初体験のナッツ
去年の暮れ辺りから、大家の庭にあるカイエンナット(パキラ)の木に果実がつきだした。カイエンナットという名前から想像できるように、その種子は食えるみたいである。ナッツである。その果実を見るたんびに食ってみたいと思ったが、果実はどれも高い位置にあり、手を伸ばしても届かない。脚立が必要であり、その前に、大家の許可を得なければならない。店子(たなこ)といえど、大家のものを黙って食うわけにはいかない。
やっと大家の許可を得、脚立を準備できたのは2週間前のこと。計20個余りはついていた果実 も、その頃にはたったの3個しか残っていなかった。その内の2個は、脚立の上に脚立を重ねてもなお届かない位置にあったので、収穫は1個だけとなった。
前に、コバテイシの種子を食ったことがあるが、その時は生で食った。後で調べると、植物の種子には毒性のあるものが多いとのこと。鳥などが、その果肉は食うが、種までは食べないようにするための工夫だという。ただし、毒があっても、火を通せばたいてい毒性は消えるとのこと。カイエンナットの種子に毒性があるかどうか不明であったが、生の種子を割って、その姿を観察し、匂いを嗅い だ私の感覚では「ちょっと危険かも」だったので、今回は、火を通して食うことにした。トースターで5分間焼いた。
カイエンナットの焼いた種子はまあまあ美味しかった。味は焼いたギンナンに少し似ている。食感は焼いたギンナンよりも柔らかい。匂いはあまりしない。じつは、カイエンナットの種子を食ったのも、別項で紹介しているカニステル、サポジラを食ったのも同じ日で、その頃、私は軽い風邪をひいていて鼻の能力が少々落ちていた。が、少なくともギンナンのような臭さは無かった。敢えて言うと、 蒸かしたジャガイモの匂いであった。
焼いたカイエンナットの種子は、その皮を剥くのが難しかった。中味と皮がくっついていて、きれいに剥ぐことができなかった。スプーンでほじくるようにして食ったのだが、皮を剥いてから焼いた方が良かったのだろうか。次回はそうしてみようと思う。
→記事(植物としてのカイエンナット)
記:ガジ丸 2006.3.28 →沖縄の飲食目次