おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

恋人たちの予感

2022-06-30 06:42:23 | 映画
「恋人たちの予感」 1989年 アメリカ


監督 ロブ・ライナー
出演 ビリー・クリスタル
   メグ・ライアン
   キャリー・フィッシャー
   ブルーノ・カービイ
   スティーヴン・フォード
   リサ・ジェーン・パースキー

ストーリー
77年のシカゴ、大学を卒業したばかりのハリー・バーンズとサリー・オルブライトは、ハリーの恋人がサリーの親友であったことから経費節約のために同じ車でニューヨークに出ることになるが、事あるごとに2人は意見を衝突させ、初めての出会いは最悪のものとなった。
それから5年後、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港。
出張の見送りに来てくれた恋人ジョンと長いキスを交わしているサリーのもとにハリーが姿を現わした。
2人はお互いが相手の名前を覚えていた事に驚くが、飛行機の中で隣り合わせになったハリーとサリーはまたしても口論、しかしもうすぐ結婚するというハリーの様子は以前とは違ってみえた。
さらに5年後、離婚直前のハリーと、ジョンとの別れから何とか立ち直ろうとしているサリーが再会した。
これを機に2人は友達同士になり、デートを重ねるようになるが、2人の会話はお互いの恋の悩みばかり。
ジョンとの恋にケリをつけたと思い込みたいサリーと、妻と離婚した現実を受け入れられないハリーの関係は、しかし時として互いに振りかかってくる相手へのロマンティックな思いを振り払おうとしている。
ある日2人はお互いの親友を紹介しあおうとするが、逆にハリーの親友ジェスとサリーの親友マリーが意気投合し、2人を残してどこかへ消えてしまう。
ある夜サリーの泣きじゃくる電話をうけたハリーは、彼女のアパートヘ駆けつける。
独身主義者のジョンが自分以外の女と結婚すると聞きショックをうけたサリーを慰めるうちに、どちらともなく2人は互いを求め、ついに一夜を共にしてしまう。
それ以来2人の関係は、変に相手を意識しすぎてぎくしゃくしてしまい、ハリーの言い訳が逆に混乱を招いたりもするのだった・・・。


寸評
メグ・ライアンは性格俳優というよりも、キュートでチャーミングな女優さんというのが僕の印象で、なぜか1966年から日本語吹替版が放映されたアメリカのテレビドラマ「奥様は魔女」で魔女のサマンサ役だったエリザベス・モンゴメリーとダブってしまう。
むさくるしいビリー・クリスタルのハリーに比べて、サリーのメグ・ライアンはチャーミングさを振りまいていて、二人の掛け合いは字幕を追うのが煩わしくなるくらい激しく滑稽なものとなっている。
それがこの映画の総てなのだが、彼らが言い合うテーマは「男と女の間に友情は成立するか?」、「セックスは友情の妨げになるか?」という解答のない問題である。
どちらかが感情を押さえて友人ぶっているケースもあるだろうし、どこかで相手を求めてしまう感情が湧いてくることもあるだろうし、あるいはお互いにどう考えても恋愛関係に進みそうにない関係もあるだろうから、答えはいつもながらYesであったりNoであったりする。

物語はハリーとサリーの男女関係を彼らが出会う人々を含めて描いていくが、時系列は5年ごとに進み二人の状況が変化に富んでいることで、同じことをいつも言い合っているのに飽きさせないものとなっている。
始まりはシカゴ大学を卒業したサリーが親友の彼氏を車に同乗させニューヨークまで行く車中での、例の問題に対する考えの違いが表面化したことだった。
5年後に空港で再会するが、この時サリーには恋人がいる。
サリーはハリーを親友の恋人だった人と紹介するが、親友の名前を思い出せないでいる。
本当に親友だったのかと言いたくなるが、サリーにとっては親友よりもハリーの方が印象深かったのだろう。
飛行機で隣同士になるが、ここでも意見は会わない。
さらに5年後、サリーは31歳になっていて彼と別れたばかりだ。
ハリーも離婚が決まって落ち込んでいる。
そんな二人が慰め合う内に友情関係を深めていくが、やっていることはレストランで食事したり、公園を散歩したり美術館を訪れたり、クリスマスツリーの大きなモミの木を運んだりと、まるで恋人の様で微笑ましい。
大晦日の夜のパーティでダンスを踊っていい雰囲気になるが、素直になれない二人は笑ってごまかしてしまう。

その後、紹介し合った友達同士が結婚してしまうハプニングが起き、ハリーは別れた妻と出会って落ち込み、サリーも元カレからの結婚報告にショックを受ける。
慰め合う二人はベッドを共にするが、お互いにあれは間違いだったと自分に言い聞かせる。
前半では考えの違いでぶつかり合っていた二人だが、この頃になると好きなのに素直になれない青春ドラマになっている。
青春ドラマと言っても二人はすでに若者の部類に入る年齢ではない。
そして再び大晦日のクライマックスとなる。
途中で、年齢を重ねた何組もの老夫婦が結婚に至ったきっかけと、相手がどんなに素晴らしかったかを語るシーンが挿入されている。
それを思い起こすとこの映画は、男と女が歩み寄って成長することで幸せな結婚生活を送れるようになるのだよと言いたかったのかもしれない。


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