~ラテン語をゆっくりと自習するブログです~
PAGINA DIADUMENIANI
Latin for Beginners_2310
【本文】
Eum trādere ipsa Hippolytē quidem cupīvit; reliquīs tamen Amāzonibus(3) persuādēre nōn potuit.
(3) Amāzonibus, §501. 14.
【訳文】
Eum trādere ipsa Hippolytē quidem cupīvit; reliquīs tamen Amāzonibus(3) persuādēre nōn potuit.
(3) Amāzonibus §501. 14 参照。
【新出ラテン語句】
quidem
【コメント】
本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。
○ Eum trādere ipsa Hippolytē quidem cupīvit; reliquīs tamen Amāzonibus persuādēre nōn potuit.
(訳)
確かにヒッポリュテ自身はそれを引き渡したいと望んだが、しかしながら、彼女はアマゾン族の残りの者たちを説得することができなかった。
(解説)
eum は前回読んだ文の balteus(帯)のことを指していると思われます。
trādō は「引き渡す、手渡す」の意味です。
強意詞 ipsa は Hippolytē に係っているものと思われ、ここでは「(ヒッポリュテ)自身」と訳してみました(Latin for Beginners_1087, 1088 参照)。
quidem は「確かに、まったく、なるほど」の意味の副詞として用いられているものと思われます。
“不定法(trādere)+ cupiō”は、「~したいと望む、~したいと欲する」の意味です。
reliquīs は reliquus(残った、残りの)の複数与格女性形で、tamen(しかしながら)を挟んで、Amāzonibus に係っているものと思われます。直訳すれば「残りのアマゾン族」となりますが、ここでは「アマゾン族の残りの者たち」と訳してみました。
Amāzonibus は与格(複数形)ですが、“与格+ persuādeō”は「~を説得する」の意味です(Latin for Beginners_502 参照)。注(3)の§501. 14 は、与格を取る自動詞について説明していますが、後日読むことにします。
-初学者のためのラテン語-
Latin for Beginners_2309
【本文】
Ille multīs cum cōpiīs nāvem cōnscendit et paucīs diēbus in Amāzonum fīnīs pervēnit, ac balteum postulāvit.
【コメント】
本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。
○ Ille multīs cum cōpiīs nāvem cōnscendit et paucīs diēbus in Amāzonum fīnīs pervēnit, ac balteum postulāvit.
(訳)
彼は多くの軍隊とともに船に乗り、短時日のうちにアマゾン族の領土に到着した。そして、帯を要求した。
(解説)
multīs は cum を挟んで、cōpiīs に係っています。
nāvem cōnscendō は「乗船する、船に乗る」の意味の熟語です。ここの cōnscendit は完了形と解してみました。
paucīs diēbus は“時の奪格”で、直訳すれば「少ない日数のうちに」となりますが、ここでは「短時日のうちに」と訳してみました(Latin for Beginners_1023 参照)。
perveniō(到着する)の目的地は、ここでは“in +対格”で表されていますが、“ad +対格”でも表されます(Latin for Beginners_2287 参照)。
fīnis は、複数形で「領土、国土」の意味を表します。
in Amāzonum fīnīs は、“P→G→N”の語順になっています(Latin for Beginners_396 参照)。
ac は atque と同じ語です。ここでは「そして」と訳してみました。
-初学者のためのラテン語-
Latin for Beginners_2308
【本文】
Itaque Eurystheus iussit Herculem impetum in Amāzonēs facere.
【コメント】
本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。
○ Itaque Eurystheus iussit Herculem impetum in Amāzonēs facere.
(訳)
そこで、エウリュステウスはヘルクレスにアマゾン族を攻撃するよう命じた。
(解説)
“impetum in +対格 faciō”は、「~を攻撃する、~に攻撃を仕掛ける」の意味の熟語です。
ここの Amāzonēs は、in の目的語になっており、対格です。
-初学者のためのラテン語-
Latin for Beginners_2307
【本文】
Hunc balteum possidēre fīlia Eurystheī vehementer cupiēbat.
【新出ラテン語句】
possideō vehementer
【コメント】
本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。
○ Hunc balteum possidēre fīlia Eurystheī vehementer cupiēbat.
(訳)
エウリュステウスの娘はこの帯を所有することを熱烈に望んでいた。
(解説)
“不定法(possidēre)+ cupiō”は、「~することを望む」の意味です。本文では、不定法句が主語の前に置かれています。
vehementer は「熱烈に」の意味の副詞です。
-初学者のためのラテン語-
Latin for Beginners_2306
【本文】
Hippolytē, Amāzonum rēgīna, balteum habuit pulcherrimum.
【新出ラテン語句】
balteus Hippolytē
【コメント】
本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。
○ Hippolytē, Amāzonum rēgīna, balteum habuit pulcherrimum.
(訳)
アマゾン族の女王ヒッポリュテは、非常に美しい帯を持っていた。
(解説)
Hippolytē は、ギリシア語起源の単語で、その格変化は通常のラテン語の名詞とは異なっています。
Amāzonum は複数形の第3変化女性名詞 Amāzonēs(アマゾン族)の属格です。
Hippolytē と Amāzonum rēgīna は同格(主格)です。
pulcherrimum は pulcher,-chra,-chrum(美しい)の最上級・単数対格男性形です(Latin for Beginners_1212, 1213 参照)が、habuit(持っていた)を挟んで、balteum(帯を)に係っています。
-初学者のためのラテン語-
Latin for Beginners_2305
【本文】
Hae cum virīs proelium committere nōn verēbantur.
【コメント】
本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。
○ Hae cum virīs proelium committere nōn verēbantur.
(訳)
この女性たちは男と戦うことを恐れていなかった。
(解説)
hae は指示詞 hic, haec, hoc(これ、この)の複数主格女性形ですが、単独で用いられており、ここでは「この(= アマゾン族の)女性たち」と訳してみました。
proelium committō は「戦う」の意味の熟語です。“cum +奪格”は、戦う相手を示しているものと思われます。
“不定法+ vereor”は、「~することを恐れる」の意味と思われます。vereor は形式所相動詞です(Latin for Beginners_1432 参照)。
-初学者のためのラテン語-
Latin for Beginners_2304
【本文】
LX. THE BELT OF HIPPOLYTE, QUEEN OF THE AMAZONS
Gēns Amāzonum(1) dīcitur (2)omnīnō ex mulieribus fuisse.
(1) A fabled tribe of warlike women living in Asia Minor.
(2) omnīnō, etc., to have consisted entirely of women.
【語句】
belt:帯、ベルト
Hippolyte:ヒッポリュテ
Amazon:アマゾン族
fabled:神話上の、伝説的な
warlike:好戦的な、戦闘的な
Asia Minor:小アジア
consist:(of ~:~から)成り立つ
entirely:完全に、まったく、すっかり
【訳文】
60 アマゾン族の女王ヒッポリュテの帯
Gēns Amāzonum(1) dīcitur (2)omnīnō ex mulieribus fuisse.
(1) 小アジアに住んでいた好戦的な女性からなる神話上の部族
(2) omnīnō 以下 「完全に女性から成り立っていたこと」
【新出ラテン語句】
Amāzonēs omnīnō
【コメント】
本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。
○ Gēns Amāzonum dīcitur omnīnō ex mulieribus fuisse.
(訳)
アマゾン族は完全に女性から成り立っていたと言われている。
(解説)
Amāzonum は複数形の第3変化女性名詞 Amāzonēs(アマゾン族)の属格です。gēns も「部族、種族」の意味ですが、2語合わせて「アマゾン族」と訳してみました。
“主語A+ dīcitur +不定法B”は、間接話法の構文“dīcō +対格A+不定法B”(AはBすると言う)のAを文の主語に出して dīcō を受身の形にした表現と思われます(Latin for Beginners_1914, 1919 参照)。訳すと「AはBすると言われる」となります。
ex mulieribus est は、注(2)にあるように、「女性から成り立っている」の意味になるようです。ここでは、間接話法の構文になっていますので、動詞 sum が不定法(完了形)fuisse になっています。
-初学者のためのラテン語-
Latin for Beginners_2303
【本文】
Et equī, nūper saevissima animālia, postquam dominī suī corpus dēvorāvērunt, mānsuētī erant.
【新出ラテン語句】
mānsuētus
【コメント】
本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。
○ Et equī, nūper saevissima animālia, postquam dominī suī corpus dēvorāvērunt, mānsuētī erant.
(訳)
そして、馬は、たった今まで非常に獰猛な動物であったが、自分の主人の体を貪り食った後は、従順になっていた。
(解説)
nūper は「最近、少し前に」の意味の副詞ですが、ここでは「たった今まで」と訳してみました。
mānsuētus は「なれた、温和な」の意味ですが、ここでは「従順な」と訳してみました。
-初学者のためのラテン語-
Latin for Beginners_2302
【本文】
Itaque is quī anteā multōs necāverat, ipse eōdem suppliciō necātus est.
【コメント】
本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。
○ Itaque is quī anteā multōs necāverat, ipse eōdem suppliciō necātus est.
(訳)
こうして、これまでに数多くの人々を殺してきた男は、自分自身が同じ罰によって殺された。
(解説)
itaque は、ここでは「こうして」と訳してみました。
is quī ... は「~する男」の意味に解してみました。
anteā は「以前に」の意味の副詞ですが、ここでは「これまでに」と訳してみました。
multōs は形容詞 multus の複数対格男性形ですが、単独で名詞として用いられており、「数多くの人々を」と訳してみました。
necāverat は necō(殺す)の直説法能動相3人称単数過去完了形です。ここでは「殺してきた」と訳してみました。
ipse は is に係っているものと思われますが、ここでは「自分自身が」と訳してみました。
eōdem suppliciō は手段の奪格と思われます。ここでは「同じ罰によって」と訳してみました。「同じ罰」とは、人食い馬に食い殺されることを指しているものと思われます。
-初学者のためのラテン語-
Latin for Beginners_2301
【本文】
Deinde ille īrā commōtus rēgem occīdit et corpus eius equīs trādidit.
【コメント】
本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。
○ Deinde ille īrā commōtus rēgem occīdit et corpus eius equīs trādidit.
(訳)
次に、彼は怒りに突き動かされて王を殺し、彼の体を馬にゆだねた。
(解説)
īrā は手段の奪格と思われます。また、commōtus(刺激された、動かされた)は主語 ille(彼)に係っていますが、ここでは、叙述的に「彼は怒りに突き動かされて」と訳してみました。
occīdit は現在形とも完了形とも解せますが、ここでは完了形に解しました。
“対格A+与格B+ trādō”は、「AをBにゆだねる、引き渡す、手渡す」の意味です。ここでは、ディオメデス王の死体を人食い馬に貪り食わせたという意味になるものと思われます。
-初学者のためのラテン語-
Latin for Beginners_2300
【本文】
Herculēs ubi pervēnit, prīmum equōs ā rēge postulāvit, sed rēx eōs dēdere recūsāvit.
【コメント】
本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。
○ Herculēs ubi pervēnit, prīmum equōs ā rēge postulāvit, sed rēx eōs dēdere recūsāvit.
(訳)
ヘルクレスは、到着すると、まず王に馬を要求した。しかし、王はそれらを引き渡すことを拒否した。
(解説)
ubi ... は「... するとき」の意味で、時を表す副詞節を作ります(Latin for Beginners_713 参照)。ここでは、「~すると」と訳してみました。その主語 Herculēs は、ここでは ubi の前に置かれており、主節の動詞 postulāvit の主語でもあります。
prīmum は「まず、初めに」の意味の副詞です(Latin for Beginners_1336 参照)。
postulō(要求する)は、「誰々に」の意味で“ā +奪格”を用いています。同様の語に petō, quaerō があります(Latin for Beginners_1110, 1228, 1586, 1708, 2074, 2176 参照)。
dēdō は「引き渡す」の意味です。
“不定法+ recūsō”は「~することを拒否する」の意味です。
-初学者のためのラテン語-
Latin for Beginners_2299
【本文】
Hī autem equī hominēs miserrimōs dēvorābant dē quibus rēx supplicium sūmere cupiēbat.
【コメント】
本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。
○ Hī autem equī hominēs miserrimōs dēvorābant dē quibus rēx supplicium sūmere cupiēbat.
(訳)
ところで、これらの馬は、王が罰したいと望んでいた非常に哀れな人間たちを貪り食っていた。
(解説)
miserrimus は miser,-era,-erum(哀れな)の最上級です(Latin for Beginners_1212, 1214 参照)。
dē quibus ... は、hominēs を先行詞とする関係代名詞節と思われます。
“supplicium sūmō dē +奪格”は、「~を罰する」の意味の熟語です。dē quibus は「その人間たちを(罰したいと望んでいた)」ということを含意しているものと思われます。
“不定法+ cupiō”は、「~することを欲する、~することを望む」の意味です。
-初学者のためのラテン語-
Latin for Beginners_2298
【本文】
Herculēs iussus erat equōs Diomēdis rapere et ad Eurystheum dūcere.
【コメント】
本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。
○ Herculēs iussus erat equōs Diomēdis rapere et ad Eurystheum dūcere.
(訳)
ヘルクレスは、ディオメデスの馬を奪って、エウリュステウスのところへ連れてくるよう命じられていた。
(解説)
Diomēdis は Diomēdēs の属格です。
iussus erat は iubeō(命じる)の直説法受動相3人称単数過去完了形(男性形)です。
-初学者のためのラテン語-