公衆の面前で～

ゆうやは、外出時に装具靴を履いて生活しています。

先日、装具靴の調整をして頂くために、「アルカ」靴店に行きました。
この日は、久世先生が来られて見てくださることになっていました。

ゆうやは靴と靴下を脱いで足の状態をみていただいた後、足型をとって頂きました。
その間、ゆうやはずっとおしゃべりをしていました。

「先生、田町と品川の間の新しい駅はもうできていますか？」
「いや～、まだなんだよ。」

その後、歩行の状態を見て頂くことになりました。
久世先生とマネージャーさんとでゆうやの両脇を抱えてくださり、ゆうやは少しずつ前へ歩き始めました。

時々、足が絡むため、ゆうやの後ろから女性の店員さんが付き添ってくださいました。
足が絡む度に、店員さんはゆうやの足を元に戻してくださいました。

ゆうやが歩き出すと、まわりに居られたお客さんや他の売り場の店員さんも大勢見守ってくださいました。
ゆうやは一生懸命、足を前に出して進みました。

ヘルパーさんが車椅子を持って待機してくださり、私も車椅子の側でゆうやを見守っていました。
ゆうやはクルリとUターンし、こちらの方に向きを変えました。

あともう少しで車椅子のところまで戻ってきます。
と、その時です。

何の前ぶれもなく、突然、ゆうやのズボンが膝までずり落ちました。
ギョギョ～！

こんな大勢の人の前で、ゆうやは紙パンツ姿を披露してしまいました。
後ろからついてくださっていた店員さんが、慌ててズボンを上げてくださいました。

皆、大笑い～。

ゆうやはというと、一瞬キョトンとした顔をしてから、笑顔で再び歩き始めました。
ズボンがずり落ちたことも少しも意に介さない様子でした。

ゆうやはやっぱり天然でした～。


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