ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

クロイワニイニイ

2011年06月03日 | 沖縄の動物:昆虫-カメムシ・セミ

 嬉しい呼ばれ方

 6月、沖縄島ではごく限られた地域にしかいないイワサキクサゼミを発見した。以前からそこには多くいると聞いていた旧玉城村の、とある場所である。「やったー!」と心の中で叫びつつ写真を撮る。ところが、6枚撮った写真の全てがピンボケだった。カメラの設定を間違えていたみたいである。その場で確認すれば良かったと後悔する。
 イワサキクサゼミを発見した同じ日にクロイワニイニイも発見する。イワサキクサゼミは小さい(日本最小)が、イネ科の草の葉につき、その時もすぐ目の前にいた。クロイワニイニイは樹木につき、その時は頭上3mばかりの枝にいた。目の前のイワサキクサゼミは失敗したが、クロイワニイニイはズーム撮影で成功した。

  黒岩恒さんという人が学術的発見(簡単に言えば、学名がつくということ)をしたことからクロイワがつき、ニイニイゼミの仲間なのでニイニイとなっているのだが、ニイニイは、ウチナーグチ(沖縄口)では「兄さん」という意味になる。家族の中の兄だけでなく、年上(あまり上だとオジサンになる)の男を呼ぶ際にも使われる。倭国でも青年に呼びかける時や、飲み屋さんなどで「お兄さん、ちょっと寄っていかない」などの時に使われるのと同じ意味である。ただ、ニイニイは兄さんよりも親しみのある感じがする。近所や親戚の年下の女の子からニイニイと呼ばれると、何となく嬉しい。
 ちなみに、姉さんはネエネエ、爺さんはオジー、婆さんはオバーというが、これらも家族に対してだけでなく、他人でもそういった年齢の人に対して使う。父はオトー、母はオカーというが、この二つは現在あまり使われない。他人の、中年男性に対しオトー、中年女性に対しオカーと呼びかけることは、たまに聞くことがある。

 
 クロイワニイニイ(黒岩にいにい):半翅目の昆虫
 セミ科 沖縄諸島、奄美諸島に分布 方言名:シーミーグヮー
 ニイニイゼミは全国に分布する。「じいじいと鳴く」(広辞苑)の「じいじい」が「にいにい」となって、ニイニイゼミなのだと思われる。本種は南西諸島に分布し、黒岩恒によって学術的な発見がなされ、彼の名がついている。クロイワツクツクと同じ。
 方言名のシーミーグヮーは、シーミー(清明)の頃から鳴き声が聞こえるのでということ。清明は、二十四節気の一つで、春分の次の節。太陽暦では4月上旬頃。
 ニイニイゼミとは「体に緑色部がある」、「翅垂部に黒色紋ある」などの違いがあるらしいが、ニイニイゼミを私はまだ見ていないので未確認。
 体長17~23ミリ。鳴き声はニイニイゼミと似て、ジーーー、ジーーーと低く無く。4月上旬に出現し、10月上旬まで見られる。7月上旬が最盛期とのこと。
 イタジイ、ホルトノキ、トベラなど多くの広葉樹の他、リュウキュウマツにも多いとのこと。私は、タイワンケヤキ、サルスベリ、ギンネムで見た。
 「灯火にも飛来する」とのこと。暗くなっても動くみたいである。
 なお、黒岩恒さんについては、イワサキクサゼミの学術的発見者である岩崎卓爾さんと共にいつか別項で紹介したい。

 記:ガジ丸 2007.9.15 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行

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