ナーベーラー料理あれこれ
ナーベーラー(ヘチマ)の料理といえば味噌汁か、ナーベーラーンブシー(炒め煮のような料理法、食堂のメニューには判りやすくヘチマの味噌煮などとある)のどちらかしか知らないウチナーンチュも多かろうが、いえいえ、ナーベーラーはなかなか面白い食材なんですよ。他にも美味しい食べ方があるのですよ、という紹介。
静岡のMさんのホームページ(個人のでは無く、”ふらここ”という人形劇団のホームページかも)をみていたら、「ナーベーラーの天ぷら」が出てきた。静岡でナーベーラーを栽培し、それを収穫して、天ぷらにして食ったらしい。天ぷらの写真も載っている。天ぷらの前に、素揚げをしたら失敗だった、というようなことが書かれてあった。
ナーベーラーの成分の多くは水分なので、それを油で素揚げなどしたら油が撥ねて、えらいことになるに違いないということは、生まれた頃からナーベーラーに親しんでいる私なぞはすぐに想像がつく。静岡のナーベーラー素人め、と思うのである。
じつは、天ぷらの衣でも、そこから水分は抜けていく。ナーベーラーはその含まれている水分に旨みがあるので、それがなるべく抜け出さないような料理法が好ましい。
私はほとんど外食しないので、もしかしたらあちこちの高級なレストランで既に出されている料理かもしれないが、しかし、私がたまに行くどこの居酒屋にも、どこの食堂にもこれは置いていない。ナーベーラーの肉包みフライ。
ナーベーラーを短冊に切って、シソの葉で包み、さらにその上から豚肉(牛肉でも可)で包んで、小 麦粉、溶き玉子、小麦粉とトンカツを作る手順で塗り重ねて、トンカツのように油で揚げる。高い温度で短い時間にするのが良い。これだと水分の抜けが少なく、ナーベーラー本来の味を楽しむことができる。シソの葉で包む手順は省いてもいい。
昨日(4日)、その写真をガジ丸HPに載せようと、作ることにした。が、パン粉を買うのを忘れて、料理はナーベーラーの肉包みソテーに変更する。肉で包んで、小麦粉をまぶしてソテーする。バターでもいいが、今回はごま油にした。醤油、ソース、ポン酢など好みのものをかけて食う。畑からつんできたシソの葉を巻くのを忘れてしまったが、それ でも十分に美味しかった。ナーベーラーはその水分をできるだけ失わないような料理法であれば、たいてい美味しく食べることができる。
注意することが一つある。水分を十分に含んでいるので、ナーベーラーの中まではなかなか冷めない。あわてて口に入れると火傷をする。気をつけてください。
記:ガジ丸 2005.9.5 →沖縄の飲食目次
参考文献
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行