庶民の菓子
私の芋作り、先週やっと、アパートの畑の使っていない部分を耕して種芋を植えた。今週は、引っ越したKさんが使っていた部分を耕す予定。種芋から蔓が出てきたら、それを切り取って、耕した箇所に植えつける予定。4月中には何とか済ませたい。
私の芋料理、失敗は成功の元というように、芋羊羹作りは2回目で成功。前回大失敗したクジムチ(葛餅)作りも2回目の挑戦で大成功となった。
くずもち(葛餅)とは「葛粉または小麦粉・生麩粉などを熱湯でこね、型に入れて蒸した菓子。」(広辞苑)のこと。古くから甘藷(さつまいも)の栽培が盛んであった沖縄では、ンムクジ(いもくず)が用いられる。
今回のクジムチ作りの際、前回の失敗の原因がはっきり判らず、再挑戦を成功させる自信が無かったので、行きつけの喫茶店のオバサンたちに作り方を聞いた。が、どのオバサンも作ったことがないと言い、作り方も知らないと言う。「ウチナーのオバサンのくせに知らないのかよー。」と、口には出さないが、思いつつ、その後、図書館へ行って、何冊かの料理の本(どの本も概ね内容は同じ)を読んで、作り方を覚えた。
材料はンムクジ、水、砂糖に、塩と生姜汁を少々。
「ゲーッ!」と驚いたのは、その砂糖の量。ンムクジの量を1とすると、砂糖はそれより少し大目の量。これではンムクジを食っているのか砂糖を食っているのか解らない。しかし、他の菓子類の頁を見ると、砂糖はいずれもたっぷり使っている。菓子とはこれほどの砂糖を使うのだ、糖尿病だ、と今さらながら菓子の恐ろしさに気付く。
菓子は砂糖を大量に入れないと日持ちしない、と理解はしているが、それにしても多すぎる。日持ちはさせたいが、食えなけりゃあ意味が無い。よって、砂糖の量は半分程度にした。それでも、私の砂糖消費の3、4ヶ月分位にはなった。
出来上がったクジムチ、そこはかとない甘さで、私には良い塩梅、美味しかった。前に紹介した市販のクジムチにはシークヮーサー味なんてのもあった。シークヮーサーやマンゴージュースを加えたり、ココアやバニラ風味のクジムチなんてのも良いかもしれない、などと、自作クジムチを食いながら一瞬思ったが、すぐに断念する。
前回、たぶん掻き混ぜすぎたせいで白く濁ったのであろうと判断し、今回は軽く、優しく掻き混ぜた。お陰で普通の半透明のクジムチに仕上がったが、優しく掻き混ぜていると鍋にンムクジが貼り付く。料理が終わった後、鍋に貼り付いたンムクジを取り除くのが面倒であった。「これは、商売でなければできない面倒」ということで、断念。
記:ガジ丸 2009.3.15 →沖縄の飲食目次