Latin for Beginners_1794

【本文】
7. There were (some) who called him the bravest of all.

【訳文】
7. 彼を全員の中で最も勇敢な人と呼ぶような人たちがいた。

【コメント】
 本文をラテン語に訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

7. Erant quī eum fortissimum omnium vocārent.
(解説)
 「... 人たちがいた」は、英文で先行詞 some(人たち)が括弧で括られていますので、ラテン語訳では、先行詞(eī 等)を省略して、erant quī ... と表してみました(Latin for Beginners_1763, 1785 参照)。
 「彼を ... 最も勇敢な人と呼ぶ」は、2つの対格の構文を用いて、eum(「彼」:直接目的語・対格)+ fortissimum(「最も勇敢な人」:述語の対格)+ vocōで表してみました。vocō の代わりに appellō や nōminō を用いてもよいと思われます(Latin for Beginners_1777 参照)。
 「最も勇敢な人」は、fortis,-e(勇敢な)の最上級 fortissimus を用いてみました(Latin for Beginners_1211 参照)。
 「全員の中で」は、omnis,-e(すべての)の複数属格男性形(部分属格)を用いてみました(Latin for Beginners_1377 参照)。
 関係代名詞節の動詞は、特性又は記述の接続法を用いるとともに、主節の動詞との“時制の一致”により、vocō の接続法能動相3人称複数未完了過去形 vocārent を用いました。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_1793

【本文】
6. These are not the men to(2) betray their friends.

(2) See §389.b.

【訳文】
6. これらの人たちは自分の友人を裏切るような(2)人たちではない。

(2) §389.b. 参照。

【コメント】
 本文をラテン語に訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

6. Hī nōn sunt eī quī amīcōs trādant.
(解説)
 「... するような人たち」は、注(2)を踏まえて、is quī ... の複数形 eī quī ... を用いてみました。なお、eī を sunt の前に出してもよいと思われます(Latin for Beginners_1764, 1784 参照)。
 関係代名詞節の動詞は、“特性又は記述の接続法”を用いて、trādō(裏切る)の接続法能動相3人称複数現在形 trādant で表しました。
 their friends の their は主語を指しているものと解して、訳文では「自分の」と訳してみましたが、ラテン語訳では特に明記しませんでした。再帰所有形容詞を用いて、amīcōs suōs 等としてもよいかと思われます。

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Latin for Beginners_1792

【本文】
5. There was no one (1)to call me friend.

(1) A relative clause of characteristic or description.

【訳文】
5. 私のことを友人と呼んでくれるような(1)人は誰もいなかった。

(1) 特性又は記述の関係詞節。

【コメント】
 call me friend の friend には冠詞が付いていませんが、これは、friend が1人の人が占める地位や身分を表す語として用いられ、それが補語(目的格補語)になっているからでしょうか(Latin for Beginners_1790 参照)。それとも、呼びかけのように用いられているからでしょうか。

 本文をラテン語に訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

5. Erat nēmō quī mē amīcum vocāret.
(解説)
 「... 人は誰もいなかった」は、動詞を主語の前に出して erat nēmō quī ... と表してみました(Latin for Beginners_1786 参照)nēmō は単数に扱われるので、動詞は単数形にしました(Latin for Beginners_1246, 1786語彙nēmō の項参照)。
 call me friend の部分は、2つの対格の構文を用いて、mē(「私を」:直接目的語・対格)+ amīcum(「友人と」:述語の対格)+ vocōで表してみました。vocō の代わりに appellō や nōminō を用いてもよいかと思われます(Latin for Beginners_1777 参照)。
 「呼んでくれるような」は、注(1)にあるように“特性又は記述の接続法”を用いて、quī ... vocāret と表してみました。vocāret は、主節の動詞との“時制の一致”により、第二次時制(未完了過去形)にしました。

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Latin for Beginners_1791

【本文】
4. The brave soldier was not the man to run.

【語句】
run:逃げる、逃走する

【訳文】
4. その勇敢な兵士は逃げるような男ではなかった。

【コメント】
 run は、ここでは「逃げる」の意味に解してみました。

 本文をラテン語に訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

4. Mīles fortis nōn erat is quī fugeret.
(解説)
 「~するような男」は、is quī +接続法”で表してみました(Latin for Beginners_1769 参照)。
 「... 男ではなかった」は、nōn erat is quī ... と表してみましたが(Latin for Beginners_1768 参照)、is を erat の前に置く表し方もあるかもしれません(Latin for Beginners_1764, 1784 参照)。
 run は「逃げる」と訳してみましたので fugiō を用いましたが、単に「走る」の意味であれば、currō を用いることもできるかと思われます。
 関係代名詞節の動詞は、主節の動詞との“時制の一致”により、fugeret と、第二次時制(未完了過去形)にしました。

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Latin for Beginners_1790

【本文】
3. The better citizens wished to choose him king.

【訳文】
3. よりよい市民たちは彼を王に選ぶことを欲した。

【コメント】
 king には冠詞が付いていませんが、1人の人が占める地位や身分を表す語が補語(ここでは目的格補語)になる場合には、冠詞を付けないで用いられるようです。

 本文をラテン語に訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

3. Cīvēs meliōrēs eum rēgem creāre voluērunt.
(解説)
 「よりよい」は、bonus(よい)の比較級 melior,-ius を用いました(Latin for Beginners_1267 参照)。
 「彼を王に選ぶ」は、2つの対格の構文を用いて、eum(「彼を」:直接目的語・対格)+ rēgem(「王に」:述語の対格)+ creōで表してみました(Latin for Beginners_1777, 1782 参照)。
 「~することを欲する」は、“不定法+ volōで表しました(Latin for Beginners_1680 参照)。

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Latin for Beginners_1789

【本文】
2. The city was called Rome by the Romans.

【訳文】
2. その都市はローマ人たちによってローマと呼ばれた。

【コメント】
 本文をラテン語に訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

2. Urbs Rōma ā Rōmānīs nōmināta est.
(解説)
 前回の文1 を受け身にした文です。
 「AはBと呼ばれる」は、A(主格)+B(述語の主格)+ nōminō の受動相で表してみました(Latin for Beginners_1775, 1776 参照)。ā Rōmānīs“行為者の奪格”です。
 nōmināta est の代わりに、vocāta est や appellāta est を用いてもよいと思われます(Latin for Beginners_1777 参照)。

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Latin for Beginners_1788

【本文】
II.
1. The Romans called the city Rome.

【訳文】
II.
1. ローマ人たちはその都市をローマと呼んだ。

【コメント】
 本文をラテン語に訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

1. Rōmānī urbem Rōmam nōmināvērunt.
(解説)
 「AをBと呼ぶ」は、2つの対格の構文を用いて、“A(直接目的語・対格)+B(述語の対格)+ nōminōで表してみました。
 nōminō の代わりに、vocō や appellō を用いてもよいと思われます(Latin for Beginners_1777 参照)。

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Latin for Beginners_1787

【本文】
10. Inter Helvētiōs quis erat quī nōbilior illō esset ?

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

10. ヘルウェティイ族の中で、あの人〔彼〕よりも有名〔高貴〕であるような人は誰であったか。
(解説)
 前置詞 inter は対格の語を取り、「~の中で、~の間で」等の意味を表します。
 quī ... esset は関係代名詞節ですが、ここでは、先行詞 is が省略されているものと解してみました(Latin for Beginners_1769, 1785 参照)。この解釈の他に、quis を先行詞と解することもできるでしょうか。その場合には、直訳すると「... 有名であるような誰がいたか。」などとなるでしょうか。いずれにしても、関係代名詞節の動詞は接続法になっていますので、“特性又は記述の接続法”の構文と解して、「... である“ような”」と訳してみました(Latin for Beginners_1771 参照)。
 nōbilior は nōbilis,-e(有名な;高貴な)の比較級・単数主格男性形です(Latin for Beginners_1205, 1209 参照)。
 illō は指示代名詞 ille, illa, illud(あれ;あの)の単数奪格男性形です(Latin for Beginners_1125 参照)。「彼」と訳してもよいかと思われます。この奪格は“比較級を伴う奪格”で、「~より」の意味を表します(Latin for Beginners_1244 参照)。この「あの人より」は quam を用いて quam ille と表すこともできるかと思われます。
 esset は sum の接続法3人称単数未完了過去形です(Latin for Beginners_1529 参照)。主節の erat との時制の一致の法則が働いています。

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Latin for Beginners_1786

【本文】
9. Pāce factā erat nēmō quī arma trādere nōllet.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

9. 平和になったので、武器を引き渡したがらないような人は誰もいなかった。
(解説)
 pāce factā“絶対的奪格”の構文です(Latin for Beginners_1691, 1693 参照)。直訳すると「平和が作られたので」等となりますが、ここでは訳文のように訳してみました。
 erat nēmō は、主語が動詞の後ろに置かれていますので、erat は「~がいた」の意味になるものと思われます。なお、ここでは、否定語 nēmō が主語ですので、訳としては「誰もいなかった」となると思われます。nēmō は単数名詞として扱われています。
 関係代名詞節 quī ... は nēmō を修飾しています。動詞は接続法になっていますので、“特性又は記述の接続法”の構文と解して、「~したがらない“ような”」と訳してみました(Latin for Beginners_1771 参照)。
 nōlō +不定法”は「~することを欲しない、~したがらない」の意味の構文です(Latin for Beginners_1680 参照)。また、nōllet は、nōlō(欲しない)の接続法3人称単数未完了過去形です(Latin for Beginners_1678 参照)。ここでは、主節の動詞 erat が第二次時制(未完了過去形)になっていますので、“時制の一致”により第二次時制(未完了過去形)になっています(Latin for Beginners_1537 参照)。
 trādō には「裏切る」の意味もありますが(Latin for Beginners_1764 参照)、ここでは「引き渡す」の意味に解してみました。

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Latin for Beginners_1785

【本文】
8. Cōnsulibus occīsīs erant quī(2) vellent eum rēgem creāre.

(2) erant quī, there were (some) who. A wholly indefinite antecedent of quī does not need to be expressed.

【語句】
wholly:完全に、まったく、すっかり、全面的に

【訳文】
8. Cōnsulibus occīsīs erant quī(2) vellent eum rēgem creāre.

(2) erant quī(~人たちがいた)。quī の完全に不定である先行詞は、表現する必要がない。

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

8. 執政官たちが殺されたので、彼を王に選ぼうと欲するような人たちがいた。
(解説)
 cōnsulibus occīsīs“絶対的奪格”の構文です(Latin for Beginners_1691, 1693 参照)。occīsīs は occīdō(殺す、打倒する)の完了受動分詞 occīsus の複数奪格男性形です。
 注(2)にあるように、関係代名詞節 quī ... の先行詞(例えば でしょうか。)は省略されており、erant quī ... で「... 人たちがいた」の意味になるようです。節中の動詞は接続法になっていますので、“特性又は記述の接続法”の構文と解して、「欲する“ような”」と訳してみました(Latin for Beginners_1771 参照)。
 eum rēgem creāre は、Latin for Beginners_1782 で読んだように“2つの対格”を取る構文であり、ここでは「彼を王に選ぶこと」と訳してみました。
 volō +不定法”は「~することを欲する」の意味の構文です(Latin for Beginners_1680 参照)。また、vellent は volō(欲する)の接続法3人称複数未完了過去形です(Latin for Beginners_1678 参照)。ここでは、主節の動詞 erant が第二次時制(未完了過去形)になっていますので、“時制の一致”により第二次時制(未完了過去形)になっています(Latin for Beginners_1537 参照)。

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Latin for Beginners_1784

【本文】
7. Germānī nōn iī sunt quī adventum Caesaris vereantur.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

7. ゲルマン人はカエサルの到着〔接近〕を恐れるような人々ではない。
(解説)
 iī(is の複数主格形。eī でもよいと思われます(Latin for Beginners_384 参照)。)は、Germānī nōn sunt(ゲルマン人は~ではない)の補語であり、関係代名詞節 quī ... vereantur の先行詞になっています。is quī ... の構文(... するような人)の複数形と言えます(Latin for Beginners_1769 参照)。
 関係代名詞節 quī ... vereantur は、動詞が接続法になっていますので、“特性又は記述の接続法”の構文と解して、「恐れる“ような”」と訳してみました(Latin for Beginners_1771 参照)。
 vereantur は形式所相動詞 vereor(恐れる)の接続法3人称複数現在形です(Latin for Beginners_1477 参照)。

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Latin for Beginners_1783

【本文】
6. Neque erat(1) tantae multitūdinis quisquam quī morārī vellet.

【コメント】
 注(1)は、Latin for Beginners_1778 で読みました。

 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

6. そして、これほどの大群衆の中に、遅れることを欲するような人は誰もいなかった。
(解説)
 neque は単独で用いられていますが、and not の意味ですので、「そして、~ない」と訳してみました。
 erat +名詞”は「~があった」の意味の表現です。ここでは、(neque) erat ... quisquam で「(そして)... 誰もいなかった」の意味と解してみました。
 tantae multitūdinis は単数属格形と思われますが、その意味が難しいです。ここでは、“部分属格”と解して、「これほどの大群衆の中に」と訳してみました(Latin for Beginners_1378, 1379 参照)。
 quisquam は不定代名詞で、主に否定文で用いられて「誰も、何も」の意味を表します。また、単数形で用いられます(Latin for Beginners_1159, 1171 参照)。
 quī ... vellet は、quisquam を先行詞とする関係代名詞節です。動詞が vellet と接続法になっていますので、“特性又は記述の接続法”の構文と解して、「欲する“ような”」と訳してみました(Latin for Beginners_1771 参照)。
 morārī は、形式所相動詞 moror(遅れる、ためらう、とどまる)の不定法現在形です。ここでは「遅れること」と訳してみましたが、「とどまること」等と訳してもよいでしょうか。
 volō +不定法”は「~することを欲する」の意味の構文です(Latin for Beginners_1680 参照)。
 vellet は volō(欲する)の接続法3人称単数未完了過去形です(Latin for Beginners_1678 参照)。ここでは、主節の動詞 erat が第二次時制(未完了過去形)になっていますので、“時制の一致”により第二次時制(未完了過去形)になっています(Latin for Beginners_1537 参照)。

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Latin for Beginners_1782

【本文】
5. Rōmānī Galbam ducem creāvērunt et summā celeritāte profectī sunt.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

5. ローマ人たちはガルバを将軍に選任すると、最高の速さで出発した。
(解説)
 Galbam ducem creāvērunt は、“A(対格・直接目的語)+B(述語の対格)+ creō”の構文で、“2つの対格”を取り、「AをBに選任する」の意味になります(Latin for Beginners_1774, 1776, 1777 参照)。ここでは「ガルバを将軍に選任した」と訳してみました。
 summā celeritāte“様態の奪格”です。ここでは「最高の速さで」と直訳してみましたが、「全速力で」等と訳してもよいでしょうか。なお、形容詞 summus が修飾していますので、前置詞 cum は省略されています(Latin for Beginners_355 参照)。
 profectī sunt は、形式所相動詞 proficīscor(出発する)の3人称複数完了形(男性形)です。ここでは「出発した」と訳しましたが、「進んだ」と訳してもよいでしょうか。

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Latin for Beginners_1781

【本文】
4. Tōtō frūmentō raptō, domī nihil erat quō mortem prohibēre possent.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

4. 全ての穀物が奪われたので、家には、彼らがそれによって死を免れることができるようなものは何もなかった。
(解説)
 tōtō frūmentō raptō“絶対的奪格”です(Latin for Beginners_1691, 1693 参照)。ここでは、「全ての穀物が奪われたので」と訳してみました。
 domī は domus(家)の所格で、「家に、家で」の意味です(Latin for Beginners_992, 998 参照)。ここでは、「家には」と訳してみました。
 quō ... は関係代名詞節ですが、quō を単数奪格中性形の手段の奪格とみて、nihil に係っているものと解してみました。また、動詞が possent と接続法になっていますので、“特性又は記述の接続法”の構文と解して、「~できる“ような”」と訳してみました(Latin for Beginners_1771 参照)。
 nihil erat は、動詞 erat の前に主語がありますので、Latin for Beginners_1778 で読んだ注(1)の場合とは異なりますが、「何もないものがあった」 → 「何もなかった」と訳してみました。
 mortem prohibēre は、「死を防ぐこと、死を妨げること」の意味ですが、ここでは「死を免れること」と訳してみました。
 possent は possum の接続法3人称複数未完了過去形です(Latin for Beginners_1595 参照)。ここでは、主節の動詞 erat が第二次時制(未完了過去形)になっていますので、“時制の一致”により第二次時制(未完了過去形)になっています(Latin for Beginners_1537 参照)。

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Latin for Beginners_1780

【本文】
3. Erat(1) manus nūlla, nūllum oppidum, nūllum praesidium quod sē armīs dēfenderet.

【コメント】
 注(1)は前々回読みました。

 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

3. 武器によって自らを守るような部隊も、町も、守備隊も何もなかった。
(解説)
 erat +名詞”は、「~があった」の意味です(前々回の注(1)参照)。
 manus は第4変化女性名詞で、「手」の意味もありますが、ここでは「部隊」の意味に解してみました。
 oppidum は第3変化中性名詞で、ここでは「町」と訳してみましたが、「要塞」の意味に解することもできるでしょうか。
 nūllus,-a,-um は「何の~もない」の意味の代名形容詞です(Latin for Beginners_369, 372 参照)。
 quod ... は、動詞が dēfenderet と接続法になっており、“特性又は記述の接続法”の構文の関係代名詞節ですので、「... 守る“ような”」と訳してみました(Latin for Beginners_1771 参照)。quod は単数中性形ですので、その直前にある単数形の中性名詞 praesidium(守備隊)を先行詞としていると解することもできそうですが、並列されている manus, oppidum, praesidium の全てに係っていると解してもよいでしょうか。
 armīs は手段の奪格と思われ、ここでは「武器によって」と訳してみました。
 dēfenderet は dēfendō(守る、防ぐ)の接続法3人称単数未完了過去形です(Latin for Beginners_1523 以下参照)。ここでは、主節の動詞 erat が第二次時制(未完了過去形)になっていますので、“時制の一致”により第二次時制(未完了過去形)になっています(Latin for Beginners_1537 参照)。

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