パパイアを炒める
パパヤはパパヤーと普通は語尾を伸ばして発音し、パパイアのことをいう。「沖縄の草木」の中の「パパイア」は果物のグループに入れているが、果実の未熟なうちは野菜として食される。スーパーには熟した果物としてのパパイアよりも、青いうちの野菜としてのパパイアが多く並んでいる。ウチナーンチュの気分としては概ね野菜である。
概ね野菜と書いたが、私にとってはほぼ野菜である。生まれてこの方、果物のパパイアを食う機会は数えるほどしかなかったが、野菜のパパイアを食う機会は数えきれないほどある。市販の弁当に入っているし、スーパーの惣菜コーナーにもたいてい置いてある。私の母もたまに作っていたし、親戚の家で出されることもあった。
とはいっても、パパイアは、それが果物であっても野菜であっても私の好物とはなっていない。まあ、美味しいとは思うので、あれば食うが、とっても美味しいとは思わないので、パパイアが食いたいなどと思ったことは無い。スーパーの惣菜でパパヤイリチーを買い、酒の肴にすることはまれにあるが、自分で作ってまで食おうと思うほどのものでは無いのだ。だから、かつてパパイア料理を作ったことは一度も無い。
ところが、今日の晩飯は自作のパパヤイリチー(イリチーは炒め煮といったもの)であった。仕事帰り立ち寄ったスーパーで、既に千切り(シリシリーというが、これはその道具も沖縄の独特な物らしいので、別項で詳述する)にされたパパイアが袋詰めにされて売られていた。ふと、パパイア料理をガジ丸で紹介しなくちゃと思い、一袋買う。
家に着いてから、パパイア料理を作ったことが無いことに気付く。自分は何でもできるという慢心が心のどこかにあったに違いない。でも、しょうがないのでチャレンジ。野菜チャンプルーを作るようなレシピで作る。結果は、まあ、食えないことは無かったが、いつも食べているものに比べたら大きな差があった。ちょっぴり不幸な気分。テキトーに生きるのもいいが、あんまりテキトーだと不幸を呼ぶ、という教訓を得た。
文献に、「とくに糠味噌漬けは色がきれいで歯ごたえがよい」とあった。パパイアの糠漬け、いったいどのような味わいがあるのであろうか。糠漬け大好きで、糠漬けはキャベツ、ニンジンが最高と思っていた私だが、パパイアの糠漬けに、ただ今興味津々。
なお、パパヤイリチーの正しい作り方については、そういったサイトがいくつもあると思うので、そちらを参考にしていただきたい。
※シリシリーについては→「ニンジンシリシリー」で。
記:ガジ丸 2005.9.5 →沖縄の飲食目次
参考文献
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行