事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

投票してもいいんですか?

2017-12-30 | 社会・経済

「教師は投票してもいいんですか」若手の教師がベテランに質問。

「投票用紙はどこでもらうんですか」新採教員が校長に。

「意見が分かれたので国に決めてもらえばいいです」学生のグループ討議の結論。

内外教育10月31日号 氏家真弓朝日新聞編集委員の紹介

……かくして「学生に政治に目を向けさせない」遠大な計画は完成形に至ったわけだ。もちろんこんな計画が明文化されているわけではない。けれども、60年安保、学生運動に痛い思いをした体制側は、着々とこのプロジェクトを進めてきた。

近現代史をほとんど教えず、教えるとしても従軍慰安婦問題などで揺さぶりをかける。その結果、教育にたずさわる、あるいは教職に就こうという人間ですらこんなレベルに。

おかげでどのような世の中になったのだろう。わたしは、「無邪気な若者」が増えたなあと実感する。内閣支持率が若年層のほうが高いなどという、昔から考えれば信じられないような数字を見せつけられると、世の中は変わったなあとつくづく。

彼らの志向はこう想像できる。

他者をまず否定することが習慣づいているので、良識的な発言(往々にして実現に手間がかかる)を「嘘つけ」と拒否。そのくせ、ギャグかと思うような、他国を否定する“耳に心地いい、威勢のいい発言”にはあっさり順応する。

そんな期待にお応えするような人物がいまあふれている時代。落選しそうな候補に投票するよりも、勝ち馬にのって敗者をせせら笑うほうを選択するわけだ。

皮肉が過ぎたかもしれない。この業界に限れば、政治について考えるような余裕すら奪われているわけで、威勢のいい方になびく気持ちもわからないではない。第一、それって若い連中だけに限った話じゃないしね(T_T)。

本日の1冊は星野源&細野晴臣の「地平線の相談」。TV Bros.の2007年から2013年までの連載をまとめたもの。ということは星野が大病をしたり、大ブレイクまでもう少し時間があるころってことか。彼の細野リスペクトがすごくてびっくり。

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今月の名言2017年11月号 アベノミクスにうんざり

2017-12-02 | 社会・経済

 2017年10月号PART3「北朝鮮のおかげ」はこちら

「『成長』というキーワードで物事を進めたとしても、みんなが『幸福』になれる時代が、とっくに終わったことの証左ではあるまいか」

朝日新聞の経済気象台における「山猫」氏の主張。アベノミクスにうんざり、というわけだ。GDPが横ばいでも、生活満足度が下がっている(国民生活選好度調査より)ことと、企業の内部留保ばかりがふくらんで、個人にその恩恵がいっかな及ばない現状を嘆いている。トリクルダウン?いったいなんの冗談だったんだろう。

「もし(国賓の)パートナーが同性だったら、私は(出席には)反対だ。日本の伝統に合わないと思う」

自民党の竹下総務会長が、宮中晩餐会へ事実婚や同性婚のパートナーを同席させることに反対して。日本の最大与党の幹部にして、こんなレベル。まず感じたのは「恥ずかしい」だった。最低限の国際感覚があれば、およそありえない発言。どうも発想が内向きで、自分の発言が海外に発信される可能性があることを微塵も想定していないのだろう。そして、内向きとくればこの人の登場だ。

「何であんな黒いのが好きなんだ」

三原朝彦議員のセミナーに招かれた前地方創生相の山本幸三(もう、呼び捨てでいいでしょう)の発言。三原議員のアフリカ支援を揶揄して。

言い訳がすばらしい。

「アフリカを表す『黒い大陸』ということが念頭にあり、とっさに出た」

失言の連発でおなじみなので、苦しいながらも格好はつけている。でも、暗黒大陸って発想があっさりとこの人の差別意識をあらわしている。でね、きっとこの発言も山本幸三は“うけると思って言っている”のだ。笑いがとれると。こんな低劣なユーモアのセンスしか持っていないことそれ自体に絶望。日本の政治家って……。

2017年12月号PART1「差別マーケット」につづく

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今月の名言2017年8月号PART3 道徳

2017-09-02 | 社会・経済

PART2「炎と憤怒」はこちら

「ひょっとして、これから子どもたちが学ぶはずの道徳は、むしろ封建時代に近く、主君のためなら嘘もつけば腹も切って見せる、というようなものなのだろうか。主権者である国民の前にあきらかにしなければならないことを押し隠して、権力者にこびへつらい、平気で嘘をついて出世していく人たちを見せつけられると、平成の道徳規範はむしろ江戸時代に近いのかと、錯覚しそうになる。」

毎日新聞紙上で作家の中島京子が道徳の教科化を危惧して。オトナがこれから教える道徳を、どのクチが言っているんざんすか、と子どもは見抜くだろうと。

それにしても近年、釜の底が抜けたようにぬけぬけとした嘘がまかり通っている。怖いのは、受け取る側が「ああ、そう言っているけどこれは嘘なんだよね。オトナだからわかってますよ」と平然と受け流す世になってしまうことだ。え、もうなってる?

PART4「ベーコンエッグ」につづく

 

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今月の名言2017年8月号PART1 日本銀行

2017-08-31 | 社会・経済

2017年7月号PART2「冷笑と哄笑」はこちら

「政府にもの申せぬ日銀になっている」 

先月、日銀政策委員会の審議委員を退任した木内登英(たかひで)野村総研エグゼクティブ・エコノミストの発言。彼は黒田東彦総裁の方針に反対し続け、退任によって執行部に反対する勢力はいなくなったとされている。

日銀の異次元緩和策が成功していると考える人は、どれだけ現政権を支持していてもいないことと思う。いるとしたら、「この緩和策がなかったらもっとひどいことになっていた」と主張するしかない。そんな人でも、政府と日銀が一枚岩になっていることへの不安は共有してもらえるのではないだろうか。中央銀行と政府の方針には、ずれがあるのが当然であり(だって目的が違うんだから)、政府与党のリクエストに諾々と従うだけの中央銀行にはたして存在価値があるのか。

しかも木内氏は、守秘義務があるのでとはっきりと表明しなかったが、日銀内部の議論について

「議論の質は必ずしも良い方向には向かわなかった」

と吐き捨てている。だいじょうぶなのか日本銀行。

PART2「炎と憤怒」につづく

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図書館ってなに?PART4

2017-04-21 | 社会・経済

PART3はこちら

ここで考えてみる。自治体はなぜ図書館を整備するのだろう。実は本気を出せば金食い虫であるあの施設(と蔵書)をつくる義理はさほどないように思える。その分を、橋を作ったり保育園を充実させたほうが住民はよろこぶのではないか?

ある意味、それは正解だし、大いなる誤解でもあると思う。

もしもわたしが、二つのうち、自分が好きな方の街に住んでいいと言われたら、文句なく図書館が充実している街を選ぶ。住民に娯楽と学びの機会を用意しようと考えている街の方が、住んでいて気持ちがよさそうだ。

その意味で、武雄市長が街の売りとして図書館を選択したのは(まあ、TSUTAYAとの関係がズブズブだったからかもしれないけれども)ある意味慧眼だ。結果が伴わなかったのは動機が不純だからでしょ。箱物の美しさと同時に、実は図書館はなかで働く司書の存在が大きいわけで、そこを軽く見たのが致命傷だったか。

なぜわたしが図書館にこんなにこだわったかといえば、わたしの住む酒田市も、駅前の施設に図書館を用意する動きだと聞いたから。総工費100億を超える再開発ビッグプロジェクト。中心に図書館があるのは確かにうれしい。でも計画の外郭がどうにもTSUTAYAっぽいのが気になる。高い書架、カフェの併設……

TSUTAYAだからいけないと言っているわけではないの。しかし図書館を整備するその目的が“集客”だとすれば、おそらくその図書館の性格は少なからずねじ曲がっていくはず。浮薄な施設は廃れていくのも早い。駅前が駐車場だったころの方がよかった、なんてことにならないよう、市民として注視していく必要があるんじゃないかな。あ、めずらしくまともな結論に持っていったような気が。

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図書館ってなに?PART3

2017-04-05 | 社会・経済

PART2はこちら

自分の立場をはっきりさせておけば、わたしはTSUTAYAの会員だし、ディスカスにはいつもお世話になっている。レンタルショップの品揃えも(例外もあるけれども)、ライバルのGEOよりも映画を知っていることがひしひしと感じられる。好きです。

学校事務職員としては、図書館に生徒が入室しやすい環境をつくる手助けをしたいといつも思っているし、人気の本の購入には司書よりも積極的かも(笑)。

そんな人間にとって、武雄の図書館は少なからず魅力的に思える。実際に入館者数も飛躍的に伸びたらしい。だから多少のトラブルには目をつぶってもいいのではないか……と最初は考えていた。

ところがところが。

この図書館は相当に筋が悪かった。主に報じられた問題は以下のとおり。

・CCCと武雄市の指定管理者をめぐる契約は、事実上の随意契約だった。

・その契約内容は二年近く公開されず、情報公開請求によってようやく明らかになった。

・市民がその内容を問題にすると、すでに二年が経過しているので改善要望に応えることはできないとされた。

・県知事選に落選した前市長は、その後CCC子会社の社長になった。

そして図書館の内実も

・(佐賀県の図書館なのに)埼玉県の観光ガイドや、大昔のOSのマニュアルが蔵書として購入されるなど、TSUTAYAの在庫整理に使われていたふしがある。

・分類方法がオリジナルだったため、利用者が蔵書を見つけることができず、だけでなく職員も探すことができなかった。

・(実は図書館の重要な役割である)雑誌のバックナンバーの保管を放棄した(現在は回復)。

・郷土史の資料を大量に廃棄した。

……おいおい。以下次号

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図書館ってなに?PART2

2017-04-03 | 社会・経済

PART1はこちら

武雄市の前市長、樋渡啓祐氏がおこなった図書館改革はこうだ。

・指定管理者にTSUTAYAの経営母体であるCCC(Culture Convenience Club)を選定し

・開館時間を延長(9:00~21:00)

・年中無休

・スターバックスを併設し、館内で購入した飲料を持ちこんでの閲覧を可能にし

・貸出カードにTポイントカードを選択できるようにしてポイント付与

……すばらしい。公共図書館の欠点をことごとく改善している。

わたしはいつも図書館を利用しているものだけれども、学生時代は(大学の図書館も含めて)ほとんど行くことはなかった。それは、気むずかしい(笑いながら本を読まれても怖いだけだが)年寄りや、いかにもお勉強好きな高校生のクラブのように見えたからで、どうにも敷居が高かった。

それが酒田と遊佐の図書館を二週間に一度はしごするような生活になったのは

・就職したころに、ちょうど知り合いが司書として酒田の図書館に勤務していた。しかも彼女は美人だった

・遊佐町勤務の最後の年に図書館が新築され“利用者は遊佐町民か遊佐町に勤務する人”という条件にギリギリ間に合った。

……ということでカードをつくることになったのである。動機がどうにも不純。その点、武雄のような造りにすれば(ここは武雄市民だけでなく全国誰でも会員になれる)、気軽に立ち寄れるじゃないですか。

この図書館モデルは評判になり、全国各地から視察が訪れることとなった。きっとこれで武雄の市民は大喜びだろう……もちろん、そうはならなかったのである。以下次号

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今月の名言 2017年3月号 図書館ってなに?PART1

2017-04-01 | 社会・経済

Nick Gilder - Hot Child In The City (with lyrics)

2017年2月号「オスカーを抱きながら。」はこちら

「あることないこと書いてある」

森友学園事件だけでなく、嫌な感じの事件が3月は多かった。とりあげたのは、佐賀県武雄市議会における山口昌宏市議の発言。

なにを問題にしているかというと、「市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」代表が佐賀新聞に、武雄の図書館を批判する内容の投稿を寄せたところ、事実に反する部分があると市の幹部が直接この代表の家を訪れ、翌日には別の幹部が代表の家族の職場を訪問した……

これだけでも驚くのだが、自民党の山口市議は議会において特定する個人の名前(あ、名字だけですか)を挙げ、加えて家族の職業が図書館と縁があると明かしながら

「そういう中でこの投稿は通常ありえない」

「当たり前のことを書かないで、皆さん方に迷惑をかけている」

と批判。その発言内容への取材には

「事実誤認について市民に知らせるためには、公の場でしっかりやった方がいいと思った。圧力ではない」

「新聞にも出ているので名字は言ってもいいと思った。家族のことは多くの武雄市民が知っているので問題ない」

……どこの小さな村のお話ですか、と言いたくなるレベル。背景にあるのははっきりと政争だ。この山口という市議は、辞職して県知事選に出馬し、落選した前武雄市長を支持する一派。

武雄という名に聞き覚えがなくても、あのTSUTAYAが管理する図書館の、と言えばおわかりのかたも多いだろう。この図書館に代表される、民間会社の方法論を行政に貪欲に導入することに熱心だったのが前市長であり、その支持者の代表がこの市議という構図。

図書館については次号でやるとして、まずはこの市議と幹部の件。阿久根のときにも痛感したけれど、奇矯な人物が首長になるとその市全体が簡単に“荒れる”。レベルの低い議員でも、その威光もあって議会を、そして市をわがものあつかい。事実と違う部分を市の側も佐賀新聞に寄稿しようとはまったく考えなかったか。以下次号

本日の一曲はニック・ギルダーの「ホット・チャイルド」軟派な歌かと思ったら、若年層の売春をテーマにしていたとは。

2017年4月号PART1「復興相」にもつづく

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わたし怒ってます カジノ2

2016-12-22 | 社会・経済

PART1はこちら

はっきりとわたしはこの法案に反対だ。おっとご立派なことで、と揶揄されそうだけれど、ご立派さのかけらもないわたしですら(確かに、ギャンブルだけはやらないが)、この法案の筋の悪さは指摘できる。

前から推進議連は、カジノをつくることで経済が活性化すると楽天的なアドバルーンを上げつづけているけれど、ほんとうにそうか。確かにギャンブルについては、確実に金が動く。それも法外な額が。しかしその金がどこにいくのかだ。

胴元に決まっている

すべてのギャンブルは胴元が勝つような仕組みになっている。そうでもないとそのカジノ、簡単につぶれちゃいますしね。そして胴元に金が集まることで税収が生まれる……つまりは国家の胴元化。それはそうだろうけれど、敗者たちのふところは当然うすら寒いものになる。

ギャンブルの負けは必要経費と認められないので(笑)、知ったことかという理屈はもちろん成り立つが、経済成長のためにカジノにおける蕩尽をあてにする政治家たちというのも、ずいぶんとさみしい存在ではないか。成長のためなら死んでもいいという理屈か?

それにね、アトランティックシティ(日本と同じように、経済のためにカジノを合法化した)の例を見るまでもなく、もうかる(しかも合法)となればカジノは乱立し、どうしたって過当競争になる。となれば、カジノが逃げて行った地域にはたして何が残るのか。

前にも紹介した、黒川博行「破門」におけるおとぼけコンビのカジノ感は参考になる。

先進国でカジノがないのは日本だけだろう、と桑原はいう。

「けど、日本にはパチンコという博打産業がありますよね。そこらの年寄りやおばちゃんが歩いて行けるところに博打場があるような国は日本だけでしょ」

「パチンコは警察と極道と腐れ議員の米櫃(こめびつ)や。下手に手を出したらやばい」

「どこかの知事がカジノ構想を打ち上げてもあきませんか」

「知事もあほやない。本気で米櫃に手を突っ込む肚はない」

桑原はしたり顔で「わしが知事やったら警察と組む。税金でカジノを作ってアガリは山分けや」

……カジノ経営に色気むんむんなのが、パチンコ業界であることだけでも、わたしたちはこの法案の筋の悪さを感じなければならないのでは。

「子連れですがなにか?」につづく

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わたし怒ってます カジノ

2016-12-21 | 社会・経済

◆経営上の妙味がどれほどあろうとも、カジノは人の不幸と不運を養分にして咲く徒花である。日本経済の定評であった優秀の「秀」の字が悲しい金にまみれ、「銹(さび)」に変わる。見るに忍びない。

……あいかわらず読売のコラム「編集手帳」は冴えている。しかしよく考えると、あの保守ゴリゴリの読売ですらカジノ法案については否定的なのか。というか、カジノ法案については、自民、民進、公明内部でも推進派と慎重派が分かれている。保守革新の二元論ではかたづかないのかもしれない。国会運営を考えると、民進は政権を再奪取するつもりはないようだ。

カジノ法案(正確には統合型リゾート整備推進法案。NHKはカジノ法案とは呼ばずに『カジノ含むIR法案』と気持ち悪く表記)を推進しようとする勢力の主張はつまるところ

儲かる

これでしょう?メリットはいくらでも思いつく。

・カジノや観光施設の箱ものをつくることで、まず不動産業、建設業が潤う。

・新たな雇用が創出される。

・洗練されたギャンブルを合法化することで、新しい文化が創造できる。

・海外から、特に富裕層を呼びこむ(インバウンド)ことで経済が活性化する。

逆に、デメリットもいくらでも。

・ギャンブルを合法化することで、依存症患者を増やすことになる。

・“質の悪い”海外資本の流入が予想される。

・地元資本(笑)のやくざが、この動きを指をくわえて見ているはずがない。

・治安悪化により、社会的コストが増大する。

・リゾート法の二の舞で、疲弊した地域に廃墟が乱立。

他にも、ネット上ではパチンコとのからみに言及する人が多くて、そんな話なのかなあと違和感。おもてなし感覚でカジノを開帳するとすれば、当然のように(非合法ではあるにしろ)周辺にはセックス関係のサービス業が進出するはずだが。

さて、わたしがこの法案をどう考えているかというと……以下次号

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