おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

ドライブ

2024-10-03 07:36:50 | 映画
「ドライブ」 2011年 アメリカ


監督 ニコラス・ウィンディング・レフン                 
出演 ライアン・ゴズリング キャリー・マリガン
   ブライアン・クランストン クリスティナ・ヘンドリックス
   ロン・パールマン オスカー・アイザック
   アルバート・ブルックス                    

ストーリー
自動車修理工場で働く孤独で寡黙なその男は、卓越したドライビング・テクニックを買われ、映画のカースタントマンとして活躍する一方、夜には強盗の逃走を手助けする闇の仕事も請け負っていた。
家族も友人もいない孤独なドライバーは、ある晩、同じアパートに暮らすアイリーンと偶然エレベーターで乗り合わせ、一目で恋に落ちる。
不器用ながらも次第に距離を縮めていく2人。
彼女の夫スタンダードは服役中で、今は幼い息子との2人暮らし。
ほどなくスタンダードが出所してくるが、本心から更生を誓う夫を見たアイリーンは、ドライバーに心を残しながらも家族を守る選択をするのだった。
しかし、彼は服役中に多額の借金を背負ってしまい、妻子の命を盾に強盗を強要されていた。
絶体絶命のスタンダードに助けを求められたドライバーは、妻子のために彼の強盗計画のアシストを無償で引き受けたのだが…。


寸評
アメリカの犯罪映画といえば、どうしても派手なアクション映画になりがちだが、この映画はフレンチノワールかと思わせる、クールでスタイリッシュな作品となっている。
映画のオープニングはいきなりの強盗シーンなのだが、犯行そのものは映さず犯人たちの逃走をサポートする主人公に焦点を当てて彼の姿を抑制的に描写する。
カーチェイスなどもあるけれど派手さはないので、よくあるギャング映画と一線を画していた。
さらに、主人公の背景などの説明は一切なく、彼のセリフを必要最小限に止め、当初は表情もあまり変化しない主人公を見せることでこの映画の雰囲気を決定づけていた。
ボーン・シリーズやミッション・インポシブルシリーズもいいけれど、僕はどちらかというとこの様な雰囲気の映画の方が好きだ。

愛する女性を守る為とは言え、アイリーンの目の前で見せた"容疑者X"の如き献身的な愛を捧げる男の初めて見せる凶暴さに、彼女が愕然とするシーンが秀逸だった。
青春映画の様なアイリーンとのデートシーンなどによる純愛路線から一挙にサスペンスに持ち込む区切りとしていた。
奪った金の処理は良かったと思うのだが、敵対する相手がとてつもない巨大な組織と思えず、主犯をあっさりやっつけてしまえば終わりじゃないのかと感じたのは天の邪鬼なのだろうか?
寡黙なドライバーを演じた主人公のライアン・ゴズリングもよかったが、人妻役のキャリー・マリガンの哀愁を感じさせる演技が作品を引き立てていたと思う。
ショッキングピンクのクレジットタイトルと、語学に堪能でない私は歌詞の内容はわからなかったけれど、聞こえてくる歌声は良かった。


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