ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ウリミバエ

2011年06月25日 | 沖縄の動物:昆虫-双翅目(ハエ他)

 重要なハエ

 ゴーヤーは夏野菜として知られるが、概ね5月から10月(最盛期は7~8月)までの長い期間収穫できる。しかも、ハウス栽培によって、今では年中お目にかかることができる。それでも、夏の野菜といえばゴーヤー、という印象は強い。
  沖縄の夏の、灼熱の太陽はあまりにも厳しいので、その下で元気に育ってくれる野菜は少ない。倭国では春から秋が野菜の季節となっているが、沖縄では秋から春が、概ね野菜の季節なのである。そんな沖縄でゴーヤーは、灼熱の太陽にも負けない丈夫な野菜の一つであり、なおかつ、夏バテ防止に効果的な栄養素を多く含んだ食品でもある、などということから、ゴーヤーは沖縄の夏を代表する野菜という評価を得ているのであろう。

 数年前、NHKの番組「プロジェクトX」で、 沖縄の「ウリミバエ根絶事業」が取り上げられた。ウリミバエがいるせいで沖縄の瓜類の県外出荷ができなかった。ウリミバエの根絶は沖縄の農業関係者の悲願であったらしい。作戦は、生物の一種を絶滅させるという方法に拠った。そして、それは成功した。ゴーヤーもキューリもヘチマも晴れて、県外出荷ができるようになった。中島みゆきの「ヘッドライト、テールライト」が流れる。
 根絶宣言をして長いが、しかし、ウリミバエ、今でもちょくちょく見かける。根絶とはいっても、まったくゼロにしたわけではなさそうだ。県の担当部署に勤めている友人の話では、いるにはいるが、全体から見ればまったく無視できる数とのこと。それでも、今でもウリミバエは要注意害虫としての地位にいるらしい。何しろゴーヤーの敵なのだ。

 
 ウリミバエ(瓜実蠅):双翅目の昆虫
 ミバエ科 南西諸島、台湾、東南アジアなどに分布 方言名:オーベー
 ゴーヤーがいつのまにか黄色くなって腐ってしまう。そのゴーヤーを割ってみると中にたくさんの蛆が湧いている。ウリミバエである。ウリミバエは昔からウリ類の害虫として有名。これがいるために長いことゴーヤーなどウリ類の県外出荷ができなかった。
 人工的に蛹を大量生産し、それに放射能を浴びせることで不能精子の雄を作る。大量の不能精子雄を自然に放ち、雌と交尾させ無受精の卵を多くする。それを何代か繰り返していくと無受精の卵ばかりとなり、しまいにはウリミバエは生まれなくなる。こうやって害虫を駆除することを不妊雄法という。この方法で1993年に根絶したとなっている。
 体長8ミリ内外。成虫の出現は周年。幼虫はウリ類の果実に寄生する。
 
 横から

 記:ガジ丸 2005.11.15 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行

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