鳴かないヒバリ
キアシヒバリモドキは『沖縄昆虫野外観察図鑑』にクサヒバリ科とあった。キアシヒバリモドキのヒバリはクサヒバリのことを指しているが、クサヒバリは広辞苑に、同じくクサヒバリ科とあった。が、念のためネットで調べてみると、両者ともコオロギ科となっている。違いの判らない男である私には「どうでもいいや」とも思うのだが、バッタ目とはどのような分類になっているのかを頑張って調べてみた。ウィキペディアによる。
バッタ目はバッタ亜目とキリギリス亜目に分れ、キリギリス亜目はコオロギ上科、カマドウマ上科、コロギス上科、キリギリス上科に分れ、コオロギ上科はコオロギ科、カネタタキ科、ケラ科、アリヅカコオロギ科に分かれる。キアシヒバリモドキはこの中のコオロギ科に含まれるということである。コオロギ科には他に、エンマコオロギ、クサヒバリ、スズムシ、マツムシ、カンタンなど有名どころが多数含まれている。
別のサイトには、「コオロギ科は多くの亜科に分かれる」とあり、クサヒバリもキアシヒバリモドキもコオロギ科クサヒバリ亜科となっていた。そういった細かいところは、違いの判らない男である私には理解不能。
鳴く虫というと秋の夜長である、ということを小学校の時、歌で覚えた。であるが、沖縄の虫たちは、おそらくいくつもの種類たちが代わる代わるに年中鳴いている。
クサヒバリはきれいな声で鳴くらしい。が、その姿を私は見ていない。キアシヒバリモドキは鳴かないらしいが、主に日中活動するということで、ある日、原っぱを歩いていたら、小さな視線に気付いて発見した。小さな虫を見つけられたのは幸運だった。
キアシヒバリモドキ(黄脚雲雀擬き):直翅目の昆虫
コオロギ科 本州以南、南西諸島、台湾、東南アジアに分布 方言名:シェー
ヒバリ(雲雀)は「スズメ目ヒバリ科の小鳥」(広辞苑)という意味しかないので、ヒバリモドキの擬きが指すヒバリはそれでは無く、クサヒバリのこと。クサヒバリはバッタ目コオロギ科の昆虫。本種はクサヒバリに似ているところからヒバリモドキ(たぶん長ったらしくなるのでクサは省略)となり、脚が黄色味を帯びているのでキアシとつく。
クサヒバリはクサヒバリ科と広辞苑にあり、キアシヒバリモドキは『沖縄昆虫野外観察図鑑』にクサヒバリ科とあった。念のためネットで確認すると、クサヒバリも本種もコオロギ科クサヒバリ亜科となっていた。最近変わったのであろう。
クサヒバリは「ふいりりりと美しい声で鳴く」(広辞苑)らしいが、本種は鳴かない。
体長5~6ミリ。成虫の出現、沖縄では周年。主に日中活動する。
記:ガジ丸 2007.5.13 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行