Latin for Beginners_1859

【本文】
 NOTE. These sentences might, of course, be written with the subjunctive of purpose, ― vēnērunt ut audīrent; vēnērunt ut urbem vidērent.

【訳文】
 《注》 これらの文は、もちろん、目的の接続法を用いて書いてもよい。 Vēnērunt ut audīrent. ; Vēnērunt ut urbem vidērent.

【コメント】
 「目的の接続法」については、Latin for Beginners_1504 を御参照ください。特に、ut +接続法を用いた表現については、Latin for Beginners_1505, 1509 を御参照ください。

Vēnērunt ut audīrent.
(訳)
 彼らは聞くために来た。
(解説)
 ut audīrent は目的の接続法を用いた表現で、「(彼らが)聞くために」の意味になります。audīrent は audiō の接続法能動相3人称複数未完了過去形です。主節の動詞(完了形)との時制の一致により、ut 節の動詞は第二次時制(未完了過去形)になっていますLatin for Beginners_1537 参照)。

Vēnērunt ut urbem vidērent.
(訳)
 彼らはその都市を見るために来た。
(解説)
 ut urbem vidērent は目的の接続法を用いた表現で、「(彼らが)その都市を見るために」の意味になります。vidērent は videō の接続法能動相3人称複数未完了過去形です。主節の動詞(完了形)との時制の一致により、ut 節の動詞は第二次時制(未完了過去形)になっています。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_1858

【本文】

    GERUND     GERUNDIVE
Ad audiendum vēnērunt or           
Audiendī causā vēnērunt
They came to hear
Ad urbem videndam vēnērunt or
Urbis videndae causā vēnērunt
They came to see the city


【訳文】

    動名詞     動形容詞
Ad audiendum vēnērunt. 又は           
Audiendī causā vēnērunt.
彼らは聞くために来た。
Ad urbem videndam vēnērunt. 又は
Urbis videndae causā vēnērunt.
彼らはその都市を見るために来た。


【コメント】
 動名詞の例文の方から見てみます。
 ad audiendumad +動名詞の対格で、「聞くために」という目的の表現になっています。
 また、audiendī causā動名詞の属格+ causāで、同様に「聞くために」という目的の表現になっています。causā は必ず属格の後ろに置かれます。
 これらの文では、「何を(聞く)」という目的語は付いていませんので、動名詞がそのまま用いられています。なお、これらの例文の audiendum, audiendī は、もちろん audiō(聞く)の動名詞です。

 次に、動形容詞の例文の方を見てみます。こちらは「何を(見る)」という目的語が付いています。
 ad urbem videndam は「その都市を見るために」という目的の表現になっています。動名詞を用いて直訳すれば ad videndum urbem となりそうですが、Latin for Beginners_1856 の規則があるので、“動名詞(対格)+目的語”は、動形容詞を用いて表さなければなりません。そこで、目的語の urbem を ad に係らせて、urbem に動形容詞 videndam(単数対格女性形)を係らせています。
 また、urbis videndae causā も「その都市を見るために」という目的の表現になっています。動名詞を用いて直訳すれば urbem videndī causā となり、Latin for Beginners_1856 の規則に照らせばこれでもよさそうですが、この場合にも、やはり動形容詞を用いるのがよいようです。そこで、目的語の urbem を属格にして causā に係らせて、urbis に動形容詞 videndae(単数属格女性形)を係らせています。
 これらの例文の videndam, videndae は、もちろん videō(見る)の動形容詞です。

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Latin for Beginners_1857

【本文】
 407. RULE. Gerund or Gerundive of Purpose. The accusative of the gerund or gerundive with ad, or the genitive with causā(1) (= for the sake of), is used to express purpose.

(1) causā always follows the genitive.

【語句】
for the sake of ~:~のために(目的)

【訳文】
 407. 規則 目的の動名詞又は動形容詞 ad を伴う動名詞若しくは動形容詞の対格、又は causā(1)を伴う属格(= ~のために)は、目的を表すのに用いられる。

(1) causā は、常に属格の「後ろに」付く。

【コメント】
 本文の「属格」とは、動名詞又は動形容詞の属格のことと思われます。
 ad +動名詞・動形容詞(対格)が目的(~するために)を表す例については、Latin for Beginners_1850 を御参照ください。

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Latin for Beginners_1856

【本文】
 2. The Gerundive is a verbal adjective and must be used instead of gerund object excepting in the genitive and in the ablative without a preposition. Even in these instances the gerundive construction is more usual.

【語句】
instance:場合
usual:いつもの、普通の、ありふれた

【訳文】
 2. 動形容詞は動詞から派生した形容詞であり、属格及び前置詞を伴わない奪格の場合を除いて、“動名詞+目的語”の代わりに用いなければならない。これらの場合〔= 属格及び前置詞を伴わない奪格の場合〕においても、動形容詞の構文の方がより普通である。

【コメント】
 “動名詞+目的語”という構文は、動名詞が与格、対格、前置詞を伴う奪格の場合には、用いることができず、“名詞+動形容詞”の構文を用いなければならないようです。これを整理すると以下のようになるかと思われます(◎はより好まれる表現、○は使用可能、×は使用不可)。

属格 ○動名詞(属格)+目的語      ◎名詞(属格)+動形容詞(属格)
与格 ×動名詞(与格)+目的語 ◎名詞(与格)+動形容詞(与格)
対格 ×動名詞(対格)+目的語 ◎名詞(対格)+動形容詞(対格)
奪格(前置詞を伴わない)     ○動名詞(奪格)+目的語 ◎名詞(奪格)+動形容詞(奪格)
奪格(前置詞を伴う) ×動名詞(奪格)+目的語 ◎名詞(奪格)+動形容詞(奪格)

 属格の例は Latin for Beginners_1848 を御参照願います。
 与格の例は Latin for Beginners_1849 を御参照願います。本文の規則に照らせば、動名詞を用いて仮に訳した locus idōneus pōnendō castra という表現は使えないようです。
 対格の例は Latin for Beginners_1850 を御参照願います。本文の規則に照らせば、動名詞を用いて仮に訳した ... ad īnsequendum hostīs という表現は使えないようです。
 奪格(前置詞を伴わない)の例は Latin for Beginners_1851 を御参照願います。
 本文の規則に照らせば、動名詞が目的語を伴わない場合には、動名詞をどの格でも用いることができるようです。

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Latin for Beginners_1855

【本文】
 406. RULE. Gerund and Gerundive. 1. The Gerund is a verbal noun and is used only in the genitive, dative, accusative, and ablative singular. The constructions of these cases are in general the same as those of other nouns.

【語句】
in general:一般に、概して、通常は

【訳文】
 406. 規則 動名詞と動形容詞 1. 動名詞は動詞から派生した名詞であり、属格、与格、対格及び奪格の単数形においてのみ用いられる。これらの格の構文は一般に他の名詞のそれら〔= 構文〕と同じである。

【コメント】
 動名詞には主格はなく、代わりに不定法が用いられますが(Latin for Beginners_1835, 1836, 1837 参照)、動名詞の主格以外の格は、通常の名詞の場合と同様に用いられます。

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Latin for Beginners_1854

【本文】
 (3) That the gerundive, being an adjective, is used only in agreement with a noun.

【訳文】
 (3) 動形容詞は、形容詞であり、名詞と(性・数・格を)一致させてのみ用いられる。

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Latin for Beginners_1853

【本文】
 (2) That the gerund, being a noun, may stand alone or with an object.

【語句】
alone:独りで、単独で

【訳文】
 (2) 動名詞は、名詞であり、単独で又は目的語を伴って用いられる。

【コメント】
 that 節は、前回読んだ we observe の目的語になっています。次回の that 節も同様です。

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Latin for Beginners_1852

【本文】
 a. We observe

 (1) That the gerund is a noun and the gerundive an adjective.

【語句】
observe:気づく、見る、観察する

【訳文】
 a. 以下のことが分かる。すなわち、

 (1) 動名詞は名詞であり、動形容詞は形容詞である。

【コメント】
 分かった内容は、今回の(1)の他に2つあります。次回と次々回に読みます。
 the gerundive の後ろには is が省略されていると思われます。

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Latin for Beginners_1851

【本文】

      GERUND     GERUNDIVE
Abl.    Nārrandō fābulās magister puerīs placuit            
The teacher pleased the boys
   by telling stories
Nārrandīs fābulīs magister puerīs placuit
The teacher pleased the boys
   by telling stories


【訳文】

      動名詞     動形容詞
奪格     Nārrandō fābulās magister puerīs placuit.            
先生は、物語を語ることによって、
  少年たちを喜ばせた。
Nārrandīs fābulīs magister puerīs placuit.
先生は、物語を語ることによって、
  少年たちを喜ばせた。


【コメント】
 与格+ placeōは、「~を喜ばせる」の意味です(語彙placeō の項参照)。
 本文の例は、nārrō(語る)の動名詞と動形容詞がともに奪格(ここでは手段の奪格)の例です。
 2つの表現を比較してみます。

動名詞を用いた表現 nārrandō fābulās(物語を語ることによって)

① 動名詞の目的語 fābulās を奪格(手段の奪格)にする。
② 動名詞を動形容詞にして奪格 fābulīs に係らせる。nārrandīs は複数奪格女性形です。

動形容詞を用いた表現    nārrandīs fābulīs

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Latin for Beginners_1850

【本文】

       GERUND     GERUNDIVE
Acc.    Mīsit equitēs ad īnsequendum
He sent horsemen to pursue           
Mīsit equitēs ad īnsequendōs hostīs
He sent horsemen to pursue the enemy


【語句】
pursue:追う、追いかける

【訳文】

      動名詞     動形容詞
対格     Mīsit equitēs ad īnsequendum.
彼は追跡するために騎兵たちを送った。            
Mīsit equitēs ad īnsequendōs hostīs.
彼は敵を追跡するために騎兵たちを送った。


【新出ラテン語句】
ad

【コメント】
 本文の例は、形式所相動詞 īnsequor(追う、追いかける)の動名詞と動形容詞がともに対格の例です。
 形式所相動詞の動名詞は能動の意味を表します(Latin for Beginners_1844 参照)。
 対格を取る前置詞 ad は、動名詞や動形容詞の対格を伴って、「~するために」の意味を表します。
 動名詞を用いた左の例文では、動名詞 īnsequendum が前置詞 ad に係る対格です。ad īnsequendum で「追跡するために」の意味になります。この動名詞には直接目的語が付いておらず、動名詞が単独でそのまま用いられています。
 動形容詞を用いた右の例文では、仮に動名詞を用いて直訳してみると、... ad īnsequendum hostīs となりそうです。これを以前に見た仕方で動形容詞を用いた表現に転換してみます。
① 動名詞の目的語 hostīs を対格のまま、ad に係らせる。
② 動名詞 īnsequendum を動形容詞にして対格 hostīs に係らせる。īnsequendōs は複数対格男性形です。
すると、... ad īnsequendōs hostīs となります。
 hostīs は hostis(敵)の複数対格です。ここでは男性名詞として扱われています。

-初学者のためのラテン語-

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