Latin for Beginners_2275

【本文】
Herculēs laetē negōtium suscēpit et in Arcadiam celeriter sē recēpit. Ibi mox aprum repperit.

【新出ラテン語句】
Arcadia laetē

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Herculēs laetē negōtium suscēpit et in Arcadiam celeriter sē recēpit.
(訳)
 ヘルクレスは喜んでその仕事を引き受け、急いでアルカディアへと戻った。
(解説)
 negōtium は「仕事」の意味です。また、suscipiō は「引き受ける」の意味です。
 sē recipere は「退却する、退く;帰る、戻る」の意味の熟語ですが、ここでは「戻る」と訳してみました。

Ibi mox aprum repperit.
(訳)
 彼はそこでまもなく猪を見つけた。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2274

【本文】
 Tum vērō iussus est Herculēs aprum quendam capere quī illō tempore agrōs Erymanthiōs vāstābat et hominēs illīus locī magnopere perterrēbat.

【新出ラテン語句】
aper Erymanthius

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Tum vērō iussus est Herculēs aprum quendam capere quī illō tempore agrōs Erymanthiōs vāstābat et hominēs illīus locī magnopere perterrēbat.
(訳)
 実に今度は、ヘルクレスは、その当時エリュマントゥスの土地を荒らし、その場所の人々を大いに怖がらせていたある猪を捕まえるよう命じられた。
(解説)
 tum vērō は、物語の最高潮を導入する語句だそうですが(語彙の vērō の項参照)、その訳し方は難しいです。
 主語(Herculēs)+ iussus est +不定法(capere)は、「~はすることを命じられた」の意味です(Latin for Beginners_2260 参照)。
 quī ... は aprum(猪を)を先行詞とする関係代名詞節です。
 illō tempore(あのとき)は“時の奪格”です(Latin for Beginners_1023 参照)。ここでは「その当時」と訳してみました。
 illīus は ille, illa, illud(あれ、あの)の単数属格男性形です(Latin for Beginners_1125 参照)。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2273

【本文】
Dēnique postquam per tōtum annum cucurrerat ― ita dīcitur ― cervum iam dēfessum cēpit et ad Eurystheum portāvit.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Dēnique postquam per tōtum annum cucurrerat ― ita dīcitur ― cervum iam dēfessum cēpit et ad Eurystheum portāvit.
(訳)
 ついに、彼は、1年中走った後に ― そのように言われている ― 既に疲れきった鹿を捕まえて、エウリュステウスのところへ運んだ。
(解説)
 per tōtum annum は、直訳すると「1年全体の間、まる1年間」などとなりますが、ここでは「1年中」と訳してみました(Latin for Beginners_1408 参照)。
 cucurrerat は currō(走る)の直説法能動相3人称単数過去完了形ですが、cēpit の時点まで継続して行われた行為、あるいは、cēpit の時点より以前に行われた行為なので、過去完了形になっているものと思われます。
 ― ita dīcitur ― の ita は「1年中走った」ことを指しているでしょうか。ここでは、「― そのように言われている ―」と直訳してみました。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2272

【本文】
Per plūrimōs diēs contendit nec noctū cessāvit.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Per plūrimōs diēs contendit nec noctū cessāvit.
(訳)
 非常に多くの日々の間、彼は努力し、そして、夜もやめなかった。
(解説)
 per ... diēs は「~日間」の意味と思われます(Latin for Beginners_1408 参照)。こなれた訳が思いつきませんので、ここでは上記のように直訳しました。
 plūrimus は multus(多い)の最上級です(Latin for Beginners_1268, 1269 参照)。
 contendit は contendō の直説法能動相3人称単数完了形と思われますが、ここでは「努力した、頑張った」の意味に解してみました。風よりも早く駆ける鹿を走って追いかけ続ける努力のことを指しているものと解しました。なお、Latin for Beginners_2261 contendō は「急ぐ」の意味でした。
 nec は「そして、~ない」の意味と思われます。
 noctū は「夜に」の意味の副詞です。
 cessō は「やめる」の意味に解してみました。ここでは、ヘルクレスが鹿を追いかける努力を夜もやめずに続けたことを意味しているものと解しました。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2271

【本文】
Prīmum Herculēs vestīgia animālis petīvit, deinde, ubi cervum ipsum vīdit, omnibus vīribus currere incēpit.

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Prīmum Herculēs vestīgia animālis petīvit, deinde, ubi cervum ipsum vīdit, omnibus vīribus currere incēpit.
(訳)
 まずヘルクレスは動物の足跡を捜し求めた。次に、彼は、鹿それ自体を見かけると、全力で走り始めた。
(解説)
 prīmum は「まず最初に」、deinde は「次に」の意味です。
 petō は「求める、追求する」等の意味ですが、ここでは「捜し求める」と訳してみました。
 ubi ... は「... するとき、... すると」の意味の副詞節です。
 ipsum は強意代名詞 ipse(~自身、~自体)の単数対格男性形で、cervum に係っています(Latin for Beginners_1087, 1088 参照)。「まさにその鹿を」と訳してもよいでしょうか。
 omnibus vīribus は手段の奪格で、「全力で」と訳してみました。
 不定法(currere)+ incipiōは「~し始める」の意味です。

-初学者のためのラテン語-

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Latin for Beginners_2270

【本文】
Hic autem cervus dīcēbātur aurea cornua et pedēs multō(6) celeriōrēs ventō(7) habēre.

(6) multō, §501. 27.
(7) ventō, §501. 34.

【新出ラテン語句】
aureus

【訳文】
Hic autem cervus dīcēbātur aurea cornua et pedēs multō(6) celeriōrēs ventō(7) habēre.

(6) multō §501. 27 参照。
(7) ventō §501. 34 参照。

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Hic autem cervus dīcēbātur aurea cornua et pedēs multō celeriōrēs ventō habēre.
(訳)
 ところで、この鹿は、黄金の角(つの)と風よりもずっと速い足を持っていると言われていた。
(解説)
 dīcō +対格A+不定法は、「Aが~すると言う」の意味の間接話法の構文ですが(Latin for Beginners_1919 参照)、ここでは、Aが文の主語に出て、dīcō が受動相になり、主語A+ dīcēbātur +不定法で、「Aは~すると言われていた」の意味になるものと解されます。
 cornua と pedēs は対格ですが、habēre(持っていること)の直接目的語です。
 celeriōrēs は celer,-ris,-re(速い)の比較級・複数対格男性形で、pedēs に係っています。
 multō は「ずっと、はるかに」の意味の“差異の程度の奪格”で、比較級 celeriōrēs に係っています(Latin for Beginners_1301, 1303 参照)。注(6)の§501. 27“差異の程度の奪格”について説明していますが、後日読むことにします。
 ventō“比較級を伴う奪格”で、「風よりも」の意味です(Latin for Beginners_1244 参照)。注(7)の§501. 34“比較級を伴う奪格”について説明していますが、後日読むことにします。

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Latin for Beginners_2269

【本文】
Itaque iussit Herculem capere et ad sē reportāre cervum quendam; nam minimē cupīvit tantum virum in rēgnō suō tenēre.

【新出ラテン語句】
cervus

【コメント】
 本文のラテン語を訳してみると以下のようになるかと思います。なお、誤りがあれば御容赦願います。

Itaque iussit Herculem capere et ad sē reportāre cervum quendam; nam minimē cupīvit tantum virum in rēgnō suō tenēre.
(訳)
 そこで、彼はヘルクレスにある鹿を捕まえて自分のところへ連れ帰るように命じた。というのは、彼は、自分の王国にこのような男を置いておくことを決して望まなかったからである。
(解説)
 これまでに何度か出てきた対格(Herculem)+不定法(capere, reportāre)+ iubeōの構文です。
 ad sē(自分のところへ)の sē はこの文の主語「彼(= エウリュステウス)」を指しています。
 quendam は不定形容詞 quīdam, quaedam, quoddam(ある~)の単数対格男性形です(Latin for Beginners_1156, 1158 参照)。
 cupiō +不定法(tenēre)は、「~することを欲する、~することを望む」の意味です。
 tantum virum in rēgnō suō tenēre は、直訳すると「このような男を自分の王国に保持すること」となりますが、ここでは tenēre を「置いておく」と訳してみました。
 minimē は「決して~ない」の意味の副詞です。

-初学者のためのラテン語-

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