Latin for Beginners_1817

【本文】
3. Caesar cum in citeriōre Galliā esset, tamen dē Helvētiōrum cōnsiliīs certior fīēbat.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

3. カエサルは、ガリアのこちら側にいたけれども、ヘルウェティイ族の計画について知っていた。
(解説)
 cum +接続法”は、主節に tamen(しかし、それにもかかわらず)がありますので、“譲歩を表す cumの用法と思われます(Latin for Beginners_1796, 1801, 1806, 1807 参照)。
 citeriōre は、「こちら側の」の意味を表す比較級の形容詞 citerior,-ius の単数奪格女性形です(Latin for Beginners_1295 参照)。この語には原級はありません。in citeriōre Galliā は、直訳すると「こちら側のガリアに」ですが、ここでは「ガリアのこちら側に」と訳してみました。
 certior fīō は「知る」の意味の熟語です(Latin for Beginners_1813 参照)。「何を(知る)」は、+奪格”(~について)で表すようです。

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Latin for Beginners_1816

【本文】
2. Cum Caesar in Galliam vēnit, Helvētiī aliōs agrōs petēbant.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

2. カエサルがガリアへ来たとき、ヘルウェティイ族は他の土地を求めていた。
(解説)
 cum +直説法”は、“時を表す cumのうち「~するとき」と時点を特定する用法として用いられているものと思われます(Latin for Beginners_1803, 1807 参照)。
 petō は「求める」の意味と解してみました。

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Latin for Beginners_1815

【本文】
 400. EXERCISES
I.
1. Helvētiī cum patrum nostrōrum tempore domō profectī essent, cōnsulis exercitum in fugam dederant.

【訳文】
 400. 練習問題
I.
1. Helvētiī cum patrum nostrōrum tempore domō profectī essent, cōnsulis exercitum in fugam dederant.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

1. ヘルウェティイ族は、我々の父親たちの時代に故郷から出発して、執政官の軍隊を敗走させてしまっていた。
(解説)
 cum +接続法”には3つの意味があります(Latin for Beginners_1796, 1807 参照)が、ここでは“時を表す cumと解してみました。動詞が接続法の場合は、「~した状況の下で」と主節の行為が起きた状況を記述する用法(Latin for Beginners_1804 参照)になりますが、本問ではどのように訳したらよいのか難しいです。ここでは単に「~して」と訳しておきました。
 tempore“時の奪格”と思われます(Latin for Beginners_1023 参照)。ここでは「時代に」と訳してみました。
 domō は domus(家)の単数奪格で、ここでは「故郷から」と訳してみました。前置詞 ab や ex は省略されていますLatin for Beginners_985, 1016 参照)。
 profectī essent は形式所相動詞 proficīscor(出発する)の接続法3人称複数過去完了形(男性形)です(Latin for Beginners_1561 参照)。ここでは、主節の動詞との時制の一致により、第二次時制(過去完了形)になっています(Latin for Beginners_1537 参照)。
 “対格+ in fugam dōは、「~を敗走させる」の意味の慣用表現です(Latin for Beginners_1344 参照)。
 dederant は、dō の直説法能動相3人称複数過去完了形です。ここでは「~してしまっていた」と訳してみました。

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Latin for Beginners_1814

【本文】
  iter dare, to give a right of way, allow to pass
  obsidēs inter sē dare, to give hostages to each other

【語句】
right:権利
allow:(+ to do~することを許す、~することを許可する
pass:通過する、通り過ぎる
hostage:人質

【訳文】
  iter dare  道〔通行〕の権利を与える、通過することを許す
  obsidēs inter sē dare  互いに人質を与える〔交換する〕

【コメント】
 iter dare は、直訳すると「道を与える」となりますが、この熟語は「通行の権利を与える」、「通過することを許す」といった意味になるようです。辞書には、iter の意味として「通行許可」を挙げるものがありました。
 obsidēs は子音語幹の第3変化男性(女性)名詞 obses, obsidis(人質)の複数対格です。
 inter sē は、直訳すると「自分自身の間に」となりますが、「お互いに」の意味になります。
 「互いに人質を与える」ということは、「互いの間で人質を交換する」ことの意味かと思われます。

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Latin for Beginners_1813

【本文】
 399. IDIOMS
  aliquem certiōrem facere, to inform some one (lit. to make some one more certain)
  certior fierī, to be informed (lit. to be made more certain)

【語句】
idiom:熟語、慣用句
inform:知らせる、告げる

【訳文】
 399. 熟語
  aliquem certiōrem facere  誰かに知らせる(文字どおりには「誰かをより確信した状態にする」)
  certior fierī  知る、知らされる(文字どおりには「より確信した状態にされる」)

【新出ラテン語句】
certus

【コメント】
 aliquem は不定代名詞 aliquis(誰か)の単数対格形です(Latin for Beginners_1153, 1154 参照)。この熟語を実際に使用する場合には、知らせる相手を対格形にして用います。
 certior は certus,-a,-um(確かな)の比較級です。
 1つ目の熟語の faciō は、“2つの対格”を取る用法で用いられています(Latin for Beginners_1772, 1774, 1776 参照)。直接目的語の対格A(aliquem)+ 述語の対格B(certiōrem)+ faciō(AをBにする)となっています。
 2つ目の熟語の fierī は、英訳から考えると、faciō の不定法受動相として用いられているものと思われます(Latin for Beginners_1721, 1723 参照)。この熟語は、1つ目の熟語を受動相にしたものになっています(Latin for Beginners_1773, 1775, 1776 参照)。主格A(主語)+ 述語の主格B(certior)+ fīō(AはBにされる)となっています。

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Latin for Beginners_1812

【本文】
 398. RULE. Ablative of Specification. The ablative is used to denote in what respect something is true.

【訳文】
 398. 規則 指定の奪格 奪格は、何の点においてある事物が真実であるかを示すために用いられる。

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Latin for Beginners_1811

【本文】
 a. Observe that magnitūdine, multitūdine, corpore, and animō tell in what respect something is true. The relation is one covered by the ablative case, and the construction is called the ablative of specification.

【語句】
respect:点(in ~ respect:~の点で)
cover:扱う、及ぶ、含む

【訳文】
 a. magnitūdine, multitūdine, corpore 及び animō は「何の点において」ある事物が真実であるかを述べていることに注意すること。その関係は奪格によって扱われるものであり、その構文は「指定の奪格」と呼ばれる。

【コメント】
 one は a relation の意味を表していると解しました。
 このブログでは ablative of specification は「指定の奪格」と訳してみました(Latin for Beginners_1795 参照)。
 magnitūdine 等の奪格は、Latin for Beginners_1809, 1810 で読んだように、「~の点では」と訳しています。

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Latin for Beginners_1810

【本文】
 2. Homō erat corpore īnfīrmus sed validus animō, the man was weak in body but strong in courage.

【訳文】
 2. Homō erat corpore īnfīrmus sed validus animō. その人は、肉体の点では弱かったが、勇気〔精神〕の点では強かった。

【コメント】
 奪格 corpore は、īnfīrmus(弱い)に係っており、「肉体の点では」と訳してみました。
 奪格 animō は、validus(強い)に係っており、「勇気の点では」と訳してみました。
 animus は、英訳では courage(勇気)と訳されていますが、「精神」等と訳してもよいかと思われます。

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Latin for Beginners_1809

【本文】
 397. Note the following sentences:

 1. Oppidum erat parvum magnitūdine sed magnum multitūdine hominum, the town was small in size but great in population.

【語句】
in:~について、~に関して
size:大きさ
population:人口

【訳文】
 397. 以下の各文に注意すること。

 1. Oppidum erat parvum magnitūdine sed magnum multitūdine hominum. 町は、大きさの点では小さかったが、人口の点では大きかった。

【コメント】
 今回からは、接続詞 cum を伴う構文とは別の話題に移ります。

 奪格 magnitūdine は、parvum(小さい)に係っており、「大きさの点では」と訳してみました。
 奪格 multitūdine は、magnum(大きい)に係っており、「(人々の)多さ〔= 人口〕の点では」と訳してみました。
 multitūdō hominum は、「人々の多さ」と訳せますが、英訳では population(人口)と訳されています。
 本文をもう少し自然な訳にすると「町は、大きさは小さかったが、人口は多かった。」等と訳せるかと思われます。

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Latin for Beginners_1808

【本文】
 NOTE. Cum in clauses of description with the subjunctive is much more common than its use with the indicative.

【訳文】
 《注》 接続法を伴う記述の節中の cum は、直説法を伴うそれ〔= cum〕の用法よりもずっとよく見受けられる。

【コメント】
 much は「ずっと」の意味で、ラテン語の文法で言えば、“差異の程度の奪格”multō が用いられることになると思われます(Latin for Beginners_1300, 1301, 1303 参照)。

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Latin for Beginners_1807

【本文】
 396. RULE. Constructions with Cum. The conjunction cum means when, since, or although. It is followed by the subjunctive unless it means when and its clause fixes the time at which the main action took place.

【訳文】
 396. 規則 cum を伴う構文 接続詞 cum は、「~するとき(when)」、「~なので(since)」又は「~だけれども(although)」を意味する。それ〔cum〕が「~するとき」を意味し、それの節〔cum 節〕が主節の動作が起きた時点を特定する場合を除いて、それ〔cum〕の後には接続法が続く。

【コメント】
 本書で紹介されている cum 節の用法を整理すると以下のようになります。

① 時を表す cumcum TEMPORAL  
  a. 時点を特定する用法 : (+直説法) ~するとき(when
  b. 状況を記述する用法 : (+接続法) ~するとき、~する状況の下で(when
② 原因・理由を表す cumcum CAUSAL : (+接続法) ~なので(since
③ 譲歩を表す cumcum CONCESSIVE : (+接続法) ~だけれども(although

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Latin for Beginners_1806

【本文】
The idea of time is also present, but it is subordinate to the idea of description. Sometimes the descriptive clause is one of cause and we translate cum by since; sometimes it denotes concession and cum is translated although.

【語句】
idea:概念、観念
present:存在している、ある
subordinate:(to ~)~より下位の、~より副次的な、~に劣った、~に従属した、~に付随した
descriptive:記述的な、叙述的な
concession:譲歩

【訳文】
「時」の概念も存在しているが、それは「記述」の概念より副次的である。記述節は、「原因・理由」を表すもので、cum を「~なので」と訳すときもあれば、「譲歩」を表し、cum が「~だけれども」と訳されるときもある。

【コメント】
 「記述節」(descriptive clause)は、ここでは、接続法を伴う cum 節のことを意味しているものと思われます。
 one は a clause の意味を表していると解しました。
 前回読んだ「状況の下で」を意味する cum 節は、「~するとき」という“時の概念”も表しますが(実際 Latin for Beginners_1799 文2 の英訳では、cum 節について when ...(... していたとき)と訳されています。)、「状況下」という“記述の概念”の方が優勢になっているようです。
 cum 節の表すその他の意味については、Latin for Beginners_1796 も御参照ください。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_1805

【本文】
So, in the second example, the principal clause states that Caesar made an attack, and the cum clause describes the circumstances under which this act occurred.

【語句】
principal clause:主節

【訳文】
したがって、2番目の例文において、主節はカエサルが攻撃をしたことを述べている。そして、cum 節はその下でこの行為〔= カエサルによる攻撃〕が起きた状況を記述している。

【コメント】
 「2番目の例文」とは、Latin for Beginners_1799 文2 を指しています。
 「状況を記述する」の意味が捉えにくいですが、単にカエサルが攻撃をした“時点を特定する”ということではなく、「彼らが平和を求めている」という“状況の下”でカエサルが攻撃をしたということを述べているものと思われます。
 Latin for Beginners_1799 の文2 の英訳では、cum 節について when ...(... していたとき)と訳されていますが、「... していた状況の下で」と訳してみると、接続法が用いられている意味合いを表すことができるのではないかと思います。

-初学者のためのラテン語-

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