ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

イエカ

2011年06月25日 | 沖縄の動物:昆虫-双翅目(ハエ他)

 超小型天然扇風機

 一晩中蚊に悩まされた日、頭を深く枕に沈めて両耳を防御し、タオルケットを顎までかぶり全身を防御する。唯一野晒しの顔には虫除けスプレーを塗った。時々、ウィーンという羽音に起こされる。静かな夜、しっかりと聞こえる。不快な音なので目が覚める。
  右の耳元でウィーンが何度か旋回し、顔を横切って左の耳元へ移動するのが判る。そして、左の耳元でウィーン、ウィーン、ウィーンを繰り返し、また、右へ戻る。
 左右を行ったり来たりするうちに、途中で、顔面を一回りするようになる。そのうち眉のあたりに近付いては離れ、鼻に近付いては離れ、唇に近付いては離れたりなんかする。虫除けスプレーが効いているので着地はできないようだ。顔の表面を舐めまわすようにすれすれに飛ぶ。風を感じる。超小型天然扇風機となった。涼しさを感じることはちっとも無いが、そう思い込むことにした。一所懸命風を送っているのに、それはただ働きなんだぜ、ざまーみろ!と思って、安らかな眠りに入ったのだった。

 昼間雨が降って、止んだ後の夕方に藪の中に入ったりすると、10秒と経たないうちにたくさんの蚊に襲われる。刺されるとあまりにも痒いので、「みんな同じ地球の仲間、献血してやるわ。」と博愛主義するわけにはいかない。その時の蚊は概ね野外に多いヒトスジシマカ、超小型天然扇風機となった蚊は概ね屋内に多いイエカ。

 
 イエカ(家蚊):双翅目の昆虫
 カ科イエカ属 熱帯地域に分布 方言名:ガジャン
 名前の由来、資料は無いが、「屋内に多く生息するから」であろう。
 イエカというとネッタイイエカしか思い浮かばなかったが、イエカ類は琉球列島に23種が分布するらしい。その中で代表的なものが2種あって、私も知っていたネッタイイエカ(熱帯家蚊)と、もう一種はコガタアカイエカ(小型赤家蚊)。ネッタイイエカとコガタアカイエカはよく似ているらしい。写真のものがどちらなのかは、正確には不明。
 蚊は人の肌を刺して、痒がらせて喜んでいるわけではない。雌が地を吸う。血を吸ったついでに伝染病を媒介する。ネッタイイエカは熱帯地域に分布し、フィラリアの伝搬蚊。コガタアカイエカは日本全土から熱帯地域まで分布し、日本脳炎の伝搬蚊。
 私が家の中でよく刺されるのはどちらなのか確認できていないが、あるいは、どちらにも刺されているのかもしれないが、イエカは家の中のどこやらに潜んでいて、主に夜活動する。私の感覚では、刺されても、ヒトスジシマカほどは痒くない。

 記:ガジ丸 2004.10.29 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行

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