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ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ヌマガエル

2011年04月28日 | 動物:両性・爬虫類

 親の感性子の感性

 従姉の孫が来年の4月には小学生となる。「おめぇ、ついこの間生まれたばかりじゃねぇか!」と、時の流れる速さに愕然とする。そういえば、テレビで活躍する歌手や俳優、タレントに平成生まれが出現するようになった。平成といえば、元首相で、今は亡き小渕さんが官房長官だった時に、平成と書いた紙をテレビカメラの前に出して、「新しい元号は平成です」と発表したのも、「ついこの間じゃねぇか」オジサンは感じている。

 従姉の孫、TSは今年6歳になるということだ。ということは、西暦で言えば21世紀に生まれた人類ということになる。21世紀の人類は、でも、20世紀の人類である我々と、見た目にはほとんど変わらない。顔は小さく手足は長いスマートな体型となり、大顔胴長短足の私とは違うだろうが、それは大きな違いでは無い。
 21世紀の人類はまた、感性においても20世紀の人類とそう変わらないようだ。TSは、20世紀の男の子たちの多くがそうであったように、生き物好きである。彼は今、カブトムシとクワガタムシとカナブン(おそらくツヤハナムグリ)を飼っている。ではあるが、彼が最も好きなのは昆虫では無く、カエルらしい。

 「カエルが大好き」と彼が言うのを聞いて、1日、時間を作って、一緒にオタマジャクシを獲りに行こうかと考えていた。が、その時間がなかなか作れない。そんな時、現場仕事で出かけた南城市の田舎町でヌマガエルを発見した。ヌマガエルは、水田が減ってその個体数も減ったとのこと、私の住む首里近辺ではあまり見ることが無い
  私は生き物の写真を多く撮っているが、それらを「掴まえて」写真に収めるということは滅多にやらない。自然の状態にいるのを、そっと近付いて撮っている。だが、ヌマガエルは私がそっと近付くのを許さなかった。しょうがなく掴まえる。
 掴まえたついでに、「そうだ、これをTSにプレゼントしよう。」と思った。が、すぐに思い直した。彼の母親が小動物を苦手としているのである。持って行ったら悲鳴を上げるに違いない。美人に嫌われたくないので、プレゼントすることは断念した。
 TSの母親はまた、聡明でもある。自分の大嫌いなカエルを息子が大好きであることは認めている。親の感性と子の感性は別物であることをきちんと認識しているのである。自分の感性と弟の感性が別物であると認識できない、私の姉とはエライ違いなのである。

 
 ヌマガエル(沼蛙)
 アカガエル科の両生類 本州以南、南西諸島、台湾などに分布 方言名:アタビチ
 沼に生息しているからヌマガエル(沼蛙)、という解りやすい名前。方言名はアタビチの他、アタビチャーとも言う。アタビチ、アタビチャーはカエル(中型)の総称であり、また、本種を指す。最も身近なカエルで、カエルといえば本種なのであろう。カエルを表現する方言は他に、ティンアタビー(ヒメアマガエル)、アタク(アオガエル)、ワクビチ(ヒキガエル、ガマガエル)などがある。オタマジャクシはアマナーと言う。
 体長は30~50ミリ。「八重山では8センチに達するものもある」と『沖縄大百科事典』にあった。水田、沼、池などに普通に見られる最も身近なカエルとのことだが、水田の少なくなった今日では、その数は減少しているとのこと。繁殖時期は4月から8月。

 記:ガジ丸 2007.10.16 →沖縄の動物目次
 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行