまい。その後、わたしは亭主そっちのけで営業マンに初孫についてのレクチャーをうける。この会社の営業方針はほんとうに保守的なのである。

「今、ウチの会社が十里塚に引っ越したのはね、あそこの水がいいからなんですよ。」
「へーえ。確か軟水がいいとか硬水がいいとか言いますよね。」
「あそこの水はね、ちょっと軟らかいんですよ。まろやかなんだな」

こんなマジな話をしていると、隣の坊主は
「お兄ちゃん、そんな真面目な話ばっかりしてたらいかん」とからんでくる。
「え?あ、すいません」(わたしはからまれやすい体質。どんな話をせいっちゅーねん)
「まあ、あの水源地はウチの空瓶置き場だったんですけどね」マジな話は続いてしまう。坊主が怒っちゃうじゃないか。
「お兄ちゃん勉強家だねえ」あ、怒ってないや。じゃあ存分に。

「どうしてそこの水がうまいって気づいたんでしょう?」
「うーんどうしてかなあ。先代がね、大バクチで掘ったんですけどね」ひょっとして地代がタダだからじゃないのか。そんなツッコミは口にせず、話は『桶買い』の方向へ。
「え?桶買いをご存知ですか。そうなんです。昔はこのあたりの『上喜元』さんとかから(桶ごと)買ってたわけですよ。でもね、それはウチが出荷を確保するためなんだって言うのは一方的すぎますよ。向こうにとっても悪くない商売だったんですから。」
「なるほど」
「それにね、今ウチは桶買いは一切やってませんから。全部自前に移行してるんですよ」
「あ、そうなんですか。」
「ウチは今ね、東平田の方に出羽燦々(でわさんさん)っていう酒米を栽培してもらってるんですけど、そちらの生産組合の方々にはね、こう言ってるんです。『(10㌃あたり)7俵しか穫ってくれるな』って」
「そりゃきびしい」
「ホントなら農家の人たちって10俵は穫りたいものなんでしょう?でもね、ウチが必要なのはモミ重量の大きいヤツなんです。多収穫なんかされたら……でもこちらでは10俵獲れたのと同じぐらいの保証はしているわけで」
「ほう」
「そこまでしてウチは地元にこだわっているんです。地産地消ですよ。桶買いなんかとてもとても。それにね、わたしたちが今すすめているのは純米酒です。」
「ああ。(アルコールが加えられていない)米だけの酒ってヤツですね」
「そう。吟醸とか大吟醸っていうのは、モミをどれだけ削ったかで判定されるんですよ(ここからものすごく細かい数字をバーッと開陳される)。吟醸で純米酒なのは純米大吟醸。吟醸でもアルコールが添加されているヤツもあるんです」
「へー。高級酒なのにですか?」
「“アコ入り”ってわたしたちは呼んでいるんですけどね」
「あ、わかった。その方が実はおいしいんじゃないですか?」
「……昔はそうでした。でも今は違います!ここが技術が進歩したところなんですよ!」

Tohokumeijoh サトーさんそんなに興奮しなくても。彼の言うにはこういうことなんだそうだ。米だけで酒を造ると、どうしても重くなってしまう。アルコールを添加した方が、あっさりした飲み口になる傾向はあるんだと。でも杜氏たちの研究によって、米だけでもずいぶんとサラリとした飲み口になるように改良されたのだということだった。
「初孫の杜氏って、どんな人なんです?」
「あなたと同じぐらいの年齢じゃないかなあ。」
「オレ、45才(当時)ですけど」
「あ、やっぱり。彼も昭和三十年代生まれですから」

【なんか、らしくなくビジネス談になってる。つづく!】

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終着駅(ターミナル) ハイファイセット

2008-03-31 | 音楽

Suzukishoko_l  音楽をダウンロードする生活開始。まだiPodも買っていないのに気の早いこと。このパターンのメリットは、CDショップには既に存在しないどマイナーな曲を聴くことができる以外に、恥ずかしくて買えない曲を誰にも知られずに(笑)購入できることだ。たとえば近頃ダウンロードしたラインナップはこんな感じ。

鈴木祥子「優しい雨」(小泉今日子に提供したあの名曲。メジャーとの契約が切れたから彼女の曲はダウンロードするしかない)

浜田省吾「Love Letter」(区麗情とのデュエット。これは本気で恥ずかしいぞ)

Heart「Dog & Butterfly」(泣けます)

……恥ずかしー。しかしとどめはハイファイセットの作品群。かつての“赤い鳥”時代のフォークならまだしも、「卒業写真」や「フィーリング」で半端にヒットしてしまっているのでいい歳をした中年男が聴くのはちょっときつい。メンバーが泥棒で捕まったってのは笑えるけど。でも、FMで昔流れた「終着駅<ターミナル>」には身体が反応した。甘いメロディーのくせに、なんて絶望的なんだと。

Tarminal終着駅(ターミナル)
Lyrics:小泉 亮
Music:嶋田 陽一

紙の花びら舞って 喜びの歌に包まれ
白いブーケとベールが 祝福された9月
いつまでも暮れない 長い昼下がり
いつまでも明けない 紺色の空を
分かちあえるものは すべて分け合って
分かちあえないものは ないと信じてた二人

迷い込んだターミナルの 西陽のあたるホームで
あの一人きりにされて泣いた 思い出が消えない
ターミナルではぐれたまま 重い荷物抱えて
涙あふれ駆け回った 私を忘れない

今迷い込んだターミナルの 西陽のあたるホームで
また一人きりになって泣いた 私を忘れない

※詞は思いきり省略してあります。
‘87「ジブラルタル」所収 ハイファイセット

歌詞を読んでいただければおわかりのように、この曲は離婚がテーマになっている。季節感を織り込んで恋愛模様を描くのは日本人の得意技だけど(たとえば「秋=飽き」→オフコースの『秋の気配』や竹内まりやの『セプテンバー』など)、離婚を“西陽のあたるホーム”と形容した歌詞は洒落としても一流。作詞の小泉亮がどんな人かは知らないし(ネットでやっと検索。ソニーのプロデューサーのペンネームだった)、お仕事としてやっつけたのかもしれないけれど、ベスト盤にも入っていないこんな曲とふたたび会えたのだから、ダウンロード三昧の日々はなお続くざんす。

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攻殻機動隊への道PART6 ~ Stand Alone Complex

2008-03-30 | アニメ・コミック・ゲーム

うる星やつら」篇はこちら。

Sss_key おっと肝心の「攻殻機動隊」にまだ話が及んでいなかった。アニメ特集の最終回は、もちろんこの作品のことを。劇場版の1作目と2作目にあたる「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」「イノセンス」には押井守らしい臭味が爆発。そのために敬遠されるリスクはある。なにしろ「ビューティフル・ドリーマー」とおんなじ“現実と夢想の狭間の追求”をくどいぐらいにくり返しているからね。押井が、作品のなかで言うように「ネットの世界は広大だ」とほんとうに信じているかは疑問だし。

 でも、押井の弟子にあたる神山健治が構成したテレビ版「攻殻機動隊S.A.C(STAND ALONE COMPLEX)」はオタク濃度の低い人もぜひ見てほしい。攻殻の世界を借りて“刑事ドラマ”がつくりたかったと企画されたこのシリーズは、テレビの最大の長所『長時間にわたってひとつのテーマを追求できる』ことを利用し、ネットの世界で機械に精神(Ghost)は宿りうるかを、原作の士郎正宗以上にハードかつ徹底的に描いている。文句なく傑作。菅野よう子(溝口肇の奥さんです)の音楽もみごとだ。

 2004年、わたしが見たDVDソフトのほとんどは押井が関与するプロダクションI.G.(あのタツノコプロから分離)の作品だった(「キル・ビル」を含む)。日本がいつの間にか世界に誇れる最大最良のアートとなったジャパニメーションを、日本人が楽しまないなんてもったいない。

「海の神兵」「白蛇伝」「鉄腕アトム」から遠く離れて、アニメは今、いびつではあるけれどそれなりに日本で花開いている。ぜひ、ご賞味を。

Tachikoma1

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攻殻機動隊への道PART5 ~ うる星やつら

2008-03-30 | アニメ・コミック・ゲーム

機動警察パトレイバー篇はこちら。

Beautifuldreamer攻殻機動隊」をつくった押井守が名をあげたのはご存知「うる星やつら」による(同時に、脚本家伊藤和典の出世作でもある)。高橋留美子のハチャメチャな原作がまだしもまともに思えるぐらいアニメはぶっ飛んでいた。製作にキティミュージックがかんでいたせいもあるのだろうが、エンディングテーマがあがた森魚のヴァージンVSだったあたり、狂いっぷりも板についている。

 このシリーズは、要するに主人公の諸星あたるが女の子を追いかけ回し、鬼娘ラムが嫉妬してあたるに電撃を加える、このフォーマットさえ守っていればあとは何でもありの自由さが身上。ところが、上には上がいる。劇場版第一作「オンリーユー」の併映は同じキティ製作の「ションベンライダー」。永瀬正敏や河合美智子のデビュー作。監督は、当時ガキ映画を撮らせたら日本一だった相米慎二(「翔んだカップル」「セーラー服と機関銃」)。長回しを基調とした相米の奔放な演出テクを見て押井はこう思ったのだそうだ。

「あ、もっとメチャメチャやっていいんだ。」

そしてできあがったのが第二作「ビューティフル・ドリーマー」。友引高校の永遠につづく文化祭前夜の物語。“作家”としての押井はこれで一気にメジャーになった。

 ところがそれが災いしたか、押井の映画は概してむずかしい。「ビューティフル~」で言えば、夢と現実の境界線をおなじみの面々に右往左往させるのだが、これはもうどう考えても“漫画映画”を逸脱している。しかし90年代、人間と機械、リアルとネットのにじんだ境界線を描く「攻殻機動隊」は、全世界で熱狂的に迎えられる(製作したバンダイも驚いたとのこと)。どうやら、オタクの時代が到来していたのである。

Cherry 最終回はテレビシリーズ篇。よけいなことですが、相米はわたしの妻の高校の先輩だそうです。合掌。

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攻殻機動隊への道PART4 ~ 機動警察パトレイバー

2008-03-30 | アニメ・コミック・ゲーム

AKIRA」篇はこちら。

Pato1 「AKIRA」と「攻殻機動隊」をつなぐ線上に、ひとつ重要な作品「機動警察パトレイバー」がある。なんかもうオタク一直線なタイトルでもうしわけないけど、しかしおもしろさは保証する。スタッフのメンツを見ればそれは一目瞭然。

「うる星やつら」で注目された押井、上山トキワ館の息子にしてあの平成ガメラシリーズを手がけた伊藤和典(高橋留美子の亭主じゃないかという噂は結局検証できませんでした)、メカデザインならこいつしかいない出渕、そして劇場版最新作の脚本はとり・みきという豪華版。

 特に、押井が手がけた劇場版1作目と2作目は大傑作。コミックやOVAでは能天気な警視庁特殊車両二課第二小隊が、いつもとぼけているくせにいざとなると超有能という上司の理想型“カミソリ後藤”隊長とともに、平和ニッポンの喉元に突きつけられた革命や内乱に応戦する。

 その緻密なストーリーは制服好き(この場合は自衛隊です)伊藤の得意技だし、なにより東京をこれほど活写している映画はめずらしい。

ロボットアニメかよー、と偏見を持たずにぜひ観てほしい。そしてこのシリーズの成功をもとに、押井はいよいよ「攻殻機動隊」を製作する。余談だけれど、押井が「機動警察~」を企画したのは、当時予定されていた宮崎駿の「カリオストロの城」に続く劇場版ルパン三世の企画が流れたから。パトレイバーファンにとってはありがたいことなのだろうが、観てみたかったなー、押井のルパン三世。

次回は「うる星やつら」。

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攻殻機動隊への道PART3 ~ AKIRA

2008-03-30 | アニメ・コミック・ゲーム

手塚治虫の功罪はこちら。

Akira  今思えば不思議なくらい大友克洋の「AKIRA」は熱狂的に迎えられた。「童夢」(’82 双葉社刊……「真っ赤なトマトになっちゃいな」という衝撃のセリフあり)でSF大賞を後にとることになる大友は、いきおいをそのままにこの大ヒット連載を開始する(『ヤングマガジン』1982年12月16日号)。そしてこのころから、自らをオタク(そんな言葉はまだ一般的ではなかったが)であると意識した読者たちは、単行本発売時に爆発した。

 連載時と同じ判型、値段は他の少年コミックスの3倍、青年コミックスと比べてもほぼ2倍という強気の講談社の商売は奏功し、誰もが驚くような売り上げを記録した。オタクごころをくすぐったわけね。わたしもよくおぼえている。発売当日、書店に何段も平積みされた「AKIRA」第1巻を前に、いかにもそれ風のオタクたちが嬉々としていたのを。でまた続刊が出るのが遅いものだからそのたびに大騒ぎになるのだ。

 そして88年、自らの手で映画化された劇場版「AKIRA」は、ぶっ飛んだ映像表現と、革新的と言っていい“”で(先日DVDで久しぶりに見直してよくわかった)またしてもオタクを熱狂させた。動かない画と無音のマンガ表現へのフラストレーションを解消したかったんだろうなあ。

 それにしても、デビュー当時は「原稿が(スカスカだから)なんとなく白い」と言われていた大友が、「童夢」以降徹底して書き込むようになったのはなぜだろう。モンスター化した鉄雄の姿や、瓦礫のネオトーキョーなど、これがあの大友かと思うほどだ。当時漫画界でニューウェイブと呼ばれた大友、高野(「絶対安全剃刀」)文子吉田(「カリフォルニア物語」)秋生などの“瞳がキラキラ輝いたりしない三白眼な日本人顔”キャラが世界に通用したことも画期的だった。そして結果的にはこの映画が起爆剤となり、「攻殻機動隊」ブレイクへの道を開いたのだ。ジャパニメーションが、商売と芸術表現が両立しうると世界へ証明した記念碑的作品。

次回は(やると思ったでしょ)「機動警察パトレイバー」を。

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攻殻機動隊への道PART2 ~ リミテッド・アニメ

2008-03-29 | アニメ・コミック・ゲーム

Ghost in The Shell篇からのつづき。

Merumo   日本の“アニメ”とアメリカの“アニメーション”との間の最大の質的相違は、なんと一秒間あたりの画の枚数が違う!という根本的なこと。乱暴なくくり方をすると、フルアニメーションとリミテッド・アニメという区分け(実はそう簡単ではないんだけど)。

 フルアニメーションというのは、一秒あたり24コマ撮影するために、24枚の画を用意しなければならない。ディズニーなんかは昔からこの方式。でもこれは動きが自然なかわりにめちゃめちゃにお金がかかってしまう。それで日本が編み出したのが1秒間わずか8枚(以下のことも多い)の画ですませる技術。ほら、日本のアニメではキャラクターの口とか瞬きしか動かないシーンが連発するでしょう?あれです。これがリミテッド・アニメ。テレビアニメを制作するにあたって思いきりダンピングした手塚治虫がその方式を定着させたと言われている。だから宮崎駿なんかは烈火のごとく手塚に対して怒っているわけ。

 で、この二つを並べると、どうしたって日本のアニメは動きがぎこちない。だから「鉄腕アトム」や「マッハGo!Go!Go!」(アメリカでのタイトルは『スピードレーサー』)がアメリカで人気があったといっても、メジャーなネットワークでオンエアされたわけでもなく、評価はあくまで『チープなつくりだが……』という前提の上に立っていた。

Machgogogo  ところが、そんなバッタモンみたいな日本アニメが、安価に作れるものだから作家性を発揮しやすかったことと、日本独自のマンガ表現が結びついて異様な発達を見せる。そのため、日本の子どもはアメリカのアニメーションを観ると「なんか、グニャグニャしてて気持ち悪い」なんて感じるぐらいになってしまった。

さて、その作家性爆発の日本アニメの代表が、あの「AKIRA」(大友克洋)だったのだ。……ぜんぜん攻殻機動隊の話になってないけどまだ続く(笑)。

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攻殻機動隊への道PART1 ~ Ghost in The Shell

2008-03-29 | アニメ・コミック・ゲーム

Ghostintheshell  2004年はひたすら「攻殻」ワールドにはまっていた。

義体”だの“目を盗む”だのといったディープな用語がしっかりと頭に根付いてしまったのだ。はたから見れば『アニメ顔で巨乳のサイボーグが不必要に半裸に近いコスチュームで活躍する』典型的なオタクアニメと切り捨てられそうなものだが、こいつはしかしモノが違う。

 原作は士郎正宗の実質的な処女作「攻殻機動隊」。ヤングマガジン海賊版に89年から90年まで連載されたハードSF。まずこの原作の狂いっぷりがハンパではない。基本的な設定は後のアニメに踏襲されたとおりなのだが、コマとコマの間に徹底的に書き込まれたコメントまで、とにかく熱い熱い。「近未来の設定上この動きは変だが」なんて言い訳から「神という抽象概念は……」などという形而上学的なものまで、こだわりがこだわりであることを超えてしまっている。

 この設定にのったのが押井守。思い切りマニアックな原作だからこそ、むしろ意のままにできる、とでもあの天才はふんだのか、出来上がった映画が「攻殻機動隊Ghost in The Shell」傑作。なんとアメリカのビデオ売り上げのチャートで№1をゲットしてしまったのだ。

 話はオタクらしく横道にそれるが、このアニメが全米でトップとなったことが、どんな意味をもっているのか考えてみる。

 アニメーションの本場と言えば、それはやはりアメリカ。特にウォルト・ディズニーという存在はやはり大きかった。あの「ファンタジア」が戦前の作品であることを考えると、そりゃ戦争にも負けるよな、と納得させられる。

Uminoshinnpei  でも、当時の日本にアニメが存在しなかったのかといえばそんなことはない。「海の神兵」という桃太郎伝説をもとにした傑作漫画映画がちゃんとあったし。ただし、ファンタジアがひたすら映像と音楽のコラボレーションを追求したのに対し、「海の~」は歴然とした戦意高揚映画だった。日本に、そこまでの余裕はやはり無かったのだ。

 戦後は、日本アニメ勃興の陰に、実はアメリカのアニメの下請けを日本のプロダクションが担っていた事実は見逃されがちだが、日本のアニメとアメリカのそれとは、質以上に大きな違いがあるのをご存じだろうか。ああ長くなりそうだ。

次回は、手塚治虫が出てきます。

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ジュニア。

2008-03-29 | 情宣「さかた」裏版

Shonennjump 2003年3月24日付「情宣さかた」裏版。
持論である「コピーはオリジナルよりも奇怪な姿をとる」を展開。

 少年マンガ誌としては後発だった少年ジャンプは、創刊当時部数が伸び悩んでいた。そこで編集部がとった作戦は、“本物よりも本物らしい”コピーを作り出し、本物の読者を、言い方は悪いがかすめ取ることだった。この場合の本物とは最盛期の少年マガジンに連載されていたヒット作「巨人の星」や「あしたのジョー」などをさしていたのだろう。

ジャンプのキャッチフレーズは“友情・努力・勝利”だが、根性を前面に押し出し、努力の過程を省略して勝負の連続で読者の関心を引き寄せる……冷徹な読者アンケート至上主義と連動したこの作戦は成功し、「包丁人味平」や「アストロ球団」そして「キン肉マン」のようなヒット作を生み出した。そしてマンガ誌のなかで史上最高の発行部数653万部(毎日新聞よりも多い!)を記録するまでになったのである。コピーがオリジナルを凌駕するためには、グロテスクなまでのデフォルメが必要だったのだ。 

 二世や三世と呼ばれる人たちは本当につらいんだと思う。偉大なる一世を超えるためには、生半可な努力や結果ではまわりが満足してくれないのだ。
特に政治の世界では、地盤と呼ばれる後援会組織の都合や利権がらみで、“なりたくもなかった”政治家に据えられることも多い。まわりが一世の話を持ち出して比較する意図がなかったとしても、本人の気持ちのなかではかなりのストレスが渦巻いていることだろう。そんなとき、プライドだけは間違いなく肥大している二世はどんな行動をとればいいか。

Bush ……もちろん、すべてジョージ・ブッシュのことを言っている。彼の場合は、大統領選自体におおいなる疑念が残っており、“大統領らしさ”を強力に自己演出する必要があるのだろう。ましてやとりまくスタッフは、チェイニーにしてもパウエルにしても、ほとんどがシニアのスタッフだったのだ。

いつのまにか、意外なぐらいにアメリカへの、あるいはブッシュ大統領への逆風は強まっており、イラク攻撃にしても、利権(石油・軍需産業)のための戦争、という認識は多くの人たちが共有するようになってきた。

 でもへそまがりである私は、9.11さえ無かったら、果たしてブッシュはどんな大統領だったのかをむしろ考えている。いちばん簡単なのは、9.11以前に彼がなにをしていたかを検証することだ。ここからは、組合員へのこの1冊のスペースで。

                  組合員へのこの1冊
「アホでマヌケなアメリカ白人」Stupid White Men マイケル・ムーア著 柏書房刊

 すごい書名にひかないでいただきたいが、内容はまさしくこのとおり、ブッシュに代表されるアメリカのエグゼクティブに対する悪罵の連続。

Michael_moore  著者のムーアは、今もっともチケットが取りにくい(とにかく毎回満員札止め)映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」の監督。野放図に銃があふれているアメリカ社会を糾弾するドキュメンタリーだ。ライフル協会の代表であるチャールトン・ヘストンへのインタビューはかなりのものらしい。
 この書において、ブッシュ・ジュニアが就任以来どんなことをやったかが列挙されている。

・連邦の図書館費を3900万ドル削減
・医師の小児科教育費用を3500万ドル削減
・地球温暖化に関する1997年の京都議定書の合意から撤退
・モンタナ州のルイス・アンド・クラーク国有林で石油採掘を許可する計画を表明
・減税。その恩恵の43%は、アメリカ人で最も裕福な1%に集中
・児童虐待に関するプログラムから1570万ドルを削減
・精油所、原発、水力発電所の建設許可の簡素化を提案。この中には環境基準の緩和も含まれる
・アラスカ自然保護区の油田、ガス田の売却を提案
・再生可能エネルギー研究費を50%削減
・国定記念物を開拓し、植林、石炭・石油・ガスの採掘などを行うことを提案する権限を内務長官ゲイル・ノートンに与える
・公立病院等で、健康保険のない人々に治療の援助をする「コミュニティ・アクセス・プログラム」を86%削減
・連邦法、環境保護法、労働安全基準に違反した企業に対して、政府が契約を拒否する権限を強化する法律の廃止

……すばらしい大統領じゃないか(笑)。ある意味、こんなにわかりやすい大統領は初めてではないのか。そして、このわかりやすい大統領の政策に、どこまで日本はついていこうというのか……    

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少年探偵団

2008-03-29 | 情宣「さかた」裏版

Meisouchizu  組合関係のどんな会合に参加しても、今年(2003年)はとにかく選挙の年なんだから、という前ふりで始まる。

 この4月には県議、酒田市長、酒田市議の選挙があるし、状況としては微妙だけれど、どこかの時点でおそらくは総選挙もあるだろうと噂されている。市町村合併イラク情勢もからみ、確かに選挙の年、政治の年だ。

 これらの選挙に、県教組酒田地区支部がどのような対応をとるかはまもなく公表できる予定だけれど、選挙という存在にはいろいろと考えさせられることがある。

 4年前、ほとんど関係のない話だと思っていた酒田市長選に高校の同期生が出馬することになった。この選挙はご存じのようにとてつもない泥沼になったのだけれど、運動には数多くの同期の連中が文字通り走り回っていた。このとき、いわゆる“選挙のプロ”と呼ばれる層から、この世代が“少年探偵団”あるいは“パシリ”扱いをうけていることは薄々感づいていた。

Meisouchizu2  そして4年後、山形4区からはなんと33才の青年が国会へ行くことになり(ご協力ありがとうございました)、県議選において現在の流れでは30才の女性候補を支持することになりそうだ。ものすごい変化。
若い層がこうしてどんどん政治に意欲をもって参加し「ったく昭和30年代生まれは頭が固くて(笑)」とか言われるように早くなりたいな。いやまったくの本音で。

……2003年3月13日付「情宣さかた」裏版。年令はすべて当時のもの。あれから5年たち、状況がまさかこれほど混沌とするとは。
ちなみに、支部長をやっていた当時、ほとんどの選挙は勝利した。そんな風が吹いていたのである。

画像は、わたしの同級生が(端役だけど)出演した松本清張原作「迷走地図」('83)。彼は岩下志麻の付き人をやっていたのである。政治家夫人の一通のラブレターが政界を揺るがし……そのラブレターをひったくる役だったかな。

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