大きな声が辛いよ～

昨日、ゆうやは事業所から帰ってきて、とても沈んでいました。

めずらしく、全くおしゃべりをしません。
顔の表情も暗く、何かじっと考え込んでいました。

「どうしたの？」と尋ねても、「う～ん。」と言うだけです。
いったい何があったのでしょうか？

電車に乗りに外出している間も、ずっと静かだったそうです。
入浴後、再度「どうしたの？」と尋ねてもきちんとした返事が返ってきませんでした。

ヘルパーさん達が帰られて私と２人になったとき、ようやくゆうやはポツポツ話し始めました。

「今日ね、大きな声を出す人がいて、僕はとてもびっくりしたんだ。」
「そうだったの。」
「お母さん、ぼく、明日、休んでいい？」

ええ～？！
休む～？！

その後、私は、ゆうやにじっくり話をしました。

学校を卒業して社会人になったのだから、そうそう簡単に休んではいけないこと。
もしも大きい声を出す人がいて辛い思いをするなら、対策を立てると大丈夫なこと。

例えば、違う部屋に移動するとか、ラジオをイヤホンで聞くとかー。

するとゆうやの顔がぱ～っと明るくなってきました。

ゆうやも、社会人になったのだからそう簡単に休んではいけないことを分かっていました。
だからゆうやなりに、とても苦悩していたのでした。

今朝は事業所のスタッフの方に、ゆうやの障害特性と対策について改めて話をしました。
事業所の方も、そこまでとは思っておられなかったようで、朝は早速、イヤーマフを装着してくださることになりました。

頑張って、ゆうや。
大人になったら、簡単に逃げたらだめなんだよ。

私は心の中で応援しながら、ゆうやを見送りました。

ゆうやの社会人生活は始まったばかりです。
課題はこれからまだまだ出てくると思いますが、しっかり取り組んでいきたいと思います。


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