事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「バンク・ジョブ」The Bank Job(2008 ライオンズゲート)

2024-01-31 | 洋画

ジェイソン・ステイサム主演で、銀行からお宝をかっぱらうお話。ああそういう映画なのね、という予想をはるかに超える展開。

実話がもとになっていて、のっけから激しいファックシーンから始まる。それを隠し撮りする男がいて……

イギリスのマルコムXと呼ばれたマイケルXは、マルコム支持を標榜しているが、実は麻薬売買など犯罪まみれ。しかしなぜか彼は逮捕されない。ここに、最初の隠し撮り写真がからんでくる。

女性は王室の人間で、マイケルが隠している写真のために英国諜報部(みんなが“MI5だか6だか”、としか呼ばないのがおかしい)は手を出せないでいるのだった。いやしかしこの設定も実話だとすればイギリス王室とは寛容な人たちだなあ。

銀行の貸金庫に保管されたその写真を奪うために、MI5だかMI6は、失敗したときに責任をとらなくてもすむようにアマチュアの犯罪者たちを雇う。これが、ジェイソン・ステイサムをリーダーにしたチーム。もっとも、彼らは写真が目的ではなく、あくまでお宝目当てであるあたり、ドラマ的にひねってある。

地下を掘り進む彼らにはトラブル満載。そのたびにちょっと困った顔をするステイサムが激しく魅力的。

事実は小説よりも奇なり、とはよく言ったもので、諜報部、小悪党たち、麻薬業者、ポルノ王、そして警察がからんでとんでもない結末を迎えます。笑ったなあ。

それにしてもいい女をたっぷり見せてくれてありがとう。監督はロジャー・ドナルドソン。この人は調子いいときはすげー面白いんだ。

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今月の名言2024年1月号PART2 Downtown Boy

2024-01-31 | 社会・経済

Downtown Boy (2022 Mix)

PART1「SOS」はこちら

「経済格差や気候変動問題を放置した結果、未来に希望を持てず、子どもを産んでもしょうがないという人や、経済的理由などで産みたくても産めない人も多くいる。社会を再生産していくという観点では、資本主義社会が失敗している証しです。

この30年間で、日本の企業は終身雇用や年功序列などの「日本型雇用」を壊して非正規に置き換え、人材を「コスト」とみなすようになりました。

景気が悪化し、さらに人件費を削るという悪循環の中、目先の利益だけを求め、競争をあおる自己責任社会が、少子化につながっていると言えます。」

ベストセラー「人新世の資本論」の著者である斎藤幸平東京大学准教授が“資本主義の失敗”を語る。んもう鋭い鋭い。

「日本の資本主義はこの30年間で、教育への投資や人材育成をせず、労働者を低賃金にしたせいで消費は冷え込み、経済自体が行き詰まってしまった。」

「一方で、東京オリンピックや大阪・関西万博みたいな巨大イベントにはお金がジャブジャブ使われ、そこに広告代理店やコンサルのような業種が入ってくる。「祝賀型資本主義」といわれますが、私たちの生活を守るという経済の在り方から全くかけ離れたものになってしまっています。」

こりゃ、読まなくちゃだめだな「人新世の資本論」。絶対に面白そうだ。

PART3「SはWよりも前」につづく

本日の1曲はユーミンの「DOWNTOWN BOY」よく考えたら格差社会の歌でした。

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今月の名言2024年1月号PART1 SOS

2024-01-30 | 芸能ネタ

あの娘の何なのさ篇はこちら

S・O・S ピンク・レディー 昭和51(1976)年 (アナログレコード音源)

「1カ月に換算すると10万5000円になるんでしょうかね」

「このぐらいなのね…って、ちょっと寂しい感じはしましたね」

未唯mieが、年金をもらいはじめて。驚愕。あのピンクレディーのミーですよ。朝から晩までテレビに出まくっていた彼女の年金額がこれっぽっち?プロダクションから給料はどれだけ出ていたんだろう。

「最初の1年は(月給)5万円ずつ。それから30万、150万、最後の数カ月が350万円」

あ然とする額。日本の芸能界がいかにタレントをだいじにしなかったかがわかる。そりゃ、辞めたくもなる。

PART2「DOWNTOWN BOY」につづく

 

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今月の訃報2023年1月号3 追悼中村メイコ(89才没)

2024-01-30 | 芸能ネタ

篠山紀信篇はこちら

89才で亡くなって、芸歴が86年なのである。しかも間断なく現役の喜劇女優だったのだ。どれだけすごいことか。わたしにとって彼女は、まさにブラウン管のなかに住んでいる人だった。

だから次女の神津はづきが、杉本哲太と結婚してさっさと芸能界を引退したことについて、メイコがどのように感じていたのか知りたいところだった。わたし、はづきのファンだったんです。

あ、これだけは言っておかなくては。わたしにとって「猿の惑星」のジーラの吹替は、フジテレビ版の楠トシエだけれど、1973年のオンエア当時、歴代最高の視聴率をとったTBS版のジーラは中村メイコでした。情けないことにそのころ山形県にはTBS系列の放送局がなく、月曜ロードショーで「猿の惑星」を観ることはできなかったの。

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光る君へ 第4回「五節の舞姫」

2024-01-29 | 大河ドラマ

第3回「謎の男」はこちら

前にも言ったように、藤原だらけでわけがわからないので、BSで午後6時から、総合で午後8時からこの大河を見る生活。NHKのいい客だよおれはよ。

そのままパソコンに向かえばオンエア当日にアップできるのに、先週からそうもいかなくなった。9時から「さよならマエストロ」を見始めたから。

この時間帯のTBSのドラマを見るのはわたしとしてはめずらしい。「半沢直樹」も「VIVANT」も「TOKYO MER」も「グランメゾン東京」もリアルタイムでは見ていないのである。

どうして勢いがついてしまったかというと、テレ東の「シェフは名探偵」にはまってしまったからだ。西島秀俊は本当にいいなあと。

ところがネットではこの番組への批判が集中している。日テレの某ドラマと設定がいっしょではないかと。そういう評判をわたしは気にしないが、この番組は責めてもいいんだとなるとネットの世界は苛烈だからなあ。去年の「どうする家康」もジャニーズがらみで集中砲火を浴びていたっけ。

その点、この「光る君へ」は好評のようだ。アンチ「どうする家康」な人たちが支持しているのかも。濃厚な展開は確かに去年とは方向性が違っている。この回も相変わらず濃かったです。出てくる貴族たちが悪い悪い。

そのなかでもいちばん危ないのが新天皇という驚きのお話。入内した(わたしはこの言葉を聞くとすぐにスターウォーズを思い出してしまいます)女性に寝所のなかで手首をしばり……ってそっち系の人だったの?

右翼の方々から怒られそう、と考えなかったわけではないでしょう。しかしNHKはドラマを優先した。けっこうなことだと思います。で、見終わってからは「さよならマエストロ」で中和するってことで。

第5回「告白」につづく

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今月の訃報2024年1月号2 追悼篠山紀信(83才没)

2024-01-29 | ニュース

 

八代亜紀篇はこちら

おそらくは日本でいちばん有名な写真家。土門拳を頂点とした写真界においても、その作品の数(少なくとも公開された)に及ぶ人はいないだろう。

代表作としてジョン・レノンの「ダブル・ファンタジー」のアルバムジャケットが挙げられるが、わたしたち男性にとってはなんといっても激写の人だ。圧倒的なヌード写真の数々。

日本で最初のヘアヌード写真集と語られる樋口可南子の「Water Fruit」、社会現象にまでなった宮沢りえの「Santa Fe」は有名だけれど、若い男性を熱狂させたのは雑誌「GORO」や「写楽(しゃがく)」の方だったかも。わたしは写楽を購読していたので、今でも森下愛子杉田かおるのヌードは鮮烈におぼえている。

それにしても、これだけ多くの女性のヌードを撮りながら、私生活で選んだのが南沙織だったあたりが渋い。いい趣味してたんだなあ。

中村メイコ篇につづく

画像は宮沢りえでも樋口可南子でもなく、個人的趣味で浜田朱里です。

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「愛し続ける私」十朱幸代著 集英社

2024-01-27 | 芸能ネタ

十朱幸代という人が、どうにもよくわからない。いや大女優であることはもちろん承知している。「魚影の群れ」(監督相米慎二)の緒形拳とのファックシーンは壮絶だったし、「ウホッホ探検隊」(原作干刈あがた、脚本森田芳光、監督根岸吉太郎という豪華版)もすばらしかった。でも、全体的な印象としては無邪気な娘じゃないですか。

親しみやすいルックスがそうさせるのかなあ。小坂一也と事実婚なのも知らなかったですけど、熱愛した歌手というのはやっぱり西城秀樹なのかしら……という具合に、自分の恋愛を隠すつもりがほとんどないあたりの無邪気さがそうさせるのかも。

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「シェフは名探偵」Chef est un détective(2021 テレビ東京)

2024-01-26 | テレビ番組

近藤史恵のミステリ、ビストロ・パ・マルシリーズのドラマ化。まさかわたしのリクエストにお応えして西島秀俊を主演に選んだわけじゃないよね。

ついこの間、7年ぶりの新作「間の悪いスフレ」を読んだばかり。同じ週末にレンタルビデオ店に行ったらちゃんとDVDがそろっていました。

パ・マルのメンバーは、シェフに西島秀俊、副料理長に神尾佑、ソムリエが石井杏奈、そしてギャルソンが濱田岳。このアンサンブルは完璧だ。特に西島秀俊の名探偵ぶりと、原作よりも年齢を高めに設定した濱田岳がいい。

原作のシリーズもハイレベルだったけれど、このドラマもなかなか。特にチーフディレクターの木村ひさし(99.9の人ね)が演出した回はキレッキレだ。

後半になるにつれ、泣かせの要素が入ってきて驚いた。こんなに面白いのだから、当然シーズン2があると思ったのに存在しない。あ、そうか原作を使いきってしまったのか。だとしたら原作のストックがたまるまでしばらく待たなければならないんだな。順番が逆だろうか。このドラマが成功したから近藤さんと東京創元社はシリーズを再開したわけだ。がんばって近藤さん

「あたしはアマゾンプライムで見たんで、Amazonがつくったのかと思いました」

とっくに見ていた同僚。

テレ東のドラマを見るのは久しぶり。おかげで、なつかしい役者たちに会えてうれしい。洞口依子さんはそれにしても“大きく”なっていて、それはそれで素敵。本物の探偵を演じた橋本マナミも渋い。

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「朝星夜星」朝井まかて著 PHP研究所

2024-01-26 | 本と雑誌

日本初の洋食屋を長崎で開き、大阪でホテルを開業した草野丈吉と、妻のゆきのお話。

いつもの朝井まかてと違い、どうも主人公が感情移入しづらい人間なのでちょっとしんどいかな。まあ、牧野富太郎はもっととんでもなかったのに「ボタニカ」は面白かったのだからよくわからないですが。

五代友厚、岩崎弥太郎、陸奥宗光など、朝ドラや大河ドラマでおなじみの面々が意外にキャラが立ってないのもなぜだろう。

松子、竹子、梅子という(まるで犬神家の一族のような)お妾さんたちが最後に泣かせる仕掛けはすばらしかったですけどね。

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「負けくらべ」志水辰夫著 小学館

2024-01-25 | ミステリ

志水辰夫の19年ぶりの現代小説だとか。もうそんなになるのか。そのあいだに「青に候」「夜去り川」「引かれ者でござい」など、数々の時代小説で魅了してくれたのでもうそっち専門でいくのかと思ってました。

そこを曲げて、現代小説に再び向かわせた小学館の編集者がまず偉いということでしょうか。そして彼の現代小説は熱烈に迎えられた。

なにしろ腰巻きには北方謙三、佐々木譲、夢枕獏、大沢在昌、馳星周、今野敏の推薦文がそろいぶみ。みんな、待ってたんだなあ。

もちろんわたしだってうれしい。鶴岡が舞台の「背いて故郷」に興奮し、「深夜ふたたび」を読んで今度のクルマはフォルクスワーゲンゴルフにしようと決心し、去年の痛風で休んでいたときは映画化された「行きずりの街」を、痛みをこらえながら見ていたくらい好きなのである(笑)。

この新作も読ませる。これまでとちょっと違うのは主人公がすでに老齢だということ。そしてある特殊な能力をもっていること。

内閣調査室の下部組織でその能力を活かしていた主人公が、ラストで壮絶な暴力に遭遇するあたり、いつものシミタツ節です。またの新作をお待ちしております。

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