Latin for Beginners_2150

【本文】
8. (4)After this battle was finished peace was made by all the Gauls.

(4) Ablative absolute.

【訳文】
8. この戦闘が終わった後(4)全てのガリア人たちによって平和がもたらされた。

(4) 絶対的奪格。

【コメント】
 本文をラテン語に訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

8. Hōc proeliō cōnfectō pāx ab omnibus Gallīs facta est.
(解説)
 「終える」は cōnficiō を用いてみました(Latin for Beginners_1708, 1724 参照)。
 「~した後、」は、注(4)にあるように“絶対的奪格”を用いて Hōc proeliō cōnfectō と表してみました。戦闘が終わったのは平和になるよりも前のことなので、動詞は完了受動分詞 cōnfectus を用いました(Latin for Beginners_1684, 1691, 1693 参照)。
 「ガリア人たちによって」は“行為者の奪格”を用いて表しました(Latin for Beginners_585, 586 参照)。

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Latin for Beginners_2149

【本文】
7. I fear that you cannot protect(3) yourself from these enemies.

(3) dēfendere.

【語句】
protect:守る、保護する

【訳文】
7. 私は、あなたがこれらの敵から自分の身を守る(3)ことができないのではないかと恐れる。

(3) dēfendere.

【コメント】
 本文をラテン語に訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

7. Timeō ut ab hīs hostibus tē dēfendere possīs.
(解説)
 「~する/しないのではないかと恐れる」は“恐れの動詞”の表現ですので、timeō + ut / nē +接続法により表してみました。ここでは、「~しない(-)のではない(-)かと」となっており、“-”ד-”=“+”ですので、接続詞は ut を用いてみました(Latin for Beginners_1599, 1601, 1605 参照)。
 「恐れる」は、timeō の代わりに、形式所相動詞 vereor を用いてもよいかと思われます(Latin for Beginners_1602, 1606 参照)。
 「~できる」は possum ですが、ut 節中ですので、接続法2人称単数現在形 possīs を用いました(Latin for Beginners_1595 参照)。
 「守る」は、注(3)にあるように dēfendō を用いました。「~から」はこれまでに文例が出てきていませんが、ab +奪格で表してみましたが如何でしょうか。
 「自分の身を」は「あなた自身」のことを指していますので、2人称単数の再帰代名詞(= 人称代名詞)の対格 を用いました(Latin for Beginners_1060 参照)。

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Latin for Beginners_2148

【本文】
6. At midnight the general set out from the camp with three legions.

【語句】
midnight:真夜中
set out:出発する

【訳文】
6. 真夜中に将軍は3個軍団を率いて陣営から出発した。

【コメント】
 general が単数形なのに動詞 set に -s が付いていませんので、この set は過去形です。

 本文をラテン語に訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

6. Mediā nocte imperātor ex castrīs cum tribus legiōnibus profectus est.
(解説)
 「真夜中」は、これまで学習した語句には出てきていませんが、「夜の真ん中」と解して、media nox で表してみました。本書巻末の英ラの単語集にもそのように出ています。ここでは奪格形にして、時の奪格として用いました。
 with は「~を率いて」と訳してみましたが、これは cum を伴う随伴の奪格で表しました(Latin for Beginners_354, 359 参照)。
 「3個」は、trēs, tria の奪格女性形 tribus で表しました(Latin for Beginners_1375 参照)。
 「出発した」は、形式所相動詞 proficīscor の直説法3人称単数完了形(男性形)profectus est を用いました。

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Latin for Beginners_2147

【本文】
5. In summer Caesar carried on war in Gaul, in winter he returned to Italy.

【語句】
carry on:行う、続ける、進める、営む

【訳文】
5. 夏にはカエサルはガリアで戦争を遂行し、冬には彼はイタリアに戻った。

【コメント】
 本文をラテン語に訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

5. Aestāte Caesar in Galliā bellum gessit, hieme ad Italiam revertit.
(解説)
 「夏に」、「冬に」は、“時の奪格”を用いて、それぞれ、aestās の単数奪格 aestāte、hiems の単数奪格 hieme で表してみました(Latin for Beginners_1023, 1029 参照)。
 「戦争を遂行する」は、bellum gerō で表してみました(Latin for Beginners_732, 747, 1417 等参照)。gerō の直説法能動相3人称単数完了形は gessit です。
 「~に戻る」は、ad +対格 revertorで表してみました(Latin for Beginners_1663 参照)。形式所相動詞 revertor は、完了時制では通常の動詞と同様に活用しますので、revertit としました(語彙の revertor の項参照)。
 この他、「~に戻る」はad 又は in +対格 redeōで表すこともできると思われます(Latin for Beginners_1895 参照)。redeō は不規則動詞 eō(行く)の複合語ですので、その直接法能動相3人称単数完了形は rediit となります(Latin for Beginners_1888 参照)。

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Latin for Beginners_2146

【本文】
4. This road is (2)ten miles shorter than that.

(2) Latin, by ten thousands of paces.

【語句】
pace:歩、歩幅

【訳文】
4. この道はあれよりも(2)10マイル短い。

(2) ラテン語では「10000パッススの差で」

【コメント】
 本文をラテン語に訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

4. Haec via est decem mīlibus passuum brevior quam illa.
(解説)
 「10マイル」は、1ローマ・マイルが1000パッススです(語彙passus の項参照)ので、10000パッススになります。「1000パッスス」の複数形は、passus の部分属格を用いて mīlia passuum と表されます(Latin for Beginners_1425, 1454, 1663 参照)ので、10マイルは decem mīlia passuum と表しました。
 ここの「10マイル」は、注(2)にあるように、比較級とともに用いられて差異の程度を表していますので、mīlia を奪格(差異の程度の奪格)にしました。mīlia の格変化については Latin for Beginners_1375 を御参照願います。
 「あれよりも」は、quam を用いて quam illa と表してみました。illa は、単数形の女性名詞 via(道)が省略されたものとみて単数女性形にするとともに、主語と比較されていますので主格にしました。また、これは“比較級を伴う奪格”で表して illā とすることもできると思われます。

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Latin for Beginners_2145

【本文】
3. This tribe is much braver than the rest.

【語句】
tribe:部族

【訳文】
3. この部族はその他の部族よりもずっと勇敢だ。

【コメント】
 the rest は「残り」といった意味ですが、ここでは「(this tribe 以外の)その他(の部族)」の意味に解してみました。

 本文をラテン語に訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

3. Haec gēns est multō fortior reliquīs.
(解説)
 much は「ずっと、はるかに」の意味で、比較級 braver とともに用いられて差異の程度を表していますので、ラテン語訳では“差異の程度の奪格”multō(はるかに)を用いてみました(Latin for Beginners_1301, 1303 参照)。
 「勇敢だ」の比較級は fortior です(Latin for Beginners_1211 参照)。
 「その他、残り」は、reliquus,-a,-um の複数形を用いてみました。女性名詞 gentēs(部族)が省略されているものと解すれば、女性形 reliquae となるでしょうか。また、単に複数名詞と解すれば、男性名詞 reliquī 又は中性名詞 reliqua とみることもできるでしょうか(語彙の reliquus の項参照)。
 「その他の部族よりも」は、“比較級を伴う奪格”の構文により reliquīs と表してみました(Latin for Beginners_1244 参照)。reliquus の複数奪格は3性ともに reliquīs で同じ語形です(Latin for Beginners_295 参照)。また、これは quam を用いれば、quam reliquae (gentēs) 又は quam reliquī 若しくは quam reliqua と表されるものと思われます。

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Latin for Beginners_2144

【本文】
2. All the Gauls differ from each other in laws.

【語句】
differ:異なる、違う(from ~:~と)

【訳文】
2. すべてのガリア人は、法において互いに異なっている。

【新出ラテン語句】
differō

【コメント】
 本文をラテン語に訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

2. Omnēs Gallī lēgibus inter sē differunt.
(解説)
 「互いに異なっている」を意味する表現はこれまでの学習では出てきていませんが、語彙によれば、不規則動詞 ferō の複合語 differō を用いて、differre inter sē で表されるようですので、この表現を用いてみました。ferō の活用形については Latin for Beginners_1949 を御参照ください。
 「法において」は「法の点では」の意味と解されますので、“指定の奪格”を用いて、lēgibus と表してみました(Latin for Beginners_1811, 1812 参照)。

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Latin for Beginners_2143

【本文】
II.
1. The lieutenant after having seized the mountain restrained his (men) from battle.

【語句】
lieutenant:副官
seize:つかむ、奪い取る
restrain:抑える、制止する(from ~:~に … させない)

【訳文】
II.
1. 副官は、山を奪い取った後には、自分の兵士に戦闘をさせなかった。

【コメント】
 本文をラテン語に訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

1. Monte captō, lēgātus continuit suōs ā proeliō.
(解説)
 「奪い取る(seize)」には、capiō, ēripiō, occupō, rapiō などがありますが、ここでは「占領する」の意味と解して capiō を用いてみました。
 「山を奪い取った後には」の主語は文の主語である「副官」ですが、通常の動詞では能動の意味を表す完了分詞はありませんので、完了受動分詞を用いて、目的語の「山」を主語とする絶対的奪格の構文で表してみました。すなわち、「山を奪い取った後には」を「山が奪い取られた後には」と受動の形でラテン語訳してみました(Latin for Beginners_1699, 1700, 1701 参照)。
 「AにBをさせない」は、contineō +対格(A)+ ab +奪格(B)(← 「AをBから離れた状態に保つ」)で表してみました(Latin for Beginners_592, 594, 849, 953, 970 参照)。
 「自分の兵士」は、再帰所有形容詞の複数男性形 suī で表してみました(Latin for Beginners_741, 925 参照)。

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Latin for Beginners_2142

【本文】
13. Bellum ācerrimum ā Caesare in Gallōs gestum est.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

13. 非常に激しい戦争がカエサルによってガリア人に対して行われた。
(解説)
 bellum gerō は「戦争を行う」の意味です。ここでは、受け身の表現になっています。
 ācerrimus は ācer,-cris,-cre(激しい、鋭い)の最上級です。単数主格男性形が -er で終わる形容詞の最上級の作り方に御注意願います(Latin for Beginners_1212, 1213 参照)。ここでは、最上級が単独で用いられていますので、「非常に激しい」と訳してみました(Latin for Beginners_1215 参照)。
 ā Caesare は受け身の文とともに用いられており、“行為者の奪格”です(Latin for Beginners_585, 586 参照)。
 in Gallōs は、「ガリア人に対して(戦争を行う)」の意味に解してみました。
 gestum est は gerō の直説法受動相3人称単数完了形(中性形)です。

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Latin for Beginners_2141

【本文】
12. Caesar monet lēgātōs ut contineant mīlitēs, nē studiō pugnandī aut spē praedae longius(1) prōgrediantur.

(1) longius, too far. (Cf. §305.)

【訳文】
12. Caesar monet lēgātōs ut contineant mīlitēs, nē studiō pugnandī aut spē praedae longius(1) prōgrediantur.

(1) longius(あまりにも遠くへ)(§305 参照)

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

12. カエサルは、兵士たちが戦闘の熱望又は戦利品の望みのゆえにあまりにも遠くへ進軍することのないように、副官たちに兵士たちをとどめておくよう忠告する。
(解説)
 moneō +対格+ ut +接続法は、「~に … するよう忠告する」の意味になると思われます(Latin for Beginners_1568, 1573, 1576 参照)。ut 節は目的の名詞節です。
 contineant は contineō の接続法能動相3人称複数現在形です(Latin for Beginners_1474, 1475 参照)。その主語は「副官たち」と思われます。contineō mīlitēs の訳し方が難しいですが、ここでは、兵士たちが勝手気ままな行動をしないようにしっかりと管理して抑え込むことの意味に解し、「兵士たちをとどめておく」と訳してみました。
 ... prōgredianturnē +接続法になっていますが、「~しないように」の意味の否定の目的節と思われます(Latin for Beginners_1504, 1507 参照)。
 studiō, spē は、「~のゆえに」を意味する原因・理由の奪格と解してみました(Latin for Beginners_352 参照)。spē は第5変化女性名詞 spēs(希望)の単数奪格です(Latin for Beginners_1018 参照)。
 pugnandī は pugnō(戦う)の動名詞の属格です(Latin for Beginners_1837, 1840 参照)。直訳すれば「戦うことの」ですが、ここでは「戦闘の」と訳してみました。
 aut は「又は、あるいは」の意味の接続詞です。
 longius は副詞 longē の比較級です(Latin for Beginners_1328 参照)。注(1)にあるように、ここでは「あまりにも遠くへ」と訳しました。
 prōgrediantur は形式所相動詞 prōgredior(進む、前進する)の接続法3人称複数現在形です(-iō 型第3活用動詞の接続法受動相現在形の活用形については Latin for Beginners_1477 参照)。ここでは「進軍する」と訳してみました。その主語は「兵士たち」と思われます。
 本文では、接続法節が2つ用いられていて混乱しそうですが、ut 節は moneō に係る目的の名詞節、nē 節は目的を表す副詞節になっているものと思われます。

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Latin for Beginners_2140

【本文】
11. Gallī timōre servitūtis commōtī bellum parābant.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

11. ガリア人は、隷属の恐怖に突き動かされて、戦争の準備をしていた。
(解説)
 timōre は手段の奪格で、commōtī に係っているものと思われます。
 commōtī は Gallī に係っていますが、ここでは、叙述的に「突き動かされて、」と訳してみました。
 bellum parō は「戦争の準備をする」と訳してみました(Latin for Beginners_280 参照)。

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Latin for Beginners_2139

【本文】
10. Rēx erat summā audāciā et magnā apud populum potentiā.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

10. 王は、最高の大胆さと民衆の間での大きな権力を持っていた。
(解説)
 summā audāciā, magnā potentiā は“記述の奪格”です(Latin for Beginners_2060, 2063 等参照)。これらは名詞 rēx を修飾していますが、ここでは、叙述的に述語として用いられているようです。magnā は、apud populum を間に挟んで potentiā を修飾しています。

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Latin for Beginners_2138

【本文】
9. Erant itinera duo quibus itineribus Helvētiī domō exīre possent.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

9. それらの道によってヘルウェティイ族が故郷から出て行くことができるような道が2本あった。
(解説)
 erant +名詞は「~があった」と訳してみました(Latin for Beginners_620, 1778 参照)。
 itinera, itineribus は、それぞれ、第3変化中性名詞 iter の複数主格、複数奪格です(Latin for Beginners_907 参照)。iter には「行軍、行進」や「道」といった意味がありますが、ここでは「道」と訳してみました。
 quibus ... は itinera を先行詞とする関係詞節と思われます。関係詞節の中では、quibus は itineribus に係る関係形容詞として用いられているものと思われます。quibus itineribus は、この関係詞節の中で手段の奪格として用いられているものと解してみました。
 domō は domus(家、故郷)の単数奪格です(Latin for Beginners_988, 998 参照)。前置詞が省略されています(Latin for Beginners_985 参照)が、ここでは「故郷から」の意味に解してみました。
 exīre は、exeō(出る)の不定法現在形です(Latin for Beginners_1893 参照)。
 possent は possum の接続法3人称複数未完了過去形ですLatin for Beginners_1595 参照)。不定法+ possumは「~できる」の意味です(Latin for Beginners_731 参照)
 関係詞節 quibus ... の動詞が接続法になっていますが、これは“特性の接続法”の構文と思われます(Latin for Beginners_1771 等参照)。特性の接続法は「~するような … 」と訳せますので、「(出て行く)ことができるような(道)」と訳してみました。possent は主節の動詞 erant との時制の一致により未完了過去形になっているものと思われます(Latin for Beginners_1537 参照)。

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Latin for Beginners_2137

【本文】
8. Duābus legiōnibus Genāvae relictīs, proximō diē cum reliquīs domum profectus est.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

8. 2個軍団をゲナウァに残して、次の日に彼は残り(の部隊)を連れて故郷へと出発した。
(解説)
 duābus ... relictīs“絶対的奪格”の構文と思われます(Latin for Beginners_1693 等参照)。直訳すると「2個軍団が ... 残された後で」等となりますが、ここでは、能動に訳してみました。
 duābus は、duo, duae, duo(2つの)の奪格女性形です(Latin for Beginners_1375 参照)。
 Genāvae は Genāva の所格です。Genāva は町の名称を表す第1変化の単数名詞ですので、所格があります(Latin for Beginners_992, 993 参照)。
 relictīs は、relinquō(残す)の完了受動分詞の複数奪格女性形です。
 proximō diē“時の奪格”で、「次の日に」と訳してみました(Latin for Beginners_1023 参照)。proximus は原級のない形容詞の最上級で、「最も近い、次の」の意味です(Latin for Beginners_1296 参照)。
 reliquīs は relictīs と似ていますが、こちらは形容詞 reliquus,-a,-um(残った)が複数形の名詞(男性名詞とも解せそうですし、legiōnibus が省略された女性形とも解せそうです。)として用いられたもので、「残り(の部隊、の兵士たち)」と訳してみました。cum とともに奪格形で用いられ、“随伴の奪格”になっています。
 domum は、第4変化女性名詞 domus の単数対格です。この語は場所を表す表現では前置詞を省略します。ここでは ad や in が省略されており、「~へ」の意味になります(Latin for Beginners_985, 988 参照)。domus は「家」の意味ですが、ここでは「故郷」と訳してみました。
 profectus est は、形式所相動詞 proficīscor(出発する)の直説法3人称単数完了形(男性形)です。

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Latin for Beginners_2136

【本文】
7. Secundā vigiliā nūllō certō ōrdine neque imperiō ē castrīs ēgressī sunt.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

7. 夜の第2時に、彼らは、しっかりとした隊列も指揮命令もなしに、野営地から出て行った。
(解説)
 secundus,-a,-um は「第2の、2番目の」の意味の序数詞です(Latin for Beginners_1363, 1402 参照)。vigilia は、夜の時間区分を意味する語です。ここでは、secundā vigiliā“時の奪格”で用いられており、「夜の第2時に」と訳してみました(Latin for Beginners_1023 参照)。
 nūllō ... imperiō の意味が取りにくいです。ここでは、様態の奪格(形容詞 nūllus, certus が修飾しているので前置詞 cum が付いていないものと解してみました。Latin for Beginners_355 参照)又は手段の奪格と解してみました。前者の場合には「しっかりとした隊列も指揮命令もない状態で」等と訳されるでしょうか。また、後者の場合には「しっかりとした隊列にも指揮命令にもよらないで」等と訳されるでしょうか。
 certus は「確かな」の意味ですが、ここでは「しっかりとした」と訳してみました。ōrdine は第3変化男性名詞 ōrdō(列)の単数奪格です。また、imperium は「命令(権)、帝国」等の意味ですが、ここでは「指揮命令」と訳してみました。
 形容詞 nūllō, certō は、ōrdine の他に imperiō にも係っていると解せるでしょうか(nūllus, certus の単数奪格は、男性形・中性形で同じ語形になります。)。
 neque は、「~も ない」の意味です。
 ē castrīs は、“場所から”の奪格です(Latin for Beginners_580, 982 参照)。前置詞には ē が用いられていますので、「野営地の中から外へ」の意味になります(Latin for Beginners_581 参照)。
 ēgressī sunt は、形式所相動詞 ēgredior(出る、出て行く)の直説法3人称複数完了形(男性形)です。主語は明示されていませんが、「彼らは」と訳しておきました。

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