ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

アメリカの大学生たちに同意!

2024-05-02 10:23:45 | 日記
きのう夕餉の食卓で、次のニュースを聞いた。

アメリカ・ニューヨークにあるコロンビア大学で、イスラエルによるガザ地区への攻撃に抗議して建物を占拠していたデモの参加者を警察が強制排除しました。
(中略)
現地の30日夜、日本時間の5月1日午前、大学側の要請を受けて大勢の警察官が窓などから建物内に入り、占拠していたデモの参加者の強制排除に乗り出しました。

(NHK NEWS WEB 5月1日配信)

このニュースを聞いて、私は「おお、頑張れよ!」と膝を打った。イスラエルによるガザ地区への執拗な、あまりにも非人道的な攻撃には、私もかなりの義憤を感じていたからである。

私はコロンビア大学の学生たちに強い共感をおぼえると同時に、どこか懐かしさを感じた。大学の建物を占拠する学生たちの姿には、奇妙な既視感があった。

私の脳裏によみがえったのは、半世紀あまり前に私自身が体験した学園紛争の記憶だった。構内には何枚ものタテカン(立て看板)が立ち並び、建物はバリケードで封鎖されていた。当然、授業は行われなかった。

あれは紛れもなく一過性の、熱狂的な「政治の季節」だったと思う。構内でデモをくりひろげる同年代の若者たちを、ノンセクトの私は遠くから眺めているだけだったが、その実、強いシンパシーを感じていた。

あれから半世紀が経った今、74歳のジジイになった私は、「あの熱気はなんだったのだろう?」と、懐かしさとともに思い返す。良くも悪くも、そういう熱気は今の日本の若者には少しも感じられない。

つらつら考えてみると、あの頃の日本の若者たちのパトスと、現在のアメリカの若者たちのそれとは、似て非なるものであるようにも思える。
現在のアメリカの学生たちのパトスは、パレスチナ・ガザ地区に非人道的な攻撃を繰り返すイスラエル政府と、それを支援するアメリカ・バイデン政権に向けられている。
半世紀前の日本の若者たちのパトスは、そういう具体的なターゲットにではなく、「国家」や「体制」といった抽象的な観念に向けられていた。

当時の全共闘の学生たちと、バリバリの右翼だった作家の三島由紀夫との間には、奇妙なシンパシーの関係が成り立っていたが、それは、この両者の矛先がいずれも「国家」や「体制」といった抽象的な観念に向けられていたからである。

アメリカの学生たちが憎悪を向けたのが、(パレスチナ・ガザ地区に非人道的な攻撃を繰り返す)イスラエル政府と、それを支援するアメリカ・バイデン政権である点からすると、それに近いのは、むしろ日本の「べ平連(ベトナムに平和を!市民連合)」の活動だったといえるだろう。1965年に小田実らによって結成された「べ平連」は、(ベトナムに非人道的な攻撃を仕掛ける)アメリカ政府と、それを支援する日本政府に「NO!」を突きつける活動だった。

昨夜はそんなことを考えながらベッドにもぐりこんだが、眠くならないので、YouTubeで当時の記録映像を見ていた。そのうちうつらうつらし、ふと目覚めると、70年代のフォーク&ポッポスが掛かっていた。私にとっての「懐メロ」は、もっぱらその類なのである。

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