末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

のだカン、遂にドラマ化!

2006-08-25 23:48:11 | 音のはなし
少し前のニュースになりますが、あの 『 のだめカンタービレ 』 が、
10月16日からの月9枠で、ドラマ化決定なんだそうです。
おまけに、来年1月からはアニメ版の放映も予定されているとか。
詳細は、以下のサイトで確認できます。

 ◇フジTV ドラマ版公式サイト
 ◇原作者 / 二ノ宮知子公式サイト内 「 EASY TALK

先月から 「 のだめオーケストラ 」 の団員募集も行なっていたし、
もしや ・・ とは思ったのですが、なるほど。
オーディションの概要は、ドラマ化発表後、追加・差替がしてありました (笑)

ドラマ版主演の上野樹里ちゃんは、イメージ的には割りとOKかなぁ。
千秋役の玉木宏は、“ 鬼千秋 ” を如何にモノにできるかがカギ??
竹中直人のミルヒーは ・・ ノーコメント。

原作者のブログ によると、音楽関係は原作&関連書籍等でも関わっている、
N響の茂木さんと、都響が中心に担当するんですね。
難しいですよねぇ ・・ テレビは漫画と違い、実際に音を奏でないといけないから。
曲そのものに対する既存のイメージと、のだカンのキャラクターの個性とが
うまく噛み合わないと、原作ファンは絶対納得しないと思います。

まぁ、ウチは現在、TVを置いていないので見られませんが ( 苦笑 )

映像化の条件は 「 日本編 ( 9巻 ) まで 」 とのことですが、
フジTVのキャラクター紹介を見る限り、
ドラマ版のメインは、ラフマのP協2番絡みのエピソード ( 5巻 )までで、
6巻以降の内容は、エピローグとして少し触れるくらいでしょうか。
でも、なんで、清良が桃ヶ丘の学科生でAオケのコンミスなんて改変するの?
既にこの時点で、スケール感がこぢんまり ・・ というのは禁句ですか?

*~*~*~*~*~*~*~*~*

原作の 「 日本編 」 では演奏シーンの名場面がたくさんあります。
のだめと千秋を中心に、各登場人物の個性に焦点をあてた演奏も多いため、
それこそ、「 パリ編 」 を含めた全体からみても、
強烈な印象を残すという点では 「 日本編 」 のエピソードが、
かなり上位を占めてくると個人的には思います。
ということで、原作 「 日本編 」 でのお気に入りシーンを、
それぞれの楽曲の愛聴盤と共にご紹介。


 のだカン 演奏名場面 【 日本編 】

のだめ Best3&千秋 Best3



DECCA ( 輸入盤 421590-2 )◇ ラフマニノフ : ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
   ♪ のだめ ( No.1 ) & ♪千秋 ( No.1 )

   ♪ 独奏 / V・アシュケナージ ( ピアノ )
     演奏 / コンセルトヘボウ管弦楽団
     指揮 / B・ハイティンク
     録音 / 1984. 9.

    私がコンセルトヘボウ管にハマるきっかけとなった、記念の1枚 。
    < 主役はピアノ、オケはあくまで伴奏 > が基本の協奏曲で、
    それは変だろう? と言われても、事実なので仕方がありません (笑)

    P協2番ははじめ、長らく名盤と謳われている某録音を聴いてみたものの、
    ピアノの存在感云々より以前に、盛り上がりをみせる箇所での
    独奏と伴奏の微妙な乖離に落ち着かず、どうにも馴染めなかったんですよね。
    もともとピアノ曲との相性は今ひとつだしなぁ~と
    この時はあっさり、ラフマのP協を聴くことを放棄したのですが。。
    その後、アシュケナージ&コンセルトヘボウ盤の全集で聴いてみて、
    “ 求めていた2番は、これ!” と、幸せな出会いを果たしました。
    どちらが < 主役 > で < 伴奏 > かの線引きが意味を為さない程に、
    ピアノとオケが一つに融合して曲を奏でていることが、この盤の特長です。
    途切れることのない弦の波間に、降りそそぐようにおりてくるピアノの音。
    ピアノとオケの、主旋律と副旋律が入れ替わる際の滑らかな駆け引き。
    ここまで豊かにオケの音色を響かせて、全体を包み込んでしまう演奏は、
    一度とらわれたら抜け出せなくなること請合いの、クセになる1枚です。

    アシュケナージのラフマは標準的と言われているそうですね。
    彼にはロンドン響との全集 ( 未聴 ) もあり、そちらが一般的なようです。

DG ( 国内盤 UCCG-1182 )*~*~*~*~*~*~*~*~*
 のだめ関連のサイトで、
 千秋の演奏はこの系統では? と紹介されることが多い
 ツィメルマン盤は、一聴して世評の高さに納得の名演。
 独奏のピアノが素晴らしいのは勿論、
 伴奏に徹しつつも過不足なく歌うオケのバランスが見事。




EMI ( 輸入盤 7423 5 85908 2 1 )◇ エルガー : ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 作品82
   ♪ のだめ ( No.2 ) & ♪千秋 ( No.3 )

   ♪ 独奏 / H・ビーン ( ヴァイオリン )
          D・パークハウス ( ピアノ )
     録音 / 1971. 1. 1

    私はこの曲、のだカンを読んで初めて知ったのですが、
    CDを聴いた上で、あらためて該当シーンを読み直してみると ・・
    演奏がはじまる瞬間の張りつめた空気。
    楽器を構える千秋とのだめの表情。
    朝の静寂を打ち破るようにして音が鳴らされたコマからは、
    確かにエルガーのこの曲が聴こえてくるようで、まったく違和感がありません!  
    『 のだめカンタービレ 』 という漫画の表現力に、驚かされた瞬間でした。

    フィルハーモニア管のコンマスでもあったH・ビーンは、
    暖かみのある落ち着いた音色で、端正に曲を紡いでいきます。
    恣意的に過剰に揺らすよりも、こういう折目正しい演奏が私は好きです。
    安定した美しい響きの持ち主にしか為し得えないワザであり、
    一見、ストレートでシンプルな印象を抱かされる分だけ、
    却って、旋律そのものの持つ情感が胸に迫ります。
    滋味溢れる演奏とは、きっと、こういう事を言うのでしょうね。
    古めかしい雰囲気のエルガーにも良く似合っていて、ホント、おすすめ。



DECCA ( 輸入盤 475 6080 )◇ ベートーヴェン :
     交響曲第3番 変ホ長調 作品55 「英雄 」

   ♪ 千秋 ( No.2 )

   ♪ 演奏 / コンセルトヘボウ管弦楽団
     指揮 / E・クライバー
     録音 / 1950. 5.

    「 愛聴 」 という言葉を使える程、ベートーヴェンは聴いていませんが。。
    演奏は、毎度お馴染みコンセルトヘボウ管弦楽団ですが、
    こちらのお目当ては、名指揮者 E・クライバー。
    “ 天才 ” C・クライバーの父が振ったベートーヴェンを聴いてみたくて、
    コンセルトヘボウ管とのベト3、5、6、7が入ったBOXを購入しました。
    このベト3は、苛烈で、滾るような勢いでもって突き進んでいきます。
    のだめ流ピアノ版の “ いかずちー!” “ 大雨ー ” “ 足音 足音 ♪♪ ”
    ではないけれど、圧倒的なインパクトで、まさに “ 雷に打たれた ” という感じ。
    ちなみに、このBOXには父クライバー&ウィーンフィルによるベト3も
    収録されていて、いろいろ楽しみながら聴くことができる充実のセットなのです。

    のだカンの映像化は、正直、音楽面を中心に複雑な気分ですが、
    この曲のエピソードだけは、ちょっと見てみたいかなぁ。
    「 やるなら、ここだろ!!」 の、
    “ Sオケ流 ” ボーイングの箇所を確認したいので (笑)
    CDを聴いて想像してはみるものの、今ひとつハッキリわからないんですよ~
    でも、下手にイメージと違っていたら、それはそれで嫌だしな。。
    って悩んだところで、ウチにはTV無いから (^^ゞ



RCO ( 輸入盤 05004 )◇ ストラヴィンスキー :
     「ペトルーシュカ 」 からの3楽章

   ♪ のだめ ( No.3 )

   ♪ 演奏 / コンセルトヘボウ管弦楽団
     指揮 / M・ヤンソンス
     録音 / 2004. 10.& 2005. 2.  ※ライヴ録音
注意 こちらはオケ曲 ( 1947年版 ) のCDです !!

    「 ペトルーシュカ 」 は、オケ版を複数持っているので、
    ピアノ版は所有していません。
    あの、いかにも “ 幕開け ” と言わんばかりに、
    フルートによって奏でられる旋律がないと、
    何だか 「 ペトルーシュカ 」 を聴いた気になれそうもなくて。。
    ( だから画像は、手持ちのオケ版でジャケ的に一番お気に入りの
      ヤンソンス&RCO盤なのです。 紛らわしくてゴメンナサイ )
    なので、取り敢えず、私にとっての初ピアノ版 「 ペトルーシュカ 」 は、
    8月30日発売予定の こちら になりそうです。

    のだめが本選の舞台で即興してしまった第1楽章 < ロシアの踊り > は、

     シドレ_|ミレドシ |ラ_ラ_ |シ___|
    シドレミ |レ_ドシ|ラ_ラ_ |シ___|
    シドレ_|ミレドシ |ラ_ラ_ |シ_シ_|
    シドレミ |レドシラ |ソ_ファ_|ミ___ |
 の旋律が印象的な曲です。

    この1~4段目の流れを基本形に、順番を入れ替えたり、
    リズムを微妙に変えたりしながら、繰り返し演奏していきます。

     ソ_ドミ | ソラソミ |ファ_ファ_|レ___|
    ソ_シレ|ファラソファ| ミ_レ_|ド___ |
 な 「 きょうの料理 」 とは、

    リズムや音の上がり下がりが、確かに 中途半端に近い ですね。
    何気なく口ずさんでいたメロディーが、気づいたら違う曲になっていた ・・
    とかもそうですが、曲の混線って、割りとこのパターンが多いのかも。

    このエピソードが描かれている 「 Lesson47 ~ 48 」 は、
    「 47 」 の扉絵 ― あやつり人形風の姿でピアノを弾くのだめと、
    “ 彼に追いつきたくて ここまで ・・ ” の添え句からして、
    大いにハマってしまった、とても好きなお話です。




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