Latin for Beginners_2286

【本文】
Hae avēs rōstra ferrea habēbant et hominēs miserōs dēvorābant.

【新出ラテン語句】
dēvorō ferreus rōstrum

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Hae avēs rōstra ferrea habēbant et hominēs miserōs dēvorābant.
(訳)
 これらの鳥は、鉄のくちばしを持っていて、哀れな人間たちを貪り食っていた。
(解説)
 rōstra は中性名詞 rōstrum(くちばし)の複数対格です。
 ferrea は ferreus,-a,-um(鉄製の、鉄の)の複数対格中性形です。
 dēvorābant は dēvorō(貪り食う)の直接法能動相3人称複数未完了過去形です。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2285

【本文】
 Post paucōs diēs Herculēs ad oppidum Stymphālum iter fēcit; nam Eurystheus iusserat eum avīs Stymphālidēs occīdere.

【新出ラテン語句】
Stymphālis Stymphālus

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Post paucōs diēs Herculēs ad oppidum Stymphālum iter fēcit; nam Eurystheus iusserat eum avīs Stymphālidēs occīdere.
(訳)
 数日後、ヘルクレスはステュンパルスの町へと旅をした。というのは、エウリュステウスが彼にステュンパルスの鳥を殺すよう命じていたからである。
(解説)
 post paucōs diēs は、直訳すると「少ない日々の後に」となりますが、ここでは「数日後」と訳してみました。
 oppidum と Stymphālum は同格(対格)です。
 iter faciō は「行軍する;旅行する」の意味ですが、ここでは「旅行する」の意味に解しました。
 nam は「というのは~だから」の意味の接続詞です。
 これまでに何回も出てきていますが、iubeō +対格(eum)+不定法(occīdere)は、「~に … するよう命じる」の意味です。iusseratiubeō の直説法能動相3人称単数過去完了形です。ここでは、ヘルクレスが旅をする前に、エウリュステウスによる命令の行為が行われていたので、過去完了形が用いられているものと思われます。
 Stymphālidēs は avīs(女性名詞 avis(鳥)の複数対格)に係っていますので、第3変化形容詞 Stymphālis,-lidis の複数対格形です。巻末の語彙を見ると、この語には adj. f. と書かれています。この意味についての説明はありませんが、女性形でしか用いられない形容詞という意味でしょうか。本文では女性名詞 avis を修飾しているのでよいですが、もし男性名詞や中性名詞を修飾する場合にはこの語は使えないことになるのでしょうか。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2284

【本文】
Hōc modō fīnem operis fēcit ūnō diē facillimē.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Hōc modō fīnem operis fēcit ūnō diē facillimē.
(訳)
 このやり方で、彼は1日でとても簡単に仕事を終わらせた。
(解説)
 hōc modō は手段の奪格です。
 fīnem operis fēcit は、直訳すると「仕事の終わりを作った」となりますが、fīnem faciō は「片付ける、終わらせる」の意味になりますので(Latin for Beginners_2246 参照)、ここでは「仕事を終わらせた」と訳してみました。
 ūnō diē“時間の奪格”です(Latin for Beginners_1023 参照)。ここでは「1日で」と訳してみました。
 facillimē は副詞 facile(容易に)の最上級です(Latin for Beginners_1335, 語彙facile の項参照)。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2283

【本文】
Tum partem parvam mūrī dēlēvit et aquam in stabulum immīsit.

【新出ラテン語句】
immittō

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Tum partem parvam mūrī dēlēvit et aquam in stabulum immīsit.
(訳)
 それから、彼は壁の小さな一部分を壊して、牛小屋の中に水を送り込んだ。
(解説)
 immittō は、in(中へ)+ mittō(送る)で「送り込む」の意味です。「~に」はin +対格で表されています。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2282

【本文】
Ille negōtium alacriter suscēpit, et prīmum labōre gravissimō maximam fossam fōdit per quam flūminis aquam dē montibus ad mūrum stabulī dūxit.

【新出ラテン語句】
alacriter fodiō

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Ille negōtium alacriter suscēpit, et prīmum labōre gravissimō maximam fossam fōdit per quam flūminis aquam dē montibus ad mūrum stabulī dūxit.
(訳)
 彼はその仕事を熱心に引き受けて、まず始めに、非常な重労働によって非常に大きな溝を掘って、それを通して河の水を山から牛小屋の壁へと引いた。
(解説)
 Ille はヘルクレスを指しているものと思われます。
 prīmum は「まず始めに」の意味です(Latin for Beginners_1336 参照)。
 labōre gravissimō は手段の奪格で、「非常な重労働によって」と訳してみました。
 per quam ... は、fossam を先行詞とする関係代名詞節です。節の前にコンマはありませんが、ここでは、非制限用法(継続用法)のように、「(溝を掘って、)それを通して ... 」と訳してみました。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2281

【本文】
Hoc stabulum, quod per trīgintā annōs nōn pūrgātum erat, Herculēs intrā spatium ūnīus diēī pūrgāre iussus est.

【新出ラテン語句】
pūrgō trīgintā

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Hoc stabulum, quod per trīgintā annōs nōn pūrgātum erat, Herculēs intrā spatium ūnīus diēī pūrgāre iussus est.
(訳)
 ヘルクレスは、この牛小屋 ― それは30年間掃除されてこなかった ― を1日の期間内に掃除するよう命じられた。
(解説)
 quod ... は、stabulum を先行詞とする関係代名詞節と解してみましたが、前後にコンマが付いていますので、非制限用法(継続用法)で用いられています。また、文頭の hoc stabulum は対格で、後ろの pūrgāre(掃除すること)の目的語になっています。
 per trīgintā annōs は「30年間」の意味です(Latin for Beginners_1408 参照)。
 pūrgātum erat は pūrgō(掃除する)の直接法受動相3人称単数過去完了形(中性形)ですが、ヘルクレスが掃除を命令された時点までの動作・行為を表しているので、過去完了形になっているものと思われます。
 intrā(~の内で、~の中で)は対格の語を取る前置詞です。ここでは「~内に」と訳してみました。
 spatium は「空間、間隔、距離、時間」等の意味ですが、ここでは時間の間隔の意味と解して、「期間」と訳してみました。
 ūnīus は ūnus(1つの)の、また、diēī は diēs(日)の単数属格です(Latin for Beginners_1018, 1373 参照)。ūnīus diēī は spatium に係っています。
 主語(Herculēs)+不定法(pūrgāre)+ iussus estは、「~はすることを命じられた」の意味です(Latin for Beginners_2274 参照)。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2280

【本文】
(5)ingentī stabulō continēbantur.

(5) ingentī stabulō, abl. of means, but in our idiom we should say in a huge stable.

【語句】
idiom:慣用表現、熟語、成句

【訳文】
(5)ingentī stabulō continēbantur.

(5) ingentī stabulō は手段の奪格だが、我々の慣用表現では、「巨大な牛小屋の中で」と言うべきである。

【新出ラテン語句】
stabulum

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Hī ingentī stabulō continēbantur.
(訳)
 これらは巨大な牛小屋に収容されていた。
(解説)
 hī(これら)は、3千頭の牛を指しています。bōs(牛)は男性名詞としても女性名詞としても扱われますが、ここでは、hī は男性形ですので、男性名詞として受けているようです。
 contineō は「一緒にしておく、保つ、囲む」等の意味ですが、ここでは「収容する」と訳してみました。
 ingentī stabulō は、注(5)にあるように、手段の奪格ですが、牛を収容する場所を表しています。直訳すると「巨大な牛小屋によって(収容されていた)」となりますが、注(5)の慣用表現にもあるように、「巨大な牛小屋に(収容されていた)」と訳してみました。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2279

【本文】
Augēās(2) quīdam, quī illō tempore rēgnum Ēlidis(3) obtinēbat, tria mīlia boum(4) habēbat.

(2) Augēās, pronounced in English Aw-jē'as.
(3) Ēlidis, gen. case of Ēlis, a district of Greece.
(4) boum, gen. plur. of bōs. For construction see §501. 11.

【訳文】
Augēās(2) quīdam, quī illō tempore rēgnum Ēlidis(3) obtinēbat, tria mīlia boum(4) habēbat.

(2) Augēās は、英語では「オー・ジー・アス」と発音される。
(3) Ēlidis は、Ēlis(エリス。ギリシアの一地方)の属格。
(4) boum は、bōs の複数属格。構文については§501. 11 参照。

【新出ラテン語句】
Augēās bōs Ēlis

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Augēās quīdam, quī illō tempore rēgnum Ēlidis obtinēbat, tria mīlia boum habēbat.
(訳)
 アウゲアスという男は、そのときエリスの王国を治めていたが、3千頭の牛を飼っていた。
(解説)
 quīdam は「ある~」の意味の不定形容詞で Augēās に係っていますが、ここでは「~という人(男)」と訳してみました。
 quī ... は Augēās を先行詞とする関係代名詞節ですが、前後にコンマが付いていますので、非制限用法(継続用法)で用いられているものと思われます。
 illō tempore は時の奪格です。
 obtineō には「所有する;維持する」等の意味がありますが、ここでは「治める」と訳してみました。
 tria mīlia boum は「3千頭の牛」の意味です(Latin for Beginners_1381 参照)。mīlia は対格で habēbat の目的語です。また、属格 boum は部分属格です。注(4)の§501. 11“部分属格”について説明していますが、後日読むことにします。
 bōs(牛)は第3変化名詞ですが、格変化はやや不規則です。以下に、bōs の格変化を掲げてみます。

  単  数           複  数
主格     bōs bovēs
属格 bovis boum (bovum)
与格 bovī bōbus (būbus)
対格 bovem bovēs
奪格 bove bōbus (būbus)

 単数主格以外では語根は bov- ですが、斜体部分は不規則になっています。

 「ブーブー」というと、日本では「豚」を思い浮かべることが多いと思われますが、ラテン語では「牛」のようです。

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Latin for Beginners_2278

【本文】
LVIII. HERCULES CLEANS THE AUGEAN STABLES AND KILLS THE STYMPHALIAN BIRDS

 Deinde Eurystheus Herculī hunc labōrem multō graviōrem imperāvit.

【語句】
Augean:アウゲアスの
stable:厩、牛小屋
Stymphalian:ステュンパルスの

【訳文】
58 ヘルクレスはアウゲアスの牛小屋を掃除し、ステュンパルスの鳥を殺す

 Deinde Eurystheus Herculī hunc labōrem multō graviōrem imperāvit.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Deinde Eurystheus Herculī hunc labōrem multō graviōrem imperāvit.
(訳)
 次に、エウリュステウスはヘルクレスにはるかに厳しいこの苦役を命じた。
(解説)
 hunc(この)の内容は次の文以下に示されているようです。
 multō“差異の程度の奪格”で、「ずっと、はるかに」の意味です(Latin for Beginners_1301, 1303 参照)。
 imperō も「命じる」の意味の動詞ですが、ここでは、間接目的語の与格(Herculī)と直接目的語の対格(labōrem)を伴っています。

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Latin for Beginners_2277

【本文】
Herculēs tamen summā cum difficultāte eum extrāxit, nec aper ūllō modō sēsē līberāre potuit, et vīvus ad Eurystheum portātus est.

【新出ラテン語句】
extrahō vīvus

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Herculēs tamen summā cum difficultāte eum extrāxit, nec aper ūllō modō sēsē līberāre potuit, et vīvus ad Eurystheum portātus est.
(訳)
 しかし、ヘルクレスは非常に苦労してそれを引きずり出し、猪はどんな方法によっても自らを自由にすることができずに、生きたままエウリュステウスのところへ運ばれた。
(解説)
 summā cum difficultāte は随伴又は様態の奪格と思われます。直訳すると「最大の困難を伴って」となりますが、ここでは「非常に苦労して」と訳してみました。summā は cum を間に挟んで difficultāte を修飾しています。
 nec は「そして、~ない」の意味です。
 ūllō modō は手段の奪格で、否定文の中で用いられており、「どんな方法によっても(~ない)」の意味に解してみました。
 形容詞 vīvus(生きている)はこの部分の主語 aper(猪)に係っているものと思われます。ここでは「生きたまま」と副詞的に訳してみました。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2276

【本文】
Ille autem, simul atque Herculem vīdit, statim quam(1) celerrimē fūgit et metū perterritus in fossam altam sēsē abdidit.

(1) quam. What is the force of quam with a superlative ?

【語句】
force:意義、意味

【訳文】
Ille autem, simul atque Herculem vīdit, statim quam(1) celerrimē fūgit et metū perterritus in fossam altam sēsē abdidit.

(1) quam. 最上級とともに用いられる quam の意味は何か。

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Ille autem, simul atque Herculem vīdit, statim quam celerrimē fūgit et metū perterritus in fossam altam sēsē abdidit.
(訳)
 しかし、それは、ヘルクレスを見るや否や、直ちにできる限り急いで逃げ、恐怖に怯えて、深い堀の中へ身を隠した。
(解説)
 ille は「猪」のことを指しています。
 simul atque ... は「... するや否や、... するとすぐ」の意味です。
 注(1)で言及されているquam +最上級は、「できる限り~」の意味です(語彙quam の項参照)。celerrimē は、副詞 celeriter(急いで、速く)の最上級です(語彙の celeriter の項参照)。
 metū は手段の奪格で、「恐怖によって」の意味と思われます。
 perterritus は perterreō(恐れさせる、脅かす)の完了受動分詞ですが、主語の ille に係っているものと思われます。ここでは、叙述的に「怯えて」と訳してみました。
 altus には「高い」と「深い」の意味がありますが、ここでは「深い」の意味と解されます。
 sēsē は sē の強調形です(Latin for Beginners_1063 参照)。
 abdidit は abdō(隠す)の直説法能動相3人称単数完了形です。

-初学者のためのラテン語-

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