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モンゴルへ再び 2009年6月編 その②

2009年07月15日 | モンゴル再訪・2009年6月

三日目(最終キャンプ地へ)

やはり夜通しのまとまった雨となった。

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・ホグで迎えたモンゴル三日目の早朝、am5:00。

明け方に雨はすっかり上がり、青空ものぞいているようだ。

いつまでも寝ていられない、モンゴルで川を目の前にしているのである。

早速、キャンプ場前を釣ってみる。

川はこんな感じ、かなり増水しているとのことだが、濁りには強い川のようで問題なく釣りにはなる。この川はこれから向かう本命河川のイチ支流の上流部らしい、少しでも反応があればいいのだが・・

                                                           

久し振りの大草原の真っただ中での釣り。

雨水をたたえた大草原を踏みしめ、上流部へ歩き、ココと思しきポイントをからかってみるもまったく反応は無い。

そんなに甘くは無いってこと。

わかってますって。

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・ジープに乗り込み、朝から移動を始める。

モンゴルの川には橋が非常に少ないのだが、稀にかかっている場所がある。

ヤギと羊の群れが移動中、我々はこちら側で彼らが渡り切るのを待つ。

この橋、どうやら私有物らしく近くの遊牧民がエッチラと木を組んで完成させたものらしい。

  

その彼らが副業よろしく通行料なるものを徴収する。

一応、橋のこちら側に木製の遮断機が降りている。これから察するに、‘この橋無断で通るべからず‘ という意思表示なのだと理解できる。

通行料だが煙草一、二本で済む時もあれば、復路では5.000トゥグルグ(日本円で¥350ぐらい)徴収していたのを見ると、かなりいい加減で人を見て通行料を決めているのがわかる。

5.000トゥグルグは結構いい値段の外国人料金だ、しかし他に橋も無く、今朝のような増水時はいかにジープでも渉河は難しいと思われるから、実際に助かるのである。

彼らだってもちろんそういう場所を選んで橋を架けているようだ。出来るだけ交通量の多そうな、ジープや馬でも渡れないそんな場所を。

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・ヤギ様ヒツジ様のお通りだ。

なにせ多勢に無勢だから待つしかない、メェーメェーとやかましく鳴き交わしながら渡ってくる。

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・丘を登り、見下ろし、また下る。

国境エリアに近づくにつれ、明らかに緑が増える。森が豊かになってくる。

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・モンゴル国境警備隊の詰め所に顔を出す。

あまり接近して撮影するとちょっと・・なのでいくらか離れて。

緑色の扉に描かれているのはモンゴル国旗にあるものと同じ紋章。

                                                           

我々外国人はここで国境エリアに滞在する許可をもらわなくてはならない。コレコレこういった者どもが釣り竿担いでウロウロします、決して怪しい者ではございません、と。

国境警備隊の詰め所と言ってものんびりしたもの、特に緊迫感も無く。

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・すぐ側では子ウシも日向ぼっこしながら、うたたねの真っ最中。

しかし実際はかなり寒い、長袖のフリースにゴアのマウンテンパーカーを着込んでちょうど良いぐらい。風も強いため、体感温度はかなり低い。

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・春を待ちわびた、大草原の草花たち。

ところどころで群生している様はまさに花畑。

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・次に出くわしたこの川に橋は無い。最深部ではウン十メーターはあるのだという、これをイカダと呼ぶかハシケと呼ぶべきか・・

ともかくこれが向こう岸に我々を渡してくれる唯一の手段である。

アルミボートをひっくり返して筏を組んであるらしい。幅60mから70mほどありそうなこの川には太いワイヤーが張ってあり、筏に付いているフックにそのワイヤーを引っ掛ける仕組みになっている。

このワイヤーをモーターか何か動力を使って巻き取るのかと思っていたら、岸際で待機していたオジサンが筏に乗り込み、なんと人力でエッチラオッチラ引っ張り始めたではないか。

結構な川幅、結構な流れの中を、人力だけで筏を岸へとたぐり寄せるのだ。

                 

モンゴル川渡しビジネスその2、である。末長く商売繁盛でありますように。

  

見ていると結構な需要があるようだ。常にどちらかに待ち客がいる。

この川はしばらくすると湖へと注ぐため、ここで渡らないと相当な距離を迂回しなければあちら側へは渡れないから、という理由であるらしい。

こちら側から一台乗せて向こう岸へ、降ろしたら向こう岸で待っていたバイクやらを乗せて綱引きよろしくワイヤーを引き引きこちらへと戻ってくる。 

往復で30分ぐらいかかるのだが、そこはモンゴルタイム、時間は青空に浮かぶ雲と同様にゆったりと流れてゆく。

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・一回の渡しに付き、一台ずつ。今度は我らがロシアンジープを乗せ、エッチラオッチラと。車だと一台に付き10.000トゥグルグ(¥700ぐらい)だったと記憶しているが、、

  

イカダ上のワイヤーとフックさせるための支柱にブルーの布が巻いてあるのが判る。旅の安全を祈る象徴である。

オボーなどでよく見かける。

  

ところで、なぜ橋を架け無いのか?とモンゴル人たちに尋ねてみてもどうも的を得た答えは返ってこない。

増水すると凄いから、とか面倒だからじゃない? という意見、お金がかかるからだよ、そんな答えもあったが橋の一本ぐらいさっさと作ってしまった方が結局は楽だろうに。

私的感想では橋桁に必要とされる強度から見てこの川は深く、流れも強過ぎるのだろう。そして面倒をやり遂げる適任者も不在なのだろう。

ま、いいか。彼らの国だ。

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・半日ほど走ったか。後ろに見える川は目指すそれの支流の上流。

この川に沿って下る。

ところどころの急斜面では危険なので運転手以外は全員下車し、歩いて丘を越えることもある。      

このロケ、嬉しくなっちゃう。

         

車で進めるだけ進み、そこから先はボートに乗り換え川を下る。

荷物は牛にくくりつけて陸路を行ってもらう。

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・ここで一頭、若いヤクを屠りその場で捌いた。

安易に残酷だなどと仰るなかれ、無駄な殺生とは訳が違う。

彼は15歳、黙々と最後までほとんど一人で捌き切る。

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・モンゴル再訪をご一緒させて頂いた皆さんと。川を下る前に。

最右が岡田さん、前回のモンゴルもご一緒させて頂いた。モンゴルには度々訪れるなど海外経験が豊富で頼りになるリーダー。ルアーで念願のメーター超えを果たせるか。

お隣は山中さん。モンゴル釣行は三度目、やはり海外経験が豊富でサハリン、カムチャツカなどを釣り歩いたツワモノであられ、フライフィシングをこよなく愛す御方。

そのお隣は永井さん。モンゴルは二度目、笑顔を絶やさない紳士はフライで大物に挑む。お手製のネズミルアーを頂いたが、素晴らしい出来栄えにはただただ感服した。

最左はワタシ。なんでワタシだけすでにパンツがこんなに汚いの?

                                                            

永井さんは現役バリバリ、岡田さんと山中さんはお勤めから解放されていくらか経つが、大変お元気。

体力にも驚くが、皆さん気持ちが若く、いくつになっても新しいものをこの目で見、実際に体感してやろうという気概がその言動からありありと窺えるのだ。

私もゆくゆくはこうありたいものだ。できる事なら、ね。

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・そしてもうひとりの重要なメンバーをご紹介、旅を最後まで一緒した通訳のヤギさん。

‘‘ 本当はもっと長い名前なんだけれど、慣れないから覚えられないでしょ? だから短くしてヤギって呼んで下さい‘‘ とのこと。

フルネームを一度聞いたが、確かに聞いた端から忘れた。モンゴル人の名前はおしなべて長く、発音も難しい。

彼はつい最近まで東京で10年近くも生活していたので日本語はペラペラである。骨太で少々いかつい顔付きは、男前なモンゴル男性の典型なのだ。

性根は優しく、気配りのできるイイ男。日本語で時々口にするジョークが妙を得ていて実に面白い、28歳。

手に持っているのは良いサイズのレノック。レノックという魚については後に詳細を。

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・川を下る。もうこの両岸共にジープでも走破は出来ない。

  

前夜の大雨で大増水・・見て下さいこの濁り。上流のどこかで、予想以上の降雨があったようだ。

この濁りを間近で見て、一同は一気に意気消沈する。

ここまで来て、これじゃ釣りにならん。

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・後ろでヤギさんらがオールを漕いでくれるので、そこはお任せ。

もちろんジャブジャブの浸水、さすがにそう簡単に転覆はしないだろうけれど結構なスリルが味わえる、この川下り。このサイズのボートに大の大人が6人乗り込むんだから、さもありなん。南無三!

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・あの雪山がもう眼前に迫るところまできた。

ボートで下れるだけ下り、最後は岩の多いエリアで危険が大きいために、下船して一時間ほど歩く。 

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・ここまで来たぜー!

          

この土地は豊かだ。雨に恵まれているのだろう。

花は風に揺れ、草原を歩けば虫が飛び交い、かろうじてだが森と呼べるだけの木々がここには在る。

すべてが圧倒的に、私が経験したモンゴルの他のどの土地よりも豊かなのだ。

 

 

そうとくれば、この川は・・!   

水辺の森を見て水中を考え、飛び交う虫を手で払いつつ、ついトラウトの顔を思い浮かべるのが我々釣り師の性であるからして、すでに頭は妄想で一杯なのも致し方無いことなのである。

  

ここのトラウト達はいかほどのものであろうか。

果たして我々を歓迎してくれるのだろうか・・

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・夕方、影が大地に長く伸びる頃になって、最終目的地であるロッジにようやく到着する。

こんな国境地帯、車も入れない奥地にこれだけしっかりとしたロッジとは、想像以上だ。

                                                           

ここをベースに、明日から丸々5日間みっちりと釣る。

とことん釣るのだ!

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・しかし・・

遥かな島国からはるばるやってきた釣り人の妄想を完全に打ち砕く、これが現実。

ロッジの真裏をこれだけの川が流れる理想郷、だがこの増水、この濁り、、、

この川を下って来たんだから、分かり切っている、動かしようの無い事実。だがどこか目をそらしてここまでやってきた。

                                                           

ロッジまで行けばもしかすると・・!?

そんな淡い期待を見事に打ち砕く、これこそが現実。

                                                           

明日からどうしよう・・

夕マズメ狙いで竿を出すが、もちろんアタリなんてない。

       

考えても仕方ない。

明日には明日の風が吹く、どうにかなるさ。

     

                                                          


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
takiさん (こだいら)
2009-07-18 14:42:36
takiさん

こんにちは。

ドカーンと釣れればいいんですけどね(笑)

鳴かず飛ばず・・?

どうぞ最後までお付き合い下さい。
返信する
前回のようにドカ~ンと最後に釣ってくれるのかな。 (taki)
2009-07-17 22:37:01
前回のようにドカ~ンと最後に釣ってくれるのかな。
それとも最初から飛ばすのかな。
なんだかワクワクします~
返信する
ぶんさん (こだいら)
2009-07-16 00:53:50
ぶんさん

ども!
お久しぶりです。

のんびりアップで申し訳ない、
ワクワクして読んで頂けるのは嬉しい限りです。


シイラですか、うまく出船出来ると良いですね~

ワタシは今日、シイラ予定だったんですが南の強風で断念・・残念・・

船酔いは薬を試してみて下さい。
ラインシステムは練習あるのみですね。
返信する
自分では行けない場所でのレポート。 (ぶん)
2009-07-15 21:25:01
自分では行けない場所でのレポート。
読んでいてワクワクしますよ。

今週末は仕立てでシイラを狙います。
船酔いが不安、ラインシステムはもっと不安!?
返信する
アラカッちゃん (こだいら)
2009-07-15 15:11:24
アラカッちゃん

こんにちは~

モンゴルタイムはゆっくりなんですが、釣り人タイムはマッハなので差し引きゼロでしょうか(笑)


おやおや

カニ歩きシューズゲット、おめでとうございます。
今日はOOの日だもんね?

さっそく、カニ歩きに出掛けましょうか?
メールでも下さい。

そうそう、別件ですがご帰宅したらPCのメールチェックして下さいな。
返信する
こんちわ! (アラカツ)
2009-07-15 13:26:37
こんちわ!

やっとベースキャンプ地に到着ですか!?
どこに居ても時間が経つ速度は同じなのにモンゴルではよりゆっくりと時間が流れ一日が長く感じそうですね!


次回からは漸くモンゴル釣行レポですか!?楽しみにしてま~す♪




あっ、今日やっとカニ歩き靴を買いましたよ!
σ(^_^;)
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