Latin for Beginners_2507

【本文】
LXX. THE RIVAL CENTURIONS

 Illīs in castrīs erant duo centuriōnēs,(7) fortissimī virī, T. Pullō et L. Vorēnus, quōrum neuter alterī virtūte(8) cēdere volēbat.

(7) 〔次回及び次々回に読みます。〕
(8) virtūte, §501. 30.

【語句】
rival:競争者、対抗者、敵手、ライバル
centurion:百人隊長

【訳文】
70 競争者である百人隊長たち

 Illīs in castrīs erant duo centuriōnēs,(7) fortissimī virī, T. Pullō et L. Vorēnus, quōrum neuter alterī virtūte(8) cēdere volēbat.

(7) 〔次回及び次々回に読みます。〕
(8) virtūte §501. 30 参照。

【新出ラテン語句】
cēdō L. Pullō T. Vorēnus

【コメント】
 注(7)は次回及び次々回に読みます。

 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Illīs in castrīs erant duo centuriōnēs, fortissimī virī, T. Pullō et L. Vorēnus, quōrum neuter alterī virtūte cēdere volēbat.
(訳)
 その野営地には、非常に勇敢な男たちである2人の百人隊長がいた。ティトゥス・プッロとルキウス・ウォレヌスであり、彼らのうちのどちらも勇敢さの点で他方に劣ることを欲していなかった。
(解説)
 duo centuriōnēs(2人の百人隊長)と fortissimī virī(非常に勇敢な男たち)は同格(主格)です。さらに、その2人が誰であるかが、その後ろに名前で示されています。
 quōrum ... volēbat は centuriōnēs を先行詞とする関係代名詞節です。節の前にコンマが付いていますので、非制限用法(継続用法)で訳してみました。
 quōrum は部分属格として用いられているものと思われます。ここでは「彼らのうちの」と訳してみました。その後ろの代名詞 neuter が部分を表しています(Latin for Beginners_1380 参照)。
 neuter は「(2つのうちの)どちらも~ない」の意味です(Latin for Beginners_369 参照)。述語動詞 volēbat からみて、この語は単数名詞として扱われています。
 alterī は alter((2つのうちの)他方の)の単数与格男性形です(Latin for Beginners_368, 369 参照)。
 virtūte は“指定の奪格”で、「勇敢さの点において」の意味を表します(Latin for Beginners_1811, 1812 参照)。注(8)の§501. 30 は指定の奪格について述べていますが、後日読むことにします。
 与格+ cēdōは「~に劣る」と訳してみました。cēdō は「譲る、退く」の意味ですが、与格を取って、「~に場所を譲って後ろに退く」ことから、「~に劣る」といった意味にもなるようです。
 不定法+ volōは「~することを欲する」の意味です(Latin for Beginners_1680 参照)。volēbat は volō の直説法3人称単数未完了過去形です(Latin for Beginners_1677 参照)。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2506

【本文】
(6)Tālibus in castrīs quālia dēscrīpsimus Pūblius ā Caesare exceptus est.

(6) Tālibus in castrīs quālia, in such a camp as. It is important to remember the correlatives tālis ... quālis, such ... as.

【語句】
correlative:相関的な;相関語
such as ~:~のような

【訳文】
(6)Tālibus in castrīs quālia dēscrīpsimus Pūblius ā Caesare exceptus est.

(6) Tālibus in castrīs quālia 「~のような野営地で」 相関語句 tālis ... quālis ~(~のような ... )を覚えておくことが重要である。

【新出ラテン語句】
dēscrībō quālis tālis

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Tālibus in castrīs quālia dēscrīpsimus Pūblius ā Caesare exceptus est.
(訳)
 我々が描写したような野営地で、プブリウスはカエサルによって歓迎されたのである。
(解説)
 注(6)によれば、tālis と quālis は呼応して用いられる「相関語句(correlatives)」です。本文では、tālis は形容詞で、quālis は関係代名詞(形容詞の名詞用法)のように用いられているようです。ここでは、tālibus が castrīs に係っており、quālia は quālia dēscrīpsimus という節中で動詞 dēscrīpsimus(我々は描写した)の目的語になっています。quālia は複数対格中性形で、その先行詞は tālibus castrīs と解してみました。あるいは、quālia の後ろに dēscrīpsimus の目的語となる対格 castra が省略されているとみることもできるでしょうか。
 この quālia を tālibus が受けており、直訳すると「我々が描写したような、そのような野営地で」となるでしょうか。
 本文の tālis, quālis の用法を整理すると以下のようになっています。
 tālis +名詞A quālis +節Xで「Xのような(そのような)A」の意味になります。tālis は形容詞で、Aと性・数・格が一致します。quālis は関係代名詞(形容詞の名詞用法)で、性・数はAと一致し、格は節X中での役割に応じて定まります。
 ā Caesare(カエサルによって)は行為者の奪格です。
 exceptus est は excipiō(歓迎する、迎える、もてなす)の直説法受動相3人称単数完了形(男性形)です。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2505

【本文】
In angulīs castrōrum erant turrēs dē quibus tēla in hostīs coniciēbantur.

【新出ラテン語句】
angulus coniciō

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

In angulīs castrōrum erant turrēs dē quibus tēla in hostīs coniciēbantur.
(訳)
 野営地の隅には、敵に槍を投げ付けていたやぐらがあった。
(解説)
 angulus は「角(かど)、隅」の意味です。
 turris は「塔、やぐら」の意味ですが、ここでは「やぐら」と訳してみました。
 dē quibus ~ は、turrēs を先行詞とする関係代名詞節です。これを直訳すると「そこから下へ槍が敵に投げ付けられていたところの(やぐら)」となりますが、ここでは能動的に「敵に槍を投げ付けていた(やぐら)」と訳してみました。
 coniciō は「投げる」の意味ですが、どう発音するのでしょうか。そのまま読めば「コニキオー」となりますがよいでしょうか。この語の完了形は coniēcī となりますが、これも「コニエーキー」でしょうか。それとも、この語の成り立ちは con- + -iēcī(iaciō の完了形)ですが、iēcī の語頭の i- は子音と思われますので(Latin for Beginners_90, 97 参照)、「コニェーキー」や「コンニェーキー」あるいは「コンイェーキー」などと発音するのでしょうか。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2504

【本文】
In castrīs portae quattuor erant ut ēruptiō mīlitum omnīs in partīs fierī posset.

【新出ラテン語句】
ēruptiō

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

In castrīs portae quattuor erant ut ēruptiō mīlitum omnīs in partīs fierī posset.
(訳)
 野営地には、全方向へ兵士たちの出撃が行えるように、4つの門があった。
(解説)
 erant は、ここでは「~があった」と訳してみました。
 ut +接続法”は“目的の接続法”で、「~するために、~するように」の意味を表します(Latin for Beginners_1504, 1505 参照)。ここでは、posset が接続法(未完了過去形)になっています。
 ēruptiō は「出撃」の意味です。
 omnīs in partīs は「全方向へ」と訳してみました。Latin for Beginners_2498 には、in omnīs partīs という用例がありました。
 fierī は faciō(する、作る)の不定法受動相現在形と解してみました(Latin for Beginners_1721, 1723 参照)。
 ēruptiō ... fierī の訳し方が難しいです。ここでは、英語の make a sally(出撃する)から類推して、その受け身で「出撃が行われる」の意味に解してみました。さらに、ここでは posset とともに用いられているので、「出撃が行える」と訳してみました。

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Latin for Beginners_2503

【本文】
Nam (5)quō tūtiōrēs ab hostibus mīlitēs essent, nēve incautī et imparātī opprimerentur, castra fossā lātā et vāllō altō mūniēbant.

(5) quō ... essent. When is quō used to introdude a purpose clause ? See §350. I.

【訳文】
Nam (5)quō tūtiōrēs ab hostibus mīlitēs essent, nēve incautī et imparātī opprimerentur, castra fossā lātā et vāllō altō mūniēbant.

(5) quō ... essent quō はどのような場合に目的節を導入するために用いられるか。§350. I 参照。

【新出ラテン語句】
imparātus incautus nēve opprimō tūtus

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Nam quō tūtiōrēs ab hostibus mīlitēs essent, nēve incautī et imparātī opprimerentur, castra fossā lātā et vāllō altō mūniēbant.
(訳)
 というのは、兵士たちが敵からより安全でいるために、また、油断して不用意にしていて不意を襲われることのないように、彼らは野営地を広い溝と高い堡塁で守っていたからである。
(解説)
 nam は「というのは、~だからである」と直訳してみました。
 quō +比較級 +接続法は、「~するために、~するように」を意味する“目的の接続法”です。目的節中に比較級の語を含む場合には、接続詞として ut ではなく quō を用います(Latin for Beginners_1506 参照)。ここでは、tūtiōrēs が比較級に、また、essent が接続法になっています。essent は sum の接続法3人称複数未完了過去形ですLatin for Beginners_1529 参照)。注(5)の§350. I は Latin for Beginners_1505, 1506 を御参照ください。
 tūtus は「安全な」の意味です。後ろに ab hostibus が付いていますが、その意味は英語の be safe from(~から安全だ、~の危険がない)の構文から類推してみました。
 nēve は目的の接続法とともに用いて、「また、~しないように(~しないために)」の意味の目的節を作るようです。nēve は et nē といった意味合いになるものと思われます。他方、neque は et nōn の意味になります。
 この nēve 節の主語は明示されていませんが、前の quō 節の主語と同じく mīlitēs と思われます。形容詞 incautī(油断している)と imparātī(不用意な)な、この明示されていない主語に係っているものと思われます。ここでは、「油断して不用意にしていて」と叙述的に訳してみました。
 opprimerentur は opprimō(圧迫する;不意を襲う)の接続法受動相3人称複数未完了過去形です。
 主節の castra は対格で、mūniēbant の目的語です。主節の主語はやはり mīlitēs と解してみました。mūniēbant が第二次時制のため、時制の一致により、従属節の essent, opprimerentur が未完了過去形になっているものと思われます。
 fossā lātā(広い溝によって)、vāllō altō(高い堡塁によって)は手段の奪格です。vāllum(堡塁、土塁)は vallēs(谷)とは異なりますので、ご注意願います。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2502

【本文】
Ad locum postquam exercitus pervēnit, aliī mīlitum (4)in armīs erant, aliī castra mūnīre incipiēbant.

(4) in armīs erant, stood under arms.

【語句】
under arms:武装して、武器を取って

【訳文】
Ad locum postquam exercitus pervēnit, aliī mīlitum (4)in armīs erant, aliī castra mūnīre incipiēbant.

(4) in armīs erant 「武装して立っていた」

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Ad locum postquam exercitus pervēnit, aliī mīlitum in armīs erant, aliī castra mūnīre incipiēbant.
(訳)
 軍隊がその場所に到着した後、兵士たちのうちのある者たちは武装して立ち、また、ある者たちは野営地を築き始めていた。
(解説)
 ad +対格 perveniōは、「~に到着する」の意味です(Latin for Beginners_2287 参照)。
 接続詞 postquam(~した後)は、文頭ではなく、ad locum の後に置かれています。
 aliī ~ aliī ...は、「ある者たちは~、ある者たちは ... ;~する者たちもいれば、... する者たちもいる」の意味です(Latin for Beginners_373 参照)。
 mīles(兵士)の複数属格 mīlitum は aliī に係っているものと解してみました。この属格は部分属格でしょうか(Latin for Beginners_1379 参照)。
 in armīs erant は、直訳すると「武器の中にいた」となりますが、注(4)にあるように、「武装して立っていた」の意味になるようです。
 mūniō は「守る、城壁を築く」といった意味です。castra mūniō は「野営地を守る」とも訳せそうですが、ここでは「野営地を築く」と訳してみました。
 不定法+ incipiōは「~し始める」の意味です。
 主節の動詞が未完了過去形になっていますが、訳し方が難しいです。ここでは、そのまま「~していた」と訳してみました。

-初学者のためのラテン語-

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