おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

彩恋 SAI-REN

2022-07-19 05:49:30 | 映画
「彩恋 SAI-REN」 2007年 日本


監督 飯塚 健    
出演 貫地谷しほり 関めぐみ 徳永えり 細山田隆人
   松川尚瑠輝 奥貫薫 高杉亘 温水洋一 きたろう

ストーリー
ナツ、ココ、マリネは高校3年生の仲良し3人組。
3人とも一人親という共通点以外、性格や男のタイプなどまるでバラバラ。
小説家の父と弟との3人暮らしのナツは、一番大人っぽく恋愛経験も豊富で、家族を愛して友情にも厚い。
シングルマザーで未婚の母と暮すココは、小さい頃から男嫌いで姉御タイプ。
母の死依頼、父親に男手ひとつで育てられたマリネは、おっとりタイプの純情派。
ある日ナツは、遠距離恋愛中の大学生の恋人から一方的にフラれ、その直後に妊娠に気づく。
一方、ココの母とマリネの父がひょんなことから急接近し、ココは母に裏切られたような気持ちに揺れる。
そしてマリネはチャーミングだが性格的におとなしめで、電車でいつも見かける男の子に恋心を抱くが声も掛けられず悶々とする日々…。
18歳の彼女たちの乙女心はさまざまに揺れ動くのだった。


寸評
GOING UNDER GROUNDの「サンキュー」、くるりの「ばらの花」、SINGER SONGERの「home」と「初花凛々」、ohanaの「ヒライテル」、スキップカウズの「赤い手」、フラワーカンパニーズの「青い春」、髭(HIGE)の「Acoustic」と、ポップな音楽と共にスクーター(?)や自転車、飲食店のコップなど小粋なアクセサリーが画面を飾り、洒落た住居が映し出される。
シングルマザーのアッコちゃんも、二人の子どもを育てる冬樹もすこぶる立派な家に住んでいる。
そんなに稼ぎがあるの?とか、そんなに未成年にアルコールを飲ませて良いのか?などと、突っ込みを入れてはこの映画は楽しめない。
とにかくすべてが明るく、悩んでいる割には前向きで、青春かくあるべしだった。
年寄りの部類に入りかけている私には、今時の女子高生の会話はこんな風なのだと、カルチャーショックと共に、心地よい響きをもたらせてくれた。

女子高生の割には学校のシーンは屋上で将来を話し合いながら弁当を食べるシーンぐらいでほとんど登場しない。
彼女達にとっては学外の経験の方が彼女達のこれからの人生にとって大事な時間だった事を物語っていた。
実際、制服シーンはほとんど登下校の時だけなのだ。

母子家庭で育った自分としては、この映画に登場する母子家庭や父子家庭は羨ましいものがあった。
特に母親をアッコちゃんと呼ぶココと母親亜子の関係はまるで年違いの姉妹のようで微笑ましかった。
もちろん父親を冬樹、信一と呼び捨てにしている親子関係も。
ただこんなに甘やかして育ててよいものなのだろうか、この風潮が今の混乱をもたらしているのではないかと老婆心が沸いたのもまた事実。
少女漫画の空想世界のような気がするが、貫地屋しほりのスカートからはみ出した太い足が高校生としてのリアリティをもたらしていた。

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