Latin for Beginners_2334

【本文】
Undique erat magna variōrum flōrum cōpia et multa ingentium arborum genera quae aestāte(9) umbram dēfessīs agricolīs grātissimam adferēbant.

(9) aestāte, §501. 35.

【訳文】
Undique erat magna variōrum flōrum cōpia et multa ingentium arborum genera quae aestāte(9) umbram dēfessīs agricolīs grātissimam adferēbant.

(9) aestāte §501. 35 参照。

【新出ラテン語句】
flōs umbra varius

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Undique erat magna variōrum flōrum cōpia et multa ingentium arborum genera quae aestāte umbram dēfessīs agricolīs grātissimam adferēbant.
(訳)
 至る所に、とてもたくさんの色とりどりの花々と、夏に疲れた農夫たちに非常に喜ばしい日陰を提供していた多くの種類の巨木があった。
(解説)
 副詞 undique は「至る所に」と訳してみました。
 erat ... は「 ... があった」の意味です(Latin for Beginners_620 参照)。あったもの(主語)は、... cōpia と ... genera と思われますが、動詞は単数形になっています。erat の直近にある cōpia の数に合わせたのでしょうか。
 magna variōrum flōrum cōpia は、直訳すると「色とりどりの花々の大きな多量」となりますが、ここでは「とてもたくさんの色とりどりの花々」と訳してみました。形容詞 magna は cōpia に、また、variōrum は flōrum に係っています。この句の語順はA→G→Nになっています(Latin for Beginners_396 参照)。
 multa ingentium arborum genera は、直訳すると「巨大な木々の多くの種類」となりますが、ここでは「多くの種類の巨木」と訳してみました。形容詞 multa は genera に、また、ingentium は arborum に係っています。この句の語順もA→G→Nとなっています。genera は、第3変化中性名詞 genus(種類)の複数主格です。
 quae ... adferēbant は中性名詞の複数形 genera を先行詞とする関係代名詞節です。
 aestāte“時の奪格”ですLatin for Beginners_1023 参照)。注(9)の§501. 35“時の奪格”について説明していますが、後日読むことにします。
 grātissimam は grātus(喜ばしい)の最上級・単数対格女性形で、umbram(陰を)に係っています。
 adferō には「持ってくる、運ぶ;伝える、知らせる」等の意味がありますが(Latin for Beginners_1951 参照)、ここの与格(agricolīs)+対格(umbram)+ adferōは「~にを与える」の意味に解してみました。

-初学者のためのラテン語-

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

Latin for Beginners_2333

【本文】
Ā tergō et ab utrōque latere agrī ferācissimī patēbant.

【新出ラテン語句】
ferāx latus pateō

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Ā tergō et ab utrōque latere agrī ferācissimī patēbant.
(訳)
 背後と両側には、非常に肥沃な農地が広がっていた。
(解説)
 ā tergō は「後ろに、背後に」の意味の熟語です。また、ab utrōque latere は「両側に」の意味の熟語です。latere は第3変化中性名詞 latus,-eris(側面、脇腹)の単数奪格です。latus と lātus(広い)は異なりますので、御注意願います。
 ferācissimī は1語尾の第3変化形容詞 ferāx,-ācis(肥沃な、豊饒な)の最上級・複数主格男性形です。
 pateō は「広がる、開いている」の意味です。

-初学者のためのラテン語-

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

Latin for Beginners_2332

【本文】
Hinc mare et lītora et īnsulae longē lātēque cōnspicī(8) ac saepe nāvēs longae et onerāriae poterant.

(8) cōnspicī, infin. with poterant, §215. Consult the map of Italy for the approximate location of the villa.

【語句】
consult:調べる、引く、参考にする
approximate:おおよその、大体の
location:場所

【訳文】
Hinc mare et lītora et īnsulae longē lātēque cōnspicī(8) ac saepe nāvēs longae et onerāriae poterant.

(8) cōnspicī poterant を伴う不定法、§215 参照。別荘の大体の場所を知るにはイタリアの地図を調べること。

【新出ラテン語句】
cōnspicio hinc lātē onerāria

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Hinc mare et lītora et īnsulae longē lātēque cōnspicī ac saepe nāvēs longae et onerāriae poterant.
(訳)
 ここから、海と浜辺と島々とが、そして、しばしば軍艦と商船とが、はるか遠くに広々と見られた。
(解説)
 hinc は「ここから」の意味の副詞です。
 この文の主語は、mare et lītora et īnsulae(海と浜辺と島々)と nāvēs longae et onerāriae(軍艦と商船)です。
 nāvis longa は「軍艦」の意味の熟語です。また、onerāria は nāvis を伴って、又は伴わずに用いられて「商船、貨物船」の意味になります。
 longē は longus(長い)から、また、lātē は lātus(広い)から派生した副詞です(Latin for Beginners_1326 参照)。ここでは、これら2語が後倚辞 -que(~と)で結ばれています。
 cōnspicī は -iō 型第3活用動詞 cōnspiciō(見る、認める)の不定法受動相現在形です。この不定法は、注(8)にあるように、poterant(~できた)に係っています。§215 については Latin for Beginners_730, 731 以下を御参照願います。この部分を直訳すると「見られることができた」となりますが、ここでは「見られた」と訳してみました。

-初学者のためのラテン語-

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

Latin for Beginners_2331

【本文】
Frōns vīllae mūrō ā maris fluctibus mūniēbātur.

【新出ラテン語句】
frōns

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Frōns vīllae mūrō ā maris fluctibus mūniēbātur.
(訳)
 別荘の前面は城壁によって海の波から守られていた。
(解説)
 mūrō は手段の奪格と思われます。
 ā maris fluctibus は「海の波から」と訳してみました。この句の語順はP→G→Nになっています。fluctus は「波」の意味です。

-初学者のためのラテン語-

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

Latin for Beginners_2330

【本文】
In Italiā antīquā erant plūrimae quidem vīllae et pulchrae, sed inter hās omnīs nūlla erat pulchrior quam vīlla Mārcī Iūliaeque.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

In Italiā antīquā erant plūrimae quidem vīllae et pulchrae, sed inter hās omnīs nūlla erat pulchrior quam vīlla Mārcī Iūliaeque.
(訳)
 古代のイタリアには、確かに非常に多くの美しい別荘があったが、これらすべての中でマルクスとユリアの別荘よりも美しいものは何もなかった。
(解説)
 erant ~は「~があった」の意味に解してみました(Latin for Beginners_620 参照)。
 plūrimae は multus(多い)の最上級・複数主格女性形です(Latin for Beginners_1268, 1269 参照)。plūrimae は前から、pulchrae は後ろから vīllae(別荘)を修飾しています。
 quidem は sed と呼応して、「確かに、なるほど(~だが、しかし)」の意味になるものと思われます。Latin for Beginners_2310 の quidem ... tamen も同様の意味と思われます。
 inter +対格は「~の中で」の意味です。hās omnīs は女性形になっていますが、これは女性名詞 vīlla を受けているからと思われます。
 nūlla ... は直訳すると「何もないもの(= 別荘)が ... より美しかった」となりますが、ここでは「... より美しいものは何もなかった」と訳してみました。
 pulchrior quam ... は、比較を表し、「... より美しい」の意味です。
 -queA  Bqueで「AとB」の意味になる後倚辞です(Latin for Beginners_117 参照)。

-初学者のためのラテン語-

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

Latin for Beginners_2329

【本文】
Mōns autem erat Vesuvius et parva urbs Pompēiī octō mīlia(6) passuum(7) aberat.

(6) mīlia, §501. 21.
(7) passuum, §501. 11.

【訳文】
Mōns autem erat Vesuvius et parva urbs Pompēiī octō mīlia(6) passuum(7) aberat.

(6) mīlia §501. 21 参照。
(7) passuum §501. 11 参照。

【新出ラテン語句】
Vesuvius

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Mōns autem erat Vesuvius et parva urbs Pompēiī octō mīlia passuum aberat.
(訳)
 ところで、その山はウェスウィウス山で、小さなポンペイの町は8千パッスス離れていた。
(解説)
 autem には「しかし;その上」などいろいろの意味がありますが、ここでは「ところで」と訳してみました。
 urbs と Pompēiī は同格(主格)と思われます。
 aberat は absum(離れている)の直説法3人称単数未完了過去形です。
 octō mīlia passuum(8千パッスス)は、“(空間の)広がりの対格”と思われます。ウェスウィウス山とポンペイの町の間の距離を表しているものと思われます(Latin for Beginners_1410, 1411 参照)。注(6)の§501. 21“広がりの対格”について説明していますが、後日読むことにします。
 「~千パッスス」と言う場合には、~ mīlia +部分属格 passuumで表します(Latin for Beginners_1381 参照)。注(7)の§501. 11“部分属格”について説明していますが、後日読むことにします。

-初学者のためのラテン語-

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

Latin for Beginners_2328

【本文】
Nōn vērō in urbe sed rūrī(5) Pūblius nātus est, et cum mātre habitābat in vīllā quae in maris lītore et sub rādīcibus magnī montis sita erat.

(5) rūrī, §501. 36. 1.

【訳文】
Nōn vērō in urbe sed rūrī(5) Pūblius nātus est, et cum mātre habitābat in vīllā quae in maris lītore et sub rādīcibus magnī montis sita erat.

(5) rūrī §501. 36. 1 参照。

【新出ラテン語句】
lītus rādīx situs vīlla

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Nōn vērō in urbe sed rūrī Pūblius nātus est, et cum mātre habitābat in vīllā quae in maris lītore et sub rādīcibus magnī montis sita erat.
(訳)
 しかし、プブリウスは都市ではなく田舎で生まれ、母と一緒に、海岸にあり、かつ、大きな山の麓に位置していた別荘に住んでいた。
(解説)
 nōn ~ sed ... は「~ ではなく ... 」の意味です。
 vērō は文の2番目に置かれており、ここでは、前の文を逆接で受けているものとみて、「しかし」の意味に解してみました。
 rūrī は rūs(田舎)の“場所を表す奪格”で、「田舎で」の意味と思われます(Latin for Beginners_988 参照)。この場合には前置詞 in は省略されます(Latin for Beginners_985 参照)。注(5)の§501. 36. 1 は場所の表し方について説明していますが、後日読むことにします。
 quae ... は、vīllā を先行詞とする関係代名詞節です。
 in maris lītore は、直訳すると「海の浜に」などとなりますが、ここでは「海岸に」と訳してみました。この句の語順は“P→G→N”となっています(Latin for Beginners_396 参照)。
 sub rādīcibus は、直訳すると「麓の下に」となりますが、ここでは「麓に」と訳してみました。
 situs,-a,-um は「置かれた、位置している」の意味の形容詞です。先行詞の(したがってまた関係代名詞の)性と数に一致して単数女性形になっています。また、格は、この節の主語 quae の格に一致して主格になっています(Latin for Beginners_778 参照)。

-初学者のためのラテン語-

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

Latin for Beginners_2327

【本文】
atque māter eius, Iūlia, ā clārissimīs maiōribus orta est.

【新出ラテン語句】
maiōrēs

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

atque māter eius, Iūlia, ā clārissimīs maiōribus orta est.
(訳)
 そして、彼の母ユリアは非常に高名な祖先から生まれたからである。
(解説)
 māter と Iūlia は同格(主格)です。
 ā clārissimīs maiōribus は、前置詞 ā を伴っていますが、“起源の奪格”と解することができるでしょうか(Latin for Beginners_2325 参照)。ここでは「高名な祖先“から”」と直訳してみました。
 orta est は形式所相動詞 orior(生まれる、起こる)の直説法3人称単数完了形(女性形)です。

-初学者のためのラテン語-

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

Latin for Beginners_2326

【本文】
nam pater eius, Mārcus, erat dux perītissimus, cuius virtūte(4) et cōnsiliō multae victōriae reportātae erant;

(4) virtūte, §501. 24.

【訳文】
nam pater eius, Mārcus, erat dux perītissimus, cuius virtūte(4) et cōnsiliō multae victōriae reportātae erant;

(4) virtūte §501. 24 参照。

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

nam pater eius, Mārcus, erat dux perītissimus, cuius virtūte et cōnsiliō multae victōriae reportātae erant;
(訳)
 というのは、彼の父マルクスは非常に熟練した将軍であり、彼の勇気と英知によって多くの勝利が獲得されていたからである。
(解説)
 eius は、前回読んだレントゥルスを指しています。
 pater と Mārcus は同格(主格)です。
 関係代名詞 cuius の先行詞は Mārcus です。この関係代名詞の前にはコンマが付いていますので、非制限用法(継続用法)で用いられています。ここでは、「マルクスは~であり、彼の」と訳してみました。
 virtūte と cōnsiliō は手段の奪格です。注(4)の§501. 24 は手段の奪格について説明していますが、後日読むことにします。
 cōnsilium には「計画、知恵」等の意味がありますが、ここでは「英知」と訳してみました。
 reportātae erant は reportō(獲得する)の直説法受動相3人称複数過去完了形(女性形)です。ここでは、「獲得されていた」と訳してみました。

-初学者のためのラテン語-

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )